書籍・読書

2008年07月07日

古書の街を散策

 
今年秋に刊行予定の航空技術関連書を監修する仕事を受けることになり、学生時代から使用してきた流体力学と空気力学に関する古い解説書が急きょ必要になっています。それで先週末からずっと探しているのですが、どこにも見当たりません。書棚にも、引き出しにも、倉庫にも!


引っ越しなどが重なって、破棄してしまったのでしょうか? なにせ、もうボロボロだったですからね。で、今日は代々木にある某出版社での打ち合せを終えた午後、神田神保町に足を伸ばして古本屋街を暗くなるまで何時間も歩き回りました〔写真〕。

何軒かで必要な古書を購入したあと、新刊本も買う必要があったので、その足で近くの大型書店へ。自動ドアを抜け、書棚と書棚の間に立ったとき、なぜかめまいがしてちょっと息苦しくなった気がしました。蒸し暑い外を歩き疲れたせいだけでなく、どうも新刊本を覆っているカバーの派手な色づかいに、精神的な拒絶反応を起こしたみたいなのです。

書籍カバーのカラフルな色など、最近はどこでも見慣れているはずなのに……。珍しく古本屋街で数時間を過ごした後だったからでしょうか。古本屋に並ぶ地味な装丁の書籍は、どこか気品のようなものがありますからね。それに比べ、新刊本の棚はまるで原色のペンキをぶちまけたよう。どんなに派手に着飾っても、本当に大事なのは中味の面白さなのですが。

「面白い」という言葉の語源は、面──つまり正面が白くなることだと、前に何かで読んだことがありました。手もとの『大辞林』にも「景色などが明るく広々としたところへ出て、目の前がパッと開ける感じ」とあります。白ではもう目立たないので、原色を総動員して読者にアピールしようというのが最近の風潮なのでしょう。めまいもするわけです。

──と、ここまで書いて、自分自身のことに思い当たりました。私の新刊『いますぐ飛行機に乗りたくなる本』も、カバーは鮮やかなスカイブルー。出版社からは「発売後の出足はなかなか好調です」と報告を受けているのでホッとしていますが、このカバー、購入されていく人たちの目にはどんなふうに映っているのでしょうね。

S.Akimoto at 23:37|Permalink

2008年06月20日

空の旅のエッセイ集

 
新著『いますぐ飛行機に乗りたくなる本』(発行:NNA、発売:キョーハンブックス)が、全国の書店に並び始めました。「空港と機内サービスとキャビンアテンダントと世界のエアラインの話」という長〜い副題にあるとおり、“空の旅とエアライン”をテーマにしたエッセイ集です。


このブログ『雲の上の書斎から』や運営するAll About『世界のエアライン』などの読者の声に応える形で、これまで各メディア等で発表してきた文章を大幅加筆し、新たに書き下ろしたものを加えて1冊に編みました。

すでにエアライン関係者の方々からは「とても読みやすく、飛行機好きのみならず多くの人が広く楽しめる本ですね」といった嬉しい声も届いています。東京駅近くの八重洲ブックセンターでは、地下1階の地図・旅行関連書の売り場に専用のコーナーを設け、大々的にキャンペーンを展開してくれているそうですよ〔写真〕。今年9月には同書店の8階ギャラリーで著書に関する講演会の開催も予定され、その準備もスタートしました。

出版元であるNNAの編集スタッフたちも「日経各紙やサンデー毎日などの媒体に今後、積極的に広告を打っていきたい」と、PRに一丸となって頑張ってくれています。とにかくこの1冊には、私がこれまでつづってきたエッセイの中で、面白いテーマや反響の大きかった話だけを集めました。本書がたくさんの読者の元に届くことを、心から願っています。

S.Akimoto at 12:15|Permalink

2008年04月09日

出版記念パーティ

 
下の写真。私をはさんで向かって左側がエアバス・ジャパン広報マネージャーの野坂孝博さん、右側がシンガポール航空日本支社広報部長の壬生塚明さんです。昨日、私の新著『エアバスA380まるごと解説』の出版記念パーティが東京・有楽町の外国特派員協会であり、お祝いに駆けつけてくれました。


会を企画してくれたのは、ルフトハンザの広報PRマンとして私とはつきあいの深い東京宣広プラネット代表の伊藤万里夫さん。で、All About『美食の旅(海外)』ガイドの古屋江美子さんが幹事役を引き受けてくれました。10日前に急きょ決まった話なので、どうかなと思っていたのですが、たくさんの方々が顔を見せてくれたのにはちょっとビックリです。

エアライン関係では、ほかにJALニュージーランド航空から。また航空評論家の大先輩やカメラマン、マスコミでは毎日新聞、朝日新聞、共同通信、スポーツニッポンなどの記者仲間も来てくれました。小学館『ラピタ』の副編集長やトラベルビジョンの編集長とも久々に乾杯。そして出版元のソフトバンククリエイティブからもサイエンス・アイ編集部のみなさんや、私も参加するAll Aboutのスタッフ&ガイド仲間たちも大勢集まってくれました。

あまり派手な舞台はちょっと──と最初は遠慮していたのですが、こういうパーティはいいものですね。5月には別の出版社から“空の旅とエアライン”をテーマにしたエッセイ集が刊行になるので、またやってもらおうかな(笑)。たくさんの親しい仲間たちに「おめでとう」って言われて、チヤホヤされるの、けっこう嬉しいし。

S.Akimoto at 10:05|Permalink

2008年03月24日

スカイチームで世界一周

 
最近よく耳にするのが「世界一周」という言葉。世界一周なんて以前は夢のまた夢と思われていましたが、スターアライアンスをはじめとするアライアンス各社の「世界一周航空券」の登場で、夢の旅がにわかに現実味を帯びてきました。


自分もいつか世界をぐるっとひと回りしてきたい。定年退職したら実現したいな。そんなふうに言う人たちに「私はもう経験済みなんですよ」と話すと、みんな目を丸くしてびっくりします。どのルートで? いつ? どこのアライアンスのチケットで? 質問攻めに遭うことも多いので、ここでみなさんに報告しておきましょう。

私が使ったのはスカイチームです。まず東京からニューヨークへはノースウエスト航空で飛び、ニューヨークからパリまではエールフランス航空を利用、そして帰りはロシアのアエロフロートでモスクワを経由して東京に戻ってきました。実現したのは、もうずいぶん前のことです。そう、まだ「世界一周航空券」なんてこの世に誕生していなかった、ずっとずっと前──。

種明かしをすると、じつはこれ、たまたまそうなったというだけの話です。ニューヨークで人に会う仕事があって1週間ほどの予定で飛んだときに、急きょパリに用事ができ、帰国して改めて発つのは面倒なのでNYでチケットを手配してそのままパリへ。で、せっかくのヨーロッパなので少し休暇を取ろうと、パリから列車を乗り継いでスイスのジュネーブやイタリアのローマを訪ね、ローマからはたまたまチケットが取れたアエロフロートのモスクワ経由便で帰国した──というのが正直なところです。

“同じアライアンスを使い、太平洋と大西洋を一度ずつ横断して地球を1本の線でつなぐ”──というのが「世界一周航空券」のルールだそうで、だったら私はもう経験済みだということに思い至りました。ノースウエスト航空もエールフランス航空もアエロフロートも、いまは同じスカイチームの一員ですしね。もっとも、パリからジュネーブやローマへは列車での移動で、また当時はスカイチームなんてものもなかったわけだから、これで「世界一周を経験した」なんて言ったらきっと怒られるかな?

手元にいま、『世界一周NAVI/世界一周航空券完全ガイド』(イカロス出版)という本があるのですが、これがなかなか面白い〔写真〕。みなさんもぜひ読んでみてください。夢に向かって、すぐにでも行動を起こしたくなりますよ。

S.Akimoto at 20:49|Permalink

2008年03月15日

エアバスA380の著書刊行

 
昨年9月にソフトバンククリエイティブ社から出した前著『みんなが知りたい旅客機の疑問50』につづき、同じ「サイエンス・アイ新書」シリーズの1冊として本日新たに『エアバスA380まるごと解説』が刊行になりました。


サブタイトルは──「ジャンボジェットを超えるオール2階建て巨人機の開発から就航まで」。昨年10月25日のシンガポール航空によるシンガポール/シドニー線でのA380世界初就航便の搭乗レポートを中心に、同機の構想から完成までの全歩み、機体を構成する先進テノクロジーの数々、さらにベールを脱いだシンガポール航空の超ゴージャスな3つのクラスのキャビンなどをカラー写真もふんだんに使って解説しています。

ちょうど今週、シンガポール航空から、5月20日のA380東京線就航が発表になりました。まだ2カ月ほど先になりますが、ファンたちの期待は高まっているようですね。興味のある方は、ぜひ書店で手にとってみてください。いま最も注目のエアバスA380に、読めば乗った気になっていただける1冊だと思います。

S.Akimoto at 12:00|Permalink

2007年09月14日

著書刊行のお知らせ

 
著書『みんなが知りたい旅客機の疑問50』が、ソフトバンククリエイティブの「サイエンス・アイ新書」シリーズの1冊として発売になります。これまでたくさんの読者の方々から寄せられた旅客機に関する質問について、いつかまとめて答えたいという思いから筆をとりました。


全体を5つの章で構成し、第1章では「機体の疑問」を、第2章では「飛行の疑問」をピックアップ。さらに第3章では「キャビン」について、第4章では「コクピット」について、第5章では「空港と整備」についての疑問を取り上げ、私自身の体験やエピソードを中心に客室乗務員やパイロットに聞いた話などを盛り込みながら、エッセイ風に解説しました。

原稿を書き進め、いよいよ本にするという段階になって、編集者との間で少し迷ったのが表紙をどんなデザインにするかです。私の考えとしては、表紙を飾るのはやはり“旬”な機体がいい──たとえば、この秋にデビューするエアバスA380のような。そこで画像提供に名乗りをあげてくれたのが、ルフトハンザでした。

帯にはルフトハンザのロゴ入りのA380が力強く離陸していく写真を、そして表紙にはあえて機体を真正面からとらえた写真を配置。この写真はA380らしい堂々とした風格があって、とても気に入っています。これから10年、20年と世界の空を飛ぶことになるA380と同じように、本書も読者のみなさんに長く読み継がれるものになれば──と願っています。

S.Akimoto at 19:43|Permalink

2007年06月12日

夢はヒコーキの“運転手さん”

 
「ボーイング747-400の貨物機もだいぶ増え、自分たちの役目も少しずつ終わりに近づいている感じがします」──フライトエンジニア(航空機関士)としてJALに勤務する友人がアンカレッジ空港からくれた連絡に、そんなひと言が添えてありました。


“ハイテクジャンボ”と呼ばれた747-400〔写真〕の登場以来、コクピットは従来の「3人乗務」から機長と副操縦士のみの「2人乗務」が主流に。フライトエンジニアの仕事は確実に減り、現在は貨物便の集結地となっているアンカレッジへのフライトがメインになったと友人は話します。その貨物便にも2人乗務の747-400が使われ始め、自分たちの引退も近いと彼は感じたのでしょう。

淋しい気持ちは私にも伝わってきます。が、その一方で勇気づけられるのが、「空の仕事」をめざす若い人たちが跡を絶たないこと。中でもCA人気は根強く、最近はCAをめざし始める年齢層もぐっと下がって、あるCAスクールのWebサイトには小中学生からの問い合せも増えているとか。そんな声に応えようと、子供向けにCAの仕事をわかりやすく伝えるサイトを開設したという方から先日、All About『世界のエアライン』へのリンク依頼なども届きました。

子供たちが憧れるのはCAだけではありません。以前に書いたBlog「大空への夢・憧れ」でキティちゃんのパイロットになるまでのストーリーを描いた『ハローキティのパイロットになりたい』(酣燈社)という絵本を紹介したところ、ある女性から次のようなメールが届きました。

「書店で絵本をぱらぱらとめくってみらたらとても面白そうだったので、さっそく購入して5歳になる娘に読み聞かせました。以来、娘は口癖のよううに『わたし、ヒコーキの運転手さんになるんだ』と言っています。最近はパイロットの仕事にますます興味をもち、飛行機の図鑑などを夢中で眺めています」

去り行く人たちもいれば、新たに門を叩こうとする人たちも出てきて──これが時代の流れなのかも知れませんね。いずれにしても、航空というステージが多くの人たちに夢を与える場であり続けてほしい。ファンの一人として、そう願わずにいられません。

S.Akimoto at 09:32|Permalink

2007年03月16日

大空への夢・憧れ

 
今年──2007年は、戦後の1947年から1949年に生まれた“団塊世代”が定年(60歳)を迎え始める年。エアライン業界でもベテラン機長が相次いで退職し、国土交通省では今後5年間で毎年50人〜100人のパイロットが不足すると予測しています。


そんな中で最近、ちょっとユニークな絵本が発売になりました。その絵本とは──『ハローキティのパイロットになりたい』(酣燈社)。空に憧れるキティちゃんの、パイロットになるまでのサクセスストーリーを描いたものです。

夢を叶えるためにキティちゃんはハワイに留学し、パイロットのライセンスを取得。夜間飛行やクロスカントリーの経験を積み、帰国後にエアラインの試験を受けて念願のパイロットになります。一方でボーイフレンドのダニエル君も、エアラインの自社養成コースでパイロットに。このハッピー・ストーリーを手にとることで、空に憧れる女の子が増えるかも知れませんね。

ちなみにこの絵本の編集を担当したのも女性です。製作にあたってはJALJALエクスプレスの協力で綿密なパイロットの取材も行ったというだけに、内容は航空ファンの大人もけっこう満足できるもの。彼女は「現場のパイロットの話は面白く、とても勉強になりました」と話していますが、もしかして本人も空への憧れがあり、自らのその夢をこの絵本に託したのかな?

S.Akimoto at 07:33|Permalink

2006年12月07日

旅好きにイチオシの一冊

 
刷り上がったばかりの『航空旅行ハンドブック/国際線版2007』〔写真〕がつい先ほど、イカロス出版編集部から送られてきました。さっそく、ページをめくってみると……。


巻頭カラーは、今年で国際線就航20周年を迎えたANAの特集です。航空写真家の伊藤久巳さんが「New Style, CLUB ANA」を利用した成田/シカゴ線の搭乗記を発表。同じく航空写真家の小栗義幸さんは、国際線機内サービスの開発の舞台裏などをレポートしています。

『月刊エアライン』の連載企画「世界オフライン紀行」でおなじみの写真家、チャーリー古庄さんも登場します。今回、古庄さんが向かった先は、アフリカのエチオピア。エチオピア航空で香港からバンコクを経由し、首都アジスアベバまでのフライトの様子を情緒豊かにつづっています。

私の相棒であるAll About『エアチケット』の鳥海高太朗さんも、ANAの世界一周運賃やマイレージプログラムの最新活用術について執筆しています。とくにマイレージ活用術は、とても役立ちそう。ユナイテッド航空ノースウエスト航空JAL、ANAの4つのプログラムについてそれぞれ詳しく解説されていますので、これから海外旅行を計画している方はぜひ活用してみてください!

私も、「ザ・キャビン 2007」と題する8ページの文章を寄せました。この1年間にエアライン各社が導入・発表したシートや機内設備について、各クラス別に最新のトレンドを探るレポートです。全体として、空の旅の楽しみから実用情報までが一冊に凝縮された、航空旅行ファンにはイチオシのムックですので、書店で見かけた際にはどうぞ手にとってみてください。各書店には、明日8日から並ぶと思います。

S.Akimoto at 15:35|Permalink

2006年08月22日

超音速飛行にかける夢

 
この8月25日(金)に、私が監修・解説しているDVD作品『コンコルド1976〜2003──超音速飛行の27年』〔写真〕がナウオンメディアから発売されます。興味のある方は、ぜひ手に取ってご覧になってみてください。世界中のファンたちを魅了してきたコンコルドの、27年間の記録です。


2003年5月30日、ニューヨークへ向かうエールフランス航空のファイナル便がシャルル・ド・ゴール空港を離陸。そして同年10月24日にはブリティッシュ・エアウェイズも最後の営業飛行を終え、コンコルドは後継機の登場を待たずして姿を消しました。

しかし、SSTの歴史がこれで終わったわけではありません。日仏の航空宇宙工業界は2005年6月の「パリ航空ショー」の席で、コンコルドの後を継ぐ新SSTの開発に向けて共同研究することで合意・調印。今年7月には、ワークショップ(共同研究会)をこの秋にも東京で開催することが発表されています。

DVD作品をご覧になった方々が再び超音速飛行の夢とロマンを共有し、その思いが大きな意思となって、最前線の研究者・技術者たちを駆り立ててくれるといいですね。本日、All About『世界のエアライン』に、作品を紹介する記事をアップしました。

≫≫≫「コンコルド──超音速飛行27年間の記録

S.Akimoto at 19:08|Permalink
Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各媒体にレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『空を飛べるのはなぜか』『これだけは知りたい旅客機の疑問100』(サイエンスアイ新書)『羽田空港のひみつ』(PHP新書)『ANAとJAL──こんな違いがあったのか』『飛行機はなぜ、空中衝突しないのか?』(KAWADE 夢文庫)など著書多数。

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