シート&設備

2016年07月15日

超大型機は時代遅れ?

 
Blog更新がやや途絶えていますが、この間、エアバスがA380を減産するというニュースが入ってきました。現在の月産3機体制から2018年に月産1機に。燃費効率のいい次世代機ボーイング787やエアバスA350XWBに比べて、A380のエアライン各社からの受注が伸びていません。超大型機の時代は終わってしまうのか? 淋しい思いが込み上げてきます。

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A380という機種について私は構想・開発段階から取材を進め、世界で最初に本にもしました。シンガポール航空のデビューフライト(シンガポール〜シドニー線=2007年10月)にも搭乗。以来、各社の初就航便などを中心にフライト体験を重ねて、A380がますます好きになっています。

ここ数年は成田路線からA380を撤退するエアラインも相次ぎましたが、日本から乗れないのであればソウルまで行って大韓航空のパリ行きで長時間フライトを楽しんだり、ドバイからエミレーツ航空でモーリシャスへ飛んだりもしました。

そんなファンの一人として、ノスタルジックな思いも込め、A380減産についての文章を今朝から書き始めました。もうすぐ書き終えて、旅行・観光専門サイト『トラベルボイス』に送ります。来週には公開になると思いますので、また報告します。

S.Akimoto at 10:02|Permalink

2016年06月16日

スカイスイートIII

 
今週末の18日(土)に、国際線ビジネスクラスの新しい座席「スカイスイートIII」を搭載したJALのボーイング777-200ERがいよいよベールを脱ぎます。デビュー路線は羽田/バンコク線で、8月には羽田/シンガポール線に、2017年1月以降にはホノルル線へと順次拡大する計画。空の旅がまた快適さを増しそうです。

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スカイスイートIIIの搭載機にはほかにプレミアムエコノミーのシート「スカイプレミアム」と、足元スペースを最大約10センチ拡大したエコノミーのシート「スカイワイダー」をレイアウト。これまで245〜312席で運航してきたJALの777-200ERが、ビジネス42席、プレエコ40席、エコノミー154席の計236席に変わります。

デビューの日に、本当は私も羽田からバンコクへ飛び、新型ヘリンボーンシートを体験してくる予定でした。早い時期から予約も入れておいたのですが、あいにく仕事が立て込み、今回のフライトは断念。せっかくバンコクに飛んでも、1泊程度で帰国しなければならないため、時期をずらすことにしたのです。

執筆中の大物をしっかりと片づけ、仕切り直しをして、夏の終わりか秋の初めにJAL便でのバンコクの旅を計画したいと思います。

S.Akimoto at 10:44|Permalink

2015年06月28日

リッチな中間席

 
先日行ってきた北欧の旅の話です。成田からの往路は雲の上で誰にもじゃまされず仕事に集中したかったので、JALがボーイング787にも導入したプライベート感の高い個室型のビジネスクラス「SKY SUITE」を利用しましたが、帰国便でははじめてプレミアムエコノミーの「SKY PREMIUM」を体験。これが、なかなか快適でした。


まず、シートがいい。ビジネスクラスとエコノミークラスの中間の独立したキャビンに、2本の通路をはさんで横一列を“2-3-2”でレイアウト。シートピッチ(前後間隔)は107センチもあって、足もともゆったりです。昔のビジネスクラスより上だ、と感じました。隣席との境にあるひじ掛けも広がり、他人と腕がぶつかるという不快な思いをすることもありません。シェル型設計なので前の席の背もたれが倒れてくることもないし、可動式のフットレストやヘッドレストも装備してあるので、自分にぴったりのポジションに調整できます。

食事は、さすがにビジネスクラスのクオリティまではいかないですが、芋焼酎の「富乃宝山」やシャンパンなどのお酒をオーダーできるのがいい。機内での食事は酒のつまみ程度にしか食べないので、私には十分です。プレミアムエコノミーはかつての「エコノミーにちょっとだけサービスを付加しただけのクラス」というイメージから、ずいぶん進化した印象を受けました。

もちろんビジネスクラスも進化しているので、それと比べるとやっぱり落ちます。でも、ちょっとした旅行でポンとビジネスクラス料金を出せる人は、そうはいません。私だってそうです。行きは満席でしたが、帰国便はわりと空いているという情報を聞いて新しいプレエコを試してみる気になりましたが、これが大当たり! 隣の席に誰も来なかったので、窓側の2席を独り占めしてヘルシンキから成田までの9時間35分のフライトを満喫しました。

S.Akimoto at 01:50|Permalink

2015年01月21日

当日アップグレード

 
今週初めの飛んだ沖縄は、ANAの「プレミアムクラス」を利用しました。そんな贅沢を──と思う人がいるかも知れませんが、安価に“贅沢”を手に入れる裏技があります。その裏技とは、当日アップグレード! 事前予約が基本ですが、出発の当日にプレミアムクラスの空席がある場合、空港で割安の追加料金を払ってアップグレードすることができるのです。

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ANAの那覇線のプレミアムクラスは、約1カ月前に「旅割28」でチケットを購入すると、片道運賃は約3万2,000円。普通運賃は約1万6,000円ですので、差額は1万6,000円です。しかし出発当日に空席があれば、半額近いの9,000円でアップグレードが可能。有料での空港ラウンジ利用やレストランで食事をする場合などを考えると、ラウンジも使えるし機内で食事は出るしで、このアップグレード料金はとてもリーズナブルです。

それに対してライバルのJALの上級クラス「クラスJ」は、事前予約でも当日でも追加料金は同じ1,000円だけ。私はほとんどの国内移動で必ずクラスJを予約します。羽田から福岡、新千歳、伊丹、那覇の一部の便に設定さている「JALファーストクラス」も、追加料金は8,000円なので決して高くはありません。1席の占有スペースは普通席の2.7倍もあり、隣の席とは木目調のコンソールで仕切られてプライベート感もバツグン。利用する時間で違いますが、機内では食事や軽食、茶菓が提供され、飲み物にはシャンパンや日本酒などのアルコール類も揃っています。

当日アップグレードなら、さほどの負担にはなりません。たまには贅沢に旅してみると、気持ちがほっこり温かくなります。

S.Akimoto at 09:41|Permalink

2014年11月04日

窓側ソロシート

 
行楽の秋の3連休──みなさんはどこかへ出かけましたか? 私は相変わらず書斎にこもっての原稿書きでした。月末の入稿に間に合わなかった仕事を、昨日までの3日間ですべて終え、今日は成田空港の第1ターミナルに来ています。ところで、先ほどfacebookで出したクイズの答えは、機種が「エアバスA380」で航空会社は「タイ国際航空」でした。


これから向かうのは、タイのバンコク。バンコクには昨年から今年にかけて何度か訪れていますが、A380で運航するTG677便(17時30分成田発)を利用するのは、同社のA380のデビューとなった2013年元日の就航初便を航空写真家のチャーリィ古庄氏と取材して以来。「スタッガード型」のシートが配置されたご覧のビジネスクラスでの旅も、約2年ぶりです。

スタッガードとは、英語で「互い違いの」「ジグザグの」という意味。その名のとおり、シートが前後で互い違いに、2本の通路をはさんで横一列に“1-2-1”のレイアウトで配置されています。ANAをはじめスイスインターナショナルエアラインズアリタリア-イタリア航空など、最近はこのスタッガード型を採用するエアラインが増えました。

カップルで利用する場合は中央の隣合わせの席がおすすめですが、一人で乗るなら窓側ソロシートの、物置テーブルが通路側でシートが奥(窓際)にある席がベスト。本当に落ち着きます。私も事前予約で「A」列を確保しました〔写真〕。プライベート感が抜群に高いこのシートで、間もなくバンコクまでの約7時間のフライトに出発します。

S.Akimoto at 16:45|Permalink

2014年10月01日

“雲の上”から再び

 
トルコのイスタンブールから戻ったのもつかの間で、またまた“機上の人”に。今日は羽田からドイツ・フランクフルトへ向かうルフトハンザLH717便の機内が、私の書斎です。食事を終えてから始めた原稿書きを中断して、休憩がてらノートPCを機内Wi-Fiにつなげ、シベリア上空でこのBlogを書いています。


長めの休みをとってはあちこち海外を放浪していた若いころと違って、最近は「行ったことのない国に行く」という旅ができません。渡航回数は年々増えても、目指すところはほとんどが「過去に訪れた国」というのがここ10年来のパターンです。なかでも毎年必ず1回は行くのがドイツ。今回も、ルフトハンザの本社主催のイベントがあり、それに出席するため羽田からの便をとりました。フランクフルトは去年の12月以来ですから、約10カ月ぶりになります。

ルフトハンザが羽田からフランクフルトへの路線で使用しているのは、ボーイング747-400。ご覧のビジネスクラス・シートも、これまで何十回と利用してきました。シェル型のライフラット・タイプで、180度水平になるフルフラット型が当たり前になった昨今では、古くなった感が否めません。ですが、偶然この便に知り合いのCAさんが乗務していて、隣が空いている窓側席を用意してくれました。「お仕事に集中できますように」と。ラッキーです! ルフトハンザは今年10月26日以降の冬スケジュールから、羽田線に次世代ジャンボ747-8の導入を予定しています。それに合わせてシートもフルフラット型の最新のものに切り替わるので、使い慣れたこのシートでの旅も今回が最後になるでしょう。

背もたれをやや深めに倒してリラックスポジションに変え、もう少し原稿を書き進めたら、到着後に備えて休もうと思います。その前に、冷えたドイツの白ワインをもう一杯、CAさんにお願いしようかな。

S.Akimoto at 17:00|Permalink

2014年08月18日

太平洋上空から

 
オフィスとして使っている自宅の一室を私は「雲の上の書斎」と呼んでいますが、ときどき本当に「雲の上」で仕事をします。つまりは、移動中の飛行機の機内で。今日は成田から米国アトランタに向かうデルタ航空の機内が、私の書斎になりました。太平洋の上空から現在、このBlogを更新しています。


3カ月ほど前にも一度、JALの国際線Wi-Fiサービスを使ってニューヨークへ向かう機内からBlogを更新しました(2014年5月21日のBlog参照)。同様なサービスの実現に取り組むエアラインが最近、増えています。いま乗っているデルタ航空も、今年3月からアトランタ線やニューヨーク線、ロサンゼルス線などで運航するボーイング747-400でインターネット接続サービスを開始。「保有する16機の747-400のうち、これまで15機に導入が完了した」と広報の人が話していました。

米国への出発前に提出予定だった原稿が終わらず、こうしていま機内で仕事を継続しているわけですが、ネットで必要な情報にアクセスしたりメールのやりとりもできるので何ら不便を感じません。まさに「移動オフィス」です。とりわけデルタ航空が747-400に設置しているビジネスクラスは、プライベート感が抜群に高く、ホテルの一室にいるような感覚で書き物に集中できる。進行方向に向かってシートを斜めに配置する「ヘリンボーン型」を改良し、窓側席では足先が窓を向くように座席を配置しているため、周囲の乗客がまったく気になりません〔写真〕。

書かなければならない原稿がたまると、以前は渡航を控えてきました。ですが、10時間を超えるフライトで誰にも邪魔されずに仕事に集中できるのなら、むしろ積極的に海外に出るのも悪くありません。欧米への長距離便でよく利用するエアラインのうち、私がとくに評価するのがデルタ航空のこの“進化型ヘリンボーン”シートと、JALの777-300ERに搭載された個室タイプの「JAL SKY SUITE」です。この二つは、今後も「雲の上の書斎」のサテライトオフィスとして、積極的に活用していきたいと思います。

S.Akimoto at 21:02|Permalink

2014年07月16日

決勝戦は雲の上で

 
応援していたアルゼンチン代表は負けてしまったものの、サッカーW杯ブラジル大会の決勝戦──最後まで目が離せないいい試合でした。翌日は寝不足で辛かったですが、この決戦を生で観ることができて、本当にラッキーだったと思います。出張などがぶつかっていたら、この感動は味わえなかったわけですから。


──と思いきや、じつはそうでもないことが判明しました。決勝戦の模様を、移動中の機内で生で観戦した人が、世界に4万人もいたというのです。高度1万メートルの雲の上で!

エアラインの機内サービスはどんどん進化し、とくに上級クラスでは各シートに装備されるモニターも大型化しています。映画や音楽のほか、テレビ番組もオンデマンド配信で放送時間より後になって視聴できるようになっていますが、最近はスポーツイベントなどを中心に生でリアルタイムにテレビ観戦できるサービスも広まりつつあるのだとか。今回のW杯決勝戦も、ルフトハンザトルコ航空エミレーツ航空など9社が運航する約200機で視聴可能だったことが報告されました。

先ほど季刊『航空旅行』のFacebook Pageにもアップしたご覧の写真は、エミレーツ航空が誇る豪華ファーストクラス「プライベートスイート」です。個室型シートで、正面には大型モニターが完備。ここでワインを飲んでくつろぎながらのサッカー観戦は、最高だったでしょうね。エミレーツ航空の“凄さ”については、中東のエアラインにフォーカスした同誌夏号(Vol.10)で余すことなくレポートしました。今月30日に発売です。

S.Akimoto at 00:03|Permalink

2014年06月25日

砂漠の国のキャリア

 
私がアドバイザー役を務める季刊『航空旅行』の夏号(Vol.10=7月30日発売)は、中東を特集します。砂漠の国を代表する3社(エミレーツエティハドカタール)が巻頭特集で揃い踏み。なかでもこれまで厚いベールに包まれていたエティハド航空については、本誌では“美食ハンター”で知られるトラベルライターの江藤詩文氏と、私ともよくコンビを組む写真家の中西一朗氏が取材しました。


同社の内部にここまで入り込んだのは、旅行系メディアでは初めてかも知れません。「充実した取材ができた」と、先週土曜日に帰国した江藤・中西の両氏からも報告を受けています。

エティハド航空は2003年に設立された新しいエアラインながら、すでに世界80以上の都市へ翼を広げています。日本路線は、メイン拠点であるラブ首長国連邦(UAE)のアブダビへ成田からの直行便と、中部から北京を経由しての便を運航。日本線には残念ながらクラス設定はないものの、発表された最新の「ダイヤモンドファーストクラス」は話題を集めました〔写真〕。贅沢な空の旅を“独立スイート”で刷新し、乗客一人ひとりに快適な時間と空間を提供しています。考えてみれば、旧ファーストクラスが導入されてからまだ3年しか経っていません。プロダクトやサービスの向上に向けたこうした惜しみない投資を可能にしているのは、やはり中東系キャリアならではの潤沢な資金力でしょう。

そんなゴージャスなキャビンも、二人はアブダビで取材してきたようです。「これは飛行機の機内というより、まるで“家”です。本社の英国人マネージャーも『ここなら住めますよ』と言って笑っていました」と江藤氏。来月発売の夏号の誌面でそんな取材報告を見るのが、私もいまから楽しみです。

S.Akimoto at 00:05|Permalink

2014年04月16日

超ゴージャス

 
世界のエアラインの中で、どこのサービスが一番いいか? 人によるもてなし、という面では日系2社がやっぱり抜きんでていると思いますが、キャビンプロダクト(シートや機内設備)の進化に関しては中東勢の快進撃が止まりません。砂漠の国のエアライン──エミレーツ航空カタール航空エティハド航空の3社です。


急成長を続けるUAE(アラブ首長国連邦)のドバイを拠点に、世界6大陸へネットワークを広げるエミレーツ航空。同社はオール2階建て機エアバスA380を140機もオーダーし、オイルマネーの力を見せつけました。雲の上で熱いシャワーを使える世界でも唯一の機内シャワー&スパの施設は、あまりに有名です〔写真は2階席にあるバーラウンジ〕。

同じUAEのアブダビを拠点とするエティハド航空も、サービスクオリティの高さではエミレーツ航空に引けをとりません。日本人ビジネスマンの間でも、ヨーロッパへアプローチするハブ空港として利用されるケースが増えました。あえて中東経由のフライトを選択する理由は、やはり多くの時間を過ごすことになる機内の設備の充実度でしょう。日本路線には残念ながらクラスの設定はないものの、新しい「ダイヤモンドファーストクラス」のゴージャスさは特筆に値します。そしてもう1社、カタールのドーハを拠点とするカタール航空も、そのプロダクトやサービスに対する評価は極めて高い。英国の調査機関スカイトラックス社から「5つ星エアライン」に認定され、日本からの利用者も年々拡大しています。

以上のような「中東勢はスゴいぞ!」という報告を、昨日発売された雑誌『Pen』(5月1日号)で書きました。興味があれば、読んでみてください。この号はエアラインを大々的に特集していて、アメリカ、オーストラリアと続いた海外取材の合間に他にもちょろちょろっと書いています。

S.Akimoto at 23:57|Permalink

2013年03月09日

レッドカーペット線

 
久しぶりにエアバスA380の話題を。世界で唯一のこのオール2階建て機は、私が最も評価する旅客機の一つです。なにせ、1階と2階をすべてエコノミー席で設定すれば、1回のフライトで900人近くを運ぶことができるキャパを持っているのですから。


もっとも、900席をレイアウトして常に満席になるような路線は、世界中どこを探しても存在しません。メーカーが標準座席数として推奨するのは3クラスで525席ですが、一度のフライトで500人以上が利用する路線というのも数えるほどしかない。A380を導入しするエアラインでは500席以下でレイアウトするところも多く、そのぶんキャビンには従来にないゆとりのスペースが生まれました。スペースに余裕ができれば、乗客に提供できるサービスの可能性もぐっと広がっていく──私がこの旅客機を評価する一番のポイントはそこにあります。

昨年夏に成田に就航したエミレーツ航空のA380のファーストクラスでは機内でシャワー・スパ施設を利用してリフレッシュし、今年の元日にA380の成田線デビューを果たしたタイ国際航空のビジネスクラスではゆったりしたスタッガード型シートを満喫しました。今後の注目は、7月にA380の1号機を受領するブリティッシュ・エアウェイズ(BA)でしょう〔写真=エアバス提供〕。その座席構成と初就航路線が先日、同社から発表されました。

ブリティッシュ・エアウェイズが打ち出したA380のキャビン構成は、ファーストクラス14席(1階)とビジネスクラス97席(1階に44席と2階に53席)、プレミアムエコノミー55席(2階)、エコノミー303席(1階に199席と2階に104席)の計469席。そしてデビューは10月15日からのロンドン/ロサンゼルス線に決定しました。映画の都ハリウッドを擁するLAへのフライトを同社は「レッドカーペット」路線と命名し、就航を記念して往復のエコノミー運賃を499ポンド(約7万1,600円)から、さらに380ポンド(約5万4,500円)の追加でプレミアムエコノミーへのアップグレードも可能というキャンペーン運賃を設定しています。ちなみにビジネスクラスは往復1,900ポンド(約27万2,700円)から(いずれも英国時間3月15日まで)。

ロンドンからA380でLAへ。値段もまあまあ手頃だし──取材、行こうかなあ。

S.Akimoto at 00:22|Permalink

2013年01月24日

究極のサービス

 
基本的に私、依頼を受けた仕事は断りません。自分にはとても出来そうにないジャンルの仕事を除いて。ときどき私の専門分野を勘違いされて、なぜこれを私に? というオファーも舞い込みます。そういう場合は理由を説明して丁重に辞退しますが、私に手伝える仕事であれば、たとえスケジュールが過密でも受けてしまいます。仕事を発注する候補はたくさんいるなかで、あえて私を指名してくれたことに感謝し、応えたいという気持ちが先にきますので。


先週から今週にかけては、例のボーイング787の事故に関する番組出演や取材依頼がメディア各社から殺到し、その対応に追われる状況が続きました。結果、いつアップしてもOKの不定期の連載などは、どうしても先延ばしに。誠Styleの連載『“飛行機と空と旅”の話』も、2013年に入ってから1本も更新できずにいました。

昨日、今年最初の記事をようやくアップしました。テーマは新春にふさわしく、華やかに──「これがファーストクラスの最高峰、エミレーツ航空の『プライベートスイート』だ」。

海外へ発つとき、クルーに迎えられて機体の左サイド前方の乗降用ドアから機内に入ると、大多数の乗客は右手に折れて通路を奥(後方)へと進み自分のシート番号を目指します。エコノミークラスの乗客も途中、手前側に設置されたビジネスクラスのキャビンを通っていくから、そこにどんなシートがどう配置されているかを見たことがあるという人は多いでしょう。「いつかこんなシートで旅行してみたいね」などという会話を耳にし、優越感にひたっている乗客もビジネスクラスには少なくありません。ところが、そのさらに上のファーストクラスは、厚いベールに包まれたまま。ファーストクラスは多くの場合、乗降用ドアを入って左手──つまりコクピットに近い最前方に設置されているから、ビジネスクラスの乗客さえ足を踏み入れることがないのです。

今回は、そんなファーストクラスを取材してみました。で、せっかく伝えるなら“最高峰”と呼ぶにふさわしいものを、という気持ちで選んだのがエミレーツ航空です〔写真〕。興味のある方、ぜひ記事にアクセスしてみてください。

さて、ボーイング787関連の取材対応もどうにか落ち着き、今日はお昼で書き物を切り上げて午後から成田に向かいます。真冬の東京から向かう先は、南半球にある真夏のオーストラリア。現地では楽しいプランを立てていますので、このBlogでもまた逐一報告する予定です。

≫≫≫「これがファーストクラスの最高峰、エミレーツ航空の『プライベートスイート』だ

S.Akimoto at 01:53|Permalink

2013年01月22日

スタッガード

 
ビジネスクラスのシートの進化が止まりません。大型機ではかつて、二つの通路をはさんで横1列が2席ずつ、計6席という“2-2-2”配置が一般的でした。しかしこのレイアウトだと、窓側のシートの人が通路に出るのにひと苦労。そこで登場したのが、窓側は1席ずつ、通路にはさまれた中央席が2席並びという計4席というレイアウトです。


けれども“1-2-1”配置だと必要な席数を確保できないため、対策として進行方向に向かってシートを斜めに配置するレイアウトが考えられました。“1-2-1”配置ながら前後の間隔を詰めて席数を増やすこのスタイルはエア・カナダニュージーランド航空ヴァージンアトランティック航空などで採用され、魚の骨のような形であることから「ヘリボーン型」などと呼ばれています。

ヘリボーン型のレイアウトは、乗客によって好き、嫌いがはっきり分かれるようです。全席が通路に面しているのは便利なのですが、斜めに座るので、ちょっと立ったときなど通路越しに隣の乗客とどうしても目が合ってしまう。その気まずさが嫌だ、という意見もこれまで何度か聞きました。

そんななかで最近、ブームになりつつあるのが「スタッガード型」よ呼ばれるシート配置です。スタッガードとは、英語で「互い違いの」「ジグザグの」という意味。その名のとおり、シートが前後に互い違いにレイアウトされ、前向きでかつ“1-2-1”の4席でも十分に席数を確保できるよう設計されました。ANAをはじめスイスインターナショナルエアラインズエミレーツ航空アリタリア-イタリア航空などの新しいビジネスクラスに採用されています。上の写真は今年の元日フライトで取材したタイ国際航空のエアバスA380に搭載しているビジネスクラス・シートで、やはりスタッガード型でした。

ペアで乗る場合は中央の隣合わせの席〔写真下〕がぴったりで、一人で乗るなら窓側ソロシートの、物置テーブルが通路側でシートが窓側にある席〔写真上〕がプライベート感が高くてベスト。本当に落ち着きます。前の席の物置テーブルの下に足が伸ばせるようにできていて、就寝時には快適なフルフラットベッドになりました。いまイチオシのビジネスシートといえそうです。

S.Akimoto at 23:52|Permalink

2012年07月15日

ビジネスクラス大辞典

 
最近は貯めたマイルによるアップグレードで「体験しました!」という報告も増えてきたものの、ビジネスクラスでの旅はまだまだ多くの人にとって憧れです。このクラスのサービス拡充には各社とも最も力を入れているだけに、進化は止まりません。最新のシートや設備をちらっとでも覗いてみたい──そう思うファンも少なくないのでは?


先月末に、イカロス出版から『ビジネスクラス USER'S GUIDE』という新しいムックが発売になりました〔写真〕。2,400円と値段はちょっと高いですが、カラー写真がふんだんに使われていて、内容はじつに豪華。日本を発着するエアライン48社の最新の国際線ビジネスクラスが網羅されています。

本書の中に「華麗なる世界へようこそ──ビジネスクラスフライト体験記」という企画があり、エアラインに詳しい各氏が厳選した11社について、実際に搭乗したときのインプレッションなどを寄稿しています。そして、そのうちの5社については、私が書きました。執筆したのは、ガルーダ・インドネシア航空の成田/ジャカルタ線、アリタリア-イタリア航空の成田/ローマ線、アメリカン航空の羽田/ニューヨーク線、スイスインターナショナルエアラインズの成田/チューリッヒ線、シンガポール航空の名古屋/シンガポール線です。

この夏休みに海外へ出かける人は、ぜひ事前にチェックしてみてください。もちろんビジネスクラスに乗る予定のない人でも、きっとわくわくしながらページをめくっていただけると思います。

S.Akimoto at 11:13|Permalink

2012年07月06日

格差をバネに

 
フジテレビが今日、ちょっと気になるニュースを報じていました。内容は、ロンドン五輪サッカー日本代表の男子チームと女子チームの飛行機での移動について。「なでしこジャパン」は今月16日、男子代表チームの面々とたまたま同じ便で、直前合宿のフランスへ出発することになったそうです。


ところが、搭乗するクラスが男女で違い、男子はビジネスクラスなのに女子はプレミアムエコノミーなのだとか。これは「協会の内部規定で決定していること」との説明ですが、ファンの間では「納得できない」と思う人も多いのでは?

男子代表チームは全員がプロの選手で、オリンピックも大切な「仕事」なのだそう。それは理解できますが、じゃあ女子はどうなのかと私は言いたい。昨年夏のW杯優勝で、日本中を元気にしてくれたのは誰だったか。女子チームは昔から慣例的にエコノミークラスで移動し、W杯優勝のあとも、一部ベテラン選手を除いてみんなエコノミーで帰国しました。

16日の遠征にどのエアラインを利用するのかは知りませんが、一例としてANAがパリ線で導入しているボーイング777-300ERのビジネスシートとプレミアムエコノミーシートの写真を上に並べました。最近のプレエコはずいぶん進化したものの、ビジネスと比べるとやっぱり見劣りがします。とくにロングフライトでの利用の場合は、疲れのとれ方が比較になりません。それでも、なでしこチームの関係者はエコノミーからプレエコにアップグレードされたことで「少しでも待遇が改善されてありがたい」とコメント。その健気さとハングリー精神で、ロンドン五輪でも絶対に優勝してくれることを私は願うのみです。

S.Akimoto at 21:55|Permalink

2012年06月11日

文句なしの新シート

 
エアライン各社はここ数年、競うようにビジネスクラスのリニューアルを進めています。その中でも人気の一つが、進行方向に向かって斜めにシートを配置した「ヘリンボーン型」と呼ばれるレイアウト。まるで魚の骨を連想させることから、この名前がつきました。


ヘリンボーン型を採用しているエアラインは数社あります。その1社がデルタ航空で、先月も私は同社のLA線やアトランタ線でこのシートを体験してきました。2本の通路をはさんで“1-2-1”という贅沢なキャビン設計で、「プライバシーが守られる上に、どの席からもダイレクトに通路に出られる」というのが人気の理由です。

しかしヘリンボーン型シートにも、弱点がありました。それは斜めに座るので、通路をはさんで隣の乗客とときどき顔が合ってしまうこと。またカップルでの利用者にとっては、真ん中の2席並びをとっても斜めに背中合わせに座る形になるので、会話がしにくいという声があったようです。

そこでデルタ航空は、ヘリンボーン型をさらに進化させました。同じ“1-2-1”の斜め配置でも、窓側のシートは窓に向かって、中央の2席並びも通路を背中にする形のレイアウトに変えたのです。これならカップルでの利用者には二人だけのスイート感あふれる空間を提供できます。写真は、私が昨日の成田からのフライトで利用した窓側シートですが、本当にプライベート感が高く、快適でした。

さて、LAへ、アトランタへと5月にデルタ航空で旅してきたばかりの私が、今回はこの新シートでいずこへ。これから撮影を兼ねて街に繰り出しますので、その報告は写真も添えてまた明日にでも。

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2012年04月16日

最強のCクラス

 
シンガポール航空のボーイング747に別れを告げるメモリアルフライト取材から帰国して、1週間が経ちました。747による東京/シンガポール間の大量輸送の主役は、現在はエアバスのオール2階建て機A380にバトンが受け継がれています。写真は、成田への帰国便で乗ったそのA380のビジネスクラスです。背もたれを前側に倒してベッドにした状態ですが、ご覧のようにとにかく広い。各社の同クラスと比べても、私は「最強のシート」と評価してきました。


60席に設置数を抑えたビジネスクラスに、アッパーデッキ全体の3分の2のスペースが割かれています。その贅沢なスペースに、2本の通路をはさんで横1列を“1-2-1”のたった4席でレイアウト。横幅が本当にゆったりしていて、大げさではなく二人並んで座れてしまうサイズです。

シンガポール航空は先週末、毎日3往復しているシンガポールからロンドンへの全便を6月1日よりA380での運航に変えると発表しました。なんとも、うらやましい! 同社が日本線にA380を投入しているのは現在、シンガポールから成田を経由してロサンゼルスに向かうSQ12便と、その逆のルートのSQ11便のみ。東京便もすべてA380になるといいのにな、と思います。

7、8時間のフライトを終えて目的地に到着すると、普通は「やれやれ、やっと着いた」とホッとします。が、これもそのときの状況によりけり。先週、A380でシンガポールから成田にランディングした際に、私は思わず呟きました。「ああ、もう着いちゃった。ここ(成田)で降りずに、このままロサンゼルスまで飛んでいけたらいいのにな」と。

S.Akimoto at 09:29|Permalink

2012年03月15日

シートピッチの話

 
現地時間の昨夜8時にイスタンブールのアタチュルク国際空港に到着しました。成田からイスタンブールへは、飛んでいる間だけでもたっぷり12時間。本を読んだり映画を観たり、いろいろしないと時間が進みません。「12時間なんて寝てればすぐだよ」という人もいますが、私は機内ではあまり眠れないほうですし、眠れるかどうかはシートの快適さにも左右されるでしょう。そこで今日は、トルコ航空のシートの話を──。


エアライン各社が上級クラスの新しいシートを発表すると、必ず注目されるのが「シートピッチ」──座席の前後間隔のサイズです。上の写真は、昨日のフライトで利用したトルコ航空のビジネスクラス・シート。ご覧のとおり、シートピッチがとにかく長い! 公表されているサイズは約2メートルで、ビジネスクラスとしては決して突出しているわけではないのですが、2メートルじゃきかないだろうといつも思います。だって、フルフラットにして寝そべっても、私などは足もとに余裕がありすぎてむしろ不安定な印象さえ受けるのですから。

日本人は足が短いからだよ、といわれればそれまでですが、トルコ航空は身体の大きいヨーロッパの人たちをターゲットにしているのは間違いありません。イスタンブールはアジアとヨーロッパと──その両大陸にまたがる都市です。そこを拠点とするトルコ航空をアジアのエアラインとするかヨーロッパのエアラインとするか、以前はよく迷いました。しかし彼らが常に口にするのは「目指すはヨーロッパNo.1のエアライン」という言葉。その目標を達成するためにも、ゆったりしたシートピッチでの快適なスペースの提供が不可欠なのでしょう。

シートピッチが他社に比べてゆったりサイズであることは、上級エコノミーの「コンフォートクラス」でさらに際立っています。こちらは先ほど、facebookで写真を公開しましたので、参考にしてみてください。

S.Akimoto at 15:20|Permalink

2012年01月27日

覗いてみたい世界

 
入っちゃダメ、と言われると、入ってみたくなる。開けないでね、と言われると、意地でも開けたくなる。その先に未知への扉があると、つい覗いてみたくなるのは誰でも同じでしょう。エアラインの世界でいうと、限られた一部の人たちしか利用できない「ファーストクラス」がそうかも知れません。


最近はマイレージでアップグレードする方法も一般化し、ビジネスクラスまでは体験したという人が増えました。けれど、ファーストクラスとなると話は別。ほとんどの人にとって、そこは想像するしかない空間です。

ここ数年のファーストクラスの“進化”は、とどまるところを知りません。まるでホテルの一室のような個室タイプが登場したり、シャワールームが設置されたり。写真は、ルフトハンザが運航するエアバスA380のファーストクラスのトイレで、奥にはゆったり着替えができるほどのスペースが広がり、赤いバラの花が生けられています。乗務員の対応もグレードアップしました。最上級クラスでサービスできるのは、選ばれた一握りのクルーだけ。彼女たちは専門の訓練を受け、社内で資格をとってファーストクラスでの乗務につきます。高額な料金を払って乗ってくれる人に何とか報いようと、出発地の空港に到着してから到着地の空港を出るまでトータルにもてなそうというエアラインも増えてきました。

ある旅関係の雑誌がこの春、誌面を全面的にリニューアルする計画で、創刊第1号の誌面づくりを手伝うことになりました。その目玉企画として考えているのが、ファーストクラスの大特集です。各社それぞれに技術の粋を集めた最新のシートや設備から、最上級クラスにふさわしい食事とワイン、さらにクルーたちの洗練されたサービスまで──ファーストクラスのすべてを網羅する特集で、クルーの訓練の様子や利用者層などについても言及できると面白い企画になるかも知れません。

いま進めている書籍の執筆が来週半ばに一段落するので、さっそく具体的な企画づくりと取材準備にかかりたいと思います。

S.Akimoto at 00:41|Permalink

2011年08月16日

787の窓サイズ

 
先日、大手新聞の記者と話していて、ボーイング787の窓の大きさが話題に。「787は従来機種に比べて窓が1.5倍大きくなる、と記事で書いたら、どうも間違いだったようで……。1.5倍ではなく1.2倍が正しいと聞いて、訂正したんです」と記者は私に言いました。


「1.2倍、ですか?」と私。「そんなに小さくないはずですよ。実際は1.6倍だったかな。だって1.2倍じゃあ、従来機種との差はあまりないですしね」

787に使われているカーボンファイバー複合材は、軽量にもかかわらず鉄の約9倍の強度があります。大きな1枚板でボディを構成できるため、継ぎ目を少なくし、キャビンの窓も大きくとることに成功。2009年3月に米国シアトルの「787ドリームライナーギャラリー」を訪ねた際に実寸で比較し、私は「窓の大きさは従来機の1.6倍以上」と報告しました(2009年3月27日のBlog参照)。誠Styleでの連載記事「ボーイング787“ドリームライナー”は空の旅をどう変える?」でも、5ページ目でそのことに触れています。

ちょっと気になったので、航空評論家の青木謙知さんと先週金曜日に会ったときに確認してみました。青木さんも「1.2倍ということはないと思うけどなあ。私もシアトルで1.6倍だと聞いたと記憶している」と意外そう。しかし、もう一度調べてくれたそうで、週明けにこんなメールが届きました。

「787の窓だけど、ボーイングのホームページで確認したところ、現在は『同サイズの機種に比べて30%以上大型化』という説明に変わっているね」

つまりは、1.3倍強。これだとインパクトに欠けるなあ、と正直思います。実際に見た感じではもっと大きいように思えたし、ボーイング関係者たちも「787が就航すれば、通路側のシートどころか二つの通路に挟まれた中央列のシートからでも外の景色を楽しめるようになる」と胸を張って話していたのですが……。トーンダウンの印象は否めません。

S.Akimoto at 14:13|Permalink

2011年02月14日

デルタ航空の新クラス

 
長時間のフライトでは、エコノミークラスの狭いシートではちょっと辛い。かといってビジネスクラスでの旅となると、まだまだ高嶺の花──。そんな旅行者の間で近年、人気が急上昇しているのが“中間クラス”に当たるプレミアムエコノミークラスです。


先日のBlogで、トルコ航空が今年夏スケジュールから成田線に導入するプレミアムエコノミーシートについて触れました。続いて今日は、デルタ航空が2011年夏から日本を含むすべての国際長距離路線で設置すると発表した「エコノミーコンフォート」〔写真〕を紹介しましょう。

デルタ航空が新クラスを導入する機材は、ボーイング747、757、767、777とエアバスA330の計160機以上。エコノミークラスの最前部に数列分を設置する計画で、これまで国際線で使用されてきたエコノミーシートに比べてリクライニング角度は1.5倍に、足もとのスペースも最大で4インチ広くなります。

エコノミークラス航空券からのアップグレード料金は、片道80〜160ドル。値段も手頃です。今週末から就航する羽田線(デトロイト線=2月20日、ロサンゼルス線=2月21日)も含め、デルタ航空は日本からの路線をどんどん拡大しているだけに、利用する機会も増えそうですね。エコノミーコンフォートの予約は、同社Webサイトや予約センターで5月初旬から受付を開始するそうです。

S.Akimoto at 13:17|Permalink

2011年01月19日

コンフォートクラス

 
長時間のフライトでは、できればビジネスクラスに乗ってゆったりくつろぎながら移動したい。でもかといって、航空券に何十万円という大金をポンと出せる人はごく一部に限られています。そんな中で普及し始めたのが、「プレミアムエコノミー」と呼ばれる新しい座席クラスでした。


エアラインによってサービス内容は少しずつ違いますが、通常のエコノミークラスとは別のスペースに、前後の間隔が20センチほど広い専用のシートを用意。リクライニングできる角度も深く、フットレストやヘッドレストが装備されて快適です。値段はビジネスクラスに比べるとかなり割安で、最近はヨーロッパやアメリカへ10万円台のチケットも出回るようになりました。

プレミアムエコノミーを体験するなら、私の今年一番のおすすめは新しい中間クラス(「コンフォートクラス」=写真)を設置した最新鋭ボーイング777-300ERを夏スケジュールから成田線に導入するトルコ航空です。従来のリース機材に代わる機材として自社発注した777-300ERの1号機を、トルコ航空は昨年10月に米ワシントン州シアトルのボーイング社で受領。現地での受領式典や、納入された1号機をイスタンブールへ運ぶ“フェリーフライト”の搭乗取材で、私もいち早くこの新シートを体験する機会を得ました(昨年10月のBlog「処女フライトへ」を参照)。

プレミアムエコノミーの人気は年々上昇し、各社から「座席予約もプレミアムエコノミーから埋まるケースが出てきた」という話もよく聞きます。トルコ航空のコンフォートクラスも、利用者の間で今年の大きな話題になるでしょう。昨年のフェリーフライト取材の報告も含めて、誠Styleでの連載『“飛行機と空と旅”の話』の今年最初の記事として、本日よりトルコ航空のフライトに関するレポートを掲載しました。

≫≫≫「トルコ航空で“空のシルクロード”を行く

S.Akimoto at 08:02|Permalink

2011年01月04日

驚きの407席

 
2011年が無事にスタートしました。当Blogで今年最初に取り上げるのは、航空ジャンルの中でも私が早くからずっと追いつづけてきたエアバスのオール2階建て機、A380に関しての話題です。


昨年12月20日のBlog「ロスへの豪華旅」でも最後に少しだけ触れましたが、大韓航空が今年5月にA380を導入し、6月から成田/仁川線で運航開始予定であることが正式にリリースされました〔写真は塗装作業が進む大韓航空のA380 〕。私が驚いたのは、同社がそのA380のキャビンを、同型機では世界最少となる計407席(3クラス)でレイアウトしていることです。日本路線にすでにA380を投入している他のエアラインでは、シンガポール航空が同じ3クラスで計471席、ルフトハンザが計526席、エールフランス航空が計538席。それらに比べて、407席というのは何と贅沢なスペースの使い方でしょうか。

レイアウトの詳細を見ると、メインデッキ(1階席)にファーストクラス12席と、その後方にエコノミークラス301席を配置。アッパーデッキ(2階席)はすべてビジネスクラスとしました。しかしそのビジネスシートは、わずかに94席しか置いていません。

180度フルフラットになるこのビジネスシートは「プレステージスリーパー」と呼ばれ、成田とロサンゼルスを結ぶ KE001/002便などで現在も体験することができます。A380のゆとりあるスペースに、94席がどんなふうにレイアウトされるのか? これは本当に楽しみです。仁川から成田への路線のほか、香港やバンコク、さらに夏以降は北米やヨーロッパなどの長距離線へのA380導入も同社は計画しているようですので、私も早い段階で実際に搭乗し、レポートしたいと思っています。

S.Akimoto at 23:53|Permalink

2010年12月28日

空港ホテル体験記

 
今年も、今日を含めて残りはあと4日。新しい年に向けて、みなさんの中でもすでにカウントダウンが始まっていることでしょう。さて、2010年最後のBlog更新は、誠Styleでの連載『“飛行機と空と旅”の話』に寄せた新しい記事のお知らせです。


今年10月31日に、羽田から32年ぶりとなる国際定期便が再開されました。しかし海外旅行が便利になった反面、出発が早朝・深夜の時間帯で設定されているため、なかには空港近くでの“前泊”を余儀なくされる人も。今回はそんな人たちに紹介したい、ターミナルに直結する「羽田エクセルホテル東急」についてのレポートを書きました。題して──「離着陸機を眺めながら、ファーストクラスの旅を地上で満喫! 羽田エクセルホテル東急・宿泊体験ルポ」。

同ホテルの名物ともいえる、かつて国際線で使用されていたファーストクラスのシートがペアで置かれた「フライヤーズルーム」という部屋〔写真〕に実際に宿泊した体験や、広報の人にインタビューした内容などをつづっています。これから羽田を早朝・深夜に発つ予定のある人は、一読してみてください。

この連載をスタートしたのも、羽田に新しい国際線ターミナルが開業した10月でした。すでに多くの読者の方々から、あたたかい応援のメッセージをいただいています。私の活動舞台は書籍や月刊誌などがメインですが、Web媒体というのも、読者を身近に感じられていいですね。来年もこの連載のため、欧米やアジアに積極的に飛ぶ予定です。取材報告を、どうぞ楽しみにお待ちください。それではみなさん、よいお年を!

≫≫≫「離着陸機を眺めながら、ファーストクラスの旅を地上で満喫! 羽田エクセルホテル東急・宿泊体験ルポ

S.Akimoto at 00:35|Permalink

2010年12月08日

空から送るね

 
師走に入って1週間。今朝は早くも、来年度に向けた海外取材の計画づくりに着手しました。海外へ取材に出る場合、その前後のスケジュール調整がけっこう大変です。東南アジアなどの近場なら問題なしですが、欧米への10時間を超えるフライトになると、編集部との原稿の受け渡しがその間ストップしてしまう。出発前に入稿を終えるか、機内で原稿を書いて到着後に空港やホテルから送っても間に合うような日程を組まなければなりません。


しかしそんなスケジュール調整での苦労も、どうやら今年でおしまいになりそう。大手エアラインの数社が2011年より、機内でのインターネット接続サービスを開始すると発表しました。

たとえばSAS(スカンジナビア航空)は、ノルウェーの国内線で運航するボーイング737で'11年4月から同サービスをスタート。その後はロンドンやフランクフルト、パリへの国際線にも導入路線を広げる計画だといいます。日本線はまだ先になりそうですが、成田とコペンハーゲンを結ぶ路線でもいずれサービスが始まるでしょう。ドイツのルフトハンザも、4年ぶりとなる機内でのインターネット接続サービスを大西洋路線で再開しました。

もう1社、日本から移動中の機内で仕上げた原稿を「いまから送るね」といって空から送信する──そんな仕事のスタイルをいち早く実現してくれそうなのが、トルコ航空です。同社は今年10月、最新のボーイング777-300ERの1号機を米国シアトルで受領しました(10月14日のBlog参照)。キャビンも、それまでのリース機材で設置されていたファーストクラスを廃止し、ビジネスとエコノミーに加えて中間クラスにあたる「コンフォートクラス」を新設。トルコ航空の個性を全面に打ち出した内装に様変わりしています。

シアトルで受領したこの最新機材のイスタンブールへのデリバリーフライトには私も同席し、機内をいろいろ取材しました。そのとき印象に残ったのが、すべてのシートにPCとつなぐLANやUSBポートが設置されていたことです。上の写真はエコノミーのシートですが、大型モニターの右側にあるのがわかりますか? そしてその取材の直後に、同社は「'11年6月から全クラスで利用できる機内インターネット接続サービスを開始する」と発表しました。トルコ航空の新しい777-300ERについては、来年4月の日本線でのデビューを前に、近く別のメディアで詳しくレポートする予定です。

S.Akimoto at 07:49|Permalink

2010年09月05日

自宅に旅客機のシート?

 
新しい素材が開発されたり、デザインに斬新な機能が盛り込まれたりして、旅客機のキャビンのシートはどんどん“進化”しています。下の写真は、内装メーカー各社が提案する近未来のシートを並べたアメリカのとある展示ブース。手前に見えるのはプレミアムエコノミーのシートですが、こんなシートだったら自宅で使いたいと思う人もいるかも知れません。


いや、旅客機のシートであれば、別に新しくなくてもいいんだけど──。そんなふうに考える人も、とくに航空マニアの間では多いようです。私と海外取材によく同行する航空写真家のチャーリィ古庄さんもその一人。彼の自宅のリビングに置かれていたのは、あるエアラインがかつて実際の路線で使用していたビジネスクラスとエコノミークラスのシートでした。

今年6月にドイツを訪ねたときのことです。フランクフルト空港の取材でいっしょになった他のジャーナリストらとその話題になり、古庄さんは「自宅では旅客機のシートを使っているだけでなく、食事も機内食用のトレイで出てきますよ」と彼のユニークな生活を披露。みんな目を丸くして驚いていました。その後、ある月刊誌の女性編集者から飛び出した次の質問には、彼はさすがに真面目に答える気にはなれなかったようですが。

「古庄さん。もしかして奥さんにも、キャビンアテンダントの制服を着せて『お客さま、お食事をお持ちしました』と言って出してもらうんですか?」

さて、今週末の11日(土)と12日(日)は、成田空港に隣接する航空科学博物館で恒例の「航空ジャンク市」が開催されます。エアライン各社のポスターや機内食用のナイフ&フォーク、コクピットの計器など、普段なかなか手に入らない“お宝”が並び、レジの前は毎回長蛇の列。機内のシートもまたどこかのエアラインから出品されるでしょう。航空マニアには欠かせないイベントです。みなさんも興味があれば、ぜひ!

S.Akimoto at 10:53|Permalink

2010年08月18日

旅客機に立ち乗り?

 
LCC(格安航空会社)が機内に「立ち乗り席」導入の検討を始めているというので、利用者の間でも波紋が広がっています。プランを公表したのはアイルランドのライアンエアーで、その立ち乗り席とはこんな感じ〔下の写真=画像に出典はよくわかりませんが、もともとライアンエアーが発表したもの?〕。まるで遊園地で見る立ち乗り型のジェットコースターです。


旅客機の立ち乗り席など、本当に実現可能なのでしょうか。ライアンエアーの構想では、飛行時間が1時間程度の近距離便で、レバー型ベルトで肩と腰を固定するタイプの立ち乗りシートをキャビン後方の一部に設置。このシートなら一人7〜14ドル(約600〜1,200円)の格安料金で提供できるといいます。今年7月に茨城空港に就航した中国のLCC春秋航空も同様な立ち乗り席導入プランを打ち出していますが、問題は、やはり安全基準をクリアできるかどうかでしょう。

たとえば日本では、旅客機が非常事態で着陸した場合、乗客が「着座した姿勢」をとれるような座席でなければならないという安全上の決まりがあります。つまり、腰掛けられるシートでなければ安全基準は満たされません。立ち乗りスタイルでは、当局の認可は得られないのです。

とはいえ、立ち乗りタイプの旅客機については、航空機メーカーのエアバス社でも一時期真剣に研究を進めていました。その話を私が最初に聞いたのは、もう4年ほど前だったと思います。プランに上がっていたのは、背もたれに寄りかかりながら自分の足で立つ「簡易型腰かけ」のようなタイプのシート。これでシートピッチを一般のエコノミークラスの約75センチから62.5センチに短縮し、輸送力アップと運賃低減を同時に実現できると言っていました。

研究はいまも続いているのでしょうか? 次にエアバス社の工場を取材するときか、開発担当者が来日する機会があれば、詳しく聞いてみようかな。

S.Akimoto at 14:30|Permalink

2010年06月17日

いいねえ、新シート

 
搭乗が始まり、途中で二つに分かれるボーディングブリッジを通ってアッパーデッキ(2階席)へ。機内に入ると左手の先頭部分が8席あるファーストクラスで、私は出迎えてくれた客室乗務員にビジネスクラスの搭乗券を提示して右側のキャビンに向かいました。


そこからアッパーデッキの最後部まで計98席が配置されたビジネスクラスは、壮観です〔写真〕。ネイビーに黄色のアクセントを配したルフトハンザカラーのシェル型シートは従来タイプを踏襲していますが、これまでのボーイング747-400では横一列が“2-3-2”のレイアウトだったのに対し、エアバスA380では1席減らして“2-2-2”の配置に。そのぶん、通路もゆったりとってあります。ドア近くの窓側シートに座った年配カップルの「やっぱりいいねえ、新しいシートは」とささやき合う声が聞こえました。

私のチケットに表示された番号は「27D」。最後部から2列目のシートだったので、出発前のインタビューで男性会社員が話していた「静寂性」に注目してみました。タキシングから離陸滑走、離陸・上昇とつづく中でずっと耳をすませていると、なるほど、静かさを実感します。巡航飛行に移ってから、その静寂性について日本人客室乗務員の一人としばらく話しました。

「これまでの747-400ですっかり慣れてしまい、エンジン音が気になるというのはなくなっていたのですが──」と、彼女も言います。「でも言われてみると、本当にそう。747-400のエンジンより後方のシートでは、少し声を張らないとお客さまとこんなふうに会話はできませんでした。A380での乗務は今日でまだ2回目ですが、これから乗務を重ねていくうちに、もっともっといろんな発見がありそうですね」

どの客室乗務員にとっても、A380という新機材での乗務はまだスタートしたばかり。なので、サービスに当たる一人ひとりの表情には緊張感がただよいます。が、それでもみんないつも以上に楽しげに見えるのは、私の気のせい?

S.Akimoto at 12:40|Permalink

2010年05月26日

最上級の空間

 
帰国報告として書いた前回のBlogルフトハンザの新旧ファーストクラスについて触れたところ、読者のみなさんから「オープンな空間を演出したという新しいファーストクラスを画像で見たい」という便りをいただきました。下の写真が、エアバスA380のアッパーデッキ(2階席)の先頭部分に8席をレイアウトしたファーストクラスです。前方のモニター横に赤いバラが生けられているの、わかりますか?


こうしたオープンな空間がいいか、個室タイプが好みか。意見は分かれるでしょうね。シンガポール航空が運航するA380のスイートクラスなどは、対照的に1席1席がカベで仕切られています。それはそれで、この上ない高級感が漂いますが、私が利用するときはおそらく通路側の窓は開け放っておくでしょう。就寝時は別にして。だって、通りかかる客室乗務員にかまってほしいですから(笑)。

ハンブルグで開催されたA380の1号機受領式典では、ルフトハンザがキャビン設計にとり入れたいくつかの新しい試みも披露されました。客室全体を快適な湿度に保つための加湿装置の導入もその一つ。またファーストクラスを仕切っているカーテンには吸音機能をつけ、世界一静かな客室を実現したといいます。

5月19日のフランクフルトまでのデリバリーフライトでは、機内で報道陣の取材合戦が繰り広げられていたため、残念ながら静寂性についてはよく確認できませんでした。わずか2時間のフライトでしたので、湿度の状態についてもしかり。これらの点は、6月の成田からフランクフルトへのロングフライト取材でじっくり検証したいと思います。

S.Akimoto at 07:40|Permalink

2010年05月23日

赤いバラのもてなし

 
予定していたすべての取材を終え、帰国しました。フランクフルトからは、ワケあってファーストクラスでのフライトで。ルフトハンザが成田線で運航しているボーイング747-400では、ファーストクラスはアッパーデッキ(2階席)にあって、中央の通路をはさんで2席ずつのシートが4列──計16席がレイアウトされています。


ルフトハンザはファーストクラスの客室を今回のエアバスA380の1号機受領に合わせてフル・モデルチェンジする計画を進めていたため、現状の747-400に搭載されているシートはもう古く、決して豪華とは言えません。発表されたA380の新シートに比べると、実際のところかなり見劣りします。

ただし、見劣りするのはあくまでハード面に関してのこと。“人”が介在するソフト面のサービスは話が別です。ベタベタせず、しかし必要なときはいつでも近くにいてくれる──その何ともいえない距離感が心地よく、私はいかにもルフトハンザらしいと感じました。

たとえば、搭乗してシートに着くと、通路側の肘掛けの先端に直径3センチ/深さ10センチほどの小さな穴が開いていることに気づきます。私の斜め向かいに座ったスイス人のカップルは「これ、何だろう?」と首をかしげていました。ほどなくして、それぞれの席に担当の客室乗務員が挨拶にきます。「担当の○○です。ご用がございましたら、いつでも遠慮なくお申しつけくださいね」と言って、肘掛けの穴に差していったのは、一輪の赤いバラでした〔写真〕。乗客との間に保たれる絶妙な距離感と、そのさりげない一輪のバラの花は、どこか共通しているように私は思います。

フライトの途中、私を担当してくれた日本人客室乗務員の森素子さんと、今回発表された新しいファーストクラスの話になりました。

「私たちはまだ見ていないのですが、オープンな空間を演出した新しいファーストシートはとても素晴らしいと聞きました」と、森さんは言います。「最近は個室タイプが流行のようですが、ルフトハンザはたくさんの方々にアンケート調査を実施したところ、密閉された空間よりもオープンな空間をお客さまは望んでいるという結果を得たようです。オープンなぶん、私たち客室乗務員もお客さまとのコミュニケーションがとりやすいですし、シートだけでなくソフト面でもお客さまにご満足いただける対応ができるよう私たちももっともっと努力を続けていかなければと思っています」

一輪の赤いバラは、ハンブルグからフランクフルトへのA380のデリバリーフライトでも見かけました。ファーストクラスの座席や、トイレの中などで。ルフトハンザのさりげないもてなしは新機材でも継続されます。その1号機が就航する成田/フランクフルト線も私は搭乗取材する予定ですので、報告を楽しみにお待ちください。

S.Akimoto at 19:11|Permalink

2010年05月22日

アイデアシート

 
ミュンヘンからハンブルグへは、ルフトハンザの国内線を利用しました。朝08時05分に発つLH040便です。同社が国内線で使用する中心機材の一つが、エアバスのベストセラー機──A320。下の写真は、そのビジネスクラスのシートです。


え、これがビジネスクラス? エコノミーじゃないんですか? そう思う人もいるかも知れません。見た目はたしかにエコノミーシートと変りません。いいえ、見た目だけでなく、シートのつくりもサイズもエコノミーシートとまったく同じです。

では、何が違うのでしょうか? A320は通路が中央に1本の“単通路機”で、ビジネスクラスもエコノミークラスも、通路をはさんで両側に3席並びのシートが設置されています。ビジネスクラスの特徴は、写真でご覧いただけるように、その3席並びの真ん中のシートをつぶしてテーブルとして使っていること。ベルリンで毎年開催される国際旅行見本市のルフトハンザのブースで4年前にこのビジネスシートが展示されたとき、私はとてもいいアイデアだなと思いました。

ドイツの国内を移動するフライトはせいぜい1時間程度ですが、ビジネスクラスでは食事が出ます。しかし、とてもコンパクトにまとめられたメニューなので、トレイを置くには小さなスペースがあれば十分。真ん中のテーブルを、両側の乗客がうまくシェアすることができます。

前席の背もたれには自分専用のテーブルもあるので、PCを開いて仕事をするときはこちらを使いました。短いフライトなので、食事の間はPCをしまうというのでは、ほとんど何もできません。その点、このビジネスシートなら、食事は真ん中の席に置いて食べながら仕事をつづけることができます。シートの贅沢さは味わえませんが、それよりも機能性を優先させるところは、合理的なドイツ人らしい発想だなと感じました。

S.Akimoto at 17:19|Permalink

2010年04月20日

ジェット気流に乗って

 
この時期、高度1万メートル付近の上空では、かなり強烈なジェット気流が観測されます。シンガポールから東京へ向かうSQ638便で機内モニターに映し出されるデータをチェックしていたら、追い風がときおり時速180キロ以上を表示。飛行速度も時速1,000キロをゆうに超えていました。


向かい風の中を飛ぶ成田からシンガポールへの行きのフライトは7時間以上もかかったのに、帰りは6時間弱で着きました。エアバスA380の巨体もこの強い追い風に乗せることで、パイロットも操縦がずいぶん楽だったでしょう〔写真はA380の窓からの風景〕。

予定していたパリ行きのチケットを急きょ東京行きに変更したので、ビジネスクラスは満席で取れませんでした。が、気をつかってくれた現地のスタッフから「ゆったりできる席を確保しておきますね」と渡されたチケット番号は、エコノミークラスでも2階デッキのビジネスクラスとの境にある非常口に隣接したシート。膝の前に何もない空間が広がり、足を前にで〜んと投げ出せてとても快適なフライトでした。

さて、帰国から一夜明け、日付は4月20日に変わりました。このBlog『雲の上の書斎から』も、今日から5年目に突入です。4月20日は私の誕生日でもあり、パリで誕生日を迎える予定がアイスランドの火山噴火という思わぬアクシデントで台無しになりましたが、悔やんでいても仕方ありません。5月以降に計画しているいくつかのヨーロッパ取材に向けて心機一転! 私自身も元気にジェット気流に乗って、またさまざまな角度から“世界の空の旅”をお伝えしていきます。

S.Akimoto at 07:12|Permalink

2009年11月11日

ANAの“ひらめき”

 
ANAが2010年から欧米路線に導入する新しいプロダクト&サービスが昨日、東京・赤坂のANAインターコンチネンタルホテル東京で発表されました。新ブランド名は「inspiration of Japan」──和訳すると「日本発のひらめき」。発表会見には、スカパー旅チャンネル『世界のエアラインガイド』でサブコメンテータを務める橋本絵里子さんをともなって私も出席してきましたが、これはすごい!


たとえばビジネスクラスでは、一人ひとりのスペースを従来の1.5倍に広げ、180度水平に倒れるフルフラットシートを互い違いの形でレイアウト。どの席からもダイレクトに通路に出られるようにしました〔写真〕。同シートは新しいボーイング777-300ERに導入されて2010年2月にニューヨーク線でデビューし、その後はフランクフルト線、ロンドン線へと拡大する予定です。

ハード面もさることながら、私が注目したのはソフト面です。各座席には新スタイルのエンターテインメントシステムを搭載。タッチパネル式パーソナルモニターで「食事」の画面を呼び出すと、料理家の栗原はるみさんや人気レストランが監修する30種類以上のメニューが写真入りで表示されました。ここで食べたいメニューを自由に組み合わせて選べるほか、2010年4月からは好きな時間に好きな食事を画面上で直接オーダーできるようになります。

まさに画期的といえるでしょう。これまでは、各社がどれだけメニューを豪華にしても、乗客にとっては「決まったやり方のサービスを待つだけ」という“受け身”の構図は変わりませんでした。それをANAは180度転換し、乗客一人ひとりの気分やコンディションに合わせた個別サービスに変えようとしているのです。

私が感心していたら、横で橋本さんが「本当に画期的ですね。従来の常識では考えられないサービスです。でもそのぶん、CAは大変だろうな」と呟きました。自身の客室乗務員時代の体験と照らし合わせての実感なのでしょう。その点について、私は会場にいたANAの現役客室乗務員に聞いてみました。

「新ブランドを展開するに際しての新しいサービス訓練も、これからスタートします」と彼女は言います。「パーソナルな対応というのは、たしかにものすごく労力もかかるでしょう。決して簡単ではないことは私たちも重々承知しています。でも、だからこそワクワクもしています。それをきっちりやりとげることで、他には負けない、誰にも真似できないANAの個性を世界に向けて発信できると思っていますから」

S.Akimoto at 07:02|Permalink

2009年11月02日

高級ホテルの一室?

 
女性がベッドでくつろいでいる下の写真──これ、どこだかわかりますか? 自分の部屋? どこかのシティホテル? いいえ、違います。これはトルコ航空が10月25日から成田/イスタンブール線に導入した新機材ボーイング777-300ERの機内です。


ヨーロッパとアジアの接点に位置する“東西文明の十字路”──イスタンブール。そこに日本から唯一の直行便を飛ばしているのがトルコ航空です。成田/イスタンブール線では、10月25日から使用機材をそれまでのエアバスA340からボーイング777-300ERに変更したのにともない、全4便でファーストクラスのサービスを開始しました。

シートは、ご覧のような独立したコンパートメント仕様。まるでどこかの高級ホテルの一室に見えませんか? 乗客にはブルガリのアメニティキットとパジャマ、羽毛の寝具が用意され、機内食は希望の時間にオーダーできます。そしてイスタンブールのアタテュルク空港では、なんとメルセデスのリムジンでの送迎サービスも!

え、ファーストクラスなんて夢のまた夢? 私だってそうです。そこでトルコ航空では、ファーストクラスのサービス開始にあわせ記念キャンペーンを始めました。通常往復120万円(片道80万円)の同区間の運賃を、2010年3月27日まで期間限定で88万円(片道49万5,000円)で提供。それでも高すぎて手が出ないという人は、エコノミークラスでどうぞ。どのクラスで行っても、あのエキゾチックなイスタンブールの魅力は変わりません。

トルコ航空の詳細については、スカパー「旅チャンネル」の情報番組『世界のエアラインガイド』でご覧ください。先週金曜日より同社のオンエアがスタートしています。


S.Akimoto at 11:57|Permalink

2009年10月14日

“雲の上”で仕事

 
やったァ! そのニュースを聞いて、思わず声に出して呟いてしまいました。コネクション・バイ・ボーイング社が2006年12月でサービスを終了し、打ち切りになっていた機内でのインターネット接続サービス〔写真〕を、ルフトハンザが2010年半ばにもまた復活させるというニュースです。


コネクション・バイ・ボーイングに代わるルフトハンザの新しいパートナーは、アメリカのパナソニック系子会社。同社が提供するブロードバンド並みの高速インターネット接続サービスを利用することで、上空を移動中の機内でネットサーフィンやメールのやりとりができるようになります。

利用者数が予想を下回ったことを理由にコネクション・バイ・ボーイングが同事業から撤退した際に、私はエアライン数社に「乗客からのニーズは本当にないのか」を取材してみました。結果は「需要あり」と「需要なし」で意見は真っ二つ。「誰もがゆったりとくつろぎたいと思う機内で、わざわざネットにつないで仕事をしようなんて思う人がいますか?」と言っていたのは、あるアメリカ系エアラインの幹部です。

私の意見は「需要あり」のほうでした。ネットに接続できる環境があるからイヤイヤ仕事をするのではなく、私の場合はフライト中にむしろ率先して仕事がしたくなります。物理的に移動している空間というのは、なぜか頭が冴えわたる──みなさんはそんな経験はありませんか? 東京から大阪などに向かう新幹線の車内でもそうですし、書斎で書き物をしていてアイデアに詰まると、私はよく散歩に出ます。街なかを歩き、外の景色が後方に流れ始めると、創造力や発想力が研ぎ澄まされてくるという不思議な感覚をこれまで何度となく味わいました。

だから、ルフトハンザの機内インターネット接続サービスの再開は、私にとっては大歓迎です。本当の意味で「雲の上の書斎」からの、リアルタイムな情報発信も可能になりますから。


S.Akimoto at 00:53|Permalink

2009年09月06日

機内シート大改造計画

 
大韓航空が現在、運航する機材のシートの大規模なアップグレード計画を推進していることは、5月11日のBlogでも報告しました。その第1次作業は08年で終了し、計画は09年9月より新局面へ。ソウル本社の格納庫では先週から、総額2億ドルをかけた第2次計画が始動しています。


格納庫で待機する作業員たちの前にまず搬入されたのは、ボーイング777-200でした。大韓航空が中長距離路線で運航する同型機9機をはじめ4機の777-300、さらに3機のエアバスA330-200と16機のA330-300を含め計32機の全クラスのシートが、今後2011年4月まで20カ月を費やして最新のもにリニューアルされます。

同社の広報からは「刷新されるシート数はトータルで9,720席、年間で延べ2万8,800名の作業員が改造作業に携わります」と発表されました。まさに“大改造計画”ですね。

写真は、長距離路線のファーストクラスに搭載される「コスモスイート」シートです。デザインを手がけたのは、この分野で多くの実績をもつ英国アキュメン社。「1座席あたり2億5,000万ウォンの制作コストをかけて開発した」と関係者は話していました。フルフラット仕様は既存の「コスモスリーパー」も同じですが、シート幅を15.3センチ広げてゆとりを増し、モニターサイズも23インチに拡大。ご覧のように、通路や隣席との間はシェル型の壁や大型パーティションで仕切られ、プレイベート感も十分です。

各社とも最上級クラスのシートは“半個室”タイプが主流になっているようです。空の旅は今後、どこまで進化するのか──ますます楽しみになってきました。

S.Akimoto at 13:11|Permalink

2009年07月15日

ニューヨークへ

 
朝7時30分からのFMラジオ“bayfm”への生出演を終えて、ひと息つくヒマもなく荷造りを開始。必要な取材道具と着替えや洗面用具をいつものバッグ二つに分けて詰め込み、先ほどオフィスを出ました。現在、成田空港に向かっています。


テレビ番組のニューヨークロケがあり、午後の便で発ちます。最近ちょっと疲れ気味ですが、ニューヨークまでは成田から約13時間の旅──リラックスして身体を休めるにはグッドタイミングです。しかも利用するのは、コンチネンタル航空の“ビジネスファースト”クラス。「ビジネスクラスの料金でファーストクラスに負けない快適さを!」とのコンセプトで誕生した同社独自のサービスで、毎年春に発表される恒例の「OAGエアライン・オブ・ザ・イヤー」では5年連続で「ベスト・ビジネスクラス賞」に選ばれました。

その“売り”の一つが、旅をフルサポートしてくれる専任コンシェルジュの存在です。成田空港ではすでに、明るいグレーの制服に身を包んだコンシェルジュが待ってくれているでしょう。彼女たちは、チェックイン手続きからラウンジへの案内、さらに離陸前の機内にも顔を見せて到着地での心配ごとや要望などにもきめ細かく対応してくれます。

コンチネンタル航空が太平洋路線で運航するボーイング777-200にはエコノミークラスを含めて全席にパーソナルモニターが装備され、この7月には最新のオンデマンド型エンターテインメントシステムの全機への導入が完了しました。各シートには、特別なアダプターが不要のPC用電源も装備されています。離陸後、まずはプロのワインマスターが厳選したという世界各国のワインリストから「これは」と思うものをチョイス〔写真〕。グラスを傾けながらやり残した仕事をさっさと済ませ、あとは250本ある映画プログラムの中から観たい作品を何本か楽しんでいれば、きっとアッと言う間にニューヨークでしょうね。

13時間のフライトで頭も身体もリフレッシュし、最高の状態でNYロケを始めたいと思います。その報告は、また現地から!

S.Akimoto at 11:27|Permalink

2009年06月10日

世界のビジネスクラス

 
旅客機は一つひとつの機種ごとに、標準となるシート数がメーカーによって決められています。ボーイングの資料を見ると、たとえば多くのエアラインが国際線に投入している777-200を3クラスで設定した場合の標準座席数は「ファーストクラス16席(シートピッチ61インチ)、ビジネスクラス58席(同39インチ)、エコノミークラス227席(同32インチ)」の計301席。基本シート数が決められているのはエアバスの機種でも同じです。


ところが、この基本どおりのシート数で機材を運航しているエアラインはほとんどありません。その機材を投入する路線の旅客需要が各社で違う、というのが大きな理由です。座席数を少なくしてできるだけ快適なスペースを提供できなければファンから見放されてしまう──最近はそんな危機感から、シートやレイアウトに個性を打ち出すエアラインも増えました。

その傾向がとくに顕著なのが、ビジネスクラスです。あるエアラインの幹部は「ビジネスクラス1席の収益性はエコノミーの4人分に匹敵します。ブランドイメージの強化につなげる意味でも、このクラスでの競争には負けるわけにはいきません」と私に言っていました。実際、ここ数年は従来の常識を超えるようなビジネスクラスが続々と誕生しています。

そんな各社自慢の最新プロダクトを1冊にまとめたムック『世界のビジネスクラス』が、イカロス出版から発売になります〔写真〕。先ほど私のオフィスに、ひと足先に見本誌が届きました。ページをめくってみると、日本を発着するエアライン各社のビジネスクラスがたくさんのカラー写真で紹介されていて、見ているだけで気持ちが楽しくなります。私も過去に利用したときの「搭乗印象記」を4社ほど書いていますが、さて、その4社とはどこのエアラインでしょう? 『世界のビジネスクラス』は明日──6月11日より、全国の書店に並び始めます。

S.Akimoto at 00:31|Permalink

2009年05月17日

SQ名古屋線が変わる

 
写真は、名古屋駅前のミッドランドスクエア地下1階にあるイベントスペースで撮影したものです。6月1日から名古屋線に就航するシンガポール航空の新機材、エアバスA330-300の最新のキャビン設備が先週金曜日から一般公開され、そのオープニングセレモニーに私も列席してきました。


A330-300はこれまで数多くの改良を重ね、同じクラスの航空機の中でもきわめて高い運航効率を実現する機種に生まれ変わっています。シンガポール航空はこのA330-300を「余分なCO2の排出を抑えて環境保護に貢献できる機材」として計19機発注。今年1月にはフランス・トゥールーズのエアバス本社で1号機の引渡し式典が行われ、その模様については現地から当日のBlogで報告しました。

「なんだかお洒落なイスね。飛行機じゃないみたい」
「私もこんなシートに座って旅行してみたいな」

ミッドランドスクエアを訪れる地元の人たちは、ふと足を止め、口々に呟いています。私もトゥールーズでの引き渡し式典の際に機内を見せてもらいましたが、このシートはなかなか快適です。キャビン仕様はビジネスクラス30席、エコノミークラス255席の計285席。両クラスともシートはオール2階建て機A380に搭載されているものと同じカラーで統一されました。ビジネスシートはA380用シートを短中距離用にアレンジした新バージョンです。

シンガポール航空は現在、名古屋線をボーイング777で週5便で運航しています。A330-300を導入する6月1日からは、便数も週7便のデイリー体制に拡大。金曜日のオープニングセレモニーで半年ぶりに会った同社日本支社長のフィリップ・ゴーさんは、その狙いを次のように話していました。

「A330は座席数を抑えてキャビン設計しましたので、従来の777に比べてキャパシティが11%小さくなっています。ですので、週7便に拡大しても十分需要は見込めると判断しました。そして何よりも、昨今のように景気が低迷して暗いムードのときにこそ、新しいエキサイティングな機材で市場に刺激を与え、みなさんに元気になってもらうことが必要だと思うんですよ」

S.Akimoto at 10:49|Permalink

2009年05月11日

プレステージスリーパー

 
写真は、大韓航空が今後、中長距離線の機材に新しく導入するビジネスクラス用の新シートです。総額2億ドルを投資して全クラスのシートをアップグレードする計画が現在進行中で、その概要が今日発表されました。


“プレステージスリーパー”と名づけられたこのフルフラット型の新シートは、シートピッチが既存の短距離線用シートより67センチ広い188センチ。プライベート空間を強調するパーティションやワンタッチ式のシート調整ボタンを備え、パーソナルモニターも15インチに拡大しています。

ほかにファースクラスにはシート幅を15センチ広げてゆとりが増した“コスモスイート”を、エコノミークラスにも10.6インチモニターを装備した“ニューエコノミー”が登場します。これらが最初に導入されるのが、今年末に受領予定のボーイング777-300ERの1号機。その後、2011年3月までに、現在保有する777やエアバスA330など32機に、さらに来年以降に受領するエアバスのオール2階建て機A380やボーイングの次世代中型機787にも同じシートが装備される予定です。

エアライン各社が不況に苦しむ中、大韓航空は何だかとても元気ですね。今年2月には2機のA380追加購入も決定しました。ボーイング777-200や747-400の一部機材に装備されている現在のシートも2005年から導入が始まった新しいものなのですが、同社によると「これまでは第1次のアップグレード計画。第2次計画にあたる今後は、さらに進化したシートを利用者のみなさんに提供し、従来以上に快適な空の旅を楽しんでいただきたいと思っています」と言っています。

S.Akimoto at 23:12|Permalink

2009年01月22日

ピッカピカのSQ新機材

 
窓ガラスの向こうに、完成したばかりのA330-300が駐機しているのが見えます。ここはトゥールーズ空港に隣接したエアバス工場の敷地内にあるセレモニー会場。機体に塗装されているのは、見慣れたシンガポール航空のカラーとロゴマークです。現地時間で1月21日の午前10時を回ると、各国からの報道陣が続々と会場に集まり始めました。


さて、今日も引き続きエアバス社からの報告です。シンガポール航空は先日、新しい機内設備を搭載したA330-300を2009年3月以降にオーストラリアと日本路線に導入することを発表。これまで計19機発注しているA330-300の1号機の引渡し式典がこの日、エアバスのトム・エンダース社長兼CEO〔写真右〕やシンガポール航空のマック・スウィー・ワー上級副社長〔同中央〕らの列席のもとで開催されました。

各国記者団に向けたスピーチと書類への署名式が終わり、実際の機内に案内してもらいます。キャビン仕様はビジネスクラス30席、エコノミークラス255席の計285席。どちらのクラスのシートも、A380に搭載されているのと同じカラーで統一されています。ビジネスシートはA380用シートを短中距離用にアレンジした新バージョンで、オーストラリアの各線や名古屋線などで現在運航しているボーイング777を今後、A330-300に順次切り替えていくことが報告されました。ビジネスクラスは777の「2-3-2」配列からA330-300では「2-2-2」配列に変わります。必ず窓側か通路側のどちらかを確保できるこの「2-2-2」配列は、利用者にとってもありがたいですね。

式典終了後、シンガポール航空のワー上級副社長に個別インタビューの時間をもらいました。その中で「環境保護」について言及した私の質問に、彼は「これまで多くの改良を重ねてきたA330-300は同じクラスの航空機の中でも1席あたりの運航コスト効率がきわめて高い。またシンガポール航空が就航する各路線のマーケットニーズを綿密に調査し、よりマーケットにフィットする最適な新しい機材に切り替えていくことが、余分なCO2などの排出を抑えて環境保護に貢献していくことにつながると思う」と話していました。

日本では、まずは今年6月に名古屋線に導入。さらに2010年3月までには大阪線も従来のボーイング777から新しいA330-300に切り替わる予定です。

S.Akimoto at 19:46|Permalink

2008年10月17日

旅客機が“救急車”に変身

 
三宅島の復興を願って昨年スタートしたモーターサイクルイベントが、今年も今日から始まりました。明日はメインのバイクレースが行われる予定で、三宅島空港が会場として使われるため、羽田と三宅島を結ぶANAの18日の便が往復とも運休になるそうです。朝日新聞が先日の紙面で、地元住民の「何か緊急を要することがあったときに困る」という不安の声も交えて伝えています。


ANAの羽田/三宅島線は、地元の強い要望を受けて今年4月、約7年8カ月ぶりに再開されました。この空路以外だと、本土と島を結ぶのは片道6時間半かかる船便だけ。明日の運休は、急病人などが出た場合を考えると、地元の人たちにはたしかに不安でしょう。

急病人といえば、遠い海外でもし大きな怪我をしたり重い病気にかかったときに、どうするか? これは旅行者にとってとても大きな問題です。家族のいる日本で治療を受けたいと思う人は多いでしょうが、これまでは病人や怪我人を素早く運んでくれる手段がありませんでした。チャーター機を手配すれば、それだけで莫大なお金がかかってしまいます。

その問題を解決したのが、ドイツのルフトハンザでした。ルフトハンザは、普段運航しているエアバスA340-300のエコノミークラスシート12席(3席×4列)を必要に応じて取り外し、医療機器や測定器を完備した個室型の医療用コンパートメントにわずか45分という短時間で“変身”させる技術・システムを開発。フライトには専任の主治医と看護士資格をもつ客室乗務員が付き添うほか、同社が本拠を置くフランクフルトの専任ドクターセンターとは通信回線で結ばれ、地上からのリアルタイムサポートも万全です〔写真は記者たちに披露された個室型医療用コンパートメント〕。

ルフトハンザの特徴の一つは“革新性”だと私は思っていますが、さすがですね。重病人の低コストかつスピーディな長距離搬送を可能にした同システムの稼働率は、年々上昇し続けているといいます。

S.Akimoto at 22:37|Permalink

2008年09月20日

進化型エコノミー

 
“エコノミークラス=狭くて窮屈”──というイメージが、少しずつ変わりはじめました。下の画像はキャセイパシフィック航空が新たに導入を進めているボーイング777のエコノミーキャビンで、ここには従来とは違う新発想のシートが搭載されています。


変わった点の一つは、背もたれ部が後ろに倒れるのではなく、座面が前方にスライドするリクライニング方式を採用していること。これで後部席の人への圧迫感が大幅に解消されました。軽くて薄い新材料を使うことで、シートの背当て部や座面を極端に薄く設計し、これにより広いスペースも確保しています。シンガポール航空が運航するエアバスのオール2階建て巨人機A380にも同様なシートが搭載され、なかなかの乗り心地でした。

JALが今年夏に発表した国際線の新しいエコノミーシートも快適です。新シートには、頭の動きに自在にフィットする“ハンモック式”ヘッドレストを採用。実際に座ってみると、頭が優しく包み込まれる感じがグッドで、従来のエコノミーシートに比べてかなりリラックスできそうです。

エアライン各社はここ数年、競うようにキャビンリニューアルを進めています。が、これまでクローズアップされてきたのはファーストクラスやビジネスクラスの豪華さばかり。その陰でいつも“置き去り”にされてきたエコノミークラスが、ここへきてようやく少しずつですが進化しはじめたようです。http://livedoor.blogimg.jp/office_akimoto/imgs/3/0/30f02acd.jpg

S.Akimoto at 18:34|Permalink

2008年08月02日

このお洒落なバーは?

 
写真のバー、ずいぶんと賑わっていますね。どこの国のどの街のバーでしょうか? いいえ、これはじつは、飛行機の中。エミレーツ航空がドバイ/ニューヨーク線に8月から導入したエアバスA380の機内ラウンジの様子です〔エミレーツ航空HPより〕。


エミレーツ航空は7月28日にエアバスからA380の第1号機を受領しました。その最初の就航路線がドバイ/ニューヨークで、完全個室のファーストクラスが14席、ビジネスクラス76席、エコノミークラス399席の全489席でキャビンをレイアウト。上級クラスのソーシャルエリアにはこんな洒落たバーが備え付けられているほか、フライト中にリフレッシュできる2室のシャワースパなども設置されています。

私はよく「エミレーツは何をやらかすかわからないエアライン」と評してきましたが、本当にその通りですね。驚きました。今後は、2009年3月までにさらに5機、2013年6月までに53機のA380を受領する予定で、ドバイ/ニューヨークなどの長距離路線用の仕様のほか、中距離用の3クラス517席と2クラス604席でレイアウトした機材も用意。今回のニューヨーク線につづき、12月1日にはロンドン線、2009年2月1日にはシドニー線とオークランド線への投入が予定されています。

話は変わって、この『雲の上の書斎から』のデザインも、読者からの要望で8月からプチ・リニューアルしました。といっても、記事に添えている写真をほんのちょっとだけ大きくして配置場所を変えただけですが。気がついてくれました?

S.Akimoto at 09:54|Permalink

2008年06月10日

JAL新シートを生解説

 
いよいよですね。JALの国際線ファーストクラスとビジネスクラスに、はたしてどんな新シートが誕生するのか? その全貌が今日の午後、明らかになります。


“JAL NEW SKYSLEEPER SOLO”と呼ばれる、従来の全身を包み込むようなデザインのファーストクラス・シートも、利用者の間ではわりと好評でした。しかし同シートがニューヨーク線に初めて導入されたのは、2001年の末。それからじつに7年ぶりの全面リニューアルです。どんな画期的なシートも7年も経ってしまうと、もう勝負になりません。各社とも競うように上級クラスのシートを進化させ、わずか3〜4年で陳腐化してしまうのが、いまのエアライン業界です。

日本に限ったことではなく、欧米でもアジアでも、メガキャリアはこぞってプレミアムな顧客層にターゲットを絞り始めました。その背景にあるのが、「顧客の上位2割が収益の80%を生み出す」というマーケットの構図。全収益の20%しか生み出さない残る8割のエコノミークラス市場で勝負を挑んでも、徹底した低コスト化で利益を生み出せるLCC(ローコストキャリア)にはなかなか勝ち目はありません。となると、サービスがよければ喜んで高い料金を払ってくれる層をターゲットとするのは当然の流れです。

新シート発表会は午後2時30分より、東京ミッドタウンの会場で開催されます。しかしその時間、私はテレビ東京へ。15時35分からの『株式ワイド/クロージング・ベル』という番組に、急きょ生出演することになりました。キャスターの塩田真弓さん〔写真=同番組ホームページより〕をお相手に、発表された新シートの映像をスタジオで見ながら詳細を解説します。上級シートのリニューアル競争を切り口に、航空界の現状をわかりやすくお伝えできれば──と思っています。

S.Akimoto at 08:16|Permalink

2008年05月01日

スーパーグリーン車

 
5月、ですね。風薫る5月。この20日には、史上最大の客室スペースを誇るエアバスA380がいよいよ東京/シンガポール線に就航します。A380のデビューで、日本からの“空の旅”も確実に変わるでしょう。楽しみです。


ところで、これは“陸”の世界の話ですが、JR東日本が2010年度末より東北新幹線に「スーパーグリーン車(仮称)」を導入すると発表しました。シートを横3列でゆったりと配置し、座席数は従来のグリーン車の3分の1。専任アテンダントによる飲食のもてなしなど、航空機のファーストクラスに匹敵するサービスの提供をめざすといいます〔写真/JR東日本提供〕。このJR東日本の取り組みをどう考えるか? 先日、ある雑誌からインタビューを受けました。

ビジネスでも旅行でも、目的地までの移動時間は短ければ短いほどいい。輸送機関各社は、だから技術の粋を集めて“スピード競争”を繰り広げてきました。けれど、スピード競争にはどうしても限界があります。というより、限界領域に踏み込んでの無闇なチャレンジが許されないのが輸送の分野です。鉄道の世界でも、これまで常にベースとなってきたのは「経験工学」。鉄道は何よりも安全を優先させるため、たとえ古くても過去何十年にわたり安全輸送を支えてきた技術を大事にし、それを土台に歴史を積み重ねてきました。

ですが先ほども触れたように「移動時間はできるだけ短く」という要望が乗客にあるのも事実。その相反する要求に、鉄道事業者はどう応えていけばいいのか? じつは発想を変えてみることで、答えが見えてきます。移動時間の短縮に限界があるのなら、移動時間そのものを楽しくするような車内空間の演出に知恵と技術を結集すればいい。JR東日本の試みは、その意味で間違いなく多くの支持を集める──それがインタビューに対する私の答えでした。

S.Akimoto at 10:03|Permalink

2008年04月15日

恐るべし、テレビの力

 
いよいよ日本でもデビューするシンガポール航空のA380。5月20日の東京/シンガポール線での就航に先がけ、明日から東京・赤坂の「赤坂サカス」でA380に実際に搭載する豪華キャビンが一般公開されます〔写真〕。今日はそのオープンセレモニーに呼ばれて行ってきました。


今朝のTBSテレビ「みのもんたの朝ズバ!」でもA380の特集が組まれ、私もコメンテーターとして出演しました。といっても、私は日曜日にスタジオ収録を済ませてのビデオ出演。朝8時過ぎのその放送を見てから、短い原稿を1本書き上げて赤坂に向かいました。

ところが、何も考えずに録画収録したときと同じスーツで出かけてしまったから、さあ大変! 電車の中で目の前に座っていた女性がポカンと私を見上げて言うのです──「あのう、今朝の番組に出ていらした方ですよね」。じつは同じことが、地下鉄に乗り換えてからもう一度ありました。テレビの力って、本当にすごい。さすがに気恥ずかしくなり、それからは車内の隅っこに移ってずっとうつむき加減でいました。

ようやく赤坂駅に到着し、これでひと安心。ホッして会場入りしたのですが、今度はふいにうしろから肩をつかまれ、中年のスーツ姿の男性にこう言わました。「あんた、さっきテレビで何たらかんたらしゃべってた奴だよな」

その言い方にはかなりムカつきました。で、つい相手の手を振りほどいて「そのオレに何たらかんたらしゃべってるオメーは、誰なんだ!」と言ってしまったのです。相手はびっくりした顔で、足早に去っていきました。あ、まずい──と思ったのですが、もう後の祭りです。今日は一般公開ではないので、イベントにゲストとして来ていた人だったのかも知れません。

シンガポール航空のみなさん、報告です。私のせいで大事なお客さんを一人、失ったかも(笑)。それを知った関係者の一人は「だめですよォ、秋本さん」と困り顔になっていましたが……。でも私、悪くないも〜ん。

S.Akimoto at 21:20|Permalink

2008年03月12日

NWAの“コーチチョイス”

 
エコノミークラスをよく利用する人たちに「どのシートが好きですか?」と聞くと、常に人気が高いのが非常口前のシートです。「前に席がないので圧迫感がなく、足を伸ばせるから」というのがその理由。たしかにあの席は、エコにミークラスらしからぬ“ゆったり感”があって快適ですね。


ただし問題は、非常口列は座席数そのものが限られているため、めったに取れないこと。そこで、それら一部の人気シートをわずかな追加料金で事前に指定できるサービス「コーチチョイス」を2006年夏からアメリカ国内線で試験的に導入してきたのが、ノースウエスト航空でした。

非常口列や前方通路側などの人気シートを、1フライト15USドル相当で出発の24時間前から指定できるのが「コーチチョイス」。賛否はあったようで、私も注目していましたが、利用者からは好評だったようですね。ノースウエスト航空は本日午後、その「コーチチョイス」のサービスを国際線でも開始することを発表しました。

エコノミークラスの一部のシートを対象に、座席指定料金はアジア路線とグアム、サイパン、ハワイ線で25USドル、太平用線で50USドルに設定。出発24時間前から同社ホームページの「NWAオンライン・チェックイン」または「予約確認」の「座席指定」画面で選択・予約ができるほか、空港に設置されたセルフサービス・チェックイン機でも利用できます〔写真はオンライン・チェックインの画面〕。

短時間のフライトならどの席でも我慢できますが、長距離フライトではできるだけ快適なシートを選びたいもの。次回、ノースウエスト航空のエコノミークラスで渡米する機会があれば、私も必ず利用してみようと思います。

S.Akimoto at 21:53|Permalink

2008年01月26日

機内でインターネット

 
ここ数年、各社のビジネスクラス・シートはとても贅沢になりました。けれども、とくに欧米線などの長距離フライトを利用したときに思うのが、このシートでPCをネットに接続して仕事ができたらもっと快適なのに──ということ。以前はコネクション・バイ・ボーイング社が機内でのブロードバンド接続サービスを提供し、JALANAをはじめ数社が導入していましたが、利用者の数が予想を下回り2006年12月をもってサービスを終了してしまいました。


新たに導入しようという動きはないのかな? そう思って前に米系エアラインの幹部に聞いたところ、こう彼は言っていたのを思い出します。

「日ごろ忙しいビジネスマンたちは、飛行機に乗ってまで仕事をしたいなんて思わないのでしょう。フライト中くらいはゆっくりさせてくれ、ってね。需要があるのは一部の人たちだけで、機内でのネット接続サービスはビジネスとしては成立しないですよ」

なるほど、そんなものなのか……。私も半ば諦めていたら、思わぬ朗報が届きました。アメリカン航空がエアセルという通信会社のブロードバンド接続サービスを機内に導入すると発表したのです。

全米第1位の同社は、とくにビジネスマン層から絶大な支持を集めるエアライン〔写真は同社のビジネスクラス〕。乗客の多くは、席についたとたんにノートPCを開くような人たちで、彼らは「常にきちんと時間どおり飛んでくれれば、とりたてて特別なサービスは求めない」などとも言われてきました。機内でのネット接続は必要なサービスの一つ、とアメリカン航空は判断したのでしょうか。

当面はアメリカ大陸横断路線に就航するボーイング767-200に導入されるそうです。が、利用率が高ければ導入路線はきっと拡大していくはず。今後、同じ路線にネットを使えるエアラインと使えないエアラインが飛ばしていれば、私は間違いなく前者を選択するだろうと思います。

S.Akimoto at 22:35|Permalink

2007年12月03日

威風堂々!

 
先週末にイカロス出版発売になった『月刊エアライン'08年1月号』と『航空旅行ハンドブック'07ー'08 WINTER SCHEDULE』〔写真〕に、今年10月25に取材したシンガポール航空のエアバスA380世界初就航便についての記事が掲載されています。


『月刊エアライン』の特集タイトルは「威風堂々! A380デビュー」。そこでは世界が注目した“10.25”のドラマの一部始終をドキュメントで伝えるレポート(7ページ)と、シンガポール航空のA380の驚くべきキャビン仕様を「スイートクラス」「ビジネスクラス」「エコのミークラス」の別に報告した記事(10ページ)を書いています。

一方の『航空旅行ハンドブック』の特集タイトルは「ゴージャスフライトへの招待」。まずは「新世紀のキャビン」と題する導入記事(4ページ)でここ数年のエアライン各社の動向やトレンドを解説し、そして「A380が実現する“空の旅”のニュースタイル」(8ページ)では飛行機を使った旅行がA380のデビューで今後どう変わっていくのかを私なりに徹底検証しました。

両誌とも現在、書店に並んでいますので、ぜひ手に取ってみてください。

S.Akimoto at 17:18|Permalink
Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら新聞・雑誌、Web媒体などにレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『これだけは知りたい旅客機の疑問100』『ボーイング787まるごと解説』(ソフトバンククリエイティブ/サイエンスアイ新書)や『航空大革命』(角川oneテーマ21新書)など著書多数。

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