航空機

2012年01月21日

2012年の流行予報

 
阪急コミュニケーションズより、女性誌『フィガロジャポン』3月号〔写真〕が届きました。最新号のメイン特集は「2012年の流行予報」。ページを開くと、リード文に「お待たせしました! 新しい1年を笑顔でいっぱいにしたいから、フィガロは総力をあげて今年の流行予報を発令します」とあります。


内容をチェックしてみると、モードや美容、インテリア、グルメにカルチャー、そしてデジタルから旅まで──計181のトピックスを網羅した全方位型のトレンド予測を54ページにわたって展開しています。これだけの情報を集めるのは、編集部の人たちもさぞかし大変だったでしょう。

モードや美容、インテリアなどには私はまったく興味ないものの、グルメページでは「へえ、今年はこんな店が流行るの?」とちょっと勉強に。そして次のページをめくると、映画紹介のコーナーで来月26日に発表されるアカデミー賞のゆくえを占っています。編集部の予測は、はたして当たるでしょうか?

またトラベルのページでは、じつは私が、2012年に注目すべき“空の旅”のトレンドについて3つの角度から書きました。興味ある方はどうぞご覧になってみてください。『フィガロジャポン』3月号は昨日より全国の書店で発売になっています。

S.Akimoto at 00:41|Permalink

2011年11月10日

桃のエアライン

 
来ましたねえ、ピンクと白で着飾った派手な機体が。日本初の本格的なローコストキャリア、ピーチ(Peach Aviation)の1号機が今朝9時過ぎ、関西国際空港に到着しました〔写真〕。私も今日は朝から日帰りで関西へ。といっても、このピーチ1号機の取材が目的だったわけではありません。別件での出張でしたが、関空のターミナルにはピンクの機体をひと目見ようと多くのファンや報道陣が集まっていました。


ピーチが使用するのは、エアバスの単通路型ベストセラー機A320です。機首部分は白く、ボディから尾翼にかけては鮮やかなピンクで塗装された機体は、本当に目立ちます。2012年3月に関西から札幌と福岡へ、同5月からはソウルへも飛び始める予定で、日本の空が華やぐことは間違いありません。

昨日は同社の3レターコード(APJ)と2レターコード(MM)も発表されました。3レターコードのAPJが「Air Peach Japan」の頭文字であることは想像できますが、では、2レターコードのMMはなぜ? そんな疑問を持った人も少なくなかったようです。便名などに使われるこの2レターコードは、JALは「JL」だし、ANAは旧社名のニッポンヘリコプターにちなんで「NH」を使用。それらに比べてピーチの「MM」は、たしかに意味がわかりません。

いいえ、私はすぐにピンときました。MMって「MOMO」じゃないかな──と。モモ、桃。つまりはピーチ。心のどこかに「まさかそれはないか」という思いはあったものの、ビンゴだったようです。多くの人たちに親しまれるエアラインに。スタッフたちのそんな願いが、この2レターコードに託されているように感じました。

S.Akimoto at 23:17|Permalink

2011年09月11日

10年前のあの日

 
信じられない事件でした。多数の民間人を乗せた旅客機で高層ビルが爆破・破壊される──そんなことは、誰も予想もしなかったに違いありません。最初のニュース映像が届いたのは、ちょうどテレビで報道番組を観ていたときです。目の前の現実の出来事を、すぐには理解できませんでした。


ニューヨークのワールドトレードセンターに突入した2機は、いずれもボーイング767です。767は双発セミワイドボディ機という、それまでにない新しいカテゴリで登場した機種で、コクピットにはデジタル・アビオニクスが採用されました。飛行に必要なデータは従来型の計器類に代わって6面のCRTで表示。飛行コースや高度・速度の維持、滑走路への進入までをコンピュータによる自動操縦で行います。しかし自動操縦といっても、それは誘導電波や管制塔の支援があってはじめて可能になるもので、林立する高層ビルの間を手動操縦で飛ぶなどという芸当は相当な訓練と経験がなければできません。

2機目がタワーに激突した瞬間はCNNがライブ中継していました。私は繰り返しその映像を眺め、当時まだ「報道」の分野では活用が進んでいなかったWeb媒体に、どのメディアよりも早く送ったのが以下の第一報です。

 ユナイテッド航空175便は機体を30度ほど左に傾けて画面に現れ、バンク角をさらに深くしながら真っ直ぐに“標的”に突入している。バンク角を深めながら高度を下げる操縦法は、じつは戦闘機によく見られる方法だ。操縦桿を握っていたのはおそらく犯人グループの一人に間違いない。これは極めて精密な作戦と周到な準備の上に成立しているテロ行為だろう。
 精密な作戦と周到な準備は、ボストン空港を飛び立ってから短時間で目的を完遂させている点からも読み取れる。旅客機に積む燃料は、着陸時にはほとんどを使い切っているが、反対に離陸直後はまだ満タンに近い。飛び立ってからできるだけ早くビルに激突させたほうが爆発・炎上の威力も増すわけで、そうした行動の裏にも私は計画の残虐さを感じるのだ。


ちょうどいま日付が変わり、10年目の“9・11”を迎えました。何年経っても、あの日の記憶は薄れるどころか、鮮明に脳裏にはりついています。人と人とをつなぎ出会いを演出する、まさに平和の象徴であるべき旅客機が、残虐なテロ行為の凶器に使われる。そんなことが今後、未来永劫、二度とあってはなりません。

S.Akimoto at 00:03|Permalink

2011年07月29日

2012年宇宙の旅

 
30年にわたったスペースシャトル計画が7月21日で幕を閉じ、そして一昨日の27日には“シャトル後の時代”を担う新しい日本人宇宙飛行士3人の記者会見が実施されました。このところ宇宙の話題が続いています。しかしいずれの「宇宙」も、いわば“選ばれた一部の人たち”のもの。一般の人間にとっては、宇宙はまだまだ遠い存在なのでしょうか?


いいえ。一般の人たちも大気圏を飛び出して宇宙旅行を楽しめる日が、じつはもう間近に迫っています。

2010年10月にはアメリカ南部の砂漠地帯に、世界初となる民間宇宙船の発着基地も完成しました〔写真〕。この“宇宙空港”の正式名称は「スペースポートアメリカ」で、米国ニューメキシコ州が200億円を投じて同州南部に建設。3,000メートルの滑走路もすでに整備され、年内にはターミナルビルもグランドオープンします。そして今後、この宇宙空港をキーテナントとして利用することになるのが、民間向けの宇宙旅行計画を進めてきたヴァージングループ傘下のヴァージンギャラクティック社です。

実際に使用するスペースシップも2009年12月に完成・披露され、関係者からは「飛行テストなども現在まで順調に進んでる」と聞きました。民間人旅行者を乗せたスペースシップの初便は、いよいよ2012年にも宇宙に向けて発進します。そこで誠Styleの連載『“飛行機と空と旅”の話』では、本日より「2012年宇宙の旅」と題するレポートを公開! 同連載の本来のテーマからはちょっと外れるものの、今回は大気圏を超えて高度110キロの宇宙空間へ飛び出し、輝く星々や青い地球をスペースシップから眺める夢の宇宙旅行について紹介しました。

≫≫≫「2012年宇宙の旅。ヴァージンギャラクティックが主催する夢の宇宙旅行

S.Akimoto at 08:05|Permalink

2011年07月21日

ドイツからの招待状

 
何かトラブルがあったのかなあ、と心配していました。今年2月6日のBlogでも報告した、ルフトハンザの新しいエコ実験。ハンブルグとフランクフルトを結ぶ同社の定期路線で、従来のジェット燃料に代わる「バイオ燃料」を使用しての運航が4月より計画されていたのですが、当初の予定より遅れているらしく7月に入ってもまだ始まりません。「準備が整った」という知らせが先週、ようやく届いて、ホッとひと安心といったところです。


すると今週半ば、ルフトハンザの日本での広報を担当するNさんから「招待が来てますよ、フランクフルトの本社から」とさっそく連絡が! ルフトハンザの新しいCEOに就任したクリストフ・フランツさんが初来日したのは、今年1月です(1月25日のBlog参照)。成田で面会し、いろいろ話した中で、フランツさんは「バイオ燃料の実験フライトが始まったら招待しますので、ぜひ乗りにきてください」と言ってくれました。その約束を、ちゃんと覚えていてくれたみたいですね。

問題は、渡航スケジュールです。先方の要望としては、8月下旬であれば、ルフトハンザの技術拠点があるハンブルグ〔写真〕で関係者たちにもインタビューできるとのこと。8月後半はベトナム取材が決まっていますが、Nさんと今日一日やりとりした結果、その日程と重ならないように何とかうまく調整できそうです。ベトナムから帰国してすぐにドイツへ、というハードな夏になりそうですが。

でも、エアライン業界の未来を展望する貴重な機会です。ハンブルグで現場のスタッフたちにいろいろ話を聞き、自分の目でもしっかりと観察して、その結果をいくつかのメディアを通じてみなさんにも報告する予定です。

S.Akimoto at 23:41|Permalink

2011年07月03日

787が、来た〜ッ!

 
ついに、ついに来ましたね。ボーイング787“ドリームライナー”が今朝6時過ぎ、就航を前に空港設備との適合性などを検証するため日本に初飛来! その歴史的な瞬間を見ようと、羽田空港には早朝にもかかわらず多くのファンが詰めかけました。


報道関係者も朝5時前から集まり始め、その数は計120名以上に。新聞や雑誌のカメラマンを中心に、テレビクルーやフリーの記者たちの姿も見えます。米国シアトル郊外のエバレット工場に隣接するペインフィールド飛行場を日本時間の21時11分に離陸したANA塗装の787テスト機は、約9時間のフライトを経て6時21分に羽田空港のC滑走路に着陸しました。

「意外と大きいね」
「シャープな印象で、かっこいい」
「翼が長くて、きれい」
「長かった。3年も待った」

展望デッキではさまざまな声が飛び交います。なかには、感動して涙を浮かべているファンも! 思えばANAへの1号機納入は当初、2008年5月に予定されていました。それが7回も延期され、やきもきしながら開発の推移を見守っていた人も多かったのでしょう。しかしここまで漕ぎ着つければ、2011年秋の初就航は間違いありません。明日も午後から羽田のANA機体メンテナンスセンターで787の披露と記者会見があるので、また取材に行ってきます。

S.Akimoto at 23:38|Permalink

2011年05月16日

太陽光飛行で国境越え

 
スイスから嬉しい報告が届いています。誠Styleの連載『“飛行機と空と旅”の話』でも先月、2回に分けてレポートしたソーラーインパルスが、太陽エネルギーだけで世界一周飛行を果たすという目標にまた一歩大きく近づきました。


それまでのテストはすべて同プロジェクトが拠点を置くスイス国内でのフライトでしたが、今回達成したのは国境をまたいでのインターナショナルフライトです。目的地に選ばれたのは、約500キロ離れたベルギーのブリュッセル。アンドレ・ボルシュベルグ氏が操縦するソーラーインパルスは、現地時間の5月13日午前8時40分にスイス西部のパイエルヌ飛行場を離陸しました。その後、地上の管制センターから衛星通信システムを使って届く位置情報や飛行データをコクピットで受信しながら優雅に空を舞い、フランス北東部のアルザス上空を通過〔写真〕。ジェット旅客機なら1時間程度のところを約13時間かけて飛行し、午後9時30分にスタッフや地元メディアなどが待つブリュッセル空港に降り立ちました。

ソーラーインパルス・プロジェクトについては最終目標である世界一周フライトを実現するまで、当Blogや誠Styleの連載レポートで今後も逐一報告していきたいと思います。

さて、その誠Styleの連載では、本日より新しい記事がアップされています。タイトルは「新型旅客機が誕生するまで──その開発・製造プロセスを追う」。新しい旅客機が完成するまで、何年くらいかかるのか? よく寄せられるそんな質問への答えとして書いたレポートです。以下からアクセスしてみてください。

≫≫≫「新型旅客機が誕生するまで──その開発・製造プロセスを追う

S.Akimoto at 08:15|Permalink

2011年05月13日

ドレミファ、はどこへ?

 
ソラシド──って、何これ? と口から出たのが第一声でした。それから「ドレミファはどこ行ったの?」という突っ込みが入って。昨日のことです。スカイネットアジア航空が今年7月から導入する新しい企業ブランド名を発表しました。


機体のデザインも「ソラシドエア」に順次変更していくと聞いて、前半の「ドレミファ」じゃダメなのって真剣に思ったら、そうではありませんでした。ソラシドは、英語で書くと「Solaseed」。日本語の「空」と英語の「種」を組み合わせて「空から笑顔の種をまく」との意味なのだとか。なるほどね。

ちなみに上の写真は、スカイネットアジア航空の現在の機体デザインです。ボディの底に引いた濃紺のラインは水平線で、機首から尾翼にかけて太陽やヤシの木のイラストが。宮崎に本社を置く南国のキャリアにふさわしいカラーリングで、CGデザイナーの小関資朗さんが手がけました。

いまのデザインは見慣れていただけに、ちょっと残念な気もしますが、新しいデザインにもすぐ慣れるのでしょうね。JALの鶴丸復活が発表されたときも、“太陽アーク”のマークにせっかく馴染んだのにと反発しましたが、鶴丸機体が飛び始めると「やっぱりJALらしくていいねえ」なんて思うようになりました。当たり前のことですが、問題は中身です。JALもスカイネットアジア航空も、ガンバってください。

S.Akimoto at 19:28|Permalink

2011年05月04日

ブラックボックス

 
2009年6月にブラジルからパリに向かっていたエールフランス航空機が大西洋に墜落し、乗客乗員228人全員が死亡した事故で、現場近くの海底から2年ぶりにブラックボックスが回収されたという報告が入りました〔写真=フジテレビのニュースより〕。


ブラックボックスとは「ボイスレコーダー(CVR=操縦室音声記録装置)」と「フライトレコーダー(FDR=飛行データ記録装置)」の総称で、ボイスレコーダーにはコクピットと地上との交信やクルー同士の会話、周囲の騒音や背景音までをすべて記録。一方のフライトレコーダーには高度や対気速度、経過時間などの飛行データが磁気テープに刻み込まれ、いずれも事故前の飛行状況を解明するためにの重要な手がかりになります。

とても頑丈につくられていることもブラックボックスの大きな特徴です。耐熱・耐衝撃構造の丈夫なカプセルに収められ、機体が炎上する激しい事故でもブラックボックスが壊れるケースはほとんどありません。また水深6,000メートルの海底に沈んでも、海水の浸入を許さず、その水圧に耐えられる構造にできています。

さらにブラックボックスは、強い衝撃を受けてから30日間程度にわたって位置を知らせるための信号を発信しつづけるため、それほど時間が経過しなければほぼ100%回収が可能です。しかし2年越しの発見となると、これは捜索班の執念以外の何ものでもありません。墜落機は「乱気流に巻き込まれた」との連絡を最後に消息を絶ちました。ブラックボックスの回収により、これまで謎だった事故原因の解明が進むはずです。

S.Akimoto at 01:07|Permalink

2011年04月28日

あしながおじさん

 
大地震による被災地への支援の輪が広がっています。エアライン業界も例外ではありません。救援物資の輸送や義援金寄付などの各社の活動については、当Blogでも何度か報告してきました。しかし、瓦礫の山と化した街をどう復興・再生させるか、家を失った人たちをどう救済するかなど問題はまだまだ山積み状態。震災で親をなくした子供たちのケアもこれからの重要な課題です。


そんななか、2004年のインド洋スマトラ島沖地震による大津波で甚大な被害をうけたインドネシアのフラッグキャリア、ガルーダ・インドネシア航空が東北の被災地で暮らす子供たちへの「あしなが育英会」を通じての支援に動き始めました。

1988年に発足したあしなが育英会は、病気や災害などで親をなくした遺児や、親が重度後遺障害で働けない家庭の子供たちを物心両面で支えるNPO団体です。スマトラ島沖地震のときにも、多くのインドネシア人遺児たちに手を差しのべ、遺児が日本の大学で学ぶためのサポートなどを実施。ガルーダ・インドネシア航空も無料の航空券提供などを通じてその支援に加わりました。

「スマトラ島沖地震のときには、私たちもたくさんの日本の友人たちに助けられました。でも、だからといってそのお返しをしているわけではありません」と、成田で会ったガルーダ・インドネシア航空の関係者は私に言いました。「災害で辛い思いをしている人たちに国の違いなんてないですよ。世界はどこもみんな一つにつながっているのですから」

写真は、あしなが育英会会長の玉井義臣氏(左)と、ガルーダ・インドネシア航空の日本・韓国・中国・アメリカ地区総支配人のファイク・ファーミ氏(右)です。そして二人が手にしているのは、ガルーダ・インドネシア航空が立ち上げた『がんばろう日本 ! 』プロジェクトのロゴマーク。今後6月30日までの日本発便に搭乗する利用者からの料金の一部があしなが育英会に寄付され、また乗客から寄せられたメッセージカードが被災地の子供たちに届けられます。

S.Akimoto at 00:21|Permalink

2011年03月18日

原発事故の暗雲

 
東日本を襲った大地震から今日で1週間になります。被災された人たちへのエアラインの支援策について前回のBlogで紹介し、私のもとにはまだ一部しか伝わっていないと書いたところ、各社からその後さまざまな情報が届きました。


たとえばユナイテッド航空は米国赤十字社と協力し、マイレージ会員に被災者支援を呼びかける活動をスタート。大韓航空は東北地方の被災地へ、ミネラルウォーターや毛布などの救援物資を大型貨物機1機分の量に相当する100トンを支援すると発表しました。デルタ航空も被災者支援のために総額100万ドル以上の義援金やマイル寄付などを実施します。

またキャセイパシフィック航空は、昨日から今日にかけて成田/香港間に1日1便ずつの臨時便を運航しました。これはあくまで「帰国希望者の増加を受けた対応」でしょうが、定期便が欠航するなど運航スケジュールが不安定になりつつあるなかで利用者にとっては重要な措置だといえるかも知れません。スペースの関係で各社の事例をすべて紹介できませんが、関係者の方々には敬意を表したいと思います。

しかし残念ながら、大地震にともなう原発事故は深刻化し、その暗雲は日本の“空の道”を閉ざし始めました。欧州系キャリアでは成田から撤退の動きも出てきています〔写真は成田空港の管制塔〕。私たち日本人と海外を結ぶ空路は今後、どうなってしまうのか? 誠Styleの連載『“飛行機と空と旅”の話』で本日、「原発事故の暗雲が“空の道”を遮断する」と題する緊急レポートをアップしました。

≫≫≫「原発事故の暗雲が“空の道”を遮断する。欧州系キャリアでは成田から撤退の動きも!

S.Akimoto at 16:27|Permalink

2011年03月12日

激震・日本列島

 
日本列島が大変なことになっています。マグニチュード8.8──国内観測史上でも最大というだけあって、ものすごい揺れでした。写真は昨日午後、地震発生直後の羽田空港です。ターミナルから外へ逃げようと人々が出口に急ぐ様子を、ちょうど羽田で取材中だった記者が撮影し、送ってくれました。各地の空港では一夜明けた今日も欠航便が相次いでいます。


成田空港では朝から平常どおりの運航が再開されたものの、機材繰りがつかない路線も多く、正午現在で約8,500人の乗客が足止めされているようです。私もじつは今日、昼過ぎの便で成田を発つ予定でした。

私が乗るはずだったのは、12時30分発のスカンジナビア航空984便です。SK984便はいつもはデンマークのコペンハーゲン行きですが、この日だけは目的地を変更。ヨーロッパ最北の岬ノールカップへの玄関口であるノルウェー・ラクセルブ行きの特別便として運航される予定でした。ラクセルブへは通常、成田からコペンハーゲンとオスロで乗り継いで18時間以上かかります。それがダイレクトに飛ぶと、わずか9時間40分。私はこの“オーロラ直行便”で、北極圏の街へ1週間程度の取材に出かける計画を立てていました。

ところが、SK984便に割り当てるコペンハーゲンからの便が、昨日の時点でキャンセルに。“オーロラ直行便”は今日だけの限定なので、1日延期して運航するプランも考えたそうです。でも仮に明日飛ぶことになったとしても、もう日本を離れるわけにはいきません。各地で被害が拡大しているなか、航空とはまた別のテーマで、地方取材に向かわなければならないケースも出てきますから。

思えば昨年4月には、シンガポールで休暇中にアイスランドの火山噴火という事態に遭遇しました。休暇後にそこからパリへ取材で飛ぶ予定だったのですが、シンガポールで足止めされ、結局は渡仏できずに帰国。あちこち旅を続けていると、本当にいろんなことが起こります。いいえ、それこそが旅なのでしょうね。列島各地の1日も早い復興を願い、また被災された方々には心からお見舞いを申し上げます。

S.Akimoto at 12:30|Permalink

2010年12月05日

年末の全力疾走

 
毎年暮れから正月にかけては印刷会社の工場がストップしてしまうため、とくに月刊誌の仕事では「年末進行」といって、11月と12月は原稿や写真などの入稿作業を通常月よりも前倒しして進めなければなりません。他のメディアの取材や来年に向けての企画づくりなども並行するため、いまの時期はてんやわんやの大忙しというのが恒例になります。


現在進めているのは、集英社の男性ファッション誌『UOMO』の仕事です。'11年2月号(12月24日発売)で計32ページのエアライン特集を組むことになり、私は特集全体の企画・監修のほか、全ページの半分の執筆を担当。そして一部「マイレージ」などのページについては、仕事仲間であり同分野の専門家でもある航空・旅行アナリストの鳥海高太朗さんに依頼したところ、快く引き受けてくれました。

原稿はすべて先週半ばに入稿済みで、週末には出稿されたゲラが編集部からごそっと届きました。それで今朝も、早くから最終の著者校正に追われています〔写真〕。12月の最初の日曜日である今日は、じつは地元で参加しているソフトボールチームの年内最後の練習日。みんなで軽く汗を流したあとは納会もあるので、さっさと作業を終わらせて顔を出したいのですが……。

S.Akimoto at 07:43|Permalink

2010年11月04日

A380に重大トラブル

 
赤と白の模様が入ったエンジン部品の一部が地面に散らばっています。画面に映し出されている場所は、インドネシアの西部に位置するバタム島。地元の人は「大きな爆発音がして、上空を飛ぶ旅客機のエンジン部分から煙が出ていた」と証言しました。


今日の午後、成田空港である取材をしていた最中に、その第一報が私の耳に届きました。エアバスのオール2階建て巨人機A380に、就航後初めてともいえる重大トラブルが発生したらしい──と。その後わかったところでは、カンタス航空が運航するA380がシンガポール・チャンギ空港をシドニーに向けて飛び立った直後に、4基あるエンジンのうちの1基が停止。同機は午後1時ごろにチャンギ空港に緊急着陸したというのです。

テレビニュースの映像で見ると、左翼の第2エンジンが破損し、エンジンカバーが外れてしまっています〔写真〕。乗客乗員466人にけがはなかったものの、カンタス航空のジョイスCEOは「安全性が確認されるまで保有するA380すべての運航を停止する」と発表。2007年10月に世界で最初にA380をデビューさせ、現在成田線など複数の路線で導入しているシンガポール航空も、点検のため運航を一時見合わせることを決めました。

一度はA380で旅してみたい。そう話していた人が、私の周りに少なくありません。今年に入ってルフトハンザが東京/フランクフルト線で、エールフランス航空が東京/パリ線でA380の運航を開始しました。近々A380での旅を計画していた人は、きっと気が気ではないでしょう。A380については私も本を1冊書き上げるなど、開発当初からずっと注目してきた機種だけに、ショックです。エアバスは同型機にエンジンを供給するロールスロイス社とともに原因究明に全力をあげると言っていますので、とりあえずはその進捗状況を見守りたいと思います。

S.Akimoto at 20:28|Permalink

2010年08月12日

滑った客室乗務員

 
その“事件”は今週月曜日に起きました。アメリカのピッツバーグからニューヨークのJ・F・ケネディ空港に到着したジェットブルー航空1052便の機内でのことです〔写真はイメージ〕。機体が完全に停止する前に頭上のラックから荷物を降ろそうとした女性客を、客室乗務員のスティーブン・スレーター氏が注意してやめさせようとしたところ、その荷物が滑り落ちて彼の頭を直撃。スレーター氏は乗客に謝罪を求めましたが、逆にののしられたことで、彼の堪忍袋の緒は完全に切れてしまいました。


スレーター氏は機内アナウンス用のマイクでこの乗客への不平不満をわめき散らしてから、「もううんざりだ、やめてやる!」と言い放ってギャレーへ。そこで機内サービス用の缶ビール1本をつかみとると、非常口に設置されている緊急脱出用スライドシュートを作動させ、機内から滑り降りてそのまま帰ってしまったのです。

警察はその後、自宅に戻っていたスレーター氏を「危険行為」などを理由に逮捕しましたが、機内でのマナー悪化を不満に思う同業者からは彼を同情する次のような声が絶えません。

「乗客から罵倒されたことなんて、何万回もあるよ」
「客室乗務員は、乗客の手下くらいにしか思われてない」
「私なんか、乗客から平手打ちをくらわされたわ」

客室乗務員の指示には、乗客は必ず従わなければなりません。ネット上ではスレーター氏の行動を「よくやった!」と支持する声も集まっているようですが、現場で問題が起きたときには放置せず、そのつど報告を上げてきちんと対処すべきでしょう。溜め込んだ不満を爆発させて職場を放棄し、脱出用スライドシュートで逃走するなどという行為はもってのほかです。客室乗務員一人ひとりは、機内の安全を守る“保安要員”としての任務も負っているのですから。

警察の調べに対しスレーター氏は「一度、実際にスライドシュートを試してみたかった」と語ったそうです。アメリカ国内では、早くも「I slide(私は滑る)」という文字がプリントされたTシャツが売られているという話を聞きました。これについては、う〜ん、私は何もコメントしようがありません。ヘンな国。

S.Akimoto at 10:58|Permalink

2010年06月07日

太陽光で24時間飛行

 
太陽エネルギーだけを動力とする有人飛行機で世界一周を実現する──そんな夢のプロジェクトについて、3月30日のBlogで紹介しました。スイスを拠点に2003年にスタートしたこの「ソーラーインパルス」プロジェクトはこれまで順調に推移し、4月8日には高度を1,200メートルまで上げてのフライトに成功。その日、取材でトルコのイスタンブールを訪れていた私に届いたのが、テスト飛行の成功を喜ぶスタッフたちの様子です〔写真〕。


ソーラーインパルスの全重量はわずか1,600キロですが、主翼幅はエアバスの大型機A340と同サイズで63.4メートルもあります。その大きな主翼に設置した1万2,000個のソーラーパネルで太陽光を吸収。昼間蓄えた電力で夜間の飛行も可能にし、2週間から1カ月をかけて世界一周を果たすという壮大な計画です。

プロトタイプ機を使った4月のテスト飛行では、スイス西部のパイエルヌの飛行場を時速45キロで離陸し、1,200メートルの上空を87分間飛行しました。このテスト飛行の成功をステップに、あらかじめ充電した状態で離陸したそれまでの飛行から一歩前進して、現在は太陽の光を受けて飛ぶ文字通りの“ソーラープレーン飛行”に移行。飛行時間を段階的に延ばすテストが続いています。

そして先週、再びスイスから一報が入りました。現地時間の6月13日に、いよいよ24時間飛行に挑戦するというのです。もらった連絡には、スタッフからの「テストの現場に来ないか?」というひと言が添えてありました。

ですが、う〜、行けない〜! 別件の取材が重なっていて、スケジュールを動かすことができません。あと1週間先なら、ちょうどヨーロッパに行っている予定なのですが。いずれにしても、スタッフのみなさん、大成功を祈っています!

S.Akimoto at 06:04|Permalink

2010年04月18日

大自然の怒り?

 
シンガポールでの休暇を終えて、今夜の便でパリ取材へ! ──と思ったら、わお、飛行機が飛びません。アイスランドの火山噴火の影響です。成田を発った16日にもヨーロッパ便にちらほら欠航が出ていたものの、現地では遅くとも18日には各地の空港閉鎖は解除されるだろうと報じられていたので、あまり心配はしていなかったのですが。


もしやと思ってシンガポール航空の現地サイトを今朝チェックしてみら、予約したパリ行きSQ334便がなんとキャンセルに。ガビ〜ン! チケットインフォメーションにホテルから電話してみても、回線が混雑してつながりません。とりあえず、パリのカルチェ・ラタンにとったホテルに「明日は到着できない」とキャンセルの連絡を送ってから、早めにチャンギ空港に来ました。

シンガポール航空のカウンターで聞くと、パリだけでなくフランクフルト、ロンドン、アムステルダム、バルセロナ、チューリッヒ、ウィーンなどヨーロッパ各地への便は軒並み欠航に。これはまずいと思って、入手できる情報を片っぱしから仕入れたら、ローマへの便だけ飛ぶことがわかりした。

「お、これだ。これしかない! ローマへ飛んで、パリへはそこから列車で入ろう」

チケットの変更手続きをしようと急いでカウンターに行ったのですが、ああ、遅かった。ヨーロッパ各地へ帰る人たちの振替予約がこの便に殺到していて、すでに満席状態です。明日まで待ってもパリ行きが飛ぶかどうかは保証できないというし、私はどうしても23日(金)には日本へ戻らなければならないし……。帰国を先へ延ばすことは不可能なので、やっぱり今日中にパリに向かわないと、現地で何もできません。

あちこち空の旅を続けていると、当然のごとくいろんなことが起こります。ですが、遠い異国の火山の怒りに触れた、というのはさすがに初めてのケース。私の日頃の行いがよっぽど悪かったのでしょうね。もう八方ふさがりで、やむなく今日の23時45分発のSQ638便で東京へ戻ることにしました。パリ取材はまたいずれ、仕切り直して──ということで。

写真は、チャンギ空港のターミナル1と2と3を無料で結ぶ「スカイトレイン」です。出発までだいぶ時間が余ったので、さっき3回往復してきました。それぞれのターミナルを、行ったり来たりして。だって、ヒマなんだもん! あ〜あ、帰ろ。

S.Akimoto at 20:09|Permalink

2010年03月30日

ソーラーインパルス

 
ここ数週間、5月に刊行予定の新しい本の執筆に集中していましたが、今日は午後から作業を一時中断。月刊誌『航空ファン』(文林堂)6月号に発表するあるプロジェクトについての原稿書きに着手しました。化石燃料をいっさい使わず、太陽エネルギーだけを動力とする有人飛行機「ソーラーインパルス」〔写真〕で世界一周を実現する──そんな夢みたいなプロジェクトのレポートです。


ソーラーインパルスは全重量が1,600キロと車1台分に過ぎませんが、主翼幅はエアバスの大型機A340と同サイズで63.4メートルもあります。その大きな主翼に設置した1万2,000個のソーラーパネルで太陽光を吸収。昼間蓄えた電力で夜間の飛行も可能にし、2週間から1カ月をかけて世界一周を果たすという壮大な計画です。プロジェクトは2003年からスイスの技術者や冒険家らが中心になって進め、昨年12月にはプロトタイプ機を完成させ初飛行にも成功しました。

この3月には、広報担当のフィル・ムンドヴィラーさんが来日。スイス大使館で開催された記者会見のあとで、私は個人的に1時間ほど彼と話しました。

「プロジェクトの一番の目的は?」
「地球環境に対する人々の意識を高めることです。燃料がゼロだから、公害もゼロ。空気をまったく汚さない飛行機での世界一周を成功させ、人類はこんなこともできるんだということを強力にアピールしていきたい」

やりとりの中で、私がある取材で4月と5月にパリとフランクフルトに飛ぶ予定があることを伝えると、ついでにスイスにも足を伸ばすよう彼はしきりにすすめました。

「パリからもフランクフルトからも、チューリッヒまではひとっ飛びだよ。プロジェクトのメンバーにぜひ会ってみてよ」
「取材のあとで? うまく時間がとれるかなあ」
「チューリッヒ空港に到着する時間に、車で迎えに行くから」

プロジェクトを率いる一人が、1999年に熱気球による初の無着陸世界一周飛行を成し遂げた冒険家のベルトラン・ピカール氏です。彼のもとに、75人の有能なエンジニアや気象専門家などが集っています。会ってみたいですが、せっかく行くのなら、今後段階的に実施される重要なテスト飛行の日に合わせて改めて日本から飛ぶほうがいいかも知れません。

そんなことを考えながらこの文章を書いていたら、いまちょうどスイスからメールが届きました。次のステップである1,000メートルまで高度を上げてのテスト飛行の準備がすべて整った──という報告です。いずれにしても、最終目標である世界一周飛行は、2012年を予定。プロジェクトの詳細も含めて、その経過については今後逐一、みなさんにもお伝えしていきたいと思っています。

S.Akimoto at 20:25|Permalink

2009年12月13日

787、初フライトへ

 
間近に迫ったボーイング787の初フライトの日程について、世界中が注目するなか、同社から急きょ「15日(火)に実施する」と発表がありました。ボーイング関係者は「最低でも実施1週間前には公表する」言っていたので、びっくりです。


先日のBlogでもお知らせしたとおり、初フライトはクリスマス前というのが大方の見方でした。私も18日(金)か21日(月)のどちらかだろうと予測し、17日発または20日発の便でシアトルに飛ぶ予定も立てていたのですが──。明日の14日と15日、16日の3日間は取材&打合せ、テレビ出演、イベント参列などの予定が立て込み、日本を発つことができません。

もちろん、関係者や多くのファンが待ち望んだ初フライトの実施が正式に決まったのはとても喜ばしいことです。地上での走行試験の成功や社内での最終見直しを経て、連邦航空局の了承が出ることが前提ですが、おそらく発表どおり15日の実施で間違いないでしょう。“Xデー”をめぐる噂は、当初のクリスマス直前から18日、そして15日と次第に早まり、主翼と胴体接合部分の改修を終えて地上での各種試験も順調に進んでいることをうかがわせていました。

開発当初の予定からおよそ2年4カ月遅れで、ドリームライナーがいよいよ大空に舞います。その現場に立ち会えないのは残念ですが、昨日の夕方、懇意にしているANAの広報担当から「私が現地に飛びます」と連絡が入りました。当日の様子については、彼の帰国後にゆっくり報告を聞こうと思います。787初フライトの成功を祈っています。

S.Akimoto at 06:46|Permalink

2009年11月26日

サンタの入国審査

 
クリスマスまであと1カ月。今週初めには早くもサンタクロースが本場フィンランドから来日しました。ソリではなく、飛行機に乗って。“サンタクロースのオフィシャルエアライン”を自認するフィンランド航空が毎年、自分たちの国をもっとよく知ってもらうための親善大使としてサンタクロースを招待しています。今年は7年ぶりに成田空港に降り立ちました〔写真〕。


空港ロビーでは、出発を待つ旅行者たちに「コンニチハ」と日本語で声をかけて手を振ったり、記念撮影に応じたり。子供たちにはチョコレートが配られ、成田はひと足早いクリスマスムードに包まれていました。今後は本格的なクリスマスシーズンに向けて、東京、名古屋、大阪を中心に幼稚園や医療センター、各地のイベント会場などを訪問する予定だそうです。

ところで、サンタクロースといえども、日本に入国する際にはイミグレーションでの審査を受けなければなりません。空港ロビーに姿を現す前には当然、彼も他の外国人旅行者と同じように入国手続きを行いました。

「滞在の目的は?」
「どこに何日間の滞在予定ですか?」

入国審査官はパスポートの写真とサンタの顔を見比べながら、いつものきりっとした態度でそんな質問をしたのでしょうか? 考えたら、ちょっとおかしくなりました。

S.Akimoto at 23:35|Permalink

2009年10月28日

“空白の2日”を体験

 
現地時間の10月27日、コンチネンタル航空がスターアライアンスのメンバーとして新しいスタートを切りました。スカイチームからスターアライアンスへ──大手エアラインが航空連合を移行するのは初めてのケースです。


メンバー各社とのコードシェア提携やシステム変更などの準備に費した期間は、計18カ月。コンチネンタル航空がハブとするニューアーク・リバティ国際空港にはこの日、ANAルフトハンザユナイテッド航空シンガポール航空などのトップが一堂に集結し、世界中から約150人のメディア関係者を招待しての記念式典が開催されました。

その席で、社長兼COOのジェフ・スマイゼック氏は「コンチネンタル航空とスターアライアンスの間では路線網の重複が少ない。それぞれの弱い部分を強化できる」と加盟の意味についてスピーチ〔写真〕。スターアライアンスにとってはニューヨークにハブを置く唯一のエアラインである同社の充実した大西洋路線や、2007年1月末のヴァリグブラジル航空の撤退で空白地帯となっていた南米地域への路線がネットワークに加わることになり、メンバー各社のトップからも熱い歓迎のメッセージが贈られました。

ところで、コンチネンタル航空は10月24日に正式にスカイチームを脱退しています。それからスターアライアンスチームのメンバーとして再スタートを切る今日までの2日間、どの航空連合にも属さないという状況が生まれました。私が同社便で成田からニューヨーク入りした26日もその“空白の2日”のフライトで、機内では所属するアライアンスの紹介はありません。聞いていて、ちょっと不思議な感じでした。でも、今日10月27日のニューヨーク発の第1便からは、乗客は次のような機内アナウンスを耳にしているはずです。

「本日はスターアライアンスのメンバーであるコンチネンタル航空をご利用いただき、まことにありがとうございます」

S.Akimoto at 19:14|Permalink

2009年10月11日

究極のエコフライト

 
関西国際空港に今日11日の夕方、JALグループの特別機がホノルルから到着します。何が特別なのかというと、この便には現時点で可能なあらゆる省エネ対策が施されていること。JALウェイズがホノルル/関西線で運航するボーイング747-400〔写真〕を使って計18項目にわたるテストを実施し、消費燃料をどこまで抑えられるかが検証されることになりました。


計画では、たとえば機内サービスで使うのガラス製のワイン容器をペットボトルに代えることで消費燃料を570リットル削減します。最も燃費効率のよい巡航高度を選ぶことでさらに490リットル。飛行ルートも、当日の気象を考慮しながら機長らが最適な経路を選択して455リットル。ほかに離着陸時も地上走行の距離が短いスポットを使用したり、機内誌のページ数を減らしたりといった工夫で、トータルでは従来の消費燃料の5%にあたる5,362リットルを削減できる──JALではそう試算しています。5,362リットルというと、ドラム缶で27本分! かなりのエコ対策になりますね。

ライバルのANAも10月を環境保全への取り組みの強化月間と位置づけ、現在「e-flight」と題したエコ対策を実施しています。これまで、たとえばパイロットの訓練を実際の飛行ではなくフライトシュミレータに切り替えることで29万キロリットルの燃料を削減しました。これは東京/大阪間を1万9,000回往復する燃料に相当します。大型機のタイヤ素材の見直しなども進め、約80キロの減量にも成功しました。

各社のこうした取り組みは、エアライン業界の未来を考える上でもとても重要でしょう。本日17時50分に関空に到着するJALウェイズ77便の実験が、実際にどれくらいの成果を生み出すのか? 報告を待ちたいと思います。

S.Akimoto at 01:27|Permalink

2009年10月02日

桃色の旅客機

 
現地時間で今週の火曜日、アメリカ・ニューヨークのJFK空港からご覧のようなピンク色に塗装されたデルタ航空機がワシントンに向けて飛び立ちました〔写真〕。JFK空港ではその日、管制塔もピンクにライトアップされたといいます。


デルタ航空が運航するこの色鮮やかな機体は、人々に乳がんの予防を呼びかけるためのキャンペーン機。ボーイング757にピンクとホワイトのカラーリングで、尾翼から後方搭乗ドアにかけての部分を乳がん研究財団(BCRF)のトレードマークであるピンクのリボンで彩っています。初登場した2005年以来「ピンクプレーン」の名で親しまれ、米国全土やラテンアメリカ、カリブ海諸国でフライトを重ねてきました。

この間、乗客やデルタ航空社員などからの寄付を通じてBCRFのために集まった募金は、計150万ドル近くに。これらは乳がんの防止および治療法の発見に取り組む5つの研究機関の資金として活用されています。

10月は乳がん予防啓発月間にあたり、今年も昨日10月1日より同キャンペーンがスタートしました。デルタ航空は現在、傘下となったノースウエスト航空とともに世界64カ国355都市へ運航しています。期間中はその世界中のフライトで一部の客室乗務員がピンクのユニフォームやネクタイを着用。機内でピンクレモネード(2ドル)を販売します。またエアライングッズを集めるのが好きな人は、オンラインで買い物を楽しめる「デルタショップ」を覗いてみてください。BCRFとの共同ブランドによるピンク色のバゲッジタグやタンブラー、エプロン、ペンなどのキャンペーン商品がラインナップされています。

S.Akimoto at 08:35|Permalink

2009年09月12日

JALとデルタ航空

 
経営再建中のJALがアメリカのデルタ航空と資本・業務提携のための交渉へ──昨日、そんなビックリするようなニュースが飛び込んできました。「再生のためにはやむなし」との見方がある一方で、「いや、そんな提携は絶対にあり得ない」という声も聞こえてくるなど、早くもさまざまな意見が飛び交い始めています。後者の発言には、日本のフラッグキャリアが外国エアラインの支援を受けることに対する感情的な反発も含まれているかも知れません。


JALは今年、一部政府保証が付いた1,000億円の緊急融資を受けたものの、資金不足の状況はいぜん続いています。さらに1,000億円以上の追加融資獲得に向けて民間金融機関の理解を得るための抜本的な策を示す必要があり、そんなことからデルタ航空との資本・業務提携プランが急浮上したのでしょうか。

JALとデルタ航空は太平洋路線を中心に多くの共通路線を抱え、長年ライバル関係にありました。その両社が提携し、双方の路線網をうまく活用して役割分担すれば、たしかにコスト削減など経営面での効率化は進むでしょう。が、問題も少なくありません。最大のネックは、両社がそれぞれ別のアライアンス(航空連合)に所属していることです。

JALはアメリカン航空などがつくる「ワンワールド」のメンバーであり、一方のデルタ航空は「スカイチーム」に加盟。両社が手を結んだ場合に、JALのワンワールド離脱が焦点になりますが、おそらくワンワールド加盟各社が黙っていません。アライアンスの“くら替え”には、コンピュータシステムや空港インフラなどの再整備、ネットワーク戦略の組み換えといった大変な作業もともないます。そう考えたら、デルタ航空よりもむしろ同じワンワールドのアメリカン航空への出資要請のほうが先だったのではないかとも思えてきました〔写真はワンワールド塗装のJAL機〕。

いまこの文章を書いていたら、読売新聞が「JALは今日、副社長ら幹部を米国に派遣してデルタ航空側と資本・業務提携の詰めの交渉に入ったことを明らかにした」と伝えてきました。JALへの経営指導を強める国土交通省もデルタ航空との提携を後押する方針を固めたようですが、来週16日に発足する鳩山新政権の意向によっても今後の展開は変わってくるかも知れません。

S.Akimoto at 16:25|Permalink

2009年08月24日

お帰りヘリサービス

 
先月のニューヨーク取材に関連し、マンハッタン中心部とニューアーク・リバティ空港をヘリで結ぶサービスをこのBlog(7月20日および7月23日)で紹介したところ、いくつか反響が届きました。なかでも多かったのが「成田から東京の都心へも同じようなサービスのあると便利なのに──」という意見。たしかに、空港から都心への約60キロという距離を負担に感じる人は少なくありません。


そんな中、先週末にANAが新しいサービスの導入を発表しました。2009年9月16日より同社の欧米線ファーストクラスを往復で利用する人たちに、成田から都心へのヘリによる無料送迎サービスが始まるそうです。名づけて「お帰りヘリコプター・サービス」。ユーロコプター社製ヘリ〔写真〕とハイヤーを使って成田と赤坂のアークヒルズを30分でつなぐ森ビルシティエアサービスとの業務提携で実現の運びとなりました。

成田に到着後、まずはハイヤーで東関東自動車道路の佐倉インターすぐの成田(佐倉)ヘリポートへ移動(15分)し、そこでヘリに乗り換えて赤坂のアークヒルズまでさらに15分。空港に降り立ってから都心まで計30分でのアクセスが可能になります。ANAの欧米線は夕方成田に到着する便が多く、その時間帯の都内への移動は交通渋滞に巻き込まれるケースが少なくなかっただけに、これは便利ですね。

送迎ヘリにはファーストクラス利用者のほか、同行のビジネスクラス利用者も1名同乗できるといいます。同サービスの実施予定期間は2010年3月31日までで、4月以降の継続については「利用状況などをみて判断する」とANAでは言っていますが、どうなるでしょうか? 到着地となるアークヒルズへリポートの周辺は外資系企業のオフィスやホテル、商業施設が数多く建ち並ぶエリアだけに、かなりの需要が期待できると私は予想していますが。

S.Akimoto at 08:21|Permalink

2009年08月12日

24年目の夏

 
あの日、私はテレビ画面に流れるテロップを、食い入るように目で追っていました。知っている名前はないか? お世話になった人がそこに入っていないか? テロップで出された文字は、偶然その便に乗り合わせた乗客たちのリストです。その一つひとつを確認しながら、私は「500人」という数字ががどれだけ膨大なものかを実感していました。


520人もの命を一瞬にして奪った日航ジャンボ機の墜落事故から、今日で24年。NHKの午後のニュースが、墜落現場となった群馬県上野村の「御巣鷹の尾根」の様子を報じていました。早朝は小雨がぱらついていたものの、その後は強い日差しが雲間から差すようになり、標高1,600メートルの「御巣鷹の尾根」には遺族が次々と慰霊登山に訪れます。24年が経過したいまも、家族を失った無念さと悲しみは決して癒されることはないのでしょう。尾根につながる登山道には高齢化が進む遺族に配慮して傾斜の急な部分に階段や手すりが取り付けられ、その手すりを頼りにして登っていく人々の姿を画面は映し出していました〔写真は合掌を形どった慰霊塔〕。

時刻はいま、午後6時30分を回りました。山のふもとにある「慰霊の園」ではもう間もなく──墜落時刻の18時56分にあわせて、追悼慰霊式に参列する遺族らによる黙とうがささげられます。

S.Akimoto at 18:36|Permalink

2009年07月01日

レトロなハイテク機

 
下の写真は、コンチネンタル航空が1940年代に使用していた機体デザインです。2009年7月15日に創立75周年を迎える同社の社員たちが、記念式典のために過去の機体デザインの中から選び、最新のボーイング737-900に復元しました。


当時は「The Blue Skyway」の名で人気を集めたというこのデザイン──どこか懐かしいレトロな雰囲気があって、いいですね。同機は6月25日にコンチネンタル航空に納入され、米国内の3カ所のハブ空港(ヒューストン、ニューヨーク、クリーブランド)を舞台に記念フライトが行われたそうです。

コンチネンタル航空は1934年、郵便輸送を主事業として創業しました。旅客輸送の収益が郵便事業収益を初めて上回ったのが1944年。その後はアメリカ航空史の発展とともに順調な歩みを進めますが、70年代末に航空規制緩和法が導入されてから90年代初頭までは赤字経営が続き、同社にとってはまさに“どん底”の時代を経験します。そんな状況を、“ワーキング・トゥゲザー”を合言葉に全社員が一丸となって戦っていける会社に立て直したのが、94年にCEOに就任したゴードン・ベスーン氏でした。2004年のベスーン氏退任後もその企業カルチャーは受け継がれ、現在はラリー・ケルナー会長兼CEOのもと、ビジネス誌『フォーチュン』が選出する「世界で最も賞賛されるグローバル航空会社」に6年連続で選ばれるなど数々の勲章を手にするまでに成長を遂げています。

さて、この737-900という機材は、コンチネンタル航空がこれからの主力小型機と位置づけるハイテク機です。ハブ空港の一つであるニューアーク・リバティー空港では2009年後半に次世代の衛星着陸システムが設置される予定で、同機にはそれに対応する「GPSシステム」も搭載されました。コンチネンタル航空は、地球環境保護に向けた燃料効率のいい最新鋭機の導入や、今年1月のBlog「クリーンな未来へ」でも報告したようにバイオ燃料を使った商業飛行実用化への取り組みなどにも積極的です。

レトロな衣装を身にまとったこのハイテク機には、過去の歴史とそこで活躍してきた社員たちの意思を大切に守りながら、次の時代に向かって革新的な取り組みを続けていくという現在のコンチネンタル航空の決意が凝縮されているのかも知れません。

S.Akimoto at 22:05|Permalink

2009年06月28日

787初飛行が延期

 
右欄の「Information」コーナーでもお知らせしたとおり、私が出演したラジオ文化放送『大村正樹のサイエンスキッズ』の第2回目のオンエアが昨日ありました。旅客機について自由にトークを進める中で、大村さんから出た質問の一つが「旅客機の窓はどうしてあんなに小さいのか?」ということ。私はその理由についてお話ししたあと、現在ボーイングが開発中の次世代中型機787はアルミ合金の代わりに強度が鉄の約8倍という炭素繊維複合材を使うことで、窓の大きさを従来の旅客機の1.6倍にできることを紹介しました。


その画期的な旅客機の記念すべき1号機が来年2月か3月にはANAに納入され、日本の空を飛び始めるという私の言葉に、ラジオを聴いていた多くの子供たちが夢を膨らませたことでしょう。世界が注目する中で、今月中には初のテスト飛行も実施される予定でした。ところが──。

昨日のオンエア分の収録が終わったあとで、ボーイング社から「予定していた787初飛行の延期」が伝えられたのです。この発表は先週火曜日(23日)に私のもとにも送られてきました。「787の機体側部(主翼と胴体の結合部分)の補強の必要があり、初フライトを先延ばしせざるをえない」という内容です。

787はこれまで3回も納入が延期され、当初の予定からすでに2年近い遅れが出ています。新しい航空機の開発史上、これほどの遅延はたぶん初めて。計865機を発注済みのエアライン各社の間でもさすがに不信感が渦巻きはじめました。納入時期など今後のスケジュールについては、ボーイング側は「決定まで数週間かかる」と明らかにしていません。私が今年3月にアメリカ・ワシントン州シアトルのエバレット工場〔写真〕に飛び、幹部らと面会したときは「今年6月までに初飛行、来年早々に納入というスケジュールで、こんどこそ間違いない」とみんな自信を見せていたのですが……。彼らの落胆の顔が目に浮かぶようです。

さて、昨日のオンエア終了後、多くの方々から「聴いたよ」「楽しかった」といった報告が届きました。「古いCDラジカセを処分しちゃったあとだったので、新しいポータブルラジオを買いました」と知らせくれたのはM.Yさん。またK.Hさんのメールには「自宅のコンポではAM放送がうまく入らないため、非常用ラジオを引っぱり出して、レバーをぐるぐる回して発電させながら聴いた」とありました。土曜日の貴重な時間をさいていただいたみなさんに、感謝です。

S.Akimoto at 10:06|Permalink

2009年06月16日

ビールがつなぐ姉妹空港

 
数カ月ぶりでセントレア(中部国際空港)に行ってきました。関係者ら何人かにインタビューした後は、編集担当をともなってターミナル4階の「レンガ通り」へ。そこのフレンチカフェ「クイーンアリスアクア」で本場ドイツの生ビールを飲むのを、夏場にセントレアへ来たときの恒例にしています。


セントレアでは、姉妹空港であるミュンヘン国際空港〔写真〕の中で作られるドイツの生ビール「エアブロイ」の販売を3年前にスタートしました。空港内で醸造されているビールというのは、世界でもこの「エアブロイ」だけ。それを毎年、ルフトハンザのカーゴ便で、ミュンヘン空港からセントレアへ期間限定で空輸するのです。

4月下旬が例年の解禁日。で、それが飲める「クイーンアリスアクア」に今回もやってきたのですが……。今年はなぜか、5月で限定販売が終了してしまっていました。なーんだ、残念! 去年はたしか8月でも飲めたのに。仕方ない、この秋にでも何かミュンヘンに行く用事をつくって、本場で“作り立て”を味わうことにしよう。

ところでミュンヘン空港といえば、航空業界専門の調査機関である英国スカイトラックス社が先週発表した「世界空港アワード '09」で、総合5位にランクされました。「ビールがおいしい」というのが最大の理由ではもちろんありません。多くの利用者から評価されているのは、その使い勝手の良さ。フランクフルト空港と並ぶルフトハンザのハブとして、ここを拠点に最短30分の乗り継ぎで欧州の各都市へアクセスできる点が人気なのです。

ちなみに同アワードの1位〜3位は仁川国際空港、香港国際空港、チャンギ国際空港とアジア勢が占め、ミュンヘンは欧州の空港では第2位。欧州での1位(総合4位)は、同じルフトハンザグループのもう一つのハブであるスイスのチューリッヒ国際空港です。地理的にヨーロッパのちょうど中心部に位置するドイツとスイスを経由して、目的とする他の国や都市へ──そんな“ネットワークキャリア”を標榜するルフトハンザにとって、二つのハブが欧州ベストエアポートの1位2位を独占したというのは、何よりも嬉しい勲章かも知れません。

S.Akimoto at 15:20|Permalink

2009年04月29日

豚インフルエンザ

 
世界が、大変なことになっています。新型インフルエンザ発生が宣言された28日、米国本土やカナダから成田、関西、中部の3空港に到着した航空便では、乗客を機内に留め置いたまま健康チェックを行う「機内検疫」がスタート。検疫官の手が足りずに2時間近くかかるケースもあり、乗客からは「段取りが悪過ぎる」といった苦情も聞こえ始めました〔写真は関西国際空港=航空写真家・小栗義幸氏撮影〕。


折りしもゴールデンウィーク中であり、豚インフルエンザは景気悪化を加速させる“向かい風”にもなりかねないとエアライン業界でも不安が広がっています。思い出すのが、2003年に中国で流行した新型肺炎SARS。このときはイラク戦争も重なり、海外旅行が急減してエアライン業界は大きな打撃を受けました。

今回の豚インフルエンザは、100人以上の死者を出したメキシコで被害が大きく、JALでは成田とメキシコ市を結ぶ同社便の予約にすでに1割程度のキャンセルが出ていることを発表。今後は他国への感染拡大も心配されます。燃油サーチャージが下がり、海外旅行の需要が戻り始めていた時期に重なったことも大きな不安材料の一つです。夏休みの海外旅行の予約にも影響が出る可能性もあり、予断を許しません。

S.Akimoto at 15:11|Permalink

2009年04月09日

過去10年で3度の勲章

 
英国の調査会社スカイトラックス社が実施する恒例のワールド・エアライン・アワードが先ごろ発表されました。同アワードは今年でちょうど10周年。その記念すべき年の「エアライン・オブ・ザ・イヤー」を受賞したのは、キャセイパシフィック航空です。同エアラインにとっては、過去10年で3度目の同賞獲得となりました。


同アワードの2009年度調査は、08年8月から09年3月にわたって実施され、今回調査対象となった旅客は世界97カ国の1,620万人を超えて過去最大規模となりました。そこで手にした「年間最優秀エアライン」の勲章は、とても価値あるものだと思います〔写真はキャセイパシフィック航空の国際色豊かなクルーたち〕。

同じく過去10年で3度「エアライン・オブ・ザ・イヤー」に輝いているのが、シンガポール航空です。これでアジアを代表する二つのエアラインが、肩を並べました。

シンガポール航空といえば、その他の人気ランキングでも常に上位にランクされるエアライン。民族衣装サロンケバヤを身にまとったCAたちが“広告塔”になり、エアバスのオール2階建て巨人機A380を世界で最初に就航するなど、PRのうまさには定評があります。それに比べると、キャセイパシフィック航空はどちらかというと地味で堅実なエアラインといえるかも知れません。しかし海外を歩いてさまざまな乗客にインタビューしてみると、「キャセイが好き」と言う固定ファンが少なくありません。

業界を取り巻く昨今の厳しい経営環境のなかで、キャセイパシフィック航空が何をめざし、どの部分が世界のファンたちに支持されているのか。その“秘密”を改めて探るため、本日午後の便で香港へ飛ぶことになりました。プロダクトやサービス、インフラ整備、経営ビジョンやポリシー、そこで働く社員たちなど幅広い観点から取材し、後日その結果をいくつかのメディアで報告したいと思います。

S.Akimoto at 06:52|Permalink

2009年03月05日

渋滞する日本の空

 
日本の空が大渋滞しています。その混雑ぶりは、例えていうなら朝夕の首都高速道路のラッシュアワー並み。いまから30年ほど前には1,600万人程度だった国内便の年間利用者数が、今日では約1億人にまで膨れ上がりました。国内便の玄関口である羽田空港からは毎日、1時間に約40便が発着しています〔写真は羽田の管制塔〕。


羽田空港は国内の空港では最多の3本の滑走路を有していますが、現在はさらにB滑走路に並行する4本目の滑走路の建設が進み、それが完成すると年間の発着枠が従来の約27万回から約40万回へと拡大します。増える発着枠の一部は国際線用に割り当てられる予定で、すでに各国との航空交渉もスタートしました。日本の空の渋滞は今後、より激しさを増すことは間違いありません。

そこで気になるのが、前回のBlogでも触れた航空管制の問題です。前回は「管制英語のあいまいさ」について書きましたが、今日は管制官の「数」の問題について──。

「航空管制官は国家資格をもつ公務員です。昨今は行政改革の流れのなかで公務員の数を抑制しようという動きがあり、管制官も例外ではありません」と、ある関係者は話していました。「旅客便の需要が年々増える一方で、管制官の数は横ばいか、やや減りつつあるというのが現状です」

航空管制官の総数は2000年以降、4,600人前後で推移してきました。最新のデータを国土交通省に問い合わせてみると、2007年は4,509人にまで減少。2008年は4,500人を割り込むだろうといいます。昨日の朝日新聞では、私の知人である航空運輸担当の編集委員、三嶋伸一さんが社会面で「管制官をめざす学生がピーク時の6割弱まで急減している」という記事を書いていました。

管制官の人数だけ増やせば、それで空の渋滞が解消できるというわけではもちろんありません。技術面でのバックアップや、管制システムそのものの見直しも「空の安全」を確保・維持していくためには不可欠でしょう。が、やはり需要の伸びに見合ったある程度の増員は必要で、早急の対策が待たれますね。

S.Akimoto at 17:22|Permalink

2009年03月02日

あいまいな管制英語

 
関西国際空港で2007年10月、エアカナダ機が管制官の許可を得ずに滑走路に進入し、降下中だったJAL機が着陸をやり直すといトラブルが発生。この一件について運輸安全委員会は「管制官の指示をカナダ機が聞き間違えたうえに、誤った復唱内容に管制官が気づかなかったことが原因」とする調査報告書を公表しました〔写真はエアカナダが運航するボーイング767-300〕。


トラブルが起きたのは同年10月20日午後6時過ぎでした。管制塔からはまず降下中のJAL機に着陸許可を出し、カナダ機には「Hold short of runway(滑走路手前で待機)」と指示。それをカナダ機の副操縦士は滑走路に入る許可を得たと勘違いし「To position」と復唱。「To position」は「Taxi to position(滑走路に入って待機)」を略した表現でしたが、管制官は「To」を「Hold」と聞き違え「Hold position(現在位置で待機)」と復唱したと思い込んだそうです。

ご存知のように、管制官とパイロットのやりとりは必ず英語で行われます。世界のどの空港へ行ってもこれは例外ではありません。ところが、この英語のよるコミュニケーションが、じつは大きな危険をはらんでいます。

1977年3月、カナリー諸島のロスロデオス空港で、乗客乗員583名が命を落とす史上最大の航空機事故が発生しました。その一因になったのが、“at take-off”という言葉に対する誤解です。コクピットクルーはそれを「われわれは離陸中」という意味で使い、タワーの管制官は「離陸位置にいる」と理解しました。1981年2月にはカリフォルニア州ジョン・ウェイン空港で、“hold”という動詞の意味の誤解から事故が起きています。航空用語の“hold”は「その動作を中止しろ」という意味で用いますが、一般には「動作を続けろ」の意味に。音声によるコミュニケーションは手軽で便利な反面、あいまいさや意味の不明確さが起因するトラブルにはきちんと目を向けていく必要があるでしょう。

ちなみに国土交通省は昨年、航空機事故と、事故につながる恐れのあった空の「安全上のトラブル」が2007年には730件あったと発表しました。

S.Akimoto at 09:54|Permalink

2009年02月27日

青い地球を見てみたい

 
今週は、ANAの大西卓哉さん(33)と航空自衛隊の油井亀美也さん(39)の二人の日本人パイロットが宇宙飛行士候補に選ばれたことが話題になりました。二人は今後訓練に入り、早ければ2013年に国際宇宙ステーションで長期滞在を始めることになります。


宇宙で滞在──憧れますね。初めて海外へ出た人が帰国後に「人生観が変わった」と話すのを聞くことがあります。海外へ行くだけでそうなのですから、大気圏を飛び出すという体験は、きっと想像を絶するものなのでしょう。「宇宙を体験した人間は、前と同じ人間では決していられない」と言ったのは、アポロ9号の飛行士ラッセル・シュワイカート氏でした。

宇宙体験語録は、ほかにもあります。たとえば、アポロ15号の飛行士だったジェームス・アーウィン氏の言葉──。

「月の大地は灰色の山脈と丘が連なっていた。地平線の向こうに黒い宇宙空間が切り込んでいた。動くものはない。風もない。だが、まるで生まれ故郷にいるような安心感があった。すぐ後ろに神がいそうで、宇宙服の肩越しに何度も振り返った。人が月面を歩いたことより、キリストが地上に降り立った方がはるかに重要だ。それをわからせるため、神は私を月に導いた」

アーウィン氏は、月面でたしかに“神”を感じたと言うのです。そして彼が神と対峙しているそのとき、アポロ15号の司令船で月を周回していたアルフレッド・ウォーデン氏も同じような体験をし、こう述べています。

「宇宙にはすべてを超えた“力”がある。始まりも終わりもない。そこにはただ、すばらしい世界をつくった“意志”があるだけだ」

宇宙から帰還すると、飛行士の仕事を捨てて宗教家や伝道師になる人が多い──そんな話もよく聞きます。テクノロジーの最先端で生きてきた人たちが、現代の常識や科学技術では説明できない“神秘の世界”を平然と口にし始めるのですから、不思議ですね。そういえば、初の日本人宇宙飛行士となった秋山豊寛さんが、帰還後にそれまで勤めていたTBSを退社して福島県で農業を始めました。あれも、やっぱり宇宙での神秘体験と何か関係が?

S.Akimoto at 16:34|Permalink

2009年02月24日

晴天乱気流の恐怖

 
千葉県沖で乱気流に遭遇し乗員乗客40人以上が負傷したノースウエスト航空機事故について、国土交通省運輸安全委員会による関係者への聞き取り調査が進んでいるようです。乱気流に巻き込まれたボーイング747-400は当時、銚子沖の待機経路を飛行中でした。報道では「シートベルト着用サインの点灯直後に機体が突然揺れたため、歩行中の乗客が多数負傷した」と報じられています。


この「突然の揺れ」という言葉は、複数の報道の中に繰り返し出てきます。ですが、そもそも「揺れ」というのは突然起こるもの。航空機運航にとって大敵である乱気流は大気中に複雑な形で存在します。たとえば山脈に向かって強い気流が真横から当たると、風下の側に「山岳波」と呼ばれる波が生じ、これが乱気流の原因になります。大気が湿った状態であればロール雲や波状雲が発生し、雲の様子からその存在を知ることが可能ですが、写真のように快晴で大気が乾燥しているときは肉眼で存在を確認できません。要注意です。

こうした乱気流による事故を防止するには、飛行ルート上の天候状況のより正確な把握・分析と、情報の共有化が不可欠でしょう。エアライン各社のより密な連携も今後は必要かも知れません。フライト前のブリーフィングで、同じルートを飛んできた他社のパイロットと連絡を取り合い、最新の気象情報を入手するエアラインも増えてきました。そうして事前に「揺れ」を予測し、乗客への着席とシートベルトの着用を徹底させる。客室乗務員も早めにサービスを切り上げるか、ときにはサービスそのものを中止してしまってもかまいません。

エアラインによっては、機体が揺れ始めても「軽度の乱気流」と判断した場合は飲み物などのサービスを継続しているシーンを見かけます。しかし、乱気流に“軽い”も“重い”もありません。予定のサービスを中止して「この会社はサービスが悪い!」と乗客から苦情が出るのを恐れる気持ちもわかりますが、飲み物を運んでいて機体が急に傾けば、熱いコーヒーを乗客にかけてしまう危険だってあるわけです。乗客の安全を守るために必要と判断したなら、堂々とサービスを中断・カットする──そんな姿勢も大切だと私は思います。

S.Akimoto at 17:58|Permalink

2009年02月15日

A380で世界一周

 
イギリス、ドイツ、マルタ共和国などヨーロッパ各国のほか、アラブ首長国連邦やエジプト、イランなどの乗客計400名以上を乗せたエミレーツ航空の412便が今月初め、ドバイ国際空港をオーストラリアのシドニーに向けて飛び立ちました。


使用された機材はエアバスA380〔写真〕。エミレーツ航空にとってはドバイ/ニューヨーク線、ドバイ/ロンドン線に続く3路線目のA380就航で、シドニーを経由してさらにニュージーランドのオークランドまで結ばれました。興味深いのは、現在A380を運航している3社(シンガポール航空、エミレーツ航空、カンタス航空)が、これで同型機をシドニーに集結させる結果になったことです。

A380のデビュー前は、空の王者として君臨してきたのはボーイング747で、その巣窟はロンドンのヒースローや日本の成田でした。A380ではシドニーにその座を奪われてしまったことがちょっと残念ですが、あと5年もすれば各社のA380が成田に勢ぞろいするようになるのでしょうか。

ところで、A380の就航地拡大とともに、世界がつながり始めています。All About『世界のエアライン』に本日、A380での世界一周旅行をシミュレーションする記事をアップしました。

≫≫≫「エアバスA380で世界がつながる日

S.Akimoto at 12:30|Permalink

2009年01月11日

帰国報告

 
米国ヒューストンの取材から無事に戻りました。タイトなスケジュールでしたが、何年かぶりで旧知の人たちと再会したり、アメリカで活動する大手新聞社の特派員たちとの交流もあって、充実した1週間だったと思います。


さて、今回の取材テーマである「コンチネンタル航空のバイオ燃料を使ったテスト飛行」の様子については、ヒューストンから「クリーンな未来へ」と題して報告しました。それについて、現地滞在中にもマスコミ数社から「詳しく話を聞かせてほしい」といった問い合せが届いています。

今後、取材やインタビューにはもちろん個別に対応させていただきますが、まずは運営するAll About『世界のエアライン』にBlogを加筆したレポートをアップしました。参考にしていただければと思います。

日本では冬型の気圧配置が強まり、先週末は関東地方でも雪が降ったみたいですね。大雪は日本海側を中心に列島各地で続いているようです。私は昨年末からくずしていた体調もポカポカ陽気のテキサスで何とか回復しましたが、みなさんもどうぞ風邪には十分気をつけて、寒い季節を元気に乗り切ってください。

≫≫≫「バイオ燃料飛行、実用化へ大きく前進!

S.Akimoto at 18:19|Permalink

2009年01月08日

クリーンな未来へ

 
現地時間の1月7日午前11時49分。テスト飛行のために用意されたコンチネンタル航空のボーイング737-800のエンジンが始動しました。同機には片方のエンジンに、通常のジェット燃料50%、藻類とジャトロファ(落葉低木のナンヨウアブラギリ)で製造したバイオ燃料50%を混合したものが使用されます。737-800はゆっくりと進みながら、滑走路の所定の位置へ。午後0時3分。離陸滑走を開始したテスト機は、私たちが見守るちょうど目の前で機首をぐいっと持ち上げ、ヒューストンの空へ飛び立っていきました。


「通常の離陸シーンと何ら変わらないね」と、私の横にいたオーストラリア人記者がつぶやきました。実際にそうなのです。バイオ燃料で飛ぶために機体を新しくしたわけでも、エンジンに手を加えたわけでもありません。今回の実験は、既存の航空機をそのままバイオ燃料で飛ばせることを技術的に実証するのが目的です。

「3年から5年後には、一般の乗客を乗せた航空機がバイオ燃料で飛ぶ時代がくるでしょう」と、今回の実験パートナーとして再生可能なエネルギーの開発を進めてきたUOP社の責任者、ジェニファー・フォルムグレン女史〔写真右〕は私たちに語りました。「今日のテストフライトは、その重要な第一歩になるはずです」

3年から5年後? その言葉に、記者たちからどよめきが起こります。この代替エネルギーが実用化される時代が、本当にそんなに早くくるのでしょうか。フォルムグレン女史の発言を受け、コンチネンタル航空のラリー・ケルナー会長兼CEO〔写真中央〕も「遅くとも5年以内にはバイオ燃料をコマーシャルフライト(商業飛行)に利用できるまでに持っていきたい」と力強くうなずきます。

離陸から40分。上空のテストパイロット〔写真右〕から地上に届いた次のメッセージに、私も未来の“クリーンな空”をかすかに垣間見た思いがしました──「エンジンの加速と減速、上空でのエンジン停止、そして再起動。予定していた確認テストは順調に進み、すべてを成功裏に終えました。これから旋回し、空港へ戻ります」

S.Akimoto at 16:11|Permalink

2009年01月06日

テキサスで仕事始め

 
昨年末の30日、ニュージーランド航空がバイオ燃料による試験飛行に成功したというニュースが入ってきました。バイオ燃料を使ったテストはヴァージンアトランティック航空も2008年2月に実施していますが、その際に使用されたバイオ燃料はココナツを原料にしたもの。食物を原料とするバイオ燃料は食品価格の高騰など世界の食料需給バランスに影響を及ぼすことが懸念され、賛否が分かれていました。


それに対してニュージーランド航空が使用したのは、アフリカ東部などで栽培された広葉樹の種子を原料とするバイオ燃料でした。食用に適さないこれら「第二世代バイオ燃料」は今後、これまでの石油に代わる航空ジェット燃料の主流になっていくかも知れません。

年明けの今週半ばにはニュージーランド航空に続いてコンチネンタル航空〔写真〕が、そして今月の末にはJALも同様の試験飛行を予定。コンチネンタル航空が使用するのは、藻類と落葉低木のナンヨウアブラギリから抽出した成分を含む混合バイオ燃料で、こちらも森林破壊につながらない持続可能な第二世代の燃料源として期待されています。

さて、元日以来のBlog更新になりました。私も今日から2009年の活動を本格的にスタートします。今年の取材テーマの一つに据えたのが「エアラインと環境問題」。まずは仕事始めとしてコンチネンタル航空の第二世代バイオ燃料による試験飛行を取材するため、本日午後の便でアメリカ・テキサス州のヒューストンに向かいます。試験飛行の様子などは、また後日、現地から報告しますね。

S.Akimoto at 07:46|Permalink

2008年11月18日

いつ、シアトルへ?

 
ボーイングが開発を進める“ドリームライナー”──787の、量産1号機のさらなる納入遅延が懸念されています。58日間におよぶ機械工のストが今月初めに終結したあと、ボーイングは787の初フライトが目標だった今年末から来年にずれ込むとの見通しを発表。25機の引き渡しを予定している2009年に、ひょっとしたら1機も納入できない可能性も出てきています。


しかし先週末に、シアトルから「継続して進めてきた787のウィングボックス破壊テストが成功裡に完了」という報告が入ってきました。ウイングボックスとは、主翼の主桁と胴体を接合する重要なパーツです〔写真〕。たび重なる開発の遅れは、このウィングボックスの強度に問題が発覚したことも原因の一つだったらしい。今回の破壊テストの結果、民間航空機では初となる複合材を使ったこのウィングボックスが、787の運航で予想される最大搭載重量の150%以上の負荷に耐えられることが実証されました。実用化に向けての大きな一歩だと言えるでしょう。

もうここまできたら、一つずつのステップを着実にクリアしていくほかはありません。その積み重ねが、現時点で計895機を発注している57のエアラインの期待に応える唯一の道だと思います。

そんなボーイング社の“現場”を徹底取材する予定があることは、当Blogでもたびたび触れてきました。具体的に、いつシアトルに向かうのがベストか? ずっとそれを考えています。すでに11月下旬にさしかかろうとしていますが、できれば年内に渡航するというプランもまだ捨て切っていません。明後日、ボーイングの日本支社を訪ねる約束になっていますので、関係者たちとざっくばらんに情報を交換してくるつもりです。

S.Akimoto at 23:05|Permalink

2008年11月01日

外貨両替窓口の行列

 
円の急騰を受けて、金融機関の外貨両替窓口や街の外貨ショップの混雑が続いているようです。私も近く取材で渡航する予定があり、昨日打ち合わせに出たついでにときどき利用する外貨ショップに立ち寄ったところ、予期せぬ大行列に遭遇してビックリ。対応に追われていた係の人に聞くと、彼は「1週間ほど前から毎日こんな状況です」と額に汗を光らせていました。


列をつくっている人たちのほとんどは、これから海外旅行に行く人たちです。この時期にこんなに多くの人が旅行に出るのかなと不思議に思ったら、旅行を予定しているのは年末年始か来年の春で、円高のいまのうちに両替だけしておこうという魂胆のようです。

「連日、通常の5倍の人たちが詰めかけて、ドルもユーロも希望額の3分の1程度しか調達できなくなっています」と係の人は続けます。「昨日はオーストラリアドルと韓国ウォンが開店2時間で完売になりました」

状況を少し取材してみようと思い、オフィスに戻ってからいくつかの銀行に電話してみました。回線が混み合っていてなかなかつながりません。やっとつながったある大手銀行の担当者は「大多数の店舗でドルなどの在庫不足と売り切れ状態が続いています。一部では窓口を休止する店舗も出始めました」と話していました。

ちなみに、私も結局、両替はしていません。外貨ショップの係の人に「順番がくるまで2時間は待ちますよ」と言われ、引き上げてきました。行列に並ぶことが私、じつは大嫌いなのです。よく雑誌やテレビでおいしいラーメン屋さんが紹介され、一度は食べてみようとたくさんの人が列をつくっても、私は絶対に並びません。どんなに味がよくても、死んでも並びません。

S.Akimoto at 03:06|Permalink

2008年10月29日

ようやくスト終結?

 
ボーイングの工場で9月6日から続いていたストが、ようやく終わるみたいですね。「ボーイングの工員などが加盟する国際機械工労組(IAM)が、労使交渉で会社側と新たな4カ年契約締結に向けて暫定合意に達した」と、27日付けのニューヨーク発ロイター電が伝えています。


ボーイングが提案した新4カ年契約は職の安定や賃金・福利厚生に関する組合側の要求に耳を傾けた内容になっているそうで、組合が今週実施する従業員による投票で承認されれば、50日強におよんだストは終結します。まさか2カ月は続かないだろうと思っていましたが、それにしても長かったですね。

ボーイング民間航空機部門のCEO、スコット・カーソン氏は「チーム全体が一日も早くもとの体制に戻るよう期待しています」と談話を発表。ストによる損失がどの程度のものか、次世代機787の納入スケジュールにどう影響があるかは、スト終結を待って改めてアナウンスされるでしょう。

計画どおり2009年の後半から787のエアライン各社への納入が始まることを前提にして、私も取材を再開しなけれなりません〔写真は製造中の787=ボーイング提供〕。とりあえずストが終わり、シアトルの現場が一段落する頃を見計らって、関係者にコンタクトをとっていくつもりです。でも、年内のシアトル取材は、ちょっと難しいかなあ?

S.Akimoto at 19:04|Permalink

2008年10月23日

コーパイの飲酒で遅延?

 
那覇空港で22日、ANAの羽田行き120便(ジャンボ機)の副操縦士(38)から基準値を超えるアルコールが検出され、出発が約1時間半も遅れました〔写真はイメージ〕。


こういう不始末がときどき起こりますね。ANAによると、副操縦士は出発12時間前の21日午後8時以前にビールを中ジョッキで1杯、泡盛を2合飲んだとか。あいにく那覇空港には交代できる待機中のパイロットがいなかったため、当人の酔いがさめるのを待っての出発になったそうです。待たされるほうはたまったものではないですね。しかも乗客には「パイロットの体調不良」とウソの報告をしたいといいます。これはいけません。

ANAではこの8月にも、関西国際空港で大連行きの便の出発を、機長の前日の飲酒が原因で遅らせています。たしか5、6年前には、ベトナムで国際線の副操縦士が搭乗直前にホテルで酒を飲み、出発が7時間近くも遅れるというトラブルもありました。ベトナムでのこの事件のときも、乗客は「乗務員の体調不良」を理由に近くのホテルで待たされたと記憶しています。

学ぶ、ということを知らないのでしょうか? そもそも迷惑をかけている乗客に「虚偽の説明」をするところから、企業としての対応を間違えている気がします。

S.Akimoto at 17:59|Permalink

2008年10月02日

長引くストライキ

 
すでにご存知の方も多いと思いますが、アメリカ・ワシントン州シアトルにあるボーイングのエバレット工場が現在、労働組合のストライキにより完全にマヒしてしまっています。来年に1号機納入が予定されている次世代中型機787〔写真〕の完成に向け、本来ならいまごろ、工場はフル稼働を続けていなければいけないのですが。


私も先月半ばに同工場を訪ねる計画を立てていました。それで推移を見守っていたのですが、労使間の交渉が決裂して9月6日にストに突入。予定していた取材もキャンセルになり、本当に残念です。

ところで、昨日から横浜で「国際航空宇宙展」が開幕しました。ボーイングも同イベントに出展していることもあって、この7月に来日した民間航空機部門のマーケティング担当副社長ランディ・ティンゼスさんやセールスコミュニケーション担当のマイルズ・コティさんら(Blog「ボーイング幹部が来日」を参照)が今週、再び日本へ。帝国ホテルで開催された記者会見の席で彼らと再会した際に、私はコティさんに「どうなの、ストは?」と聞いてみました。

「毎日、他の楽しいことを考えて過ごすようにしているよ」と、彼はニコッと笑って言いました。「先行きのことを考えると、胃が痛くなるからね」

いつもと変わらない明るい表情だっただけに、返ってその口調に広報担当としての気苦労がにじみ出ていました。ストが1日も早く、いい方向で解決することを、私も願っています。年内か年明け早々にも、787製造の最終工程を取材するためにシアトルに飛びたいと考えていますので。

S.Akimoto at 23:31|Permalink

2008年09月11日

癒えない哀しみ

 
あの“米国同時多発テロ”から、今日で丸7年です。ニューヨークのワールドトレードセンターに飛行機が突っ込んだらしい。その第一報を聞いたのは、2001年9月11日の夜10時過ぎ(日本時間)。私は「まさか!」という思いで、続報を待ちました。間もなく炎上する同センターの第1タワーの様子がテレビ画面に映し出され、やがて第2タワーに2機目が激突する瞬間をCNNのカメラがライブでとらえたのです〔写真はその前年に訪ねた、在りし日のワールドトレードセンター〕。


突入した2機は、いずれもボーイング767でした。767はデジタルアビオニクスが採用された、当時のハイテク機。コクピットでは従来型計器に代わり必要な情報は6面のCRTに表示され、飛行コースや高度、速度の維持から滑走路への進入、着陸までをコンピュータが自動で行うことができる機種です。

しかし自動操縦といっても、それは誘導電波や管制塔の支援があって、はじめて可能になるもの。ビルとビルの間を手動操作で飛ぶには、相当な訓練と経験が必要です。私はCNNの映像を繰り返し確認してから、日本時間の深夜に、どこよりも早く次のような解説記事を書いてある媒体に送稿しました。

「ユナイテッド航空175便は機体を30度ほど左に傾けて画面に現れ、バンク角をさらに深くしながら真っ直ぐに“標的”に突入している。操縦桿を握っていたのはおそらくコクピットクルーではない。バンク角を深めながら高度を下げる操縦法は、じつは戦闘機によく見られるもの。操縦していたのはハイジャック犯グループの一人に間違いない。しかもこれは、極めて精密な作戦と周到な準備の上に成立しているテロ行為だと予想される」

その後、翌日の明け方にかけて、事件の全貌が明らかになっていきます。そして私の解説記事が間違いではなかったことを知り、どうしようもない哀しさと悔しさに支配されました。国と国、民族と民族、思想と思想がぶつかりあって、世界各地で紛争が絶えません。しかし双方の人と人とが直接会い、手をとって言葉を交わし触れあうことで、争いもいつかはきっと解決に向かうはず──そんな思いが私にはあり、旅客機やエアラインはその“掛け橋”として世界平和の重要な一翼を担うものだと考えていたからです。

その旅客機がテロ行為の凶器に使われたあの日──“9.11”を、私は忘れません。毎年この日を迎えるたびに、決して癒えることのない哀しみと悔しさを、私なりに文章につづりつづけていきたいと思っています。

S.Akimoto at 14:30|Permalink

2008年08月19日

えー、また上がるの!

 
ANAは昨日、国際線運賃に上乗せする燃油サーチャージを、10月1日の発券分から片道で最大5,000円引き上げると発表しました。最も高い欧州・北米線では、現行の2万8,000円が3万3,000円になります。


これは、10月〜12月のサーチャージの基準になる5月〜7月のジェット燃料平均価格が1バレル=163.5ドルまで高騰したため。従来どおりの計算だと欧州・北米線は4万4,000円になる計算ですが、旅行需要のこれ以上の落ち込みを避けるために上げ幅を圧縮したようです。他の主な路線のサーチャージは、ハワイ線が2,000円増の2万2,000円、中国線も同じく2,000円増の1万500円、韓国線が500円増の4,000円など。JALもいま、同水準の引き上げ検討を始めています。

ところで、All About『世界のエアライン』では現在、先月からスタートした「業界研究シリーズ」の一つとしてトップページに「燃油サーチャージ」についての記事をアップしています。そもそも燃油サーチャージって何なの? という基本部分を解説していますので、興味のある方は参考にしてみてください。

それにしても、高騰が続く原油価格──どうにかならないものでしょうか。記事の最後でも触れましたが、一部のエアラインで始まった“脱・石油”への取り組みに期待するしか、もう解決方法はないのですかね。

≫≫≫「燃油サーチャージについての考察

S.Akimoto at 18:37|Permalink

2008年07月13日

これ、欲し〜い!

 
エアライン業界をとりまく複雑な環境や、多くの旅行者が懸念する燃油サーチャージの今後など、さまざまなテーマで取材を受ける機会が最近とくに増えました。運営するAll About『世界のエアライン』の記事テーマとして今回、新しく「業界研究シリーズ」を立ち上げたのも、読者のみなさんの幅広い関心に答えていこうという試みです。


その新シリーズの第一弾として、まずは大手エアライン各社が推進する“プレミアム戦略”の背景について解説しました。取り上げた事例はJALANA、そしてドイツのルフトハンザ。ルフトハンザについては、フランクフルト空港に2004年12月に開設したファーストクラス専用ターミナル&ラウンジや、“ネットワークキャリア”としての同社の象徴ともいえるプライベートジェット・サービスなどに言及しています。その記事を書いていたとき、ちょうど同社広報から1枚の画像が届きました。

上の写真がそれです。これ、何だと思います? 小さくてわかりずらいかも知れませんが、スーツケースではありません。じつはルフトハンザのファーストクラスで提供される新しいアメニティキットなのです。

濃い色のほうが男性用で、薄い色は女性用。フランクフルト本社から届いたのは写真だけで、実際の中身についてはまだ日本支社でも把握できていないようですが、なんかいいですよね。ルフトハンザが進めるプレミアム戦略は決して中途半端ではなく、いつも徹底しています。

サンプルが届いたら中身のことも知らせていただけると思うので、そのときはみなさんにも改めて報告しますね。けど、いいなあ、これ。欲し〜い!

S.Akimoto at 10:18|Permalink

2008年05月13日

7人の五輪メダリスト

 
「ねえねえ、あの飛行機、何?」と、空港のランプエリアに姿を現したJAL機を指さして男の子が聞いています。「お顔がいっぱい並んでいて、面白いねえ」


その見慣れない塗装の機体には、聞かれたお母さんも驚いている様子でした。昨日の午後、羽田空港でのことです。

17時30分発、札幌行きJAL537便。そのボーイング777-300のボディーに大きくペイントされていたのは、かつて各国のオリンピック会場を熱狂に包んだ日本人メダリストたちです。柔道の山下泰裕さん、マラソンの有森裕子さん、競泳の鈴木大地さん、体操の森末慎二さん、シンクロナイズドスイミングの小谷実可子さん、柔道の古賀稔彦さん、競泳の岩崎恭子さんの7名の顔が機体に並んでいました。

1998年の長野オリンピックから、JALはJOC(日本オリンピック協会)のオフィシャルエアラインとして日本人選手たちの支援を続けてきました。そのJALが今夏の北京オリンピックまであと88日となった昨日から就航させたのが、歴代の日本人メダリストたちの顔とそれぞれのメッセージを塗装したこの「応援ジェット」です。

JALの整備ハンガーでは就航に先がけ、当日午後より「がんばれ! ニッポン! 応援ジェット就航発表会」が開催され、機体に描かれた7名のメダリストの中から有森裕子さん、鈴木大地さん、森末慎二さん、岩崎恭子さんの4名も顔を見せていました〔写真〕。発表会の様子も含めた応援ジェットの詳細は明日、All About『世界のエアライン』にアップする記事で報告します。

S.Akimoto at 10:44|Permalink

2008年04月26日

日ロ間の新しい掛け橋

 
トランスアエロ航空というエアラインを、ご存知ですか? ソ連が崩壊した後にロシアに民間航空会社として設立され、1991年11月に第1便を就航。現在はロシア国内や欧米の主要都市を結んでいます。そして2007年6月には日ロ航空交渉により成田空港へ就航が認められ、昨日──4月25日に成田/サンクトペテルブルク線が週2便でスタートしました。


日本からサンクトペテルブルクへ渡航するビジネスマンは多く、同路線は主にビジネス需要での利用が見込まれていますが、これからの季節は旅行にもいいですね。私もロシアは以前モスクワを訪れたきりですし、サンクトペテルブルグは運河の美しい街だと聞いていますので、いずれ機会をみつけて飛んでみたいと思います。

昨夜はその就航を記念して東京・麻布のロシア大使館で盛大なパーティが開かれ、私も出席してきました〔写真〕。やはり経済界からの出席者がほとんど。東京とサンクトペテルブルグ間に新しい“掛け橋”ができた喜びを、ロシア側と日本の企業関係者の双方で分かち合っていたようです。

S.Akimoto at 10:23|Permalink

2008年03月27日

MRJがいよいよ離陸

 
21日(金)のBlog「国産ジェット、再び」の続報です。三菱重工業が開発を進める小型ジェット機「MRJ」を、ANAが25機(仮発注10機を含む)購入することを決めた模様です〔写真はMRJのイメージ〕。本日の会見で発表されました。YS-11以来のファン待望の国産旅客機が、いよいよ40年ぶりに復活しますね。楽しみです。


発表によると、ANAは2013年度以降に導入し、国内線に投入したい考え。会見では同社の岡田晃執行役員が「運行面でコストメリットが出る」と導入を決めた理由を述べました。MRJの導入で燃料消費量が現行機材に比べ約40%改善し、年間約50億円の収支改善につながるとみてるようです。

一方のJALは、導入の方針決定を今月末まで見送るらしい。朝日新聞の報道によると「性能やアフターサービスの面でまだ不明な点が多い」(幹部)というのがその理由で、発注を決める場合にも導入は2015以降になりそうです。

S.Akimoto at 23:03|Permalink
Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各媒体にレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『空を飛べるのはなぜか』『これだけは知りたい旅客機の疑問100』(サイエンスアイ新書)『羽田空港のひみつ』(PHP新書)『ANAとJAL──こんな違いがあったのか』『飛行機はなぜ、空中衝突しないのか?』(KAWADE 夢文庫)など著書多数。

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