世界のエアポート

2011年08月10日

猛暑の羽田にて

 
週末に開催された成田でのイベントも盛況のうちに終わり、ホッとひと息。“遅れ”を取り戻そうと早朝からPCに向かった週明けの月曜日は、いつにも増して筆も進みます。そして昨日は午後から羽田空港で航空写真家のチャーリィ古庄氏と再び合流し、毎日新聞社のインタビューを受けました。


インタビューといっても、決して堅苦しいものではありません。相手は、航空に詳しいベテラン記者の黒川将光さん。彼が成田支局の支局長だったときから交流を続け、海外取材にも何度かいっしょに出かけた親しい記者仲間です。羽田空港国際線ターミナル駅に着くと、乗り物ファンのためのWebサイト『乗りMai』の担当記者である米田堅持さんと共に改札で待っていてくれ、空港内のカフェで4人で2時間近く楽しく話しました。

そしてインタビュー終了後は、われわれ二人を撮影をしたいというので屋上の展望デッキへ〔写真〕。東京の都心部では今日も午後から35度を超えたところが多く、立っているだけで汗がしたたり落ちてきます。しかしそんな猛暑の中でも、夏休みでたくさんの子どもたちがお母さんたちといっしょに飛行機見学に来ていました。男の子ばかりでなく、女の子も少なくありません。コンパクトデジカメで夢中で飛行機を狙う様子を見ていると、思わず笑みが浮かびます。この子たちも、日曜日のBlogで紹介した「空美ちゃん」予備軍なのかな──などと考えながら。

本日受けたインタビューは、毎日新聞・夕刊の「人模様」というコラムで8月の終わりに掲載されるほか、前述したWebサイト『乗りMai』でも新刊の紹介を兼ねて取り上げてもらえるそうです。掲載日などが決まったら当Blogでもお知らせしますので、ぜひご覧くださいね。

S.Akimoto at 00:39|Permalink

2011年08月07日

空美ちゃんの話

 
写真は、成田空港で出るゴミの処理を一手に担うナリコークリーンセンターの屋上です。そして目の前に広がる滑走路に望遠レンズを向けるのは、4人の“空美(そらみ)”ちゃんたち。昨日のマロウド成田でのイベント「成田写真三昧の旅」で、主催した成田空援隊の最高顧問である片山敏宏成田市副市長らが同センターと交渉し、この最高のロケーションでの撮影会が実現しました。


この4人の空美ちゃん──石井真奈美さん、小松美紀さん、森口菊枝さん、久保田美紀さんは、いずれも航空写真家・チャーリィ古庄氏の“弟子”に当たる人たちです。古庄氏が講師を務める「キャノンEOS学園・航空フォト講座」を受講してから交流の輪が広がり、空美ちゃんの愛称で呼ばれるようになりました。

「呼ばれるようになった、というより、私たちがそう仕向けたんですけどね」と笑いながら話すのは石井さん(写真手前)です。「鉄道好きの“鉄子”とか、登山愛好家の“山ガール”みたいに、私たちにも愛称が欲しいよねということで話し合って。4人のうち3人の名前に“美”がつくので、空美って呼んでもらうことにしました」

「飛行機って男の世界の思われがちですが、じつは女性でも好きな人が多いんですよ」と言うのは森口さん。「前にさくらの山公園で一人で撮影していたら、隣でいっしょに空を見上げているおばあちゃんがいて。こんにちはって挨拶したら、ニコッと笑って“飛行機はずっと見ていても飽きないよねえ”って言っていました」

今後はもっともっといろんな年代の人たちに女子撮影隊の仲間に加わってほしい──そう呼びかける空美ちゃんたち。各年代で旅客機のとらえ方が違うので、年齢層が広がるとたしかに面白いかも知れません。「そうですね」と私も同意しながら、一方で「60歳や70歳の人たちも“空美ちゃん”て呼ばれるのかなあ」と余計なことを考えました。

さて、一夜が明けて、いまは日曜日の朝7時。A滑走路の目の前に位置するマロウド成田の部屋から外を覗くと、ちょうどクアラルンプールからのJAL機とハノイからのベトナム航空機が相次いで降りてきました。早朝に飛来する一番機を狙うと言っていた空美ちゃんたちは、いまごろはきっと撮影モード全開でしょうか。いい写真が撮れることを、祈っています。

S.Akimoto at 07:09|Permalink

2011年08月01日

成田写真三昧の旅

 
成田空援隊、というのをご存知ですか? これは日本の空の玄関口として世界につながる成田の魅力をPRするため、2010年に地元の有志と成田市、成田空港が手を組んで発足した“地域おこし”のグループです。これまでご当地グルメの開発や映画・テレビのロケ誘致、空港見学ツアー開催といった活動を推進してきました。


写真は、成田空港A滑走路に一番近いホテル──マロウドインターナショナルホテル成田(以下、マロウド成田)です。今週末の8月6日(土)と7日(日)にはここで、航空写真家・チャーリィ古庄氏による旅客機写真の撮影会&セミナーイベント「成田写真三昧の旅」が開催されます。

講師役の古庄氏も、じつは成田空援隊のメンバーの一人。彼は活動ベースを成田に移して以来、地元・成田のPR活動にも積極的で、成田空援隊とマロウド成田とのコラボによる同イベントも航空ファンの間ではすっかりお馴染になりました。これまではホテルの屋上を開放しての撮影会でしたが、今回は真夏の開催ということもあって、エアコンの効いた滑走路に近い部屋が撮影用に用意されるそうです。日帰りプランと宿泊プランがあり、宿泊プランの参加者は成田でいまだ誰も撮影したことのない“秘密”のスポットにも案内されるとか。そして夕方からは参加者全員が集まって、食事をしながら撮影した写真を見たり、交流を深めたり──楽しそうな企画が盛りだくさんです。

そして私も、古庄氏との共著による『ANA旅客機まるごと大百科』と『JAL旅客機まるごと大百科』の発売を記念し、同イベントに特別ゲストとして参加することになりました。カメラファンのほか、旅行好きの方や広い意味での航空ファンの方もたくさん集まるそうですので、夕方からの交流会ではみなさんの質問に答えたり取材の舞台裏など普段あまり披露できない話もお伝えするつもり。古庄氏とのトークショーなども計画されています。

同イベントの定員は先着50名で、まだ若干の空席があると聞きました。参加を希望される方はこちらをご参照ください。週末にみなさんとお会いできること、私も楽しみにしています。

S.Akimoto at 06:24|Permalink

2011年07月29日

2012年宇宙の旅

 
30年にわたったスペースシャトル計画が7月21日で幕を閉じ、そして一昨日の27日には“シャトル後の時代”を担う新しい日本人宇宙飛行士3人の記者会見が実施されました。このところ宇宙の話題が続いています。しかしいずれの「宇宙」も、いわば“選ばれた一部の人たち”のもの。一般の人間にとっては、宇宙はまだまだ遠い存在なのでしょうか?


いいえ。一般の人たちも大気圏を飛び出して宇宙旅行を楽しめる日が、じつはもう間近に迫っています。

2010年10月にはアメリカ南部の砂漠地帯に、世界初となる民間宇宙船の発着基地も完成しました〔写真〕。この“宇宙空港”の正式名称は「スペースポートアメリカ」で、米国ニューメキシコ州が200億円を投じて同州南部に建設。3,000メートルの滑走路もすでに整備され、年内にはターミナルビルもグランドオープンします。そして今後、この宇宙空港をキーテナントとして利用することになるのが、民間向けの宇宙旅行計画を進めてきたヴァージングループ傘下のヴァージンギャラクティック社です。

実際に使用するスペースシップも2009年12月に完成・披露され、関係者からは「飛行テストなども現在まで順調に進んでる」と聞きました。民間人旅行者を乗せたスペースシップの初便は、いよいよ2012年にも宇宙に向けて発進します。そこで誠Styleの連載『“飛行機と空と旅”の話』では、本日より「2012年宇宙の旅」と題するレポートを公開! 同連載の本来のテーマからはちょっと外れるものの、今回は大気圏を超えて高度110キロの宇宙空間へ飛び出し、輝く星々や青い地球をスペースシップから眺める夢の宇宙旅行について紹介しました。

≫≫≫「2012年宇宙の旅。ヴァージンギャラクティックが主催する夢の宇宙旅行

S.Akimoto at 08:05|Permalink

2011年07月24日

打ち水

 
昨日と今日は地元恒例の夏祭りです。この二日間だけは毎年、私は作家業から離れて「ヤキソバ屋のおじさん」に変身することは、何度かこのBlogでも報告してきました。両手に鉄ヘラを持ち、昼過ぎから夜まで熱い鉄板に向かい続けます。


ここ数日は風もあって涼しく、昨日の祭り会場への人出も例年にないほどでしたが、今日はどうでしょうか? 天気予報では暑さがぶり返し、気温はまた30度を超えるそう。若い衆にときどき打ち水でもさせて、何とかお客さんを呼び込まないと──と思います。国土交通省の研究機関での試算では、1平方メートル当たり1リットルの打ち水をすると、気温が1〜2度下がるらしいですね。

上の写真は関西国際空港です(チャーリィ古庄氏撮影)。関空でもこの夏から、リムジンバスの乗り場が連なるターミナル前の道路で打ち水を始めました。普段は清掃に使う散水車から、約400メートルの道路に1回当たり約3トンの水を放出。打ち水という“和の文化”を暑い中を移動する旅客のために取り入れるなんて、関空も粋なことをやるなあ。

さて、そろそろ会場へ出かけないと。2日間で3キロ近くやせるほどの激務ですが、毎年の祭りへの参加は心のメンテナンスに欠かせません。この5年ほどは神輿は担がなくなりましたが、屋台の前で神輿が踊るときは、打ち水のために用意してあるバケツの水を思い切りぶちまけてやります。担ぎ手からも周囲からもどっと歓声があがって──それもいい発散になります。

S.Akimoto at 10:21|Permalink

2011年06月18日

ボーディング

 
旅客機への搭乗はふつう、上級クラスの乗客から優先的に案内されます。しかし最近、ヨーロッパなどの空港では“逆転現象”が起こり始めました。つまり、上級クラスが後回しにされ、エコノミーの乗客を優先する──という搭乗スタイル。「先にシートに座らされて他の乗客が乗ってくるのを待つより、時間ぎりぎりまでラウンジでのんびりしていたい」という声が増えたことが、その理由です。


オール2階建て機であるエアバスA380は乗客数が多いため、運航するエアラインは、搭乗開始を出発予定時刻の50分くらい前に設定しているケースが少なくありません。そのぶん、先に乗った人はいままで以上に長い時間、機内で待たされることになります。

では、昨日就航した大韓航空のA380はどうだったか? 仁川国際空港での搭乗開始時間は、きっちり30分前でした。それで出発が遅れることもなく、搭乗はじつにスムーズ。同じA380を運航する各社のキャビン設計が500席前後であるのに対し、大韓航空は407席と100席ほど少ないことももちろん理由の一つです。でももっと大きな秘密が、同空港の搭乗ゲートに隠されていました。

仁川国際空港の指定された「10番ゲート」を抜けると、そこから3本のボーディングブリッジがするするっと機体のドアに伸びています。1本目はメインデッキ前方のファーストクラスキャビンのドアへ、もう1本はその後方のエコノミークラスのドアへ、そして残る1本はアッパーデッキにあるビジネスクラスのドアへ〔写真〕。つまり、それぞれのクラスに乗客がダイレクトに入れるようにしたのです。そうすることで、通路での人の渋滞も解消。搭乗開始後、間もなくドアがクローズされ、A380の就航初便は予定の時間にゲートを離れていきました。

S.Akimoto at 21:06|Permalink

2011年06月16日

ソウル入り

 
成田発13時55分の大韓航空704便で、先ほどソウルに到着しました。仁川国際空港はいつきてもいい感じ。広々として明るく、文化と芸術をとりいれた全体の設計もグッド。明らかに旅行者には見えない人たちは、きっとショッピング目当てなのでしょう。ここの空港免税店は世界最大規模で、30を超える有名ブランド店がひしめき、毎年約3,000万人の利用者が訪れます〔写真はターミナル中央の吹き抜けエリア〕。


さて、明日はいよいよ、大韓航空のエアバスA380の就航日。その取材のため、新聞社や雑誌社から派遣された計10名の記者とカメラマンが成田から同じ便でソウル入りしました。当初予定されていた前日の就航セレモニーは中止になったため、今日は取り立ててやることもありません。空港から2分のハイアットリージェンシー仁川にチェックインし、これからみんなで食事をともにする予定が組まれているだけ。その後は解散、自由行動です。

ただ、明日の就航便取材は大変だろうな。今日来た10名の取材班に、明日は朝から韓国駐在のNHKとフジテレビのテレビクルーが3名ずつ、計6名が加わるらしい。出発前はあまり取材の時間がとれなさそうだし、成田までわずか2時20分のフライトなので、搭乗後は機内で撮影の陣取り合戦が始まるでしょう。私ももちろん自分で写真を撮りますが、航空写真家のチャーリィ古庄氏をともなっているので、撮影は基本的には彼にお任せ。また別の若手カメラマンと連絡をとり、到着地の成田でもランディングの様子や歓迎ムードを取材しておいてもらえるよう段取りができているので、わりと安心しています。

私のミッションは、A380での空の旅に身を任せること。快適なフライトを味わいながら、来週さっそく発表する予定のレポートの構想でもじっくり練ろうかと思っています。

S.Akimoto at 17:20|Permalink

2011年06月10日

空港の特殊車両

 
旅客機の運航を日々支えているのは、パイロットや客室乗務員、空港の旅客スタッフたちだけではありません。ある便が空港に到着し、再び出発していくまでの間には、それぞれに任務を負った多くのスペシャリストたちが活躍しています。


到着機の誘導や出発機のプッシュバック、貨物の積み降ろし、燃料補給、機内清掃など。それら旅客機がスポットに駐機中に行われる数々の作業を総称する「グランドハンドリング」という言葉を聞いたことはありませんか? 駐機するスポットによっては、グランドハンドリングの様子を空港待合室のガラス窓越しに眺めることも可能です。旅客機の周りに、お菓子に群がるアリのように集まってきて、てきぱきと任務をこなす特殊車両の活躍を追ってみるのも楽しいかも知れません。

さて、誠Styleの連載『“飛行機と空と旅”の話』で、本日より新しい記事がアップされています。5月後半は約10日間のヨーロッパ取材に出かけていたため、少し間があいてしまいました。更新はかれこれ4週間ぶりです。今回は空港のさまざまな特殊車両にスポットを当て、それぞれの任務・役割について解説しました。

≫≫≫「空港ではたらく個性豊かな“特殊車両”たち。それぞれの任務・役割は?

S.Akimoto at 08:23|Permalink

2011年03月29日

アジアのハブ空港

 
デスクの卓上カレンダーをぼんやり眺めながら思うのは、ちょうど10年前の今日のことです。2001年3月29日、隣の国・韓国のソウルで、世界への新しい玄関口として仁川国際空港がオープンしました。同空港のネットワークはその後、次々と拡大し、この10年で世界132の都市と結ばれるまでに成長を遂げています。


日本からの旅行者にも仁川国際空港は重要な役割を果たしてきました。大韓航空アシアナ航空が各地に就航し、現在は日本の27の都市が仁川とつながっています。2009年のデータで見ると、仁川で乗り継いで海外へ行く日本人乗客は年間約74万人。取材で地方都市を歩いていると、各地の旅行代理店のウィンドウに仁川経由でフランスのパリへ、ハワイへといった格安ツアーの広告が貼られているのをよく見かけました。

乗り継ぎが便利というだけではありません。仁川国際空港のターミナルに降り立つと、ときどき遭遇するのが写真のような光景です。朝鮮王朝時代の宮廷衣装に身を包んだ人たちのこの行列は、空港利用者に乗り継ぎの待ち時間を楽しんでもらおうという仕掛けのひとつ。インターネットスペースや映画館、シャワールームといった設備も充実し、すべて無料で利用できるのも嬉しい。ショッピングエリアには30を超える有名ブランド店や免税店が軒を連ね、たしか一人あたりの免税品購入額は仁川国際空港が世界第1位だったと記憶しています。

成田や羽田が原発事故で大きな影響を受けているだけに、日本から仁川を目指す人の数は当面増え続けるかも知れません。

S.Akimoto at 23:58|Permalink

2010年12月28日

空港ホテル体験記

 
今年も、今日を含めて残りはあと4日。新しい年に向けて、みなさんの中でもすでにカウントダウンが始まっていることでしょう。さて、2010年最後のBlog更新は、誠Styleでの連載『“飛行機と空と旅”の話』に寄せた新しい記事のお知らせです。


今年10月31日に、羽田から32年ぶりとなる国際定期便が再開されました。しかし海外旅行が便利になった反面、出発が早朝・深夜の時間帯で設定されているため、なかには空港近くでの“前泊”を余儀なくされる人も。今回はそんな人たちに紹介したい、ターミナルに直結する「羽田エクセルホテル東急」についてのレポートを書きました。題して──「離着陸機を眺めながら、ファーストクラスの旅を地上で満喫! 羽田エクセルホテル東急・宿泊体験ルポ」。

同ホテルの名物ともいえる、かつて国際線で使用されていたファーストクラスのシートがペアで置かれた「フライヤーズルーム」という部屋〔写真〕に実際に宿泊した体験や、広報の人にインタビューした内容などをつづっています。これから羽田を早朝・深夜に発つ予定のある人は、一読してみてください。

この連載をスタートしたのも、羽田に新しい国際線ターミナルが開業した10月でした。すでに多くの読者の方々から、あたたかい応援のメッセージをいただいています。私の活動舞台は書籍や月刊誌などがメインですが、Web媒体というのも、読者を身近に感じられていいですね。来年もこの連載のため、欧米やアジアに積極的に飛ぶ予定です。取材報告を、どうぞ楽しみにお待ちください。それではみなさん、よいお年を!

≫≫≫「離着陸機を眺めながら、ファーストクラスの旅を地上で満喫! 羽田エクセルホテル東急・宿泊体験ルポ

S.Akimoto at 00:35|Permalink

2010年12月26日

欧州の大寒波

 
記録的な大雪で乱れに乱れていたヨーロッパの空の便が、ようやく回復しつつあるようです。パリのシャルル・ド・ゴール空港で足止めされていた知人の日本人エンジニア、K氏からも「運航がやっと再開になりました。心配かけましたが、これから日本に帰ります」と連絡が入りました。


それにしても、北部を中心にヨーロッパを襲った大寒波は、近年にない規模だったようです。ドイツやイギリス、オランダ、フランスなどの主要空港では、降雪の影響で滑走路が閉鎖。除雪作業も思うように進まず、空港機能が完全にマヒしました〔写真〕。ロンドン在住の記者と1週間前にメールでコンタクトをとってみたところ、彼は「空港ロビーは人であふれ、床で寝ている人もいる。その多くが、ここで一夜を過ごさざるを得ないだろう」と言っていました。

エンジニアのK氏は当初、関西からオランダのアムステルダムへ向かいましたが、積雪でスキポール空港に降りられずドイツのデュッセルドルフ空港にダイバート。そこからは陸路でアムステルダムへ行くバスを用意してくれるのだろうと思っていたそうです。が、道路も大渋滞との連絡が入ったようで、乗客は飛行機から降りられません。スキポール空港の再開を駐機中の機内でじっと待ち、約3時間後に再びデュッセルドルフ空港を離陸。ところが、ようやく到着したスキポール空港も各地からの便が集中して大混雑し、ドアを開けてもらうまでにさらに2時間以上を要したそうです。

「ヨーロッパには何度となく出張で出ていますが──」と、K氏は言いました。「これほどの大混乱は、かつて経験がありません」

自然の猛威の前には、私たちは無力です。25日以降は各地とも天候は回復傾向にあるようですので、エアライン関係者や空港関係者も、ホッとひと息でしょう。日本では、クリスマス前に移動が集中する欧州と違って、これから年末・年始にかけてが旅行シーズン。各地の空が機嫌を損なわず、しばらくは穏やかでいてくれることを祈ります。

S.Akimoto at 14:06|Permalink

2010年12月02日

大田区羽田空港

 
羽田空港の国際線ターミナルがオープンして早1カ月。取材でお世話になった空港のあるスタッフにお礼の手紙を送ろうとして住所を調べていて、ふとつぶやきました。「そうか。羽田空港は住所も大田区羽田空港なんだ!」と。

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なんだか興味がわいてきて、ウェブの検索機能を使っていろいろ住所を見ています。航空会社の社屋や工場が並ぶエリアの番地は、羽田空港3丁目。A、B、Cの滑走路のあるエリアも同じく羽田空港3丁目ですが、沖合に展開した4本目のD滑走路には「大田区羽田空港」だけで番地がありません。

国内線の2つのターミナルや貨物エリアも3丁目で、私が知人に手紙を送ろうとしている国際線ターミナルは2丁目。旧整備エリアは1丁目となっています。

住所とは本来、住居表示のことだと思うので、大田区役所に電話で聞いてみたら「大田区羽田空港という地名には住民票で登録されている人はいない」との返事です。かつて航空管制官を育成する航空保安大学が、2008年に大阪のりんくうタウンに移転するまでは羽田空港にあって、近くの寮に友人が住んでいました。彼はたしか「大田区羽田空港1丁目」という住民票を持っていたと記憶しているのですが、大田区羽田空港に住んでいる人はいまはもう誰もいないのでしょうか。

S.Akimoto at 11:32|Permalink

2010年11月01日

羽田での深夜の宴

 
ある日刊紙の記者Sさんが、私を見るなり驚いた顔で「えー、秋本さん。台北へ日帰りってブログで読みましたが、本当だったんですか!」と言いました。昨日の深夜23時過ぎ、羽田空港国際線ターミナルの出発ロビーでのことです。


本当だったのか、って! ウソなど書きません(笑)。朝7時ちょうど発のチャイナエアラインCI223便で台北・松山空港へ飛び、現地時間(台湾はマイナス1時間)の9時45に到着。それから台北市内を取材し、18時15分台北発の便で日本時間の21時55分に羽田に帰ってきました。

この日帰り弾丸トラベルについては、10月からスタートした『誠Style』での連載『“飛行機と空と旅”の話』で近々詳しくお伝えしますが、羽田に戻った私は到着ロビーからすぐに出発ロビーへと移動。深夜0時20分に発つタイ国際航空のバンコク行き初便と0時30分に発つシンガポール航空のシンガポール行き初便の就航記念セレモニーがあり、その二つのイベントに参加しました。

台北への日帰り取材に驚いていた記者は「大丈夫? 疲れていませんか?」と私をねぎらってくれましたが、表情を見ていると、そう言っている記者のほうがだいぶ疲れている様子です。私は本家本元の「足裏マッサージ」を体験するなど、取材とはいえ台北ではかなりリラックス。その間、羽田では前日深夜から31日の昼間にかけてもANAJALキャセイパシフィク航空などの就航記念セレモニーがあり、多くの記者たちがすべてをかけもちで取材していると聞きました。

さて、まずは112番ゲート前で23時20分からシンガポール航空のセレモニーが始まり、続いて下のフロアにある132番ゲート前で23時40分からタイ国際航空のセレモニーがスタート〔写真〕。終了後にSさんは「これで羽田取材もようやく一段落です」とホッとした表情で言い、最終のモノレールで帰っていきました。

空港第2ターミナルの羽田エクセルホテル東急にもうもう1泊部屋をとっていた私は、再びシンガポール航空のイベント会場に戻り、そこで残っていたシャンパンを飲みながら広報関係者らとしばし歓談。取材陣やエアライン関係者、乗客などでごったごった返していたロビーも、いまは静寂に包まれています。深夜の1時過ぎまで羽田空港内にいるというのはおそらく初めての経験で、なんだか不思議な感覚でした。

S.Akimoto at 13:48|Permalink

2010年10月30日

雨のエアポート

 
かなり激しい雨です。ご覧の写真は、午後5時現在の羽田空港のエプロンの様子。羽田と八丈島を結ぶ便などに欠航が出ているというニュースが入ってきました。私はこの風景をいま、ファーストクラスのシートに寝そべりながら眺めています。


ここは羽田空港の第2ターミナルに直結する羽田エクセルホテル東急の一室。かつて国際線で実際に使用されていたファーストクラスのシートがペアで置かれている「フライヤーズルーム」に、先ほどチェックインしました。台風14号の接近で、雨と風は強まっていますが、そんな中でも日本各地からの便が次々に滑走路に降り立っては、再び準備を終えてまた出発していきます。

明日──10月31日は、いよいよ羽田から32年ぶりとなる国際定期便が飛ぶ日。日付が変わる深夜0時台と1時台に、ロサンゼルス、サンフランシスコ、ホノルル、バンコク、パリへのANAJALの便が相次いで離陸します。台風14号は速度をはやめているので、おそらく夜9時を過ぎれば天候も少しずつ落ち着いてくるでしょう。初便の欠航の心配はなさそうです。

羽田発の国際定期便初取材を、私はチャイナエアラインに決めました。今夜はホテルのこの部屋で朝までゆっくりくつろぎ、7時ちょうどに離陸する同エアラインのCI223便で台北(松山空港)に向かいます。

S.Akimoto at 17:14|Permalink

2010年10月22日

成田もガンバレ!

 
羽田空港の4本目の滑走路と新しい国際線ターミナルが昨日オープンし、新聞もテレビもラジオも、この話題で持ち切りです。私もテレビ番組から電話取材を受けたり、オープン前日はTOKYO FMの朝の番組に急きょ生出演して解説しました。


「アクセスが本当に便利になって、海外がぐっと近づいた」
「これからはもう、成田を使うことはなくなるのでは?」

テレビのワイドショーなどでは今朝も、利用者たちのそんな声を伝えています。でも、ちょっと待てよ! と言いたい。もう成田は使わない? そんなことはあり得ないでしょう。だって羽田が国際化したとはいえ、一部の路線が飛び始めたに過ぎないのだから。路線網の多さを考えると、首都圏から世界への“玄関口”はまだまだ圧倒的に成田です〔写真は成田空港第1ターミナルの南ウイング〕。

電波に乗せて伝えられる声の多くは、首都圏でも、じつは神奈川県民や東京のいわゆる城南地区で暮らす人たちのもの。私のような下町で育った人間は、インタビューを受けてもそんなコメントは絶対に出しません(もちろん千葉県民はなおさら)。東京の城東地区や埼玉県などに住む人たちにとっては、上野に出て、そこから京成の成田スカイアクセスを利用して成田空港へ向かうほうが簡単です。ゆったり座って、40分程度で成田に到着しますので。とくに朝夕の込み合う時間帯には、山手線や東京モノレールを乗り継いで羽田へ行くというのは、決して楽ではありません。

成田空港でも発着枠が今後増えますし、エアライン各社がビジネス路線を中心に羽田へシフトしていくなら、成田は余裕が出た枠に海外の新しいエアラインをどんどん誘致すればいい。日本への乗り入れを希望しながら、発着枠の不足で就航できなかったエアラインも、これまでは少なくなかったわけだから。ビジネスで利用するのに便利な羽田と、いろんな国へのネットワークを充実させ旅の可能性をより広げる成田と──要は両空港の機能を生かして共存・発展していくことが大切だと、私は思っています。

S.Akimoto at 09:50|Permalink

2010年09月27日

スワンナプーム国際空港

 
いつも思うことですが、タイ・バンコクのスワンナプーム国際空港は、とにかくスケールが大きい〔写真〕。地上7階建て、延べ床面積56万3,000平方メートルのフロアに360ものチェックインカウンターが並ぶ旅客ターミナルビルは、単一の構造物としては世界でも最大規模です。


“アジアのハブ”として機能するこの空港を拠点に、タイ国際航空は近隣諸国をはじめオーストラリア、ヨーロッパ、中東、アフリカ、北米へとネットワークを広げてきました。現在は34カ国・73の都市を結び、日本からバンコクを経由してタイ以遠の国に向かう旅行者も年々増えています。

私は昨日(26日)の16時55分に成田を発つTG677便で、ここスワンナプーム国際空港に到着しました。現在は国際線トランジットエリア(コンコースC)にある「ロイヤルシルクラウンジ」で、この文章を書いています。時刻は22時30分を回ったところ。タイと日本は2時間の時差があるので、日本ではもう27日の月曜日に日付が変わりました。ここから私は、午前1時15分に発つTG703便で南アフリカ共和国に向かいます。

南アまではおよそ11時間のフライトです。バンコク/ヨハネスブルグ線の使用機材はボーイング777-200ERで、私はプライベート空間が確保できる窓側席をリクエストしました。ヨハネスブルグ国際空港には現地時間で朝7時30分に到着予定。同型機のビジネスクラスに導入されているシェル型シートでしっかりと睡眠をとり、目覚めたときにはきっと眼下にアフリカの大地が広がっているでしょう。現地のインターネット事情にもよりますが、今回の旅の様子もまた、現地からリアルタイムで報告しようと思っています。

S.Akimoto at 00:31|Permalink

2010年08月30日

1990年の不幸な事故

 
成田空港には“門限”がある──8月24日のBlog「欧州夜行便」でそう書いたところ、読者の方々から「へえ、知らなかった」といった感想が寄せられました。


内陸部に造られた成田空港では、周辺住民に対する騒音問題への配慮から、旅客機や貨物便が離発着できるのは6時から23時までと決められています。門限が明ける毎朝6時を過ぎると、最初に到着するのが海外からの貨物便。追い風に乗ってのフライトのときには定刻より早く着いてしまうこともありますが、6時を過ぎないと滑走路に降り立つことは許されません。「その場合は少し遠回りをしたり、上空で旋回しながら管制塔からの着陸許可を待つことになる」とパイロットは言います。

上空で旋回中に燃料がなくなったらどうするの? あるセミナーで前にそんな質問も受けましたが、大丈夫です。時間制限のない空港でも、混雑などが原因ですぐには降りられないことがあり、その場合はやはり上空で旋回飛行して着陸許可を待ちます。これを「ホールディング」といい、旅客機にはそのための燃料も余分に積んでいるので、心配はありません。

あ、でも近年で一度だけ、燃料切れで旅客機が墜落する事故がありました。あれは1990年──ニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港〔写真〕でのことです。乗員乗客158人を乗せてボゴタを出発したコロンビアのアビアンカ航空52便(ボーイング707)が、強風のため降りられない便で混雑していた同空港上空で2時間近くホールディングを強いられたあと、空港への進入降下中に燃料が尽きて墜落。73人の犠牲者を出しました。

当日のケネディ国際空港は暴風雨で、上空ではアビアンカ航空52便のほかにも多くの旅客機が待機していました。52便の乗員は再三にわたって管制塔に「燃料が残り少ない」「着陸を優先して欲しい」と要請したといいます。そしてようやく着陸の順番になり、滑走路に進入しようとしたときに、風向きや風速が短時間でめまぐるしく変る“ウィンドシア”が発生。コクピットでは着陸のやり直しを余儀なくされ、そして再度の着陸進入のときにすべてのエンジンが停止して墜落するという、じつに不幸な事故でした。

S.Akimoto at 23:54|Permalink

2010年08月21日

秋からの取材テーマ

 
羽田空港で建設が進む新しい国際線ターミナルが、いよいよ2カ月後にオープンします。世間の関心も高まり、最近は「空港」を題材にした新著刊行の話や、空港の楽しみ方・利用の仕方といったテーマでの各メディアからのインタビュー申し込みも増えました〔写真は羽田新国際線ターミナルの外観〕。


昨日は、午後から番組収録のため東京・浜松町の文化放送スタジオへ。ある番組でやはり「空港」を取り上げることになり、ゲスト出演していろいろな角度からお話ししてきました。9月中旬に2回に分けてオンエアされる予定ですので、番組の詳細はまた改めて報告しますね。

私自身の取材活動でも、この秋以降は間違いなく「羽田の国際化」が重要テーマになるでしょう。4本目のD滑走路の完成後は、年間の旅客機発着枠がそれまでの約27万回から約41万回へと拡大。増える発着枠の一部が国際線用に割り当てられ、すでに早朝や深夜の時間帯に出発する新規国際路線の開設も決まりました。

お膝元であるANAの9路線(ソウル、香港、北京など既開設4路線を含む)のほか、アジアではシンガポール航空の羽田/シンガポール線やチャイナエアラインの羽田/台北(松山)線、北米方面ではアメリカン航空の羽田/ニューヨーク線とデルタ航空の羽田/デトロイト線に注目が集まります。新路線のすべてをというのは難しいでしょうが、スケジュールを調整してそのいくつかは自分自身で搭乗取材し、月刊誌やWebマガジンなどのメディアを舞台に「羽田の国際化が実現する新しい旅のカタチ」といったテーマでのシリーズ企画を展開したいと思っています。

S.Akimoto at 05:25|Permalink

2010年08月03日

空港はテーマパーク

 
彼はいま、世界のどのあたりを彷徨っているのだろう。その土地で手配したレンタカーに数台のカメラと三脚、脚立などいつもの“七つ道具”を積み込んで。ヨーロッパか中東あたり? 広大なアメリカのどこか? あるいはアフリカの大地を駆け巡っているのでしょうか。私にわかっているのは一つだけ──彼がいるのは、旅客機が発着する場所であるということ。つまり、どこかの空港かその周辺でレンズを向けていることは間違いありません。


「ターミナルのロビーに遠く見知らぬ土地への出発案内が響き、ランプエリアには世界各国のさまざまな旅客機が待機している。一歩足を踏み入れると日常の忙しさや煩わしさを忘れさせてくれる空港は、私にとってはまさにテーマパークです」と、彼──航空写真家のチャーリィ古庄さんは言います。「どこかに一風変わった空港があるという情報を耳にすると、すぐに飛んで行きたくなり、気がつくと過去に訪れた空港は500を超えていました」

その古庄さんから、私のもとに新刊が送られてきました。「これまで世界各国で訪ねた空港の中でも、とくに印象に残るものや、日本の常識とはかけ離れたユニークな空港ばかりを1冊にまとめてみました」というメッセージを添えて。イカロス出版から8月1日に刊行になった『世界のビックリ空港探訪記』です〔写真〕。

さっそくページをめくってみると、すべてが驚きの連続です。え、こんなところに空港をつくっちゃうの? 自分がパイロットだったとしても、この空港には降りる勇気が持てないだろうな。空港というより、これはレジャーランドでは? そんなことを、いちいち声に出してつぶやきながら。古庄さんは、その一つひとつを自身の足で訪ね、写真に収めてきました。彼だからこそ実現できた、価値ある1冊です。猛暑の日々、一服の清涼と刺激を得るためにも、ぜひ手にとってみてください。

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2010年07月16日

成田スカイアクセス

 
東京の都心部と成田空港を最短36分でつなぐ京成電鉄の「成田スカイアクセス」が、明日17日(土)にいよいよ開業します。昨日開かれたその記念式典で、同社の花田力社長は「都心からのアクセスという面で、成田はようやく世界の主要空港と肩を並べることになる」と語りました〔写真=テストランで日暮里駅に入線する新型車両を撮影〕。


海外の主要空港では、空港から市内中心部やダウンタウンまでがわずか10分か20分程度というところが珍しくありません。ドイツのフランクフルトやスイスのチューリッヒを例にとると、空港と市内がせいぜい成田空港と成田市内くらいの距離。そこに鉄道が乗り入れ、アクセスが楽々です。

アジアでは、ヨーロッパに比べると主要空港と市内の距離は離れていますが、それでも日本からみればアクセスはとても便利。1998年に開港した香港国際空港は約25キロ離れた香港中心街との間を最高時速140キロのエアポートエクスプレスが23分で結んでいますし、同じ年に開港したマレーシアのクアラルンプール国際空港は都心からの距離が50キロ以上あるものの、ここでも最高時速160キロの高速鉄道で28分でのアクセス可能です。中国・上海の浦東空港では、市内までの約30キロをわずか7〜8分で結ぶリニアモーターカーが開通しました。

それに対して、成田空港は都心から70キロも離れていて、アクセスの悪さがずっと指摘されてきました。明日の成田スカイアクセスの開業で、世界の主要空港と「肩を並べる」とまではいかないものの、不便さがかなり解消されることは間違いありません。日暮里からの料金は2,400円。現行のスカイライナーより480円高くなるのがちょっと気になりますが、JR成田エクスプレス(東京からだと50分で2,940円)に比べれば、所要時間も短くて割安です。駅で予約状況を聞いたら、「開業当日の指定席はもうほとんど残っていない」と窓口の人が話していました。

S.Akimoto at 09:12|Permalink

2010年05月15日

航空写真に挑戦

 
前回のBlogでも報告したように、一昨日は航空写真家のチャーリィ古庄さんとともに朝から成田空港へ。来月15日に発売になる私の新しい著書『ボーイング777機長まるごと体験』(サイエンス・アイ新書)のための撮影を行ってきました。


現場には別の取材班も来ていて、そのカメラマンも私の知り合いでした。航空写真の分野では、やはり実績のある人です。

私はディレクターの立場で撮影に立ち会いましたが、ただ見ているだけでは退屈です。一眼レフカメラは持参していましたので、二人のベテラン写真家の仕事ぶりを見よう見まねで、私も航空写真にチャレンジ。その様子を、ちょうど出発していく便に乗務していた機長が見ていたらしく、あとでメールが届きました。

「秋本さん、今日の午前中、駐機スポットで取材してたでしょう。ブッシュバックされていくときにコクピットから見かけましたよ」

うわ、知らなかった。知ってたら、もう少しカッコよくカメラを構えるポーズをとったのに(笑)。

さて、スポットでのシーンの撮影を終えたあとは、滑走路の反対側に行って今後は離陸シーンを狙います。巨大な超望遠レンズを向ける二人のプロの動作をみながら、私も200ミリレンズに付け替えていくつか撮ってみました。足を肩幅まで開いて膝に力を入れ、機体の動きに合わせてゆっくりとカメラを動かして。上の写真はその1枚ですが、ピントがちょっと甘いようですね。う〜ん、難しい!

S.Akimoto at 22:27|Permalink

2010年04月18日

大自然の怒り?

 
シンガポールでの休暇を終えて、今夜の便でパリ取材へ! ──と思ったら、わお、飛行機が飛びません。アイスランドの火山噴火の影響です。成田を発った16日にもヨーロッパ便にちらほら欠航が出ていたものの、現地では遅くとも18日には各地の空港閉鎖は解除されるだろうと報じられていたので、あまり心配はしていなかったのですが。


もしやと思ってシンガポール航空の現地サイトを今朝チェックしてみら、予約したパリ行きSQ334便がなんとキャンセルに。ガビ〜ン! チケットインフォメーションにホテルから電話してみても、回線が混雑してつながりません。とりあえず、パリのカルチェ・ラタンにとったホテルに「明日は到着できない」とキャンセルの連絡を送ってから、早めにチャンギ空港に来ました。

シンガポール航空のカウンターで聞くと、パリだけでなくフランクフルト、ロンドン、アムステルダム、バルセロナ、チューリッヒ、ウィーンなどヨーロッパ各地への便は軒並み欠航に。これはまずいと思って、入手できる情報を片っぱしから仕入れたら、ローマへの便だけ飛ぶことがわかりした。

「お、これだ。これしかない! ローマへ飛んで、パリへはそこから列車で入ろう」

チケットの変更手続きをしようと急いでカウンターに行ったのですが、ああ、遅かった。ヨーロッパ各地へ帰る人たちの振替予約がこの便に殺到していて、すでに満席状態です。明日まで待ってもパリ行きが飛ぶかどうかは保証できないというし、私はどうしても23日(金)には日本へ戻らなければならないし……。帰国を先へ延ばすことは不可能なので、やっぱり今日中にパリに向かわないと、現地で何もできません。

あちこち空の旅を続けていると、当然のごとくいろんなことが起こります。ですが、遠い異国の火山の怒りに触れた、というのはさすがに初めてのケース。私の日頃の行いがよっぽど悪かったのでしょうね。もう八方ふさがりで、やむなく今日の23時45分発のSQ638便で東京へ戻ることにしました。パリ取材はまたいずれ、仕切り直して──ということで。

写真は、チャンギ空港のターミナル1と2と3を無料で結ぶ「スカイトレイン」です。出発までだいぶ時間が余ったので、さっき3回往復してきました。それぞれのターミナルを、行ったり来たりして。だって、ヒマなんだもん! あ〜あ、帰ろ。

S.Akimoto at 20:09|Permalink

2010年03月15日

KIXエアサイドアベニュー

 
海外では、空港自体をもうかるビジネスとしてとらえている国が少なくありません。多くの空港が“手本”としてきたオランダ・アムステルダムのスキポール空港を例に見ると、空港収益の5割以上を占めるのが物品販売やホテル、スペース賃貸などの非航空部門。そうして得た利益を、ファンを増やすために、さらに新しい施設づくりへの投資にまわしてきました。常に拡充工事が続いているためか、スキポール空港はいつ行っても、どこかしらで電動工具の槌音が響いています。


日本の空の玄関口は、アメリカやヨーロッパに比べ、以前は空港づくりの発想からして違っていました。それがここへきて変化し、免税ブランドモールなどもかなり充実しはじめています。

たとえば成田空港では、第1ターミナルに2006年夏に免税ブランドモール『narita nakamise』が、2007年4月には第2ターミナルに『ナリタ5番街』がオープン。チェックインを済ませ、出国審査場を抜けると、その先に日常とは別世界の華やかな空間が出現します。2005年2月に開港したセントレア(中部国際空港)も商業施設が充実し、飛行機に乗る予定がなくても、空港内でショッピングなどを楽しむために訪れる人が毎年500万人以上にのぼっていることを拙著『みんなが知りたい空港の疑問50』でも紹介しました。

そして今日──3月15日からは、関西国際空港でも国際線出国エリアが大規模リニューアルされ「KIXエアサイドアベニュー」として生まれ変わります〔写真〕。面積は約3,770平方メートルから約5,580平方メートルに拡張。「ティファニー」「コーチ」のほか、国内の空港では初出店となる「スワロフスキー」など海外の人気ブランドショップや、空港を眺望できるすし店、カフェなどがオープンしています。

空港をビジネスとして成功させるためには、非航空部門での収益力アップが不可欠です。先日、産経新聞・大阪本社の社会部記者から新しい「KIXエアサイドアベニュー」について取材を受け、そんな観点からお話ししました。記事は本日の同紙地方版に「海外ブランドや眺望すし店──関空出国エリアがリニューアル」と題して掲載されています。

S.Akimoto at 11:01|Permalink

2009年12月22日

ハブ空港とは?

 
最近、テレビなどのニュースで「ハブ空港」という言葉をよく聞くようになりました。なかにはワケ知り顔で「ハブ空港とは大都市の大きな空港のことだよ」などと解説している人もいますが、残念ながら違います。


ハブ空港が大都市に置かれるケースが多いのは事実ですが、大都市にあればすべてハブ空港かというと、そうではありません。優れたハブ空港には、各地からの便がほぼ同じ時間帯に到着し、さらにその1時間か1時間半後には再びそこから各地へ向かう便が飛び立っていく──そんな仕組みができあがっています。

では、ハブ空港で乗り換える場合に、通常どれくらい時間的な余裕を見ておけばいいのか? その際に参考になるのが、空港ごとに定められた「ミニマム・コネクティング・タイム(MCT)」です。これは乗り継ぎに必要な“最低時間”を示したもので、乗り継ぎ時間がMCTに満たないときは、航空券の予約・発券はしてもらえません。

たとえばデンマークのコペンハーゲンやドイツのミュンヘン、オランダのアムステルダムなど乗り継ぎに便利なハブ空港が多いヨーロッパで、「25分」という最も短いMCTを設定しているのがオーストリア航空のハブであるウィーン国際空港です〔写真〕。

先週発売になった新著『みんなが知りたい空港の疑問50』ではハブ空港の概念を図を使ってわかりやすく解説し、またウィーン空港についてもカラー写真入りで紹介していますので、興味のある方はご覧になってみてください。

S.Akimoto at 14:33|Permalink

2009年12月16日

新著が発売に

 
この秋に執筆を進めてきたサイエンス・アイ新書シリーズの新しい著書『みんなが知りたい空港の疑問50』(ソフトバンククリエイティブ)が、発売になりました〔写真〕。各地の空港や都心部の大手書店では本日から、それ以外でも今週中には並び始めると思いますので、見かけたらどうぞ手に取ってみてください。


全体には次の5つの章で構成し、計50の疑問に答える形で空港の楽しみ方や基本構造、海外のユニークな空港などを紹介しています。

第1章/空港を楽しむ・利用する
第2章/空港の“キホン”を知る
第3章/空港で働く
第4章/空港の未来技術に触れる
第5章/世界の空港を探検する

第3章の「空港で働く」では、エアライン業界を目指す人たちの参考になればと、空港を舞台にした多種多彩な仕事にスポットを当てました。空港は利用する人にとっても働く人にとっても本当に楽しい場所で、その魅力について私はこんなふうにも触れています。

「この文章をいま、中国・北京首都国際空港の空港ラウンジで書いています。帰国便の搭乗開始を待ちながら。(中略)世界中からさまざまな目的をもった人たちが集まり、出会いと別れのドラマの舞台となる空港は、とてもエネルギッシュで魅力的な場所です。『空港』をテーマにした本書の執筆過程では、私自身にも多くの発見があり、興味も広がりました。帰国してこの原稿を担当編集者に渡したら、私はまた次なるテーマに向かいたいと思います。この本が書店にならぶ頃には、私はまた違う国の空港に降り立って、新しい旅を始めているかもしれません」(本書「はじめに」より抜粋)

S.Akimoto at 09:50|Permalink

2009年12月10日

啓徳空港の思い出

 
香港へ飛ぶ用事があるとき、私は必ず右側の窓側席をリクエストしていたことを思い出します。前方に目的地が見えてくると、旅客機は少しずつ高度を下げて空港へ進入し、着陸直前になって右に急旋回。右側の窓からは九龍の繁華街が手の届きそうな距離に見え、スリル満点でした〔写真〕。


それも、もう遠い昔の話です。旧香港国際空港──通称「啓徳(カイタック)空港」は1998年、香港の中国返還の1年後にその役割を終えました。

世界には、本当にさまざまな空港があります。毎日25万人が利用する世界一巨大な空港から、海岸線の砂浜に小型機が水飛沫をあげて着陸する空港まで。取材中に、敷地内で地ビールを製造している空港にも出会いました。

間もなく刊行になる新著『みんなが知りたい空港の疑問50』(サイエンス・アイ新書)では、第5章に「世界の空港を探検する」という項目を設け、私がこれまで訪れた各国のユニークな空港を紹介しています。いよいよ来週、発売です!

S.Akimoto at 10:26|Permalink

2009年11月20日

羽田の国際化

 
成田ではなく、都心に近い羽田から海外へ飛びたい──そう願う人は多いようです。今年10月25日に羽田/北京線(ANAJAL中国国際航空の3社で1日4便を運航)が開設され、羽田から国際定期便としてデイリー運航されている路線はソウル、上海、香港、北京の4都市に拡大しました。


この4つの路線は、旅のスタイルを大きく変えつつあります。先日空港で取材した20代のOLグループは「東京からソウルへ有名タレントが日帰りでグルメツアーに行くという番組をテレビで観て、私たちも真似してみました。羽田発着なら、こんなことも可能になるんですね」と話していました。

さらに羽田空港では現在、B滑走路に並行する4本目のD滑走路と新しい国際線旅客ターミナルの建設が進んでいます〔写真〕。これらが完成する2010年10月には、年間の旅客機発着枠がそれまでの約27万回から約41万回へと拡大。増える発着枠の一部が国際線用に割り当てられることで、週末を使った各国への旅はますます身近になるでしょう。先週は早くもシンガポール航空が「2010年10月より羽田/シンガポール線を1日2便運航する」と発表しています。

前回のBlogで報告した12月半ばに刊行予定の『みんなが知りたい空港の疑問50』では、そんな「空港の発着枠」についても詳しく書きました。新著の“予告編”として、これから刊行までの間に内容を少しずつみなさんに紹介していきたいと思っています。

S.Akimoto at 18:17|Permalink

2009年10月23日

北京首都国際空港

 
広い。とにかく広い。先ほど、ANAの905便で成田から中国・北京首都国際空港に到着しました。日本からのフライトは第3ターミナル〔写真〕に到着しますが、北京五輪を前に2008年2月にオープンしたこの新ターミナルの巨大さに、ただただ圧倒されています。


コンコースの長さはおよそ3キロ、総面積は98万平方メートルもあり、一つの空港ターミナルとしては世界最大です。ちなみに成田空港は第1と第2を合わせても約77万5,000平方メートル、韓国の仁川国際空港は約49万6,000平方メートル、アジア最大級のバンコク・スワンナプーム国際空港は約56万3,000平方メートル。それらと比較してみても、北京首都国際空港の第3ターミナルがどれだけ広いかがわかります。

英国の建築家ノーマン・フォスター氏がデザインした建物は、天井の高いドーム型で、上から見ると「Y」の字──まるで魚の尾ひれのような形をしていて、使い勝手も機能的です。しかし、問題はソフト面。到着して1時間ほどターミナル内を視察してみて、そう感じました。到着ロビーや出発ロビーには、スターバックスをはじめとするカフェやフードチェーン店、いくつかのブランドショップなどが並んでいますが、何かもの足りない印象です。この大きなスペースが、残念ながら生かし切れていません。

成功している空港は、空港自体をもうかるビジネスとしてとらえています。その代表例が、オランダ・アムステルダムのスキポール空港でしょう。私の大好きな空港で、ここは何時間いても退屈することがありません。200以上の店舗が立ち並ぶショッピングゾーンでは何でも揃うし、24時間使えるサウナやシャワールーム、ホテル、さらに本格的な美術館や礼拝堂、気軽に遊べるカジノまであります。

スキポール空港は、世界中の空港から手本とされてきました。その空港収益を見ると、全収入の5割以上を占めるのが物品販売やホテル、スペース賃貸などの非航空部門。そうして得た利益を、ファンを増やすために、さらに新しい設備拡充のための投資にまわしています。

社会主義国・中国にとって、空港は国の施設です。あまり“娯楽”に走るのは難しいのかもしれません。しかし「アジアのハブ」を標榜し、名実ともにアジアNo.1になるためには、飛行機を利用しない人でも行きたくなるようなアミューズメントスポットとしての魅力もやはり必要でしょう。こんな広い空間があるのに、もったいないなあ──ターミナルを歩いていて、ついそう呟いてしまいました。


S.Akimoto at 20:06|Permalink

2009年07月29日

窓の向こうは滑走路

 
ここは羽田空港第2ターミナルに直結する「羽田エクセルホテル東急」の一室です。窓の向こうに滑走路が広がっている様子──わかりますか? 私といっしょに写っているのは、中央がスカパー「旅チャンネル」の情報番組『世界のエアラインガイド』でサブコメンテーターを務める橋本絵里子さん。そして左側のもう一人が、たけし軍団のお笑いタレント、つまみ枝豆さんです。


同じ「旅チャンネル」でおすすめ番組を紹介する『旅ちゃんガイド』で、枝豆さんはMCを担当。その番組で今回、私たちの『世界のエアラインガイド』を取り上げてくれることになりました。

私と橋本さんが部屋で待機していると、少し遅れて到着した枝豆さん。お互いの自己紹介もそこそこに、枝豆さんのリードでさっそく番組の収録がスタートしました。番組の見どころ、この7月にコンチネンタル航空の取材で訪ねたニューヨークロケの裏話、空の旅を楽しくするためのポイント──枝豆さんから次々に質問の矢が放たれます。トークの合間に枝豆さん特有のジョークが入るのは、私たちの緊張をふっと解きほぐしてくれるための心づかいでしょう。そんなさり気ない気配りといい、明るくて真面目な人柄といい、さすがだなあと感じました。

ところで、この「羽田エクセルホテル東急」は、私も早朝に羽田を発つ際にときどき利用します。出発の前日は早めにホテル入りし、目の前を離陸していく飛行機を眺めながらのんびりリラックス。出発時はホテルロビーに設置されたANAJALの自動チェックイン機でチェックインできるので、とても便利です。また今回の番組収録で使用した部屋とは別に、控室として用意してもらった隣の「フライヤーズルーム」には、なんと国際線で使用されていたファーストクラスのシートがペアで置かれていました。

「このファーストクラスがある部屋は飛行機やエアラインファンの人たちに大人気です」と、撮影のアテンドをしてくれた同ホテル広報の成田梓乃さんは言います。「オプションでお部屋に機内食風のディナーセットをお届けするサービスもあるんですよ」

番組収録後、枝豆さんと橋本さんは全自動でフルフラットになるシートに身を任せながら「次は仕事ではなく、遊びで泊まりにきたいね」とすっかり意気投合。私もまったく同感です! 9月の番組オンエアの際にはまた当Blog右欄の「Information」コーナーでお知らせしますので、ぜひご覧くださいね。

S.Akimoto at 08:31|Permalink

2009年07月20日

ヘリからの風景

 
この文章をいま、ニューアーク国際空港のコンチネンタル航空専用ラウンジ「プレジデントクラブ」で書いています。先ほど、マンハッタンのダウンタウンからUSヘリコプターのヘリで空港に入りました。


USヘリコプターは、マンハッタン地区のダウンタウンおよび東34番通りの2カ所にあるヘリポートとニューアーク空港を定期便で結ぶ独立系エアシャトルサービスの会社。通常は片道159ドルの運賃がかかりますが、コンチネンタル航空の“ビジネスファースト”クラスを予約した場合はこのエアシャトルを無料で利用できます。

しかも両社のコードシェアにより、搭乗手続きが一本化しました。ヘリポートでの運輸保安局(TSA)のセキュリティ検査は思ったより時間がかかりましたが、ここを通過してしまえば、もう空港でのセキュリティチェックは必要ありません。ヘリポートでのチェックイン時に最終目的地までの搭乗券を取得し、荷物も成田まで自動的に運んでくれます。

ニューアーク空港までのシャトルサービスで使用しているヘリは、プレミアムシート8席を搭載したシコルスキー社製のもの。マンハッタンからわずか8分ほどの空の旅ですが、ヘリポートを飛び立って間もなく、自由の女神像を右手に見下ろしながらのフライトは快適でした〔写真〕。

さて、スカパー「旅チャンネル」の情報番組『世界のエアラインガイド』のニューヨークロケも、これで全日程が終了です。これから11時10分発のコンチネンタル航空009便成田行きで、帰国の途につきます。

S.Akimoto at 23:12|Permalink

2009年07月16日

マンハッタンへ25分

 
私が利用したコンチネンタル航空008便は、先ほど16時ちょうどにニューアーク・リバティ国際空港に降り立ちました。計58のゲートを有するコンチネンタル航空専用のターミナルCには、1時間に1,500人対応できる入国審査施設や最新の手荷物仕分仕分けシステムが装備され、入国手続きもじつにスムーズです。


「私たちコンチネンタル航空の記念すべき日に、ようこそニューヨークへ」

到着ロビーで出迎えてくれたのは、NY在住20年というインターナショナルコンシェルジュの浜田久仁子さん。彼女のその言葉で、コンチネンタル航空が今日(現地時間7月15日)でちょうど設立75周年を迎えたことを思い出しました。「Congratulations !」と言葉を返すと、浜田さんは嬉しそうに微笑みます。

しばらく雑談を交わしたあと、浜田さんにエスコートされて、各ターミナルと空港駅を結ぶエアトレイン〔写真〕の乗り場へ。マンハッタンまでは、空港駅から列車(NJトランジットまたはアムトラック)に乗り継いでわずか約25分の距離です。日本からニューヨークへはジョン・F・ケネディ空港から入るのが一般的と思われていますが、NY中心部へはハドソン川をはさんでマンハッタンの西側に位置するニューアーク・リバティ国際空港からがじつは最速ルート。マディソン・スクエアガーデンの地下にあるペンステーションに、まだ日が高いうちに到着しました。

ここからはタクシーで、予約しているセントラルパーク西側のホテル・エクセルシオールへ向かいます。さて、今夜のディナーはどこにしようか? これからゆっくり考えたいと思います。

S.Akimoto at 07:05|Permalink

2009年06月22日

ふるさと

 
じつは私、東京の下町の出身なんです。──唐突ですが。具体的にいうと、生まれは東京都荒川区。地下鉄千代田線の町屋駅からJR線日暮里駅あたりまでが私の通っていた中学校の学区で、同級生たちの多くはいまも地元で暮らしています。下町の人間って、自分の生まれ育った街に愛着があるのか、地元を離れないんですね。私はずいぶん前に郊外に越してしまいましたが、最近「地元に帰りたい」と思うことが増えました。


「歳をとったのね」と、先日地元で飲みながらかつての同級生に言われました。「歳とると、故郷が恋しくなるっていうじゃない。帰ってらっしゃいよ」

いいえ、別に歳をとったからではありません。それも少しはあるのかも知れませんが、一番の理由は「世界に近づきたいから」です。

日本の空の玄関口である成田空港は、都心からのアクセスが本当に悪い! 海外では市内から空港まで20分程度で行ける都市が珍しくないのに。今年みたいに海外取材が多いと、なおらさその不便さを嘆きたくなります。

しかしそんな不便さも、成田新高速鉄道が開通する2010年からは解消されそうです。成田新高速鉄道は、印旛日本医大駅で止まっていた北総鉄道と千葉ニュータウン鉄道を10.7キロ延伸。空港引き込み線である成田高速鉄道の接続地点=土屋につなげ、現行ルートに比べ大幅な短縮が実現します。新線部分は最高時速160キロ運転の規格で建設するほか、既存路線も時速105キロから130キロ規格に引き上げる計画も発表されました。2010年4月に完成すると、京成線の空港行きスカイライナーは新線に移動し、成田空港と日暮里駅が従来より15分短い36分で結ばれることになります。新型スカイライナーの運航本数も1時間あたり3本に増える予定で、先日のぞいてきたら、京成線日暮里駅の改装工事もだいぶ進んでいました〔新型車両イメージは京成電鉄のニュースリリースより〕。

つまり、もう一度言うと、歳をとったから生まれ故郷が恋しくなったのではありません。地元に戻って日暮里駅を活動の起点として使えるようになれば、私にとって世界がぐっと近づくのです。ああ、帰りたいなあ──ふるさとへ。

S.Akimoto at 22:10|Permalink

2009年06月16日

ビールがつなぐ姉妹空港

 
数カ月ぶりでセントレア(中部国際空港)に行ってきました。関係者ら何人かにインタビューした後は、編集担当をともなってターミナル4階の「レンガ通り」へ。そこのフレンチカフェ「クイーンアリスアクア」で本場ドイツの生ビールを飲むのを、夏場にセントレアへ来たときの恒例にしています。


セントレアでは、姉妹空港であるミュンヘン国際空港〔写真〕の中で作られるドイツの生ビール「エアブロイ」の販売を3年前にスタートしました。空港内で醸造されているビールというのは、世界でもこの「エアブロイ」だけ。それを毎年、ルフトハンザのカーゴ便で、ミュンヘン空港からセントレアへ期間限定で空輸するのです。

4月下旬が例年の解禁日。で、それが飲める「クイーンアリスアクア」に今回もやってきたのですが……。今年はなぜか、5月で限定販売が終了してしまっていました。なーんだ、残念! 去年はたしか8月でも飲めたのに。仕方ない、この秋にでも何かミュンヘンに行く用事をつくって、本場で“作り立て”を味わうことにしよう。

ところでミュンヘン空港といえば、航空業界専門の調査機関である英国スカイトラックス社が先週発表した「世界空港アワード '09」で、総合5位にランクされました。「ビールがおいしい」というのが最大の理由ではもちろんありません。多くの利用者から評価されているのは、その使い勝手の良さ。フランクフルト空港と並ぶルフトハンザのハブとして、ここを拠点に最短30分の乗り継ぎで欧州の各都市へアクセスできる点が人気なのです。

ちなみに同アワードの1位〜3位は仁川国際空港、香港国際空港、チャンギ国際空港とアジア勢が占め、ミュンヘンは欧州の空港では第2位。欧州での1位(総合4位)は、同じルフトハンザグループのもう一つのハブであるスイスのチューリッヒ国際空港です。地理的にヨーロッパのちょうど中心部に位置するドイツとスイスを経由して、目的とする他の国や都市へ──そんな“ネットワークキャリア”を標榜するルフトハンザにとって、二つのハブが欧州ベストエアポートの1位2位を独占したというのは、何よりも嬉しい勲章かも知れません。

S.Akimoto at 15:20|Permalink

2009年06月04日

富士山静岡空港

 
静岡空港がいよいよオープンしましたね。昼間、東京・秋葉原の電気街を歩いていたら、テレビはどのチャンネルもこのニュースでもちきり。JALの福岡行き1番機(MD90)が滑走路から飛び立っていく映像が画面に流れていました。


新空港の愛称は「富士山静岡空港」です。JALはここから福岡線のほかに新千歳への便を、ANAは福岡線と那覇線を就航しています。国際線では、大韓航空アシアナ航空がソウル線を、中国東方航空が上海線を開設しました。そんな中でも注目は、やはり新しく誕生した航空会社、フジドリームエアラインズでしょう。

フジドリームエアラインズは、江戸時代に廻船問屋として創業した物流会社・鈴与(本社静岡市)が設立。大手と競合する大都市への乗り入れをあえて避け、静岡と小松、熊本、鹿児島をエンブラエル社製の小型機ERJ170で結びます。2008年7月にその機体デザインが発表されたときは、大きな話題になりました。

同社の運航機材は、1機ずつ色が違います。保有する機材が増えるごとに、きっと静岡空港もこれからどんどんカラフルになっていくでしょう。利用者も「今日は何色のヒコーキかなあ?」というのが楽しみになるかも知れません。記念すべき1号機は真っ赤なデザイン〔写真〕に、そして2号機はホームページでの投票結果をもとにライトブルーに決まりました。その後はグリーンや紫、オレンジなどの機体が登場する予定です。

フジドリームエアラインズの就航は、新空港の開港から少し遅れて7月23日を予定しています。国内線は「地方と地方を結ぶ路線は採算にあわない」というのがこれまでの通説でしたが、地域の足としてはたしてどこまで定着できるか──注目ですね。カラフルな機体で、業界に元気を取り戻してほしいと私個人は願っています。

S.Akimoto at 23:24|Permalink

2009年05月14日

ヘルシンキ経由便

 
エコ出張、という言葉があります。輸送機関はどこもCO2を少なからず排出しますが、東海道新幹線を運行するJR東海の計算では、東京/大阪間を移動する際の新幹線の1座席あたりのCO2排出量は飛行機(ボーイング777)の10分の1。だから大阪方面への出張は飛行機よりも新幹線で、と同社はビジネスマンたちに“エコ出張”を呼びかけます。


CO2排出量が1対10。これじゃあ勝負にならないな、と思っていたら、今度はエアライン側からこんな反論を聞きました──「でも飛行機なら、出発地と目的地に3,000メートルずつの滑走をつくるだけで、世界中どこへでも移動できますよ」と。そう話してくれたのはフィンランド航空の上級副社長、クリステル・ハーグルンド氏です。今週、日本のメディアとの会見のためにヘルシンキの本社から来日。これを機会にいろいろ意見交換をした中で、ハーグルンド氏はこう話を続けました。

「鉄道やバスでは、出発地と目的地の間に延々と線路や道路をつくらなければなりません。そのぶん、自然や生き物の生態系を確実にくずしてしまいます。空を飛ぶ、というのは、そういう意味でもとても優れた移動手段だと思うんですよ」

ハーグルンド氏はもちろん、飛行機がCO2を排出することは否定しません。しかし、それを少しでも軽減するためにフィンランド航空はエアバスA330など燃費効率のいい最新機材を積極的に導入していること、そしてハブ空港のあるヘルシンキはアジアから一番近いヨーロッパの都市であることに言及。直行便のないヨーロッパの都市へ行くにはヘルシンキ経由が最も無駄のない飛行ルートだ、とハーグルンド氏は言います〔写真はヘルシンキ・ヴァンター空港〕。

「たとえばドイツのベルリンに飛ぶには、同じドイツのフランクフルトを経由するよりもヘルシンキ経由のほうが飛行距離が短く、乗客1人当たりのCO2排出量を84キロも少なくできるという調査結果も出ています」

発想や視点がとてもユニークだなと思って聞いていましたが、フィンランド航空はもともと“森と湖の国”のエアライン──自然や環境について語るときのハーグルンド氏の表情は、常に真剣そのものでした。

S.Akimoto at 21:30|Permalink

2009年04月23日

エンジン内の静寂空間

 
フランクフルト空港の取材でいっしょになった中国人女性記者ナ・ジャンさんに「もしよかったらモデルになってくれない?」と英語で声をかけると、彼女は「え、私がですが? 私なんかでいいんですか?」とちょっと照れながらも、快く応じてくれました。そうして撮ったのが、下の写真です。


このソファーの外装、何だかわかりますか? そう、旅客機のエンジンです。フランクフルト空港で今年3月末に出発エリアAのゲートA65の上層階にオープンした「タワーラウンジ」にありました。

エンジンの外装は音が外の漏れない設計になっていますので、反対に、中にいる人には外からの雑音をシャットアウト。ちょうど顔の位置の両側と真上には小型スピーカーが装備され、リスニングサウンドが流れていて、それ以外の音はまったく耳に入ってきません。丸い形を利用したシートは収まり感もよく、快適です。タワーラウンジは総床面積が1,100平方メートル。壁全面がガラス張りで、壮大なエプロンエリアの全景を一望できるよう設計されました。

「どう、座り心地は?」

私が聞くと、ジャンは「一度シートに収まると、もう動くのがイヤです。仕事を忘れて、ここにずっとこうしていたくなりますね」と話していました。フランクフルト空港からルフトハンザの上級クラスを利用する機会があれば、ぜひ試してみてください。

S.Akimoto at 13:55|Permalink

2009年04月13日

“香港の味”を空港で

 
香港を訪れる人たちの大きな目的の一つが、グルメを満喫することだといいます。その何がこれほど人々を引きつけるのか? “香港の味”はスープとソースに尽きる、と私は考えてきました。カニのみそや、1980年代に香港で誕生し「中国料理界最大の発明」とまで言わしめたXO醤(エックスオージャン)。それらの調味料をからめたソースを新鮮な食材やヌードルなどにあえた独特の味覚が、旅人たちをとりこにするのだ──と。


高温多湿の夏でも、香港では「湯(トン)」と呼ばれる食べやすいスープで味に工夫を凝らし、食欲が落ちることはありません。今回の旅でも感じましたが、庶民的なB級グルメの店でも深い味のスープが出てくるところは、まさに香港ならではでしょう。

市内のレストランだけではありません。香港へのアクセスでキャセイパシフィック航空のビジネスクラスを利用する場合、私が必ず利用するのが、香港国際空港の空港ラウンジ「ザ・ウイング」。空港ラウンジの中でも、施設の充実ぶりでここは間違いなく世界の3本指に入るでしょう。そう評価している私がいつも楽しみにしているのが「ヌードルバー」と呼ばれるコーナーです〔写真〕。人気の四川風タンタン麺や日本風ラーメンなどのメニューが用意され、その場で好きな種類を注文できます。

香港を発つ前に、雑誌向けのコラムを完成させて送稿しなければならない予定があり、帰りは余裕をもってホテルを出発。空港でチェックインし、すぐにラウンジへ向かいました。ひと仕事を終えてヌードルバーへ行き、今回オーダーしたのは、エビのワンタンと青菜が添えられたワンタン麺です。豚骨とさまざまな魚のダシを使った上品な味のスープが、旅の疲れをいやしてくれました。

S.Akimoto at 21:18|Permalink

2009年03月08日

可笑しくて悲しい物語

 
日曜日ですが、早くに目が覚めました。窓を開けると、外はどんより曇り空。散歩に出る気分でもなれず、午後のアポイントの時間まで、のんびりDVDを見て過ごすことにしました。


棚から引っぱり出したDVDは、フランスで1993に制作されたフィリップ・リオレ監督作品『パリ空港の人々』〔写真〕。何らかの理由で入国を許可されなかった人たちが留め置かれる国際空港のトランジットゾーンを舞台にした映画です。

主人公アルチュロ(ジャン・ロシュフォール)は、出発地のモントリオール空港でパスポートも財布もいっさいを盗まれてしまい、唯一残っていた搭乗券でパリまでやってきます。入国審査官に「所持品はぜんぶ盗まれたんだ」と裸足で食ってかかりますが、相手は冷たく「ノン」。トランジットゾーンに連れていかれ、足止めされてしまいます。そしてそこには、同じようにさまざまな事情で留置されている男女数人が生活していました。

ここでもう5年も暮らしているという国籍不明で哲学者ふうの男。出稼ぎに出た父親を追ってはるばるフランスまで来てしまったアフリカ人の少年……。彼らはじつに不思議な人たちで、長く生活しているためセキュリティの甘い部分を知りつくし、まるで自分の庭のように空港内を歩き回ります。滑走路付近に棲息している野ウサギをつかまえ、空港の職員食堂の厨房に持ち込んでコックに売りつけるシーンは、知っていても笑いをこらえることができません。

ここまで書くと、ある作品を思い出しませんか? そう、トム・ハンクス主演で2004年に制作されたスティーヴン・スピルバーグ監督の『ターミナル』。あの映画は、間違いなく『パリ空港の人々』がアイデアの元になっています。まだ観ていない人たちのためにこれ以上のタネ明かしはしませんが、最初は可笑しく、やがて悲しさが染みわたってくるようなじつに奇妙な味わいをもつ作品です。

S.Akimoto at 11:57|Permalink

2009年02月12日

冷たいペンギン

 
先週滞在していたアトランタには、有名な「ジョージア水族館」があり、そこでジンベイザメを見られると聞きました。ジョージア水族館は全米最大の規模であり、ジンベイザメも大きさとしては世界最大の魚です。「大きい」と聞くと、私はそれだけで行ってみたくなるのですが、今回は時間の都合がつかずに断念。でもジンベイザメには会ってみたかったなあ──などと現地で考えていたら、代わりに取材していたアトランタ空港の玄関先でこんなペンギンに遭遇しました〔写真〕。


ペンギンといっても、見たとおりの“つくり物”です。その材料というのがユニークで、案内役の人が「これ、みんな飛行機の廃棄部品でできているんですよ」と説明してくれました。

飛行機の部品? どこかで聞いたような話です。で、思い出したのが、以前のBlogや著書『もっと知りたい旅客機の疑問50』でも紹介した「廃棄部品のオーケストラ」。JALの整備士が、捨てられるのを待つだけになった古いエンジン部品からつくった人形です。旅客機の部品はチタンなどでできていて、一つひとつがとても高価。たとえ古くなっても、そのまま廃棄するのは忍びない。そこで人形やオブジェにつくりかえ、もう一度そこに魂を吹き込もうという人たちが、日本にもアメリカにもいるのです。

日本の出版社で私を担当してくれているある編集者に「取材中にこんなのを見つけたよ」とメールで写真を送ってやったら、「廃棄部品でできているなんて、ゆかいなコですね。触ったら冷たそうですが──」という返事が返ってきました。たしかに。その日はとくに気温が低くて、行き交う人々の中に、触れてみようなんて考える人は誰一人いません。「あ、ほんとだ。飛行機の部品だ」とつぶやきながら写真を撮ったり、ペンギンの“肌”にタッチしている私を、みんな不思議そうに見て通り過ぎていくだけでした。

S.Akimoto at 12:24|Permalink

2009年02月05日

アメリカの空の十字路

 
かつてアメリカの東海岸から内陸へと開拓が進んだ1830年代。人や物資を輸送するための重要な手段として鉄道が敷かれ、その路線網はまたたく間に発展を遂げます。サバンナの港から、ニューヨークから、シカゴから、フロリダから、そして西部方面からも路線が延びて一点に交わった街──それがここアトランタでした。アトランタの地名には「Western&Atlantic鉄道で大西洋に通ずる街」という意味を込められています。


その後は他の多くの地域と同様、モータリゼーションの波に押され南部でも鉄道は徐々に廃れていきますが、この街のエネルギーが失われることはありませんでした。車が移動や輸送の手段になると、今度は各方面からのハイウェイがここアトランタに集中。そして、やがて航空機時代が訪れると、アトランタは一転して“空の十字路”として発展することになります。

今日は一日かけて、この“世界で一番忙しい”といわれるアトランタ国際空港〔写真〕を取材しました。出発・到着ロビーの最新機能をはじめ、6つに分かれた国際線と国内線のターミナル、現在稼働している5本の滑走路とコントロールタワー、この空港をハブとするデルタ航空のラウンジや各施設、さらにハード・ソフト両面にわたる今後の拡張プラン──。関係者からは「一日じゃとてもすべては紹介しきれないよ」と言われていたのですが、それでも限られた時間の中で計10名におよぶ各担当者が入れ替わりながら案内についてくれ、その全体像は把握することができました。

5本ある滑走路のうち同時に3本から、各社の航空機が次々に世界に向けて飛び立っていきます。アトランタには全米の大企業トップ500社のうち450社が拠点を置いているという調査結果もあり、海外や日本からの進出企業も少なくありません。1日の平均乗降者数が約25万人と世界一多いこの空港は、アトランタの街がもつダイナミズムのまさに象徴でもあります。

S.Akimoto at 20:20|Permalink

2009年01月30日

ウェルカムラウンジ

 
海外へのフライトは直行便に限る!──そんなふうに言う人が意外に多いのですが、私は途中の都市での乗り継ぎがあってもまったく苦になりません。さまざまな機能が詰まった各国のハブ空港で過ごす時間は、私にはとてもいい気分転換になりますし、とくにヨーロッパでは1時間程度のコネクションタイムで最終目的地への便にスムーズに接続できる空港が増えてきました。


仮に2、3時間の乗り継ぎ時間がある場合は、シャワーを使えるラウンジがあると、言うことなしですね。その意味では、現地に午前中の早い時間帯に到着したときに、そこから取材先などに向かう前に着替えやリフレッシュができる「到着ラウンジ」がある空港はとても助かります。

日本では、ANAが成田空港第1ターミナル南ウイングの1階に2006年6月に国際線到着ラウンジを開設しました。海外では、2008年3月にBA(ブリティッシュ・エアウェイズ)がロンドン・ヒースロー空港の新しいターミナル5に、そして同年10月にはキャセイパシフィック航空が香港国際空港に同様な到着ラウンジの営業をスタートしています。

ところで、一つ嬉しいニュースが入ってきました。私がヨーロッパ各都市へのフライトでよく中継地として利用するフランクフルト空港にも、このほどルフトハンザの到着ラウンジがオープンしたのです〔写真〕。「ウェルカムラウンジ」と名づけられたこのラウンジは、ルフトハンザとスターアライアンス各社の便が集中するターミナル1のBエリアの到着階、手荷物受取所のすぐ裏側に完成。総床面積1,200平方メートルの2階建てで、1階に28室のシャワーブースが置かれ、ルフトハンザのファーストクラスおよびビジネスクラスの利用者とマイレージクラブの会員などが利用可能です。ヨーロッパ各地へのフライトが、これからはますます快適になりますね。

S.Akimoto at 00:42|Permalink

2008年10月20日

ドバイ国際空港

 
関西および名古屋とドバイをノンストップで結ぶエミレーツ航空。関空には2002年に、セントレアには2006年に就航しましたが、ある幹部いわく「東京はエミレーツ航空にとって極めて重要な地域の一つ。できるだけ早い時期にサービスを開始したい」と、現在は成田への就航にも意欲をみせています。


先週はドバイ国際空港にエミレーツ航空専用の第3ターミナルがオープンしました〔写真〕。新ターミナルの総床面積は51万5,000平方メートルで、250カ所以上のチェックインカウンターを備え、ファーストクラスやビジネスクラスの利用客専用のラウンジには世界各国の最高級料理やスパなども用意。またエミレーツ航空はエアバスのオール2階建て巨人機A380を世界最多の58機を発注していますが、新ターミナルにはA380の専用ゲートも5カ所に設置されています。

オープンした第3ターミナルからは10月14日、213番ゲートより初便となるEK843便が14時15分にドーハに向けて出発しました。乗客たちはキャビンアテンダントから記念の証明書と花束が手渡されたそうです。

そして翌15日からは、GCC(湾岸協力会議=バーレーン、オマーン、サウジアラビア、クウェート、カタール、アラブ首長国連邦)の国々への便とアメリカ大陸便の離発着がスタート。さらに第2フェーズではその他の中東地域便とアフリカ便が、第3フェーズでヨーロッパ便が、最後の第4フェーズでインドや東アジア、オセアニア地域への便が第3ターミナルに段階的に移行していく予定です。日本から発つ私たちが新ターミナルを利用できるのも、もう間もなく。楽しみですね。

S.Akimoto at 21:00|Permalink

2008年09月29日

パリの日本語空港案内

 
フランスに行くと妙に緊張する、という人が私の周りに何人かいます。その理由は、言葉の壁。英語ならどうにかなっても、フランス語はさっぱりダメで──と。たとえばパリのシャルル・ド・ゴール空港に降り立つと、よく乗り継ぎで迷っている人を見かけることがあります。そんなときに限って、日本語や英語を話せる人を探すのに苦労することがありますね。


シャルル・ド・ゴール空港は毎日1万人以上の旅客が利用する、ヨーロッパ最大のハブ空港です。エールフランス航空だけで、1日に866便を運航。6つのターミナルに加えて、この9月には日本線が発着している2Fと2E側に、エールフランス航空とその子会社の国内線が発着する2Gターミナルも新しく完成しました。もともとシャルル・ド・ゴール空港の利用者の55%は乗り継ぎ客といわれているだけに、広くなったぶん、これからはますます迷う人が増えるかも知れません。

でも、心配は無用です。言葉が不安という人たちのために、エールフランス航空はこの9月から長距離線を利用客を対象とした日本語による有料アシスタンス・サービスを開始しました〔写真は、エールフランス航空ホームページより〕。

同サービスを事前に申し込むと、日本語を話せるスタッフが空港で出迎えてくれます。チェックイン手続きやセキュリティ、パスポートコントロールの際の通訳はもちろん、空港ラウンジへの案内や出発便・乗り継ぎ便の搭乗ゲートへの案内にも日本語で対応。料金は9名までのグループの場合で1件あたり88ユーロ(約1万3,900円/1ユーロ=158円で計算)、10名から40名のグループの場合で1件あたり176ユーロ(約2万7,800円/同)だそうです。

それにしても、エールフランス航空は日本からの旅行客をずいぶん手厚くもてなしてくれるんだな──と思ったら、説明書に「同様なサービスをインド、中国、韓国の言葉でも提供しています」とありました。古くからグローバルに活躍してきたエアラインは、さすがにやることが違うなあ。

S.Akimoto at 23:22|Permalink

2008年05月10日

“みなし外国”からの便り

 
“これから成田空港を出発します”──そんなスタンプの押されたハガキが今朝、私のもとに届きました。差出人は、先月半ばから3週間の予定で来日していた英国人ジャーナリストのBさん。帰国の日に成田第1ターミナルの出発ロビーで見送ったので、私と別れて出国手続きを終えたあと、免税エリアで出発を待つ間に書いたのでしょう。


挨拶のハガキなら帰国してからゆっくり書けばいいのに……。そう思いながら読んでみると、「日本での楽しかった3週間を私は一生忘れません」という思いがつづられ、日本を立ち去りがたかった気持ちが伝わってきました。

え、空港の免税エリアでハガキを出せるの? いま、そう思った人がいるかも知れません。たしかに出国手続きを終えて出発機を待つ免税エリアは「みなし外国」とされ、以前は郵便物の取り扱いはできませんでした。外国に日本のポストを設置できないのと同じ理由です。しかし「出発前の時間を利用してハガキを出したい」という要望も多く、成田空港では2005年11月より免税エリアに「郵便物引受所」を開設。出国手続き後のハガキ投函が可能になりました。

安全対策の面から取り扱いはハガキだけに限られますが、免税エリアに設置された案内カウンター〔写真〕に書き終えたハガキを持っていくと、スタッフがそれを預かり出発ロビーのポストに投函してくれます。“これから成田空港を出発します”という気持ちを込めたスタンプも5種類用意されているので、みなさんも海外へ出発する前のウキウキした気持ちをハガキに託し、誰か親しい人に届けてみてはいかがですか。

S.Akimoto at 11:01|Permalink

2008年04月29日

ヒースロー空港・T5

 
ロンドン・ヒースロー空港にBA専用のターミナル5(T5)がオープンして、一昨日の日曜日で1カ月が経過しました〔写真〕。英国在住の記者仲間から「当初の混乱もおさまり、現在は順調に稼働しはじめている」という報告も届いています。


オープン前の今年1月に、私も視察で訪れました。ターミナルに入ってまず感じたのは、その開放感と明るさです。3万平方メートルの強化ガラスと5,500枚のガラスパネルが壁と天井に使用され、どのフロアにもやさしく心地よい自然光が差し込んいました。

「到着便から降り立つと、この新ターミナルでは最短15分でターンテーブルに荷物が出てくるようになるんですよ」

建設中の施設を案内してくれたBAの担当者が、そういって目を輝かせていたのを思い出します。きっとスタッフたちも、T5には大きな期待を寄せていたのでしょうね。なにせ、ヒースロー空港の旧ターミナルは「ロストラゲッジが欧州一多い」というマイナスイメージが定着していましたから。

T5に新設された高速荷物処理システムは、全長18キロを超えるベルトを備え、1時間に1万2,000個の荷物を処理できると担当者は話していました。すでに同ターミナルを実際に利用した人たちは、到着してから15分で荷物を受け取れることの快適さをきっと実感していることでしょう。

このヒースロー空港・T5に関するレポートを本日、All About『世界のエアライン』にアップしました。

≫≫≫「ヒースロー空港・T5がオープンから1カ月

S.Akimoto at 18:12|Permalink

2008年04月07日

ビジネスなのに後回し?

 
前回にひきつづき、ヨーロッパのある空港での話です。搭乗ゲート前の待合ロビーに、搭乗開始を告げる英語でのアナウンスが流れました。定刻よりも少し遅れていただけに、乗客たちも何となくホッとした様子です。ところが、それに続く次のアナウンスを聞いて、近くにいたビジネスマン風の日本人グループの間でざわめきが起こりました。


「混雑緩和のため、お客さまを順番に機内にご案内させていただきます。最初に、エコノミークラスの搭乗券をお持ちのお客さま、搭乗ゲートまでお進みください──」

私の横で「おい、逆じゃないか?」と呟いた年配の日本人乗客の手には、ビジネスクラスの搭乗券が握られていました。彼が驚くのも無理はありません。機内への搭乗は最初に上級クラスから、というのがどこでも普通ですからね。ではなぜ、ここの空港職員たちはエコノミークラスの乗客の搭乗を優先させたのでしょうか?

じつはヨーロッパなどで、上級クラスの乗客の搭乗をわざと後回しにするケースをときどき見かけます。前に英国人ジャーナリストとある取材でいっしょに移動していたとき、ビジネスクラスの私たちが同じように待たされたことがありました。理由がよくわからなかった私に、その英国人はこう言ったのです。

「先にシートに座らされて、他の乗客が乗ってくるのをじっと待つよりも、ロビーで時間までのんびりしていたほうがいいじゃない」

こうした順番の逆転は、とくに喫煙者たちに支持されていると聞きました。最近はどのフライトも機内では全面禁煙。なので、出発の間際まで喫煙ルームでたばこを吸いながらゆっくりしていたいという人が増えているようなのです。それに、上級クラスやマイレージクラブの上級会員なら、エアライン各社の空港ラウンジが使えますからね。機内で待たされるよりは、ラウンジでぎりぎりまでくつろいでいたい──そんな人が多くなっているのかも知れません。

S.Akimoto at 22:51|Permalink

2008年04月05日

ロストラゲッジに負けない

 
何年か前──スペイン・バルセロナのプラット国際空港でのことです。パリを発ち、白い雪に覆われたピレネー山脈を眼下に眺めながら1時間半ほどのフライトを楽しんだあと、定刻の午後7時過ぎにバルセロナに到着。預けた荷物をピックアップしてから、急用があって携帯で日本と連絡をとっていたら、その場で20分ほどを費やしてしまいました。


気がつくと、ターンテーブルの周りにはもう誰もいません。私も市内に向かうため到着ロビーに出ようとすると、ふいにうしろから声をかけられました。日本人の若いカップルが困ったような顔でそこに立っています。私が日本語で電話をしていたので、電話が終わるのを待っていた様子でした。話を聞くと──よくある“ロストラゲッジ”。女性のほうの荷物だけが出てこなかったそうなのです。

「新婚旅行で、東京からパリ経由で来たんです」と、女性がいまにも泣きそうな顔で訴えます。「どうしたらいいのでしょうか」

仕方なく空港の「ロストラゲッジ対応」カウンターを探して連れていくと、ご主人に「あとは自分たちでやります」とお礼を言われ、私はその場を離れたのですが──。あの奥さんの荷物、旅行中に無事に届いたでしょうか? その後の旅の途中で、ときどき思い出しては気になっていました。ハネムーンで荷物が届かなかったら、かわいそうですからね。

ロストバゲッジは、世界中のあちこちの空港で毎日のように起きています。もし到着した空港で荷物が出てこなかったら──そのときは「運が悪かった」と諦めるしかないでしょう。しかし、その荷物が見つかって滞在するホテルに届くかどうかは、決して運・不運の問題ではありません。事前にきちんとした対策を心がけていれば、荷物はまず1日か2日で届きます。そのための「4箇条」を本日、All About『世界のエアライン』にアップしましたので、このゴールデンウィークに海外旅行を計画されている方は、ご一読を。

≫≫≫「“ロストラゲッジ”に負けない4箇条

S.Akimoto at 16:18|Permalink

2008年02月19日

ミュンヘン空港と地ビール

 
All About『世界のエアライン』で現在、昨年末に訪ねたドイツ・ミュンヘン空港のレポートを掲載していますが、そのミュンヘン空港に関するニュースが入りました。「'07年の同空港利用者が前年から10.4%増えて3,400万人を記録した」というニュースです。


ルフトハンザのもう一つのハブ拠点であるフランクフルト空港と比べても、ミュンヘン空港はたしかに「とても使いやすい」と評判です。発着便が増えるにしたがって継ぎ足し、継ぎ足しで拡張してきたフランクフルト空港と違い、ミュンヘン空港は最初からある程度の需要増を見込んでしっかりしたコンセプトで設計されました。ルフトハンザとスターアライアンス各社が専用で使うターミナル2では、114のゲートを長さ約1キロにわたって一直線に配置。だからじつに見晴らしが良く、これなら初めて訪れた人でもまず空港内で迷うことはありません。

ショッピングエリアや娯楽施設が充実しているのもいいですね。空港内の自家醸造所でつくったビールを味わえるレストラン「エアブロイ(Airbräu)」は、世界各国からの旅行者などでいつも賑わっています〔写真〕。

ルフトハンザのミュンヘン空港責任者、ステファン・ハーバース氏は私とのインタビューで「ミニマム・コネクティングタイム(乗り継ぎに必要な最短接続時間)はヨーロッパ一の約30分を実現しています」と胸を張って話していました。接続も便利だし、待ち時間も楽しい。ミュンヘン空港のハブ空港としての地位はどんどん上がっていくかも知れないな──お昼に立ち寄った「エアブロイ」で、冷たい地ビールを飲みながらそんなことを考えた昨年末の記憶がよみがえります。

S.Akimoto at 23:35|Permalink

2008年02月02日

eチケット発券率

 
近く地方に飛ぶ用事があるのですが、チケットを手配をしながら最近ときどき思うのが、飛行機に乗るのはずいぶん身近で手軽になったな──ということ。インターネットで簡単にチケットを予約し、支払いはカードで決済、搭乗手続きも空港の自動チェックイン機を利用すればアッという間に済んでしまいます〔写真は昨年12月にミュンヘン空港で撮影したルフトハンザの自動チェックイン機〕。


ひと昔前までとは違い、まるで電車かバスに乗るような気軽さで飛行機を利用できるようになった背景には、IATA(国際航空運送協会)が音頭をとって進めるeチケット化の浸透があります。

eチケットとは、出発日や便名などを航空会社のコンピューターに記録することで、チェックインカウンターで航空券を提示せずに搭乗券が受け取れるサービスです。IATAの試算によると、eチケット化により削減できるコストは直接費用だけでも業界全体で年間30億米ドル。そこで04年に紙製航空券の完全廃止を決定し、08年6月までに「eチケット発券率100%達成」の目標を掲げました。

エアライン各社も積極的に取り組んできた結果、IATAが決済する航空チケットのうちeチケット発券率は、04年6月の16%から、06年8月には61%、07年10月には84%と順調に推移しています。ただし利用者の中には、まだカード決済に対する警戒心を持つ人や、「窓口で担当者に直接相談しながら予約したい」という人も。目標の「100%」を達成するためには、そのへんが大きな壁として立ち塞がっているようです。

S.Akimoto at 18:10|Permalink

2008年01月17日

BA本社にて

 
ヒースロー空港に隣接するBA(ブリティッシュ・エアウェイズ)本社に、本日(17日)朝10時に到着。エントランスロビーで、広報マネージャーのアビ・ムーアさんが出迎えてくれました。彼女とは、昨年10月に新シート発表のプロモーション活動(Blog「街角のBAスタッフ」参照)で来日したときに東京で会って以来、約3カ月半ぶりの再会です。


受付を通って奥に進むと、建物内部の動線に沿って緑の並木が配置され、そこはまるで街なかのショッピング・アーケードのよう〔写真〕。カフェあり、リカーショップあり、オープンテラスにはモーニングティーをすすりながら歓談している社員たちのグループが目につきます。

ここではプロダクトマネージャーのクリストファー・スタッブスさん、アジア・太平洋地区ゼネラルマネージャーのロビー・ベアードさんの両氏をムーアさんに紹介してもらう予定です。新しいビジネスクラス“クラブ・ワールド”の設計コンセプトや、BAにとっての日本市場の重要性、2012年に受領するエアバスA380の日本就航の可能性などについて、いろいろ話を聞いてみようと思います。

さて、まずはこれからスタッブスさんにインタビュー。その後11時過ぎから、ヒースロー空港のターミナル5(T5)で建物のつくりや最新の高速手荷物処理システム、6つのBA専用ラウンジなどを視察取材するため、建設中の現場にバスで向かいます。

S.Akimoto at 19:15|Permalink
Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各媒体にレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『飛行機はなぜ、空中衝突しないのか?』(KAWADE夢文庫)『羽田空港のひみつ』(PHP新書)『これだけは知りたい旅客機の疑問100』(SBクリエイティブ/サイエンスアイ新書)など著書多数。

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