機内食・機内サービス

2017年11月15日

マリメッコの浴衣姿

 
今年の4月、フィンランドの首都ヘルシンキ郊外にあるマリメッコ工場を訪ねました。フィンエアーの機内食で出されるマリメッコの食器類が両社のコラボでデザインされているのを知り、とても興味を持ったからです。工場はヘルシンキ中心部からクルマで20分ほどのところにあり、隠れた観光名所にもなっています。

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私を出迎えてくれたのは、デザイナーのサミ・ルオッツァライネンさん〔写真右〕。実際にフライトで使用しているいくつかのサンプルを手に、制作過程などについて詳しく説明してくれました。色づかいなどに独自の工夫を取り入れている、と彼は話します。「フィンランドは“森と湖の国”といわれていますが、食器類にも森の緑と湖の青、さらに雪の白と雲のライトグレーをデザインにあしらいました。この4色は食器以外にもブランケットやアメニティに使っているんですよ」と。

マリメッコは世界40カ国に約150の店舗を展開し、重要市場のひとつである日本にも約30の店舗があリます。私も昔からフィンランドデザインが好きで、東京・湯島の拠点『雲の上の書斎』で使っている食器はいつの間にかすべてマリメッコに、グラス類はすべてイッタラになりました。

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さて、成田空港に本日、ヘルシンキからフィンエアーのA350マリメッコ塗装機(AY073便)が初めて到着したようです。私は執筆の仕事が山積みで残念ながら行けませんでしたが、先ほどその様子が広報から送られてきました。機体だけでなく、客室乗務員たちも特別仕立てのマリメッコ柄の浴衣姿でタラップを降りてくる写真にはびっくり! この浴衣、私も欲しいです。

S.Akimoto at 18:41|Permalink

2017年06月26日

地上と変わらない環境

 
機内でのWi-Fi接続サービスの普及で、移動中の過ごし方が劇的に変わりました。出発前にメール連絡しなければならない案件や、やりかけの仕事があっても、自宅や空港で無理に駆け込みの形で終える必要がありません。離陸後に上空でゆっくりやればいい。まさに地上と同じ環境が機内でも提供されるようになりました。

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JALが長距離国際線の主力機材であるボーイング777-300ERを皮切りに機内Wi-Fiサービスをスタートしたのは、2012年7月。導入の検討を本格化したきっかけは、前年の「3.11」──東日本大震災でした。震災のあと、被害の状況が連日連夜ニュースで流れていたのに、飛行機に乗っている時間だけは情報が途絶えてしまう。その不安に耐えられないという声が少なくありませんでした。「フライト中も地上と変わらない状態で情報にアクセスできる環境が必要だと思ったんです」と担当者は当時を振り返ります。

この「地上と変わらない環境」というのが、とてもありがたい。私もよく、現地の最新情報を出発直前に空港ラウンジで入手したり、渡航先の空港で会う約束の人と「これから予定どおり出発する」とメールのやりとりをしてきました。ですが、離陸後に天候の急変などで到着時間が変更になるケースがあります。その連絡も、いまは上空でできるようになりました。「30分到着が遅れるといま機長からアナウンスがあったから、到着ロビーのカフェでお茶でも飲んでいて」などと。

JALの機内Wi-Fiサービスは2014年7月から国内線にも拡大し、国内線に限っては「今後ずっと無料で提供する」と先日発表がありました。思い切った施策に、もうびっくりです。ちょっと図々しいですが、関係スタッフに「利用者にとっては本当にありがたい。国内線だけじゃなく、国際線での無料サービスも早めに実現してね」と伝えました。

S.Akimoto at 05:16|Permalink

2016年10月21日

セミナーのお知らせ

 
東京ミッドタウンにあるスルガ銀行の「d-labo(夢研究所)」でこれまで「航空」をテーマに、空の旅の楽しさを知っていただくセミナーを開催してきました。私の回のほか、ゲスト出演で駆けつけた相棒の航空写真家・チャーリィ古庄氏の回も会場は立ち見が出るほどの満員状態。多くの方々に「ぜひまたやってほしい」という言葉をいただき、とても嬉しく思っています。

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そして本日、東京・日本橋のスルガ銀行ANA支店に「Financial Center」がオープンしました。空港カウンターや滑走路をイメージしたフロアなどでデザインを統一し、館内には大小のモデルプレーンも展示してあります。フリーエリアでは旅や航空に関する書籍などが閲覧でき、またイベントスペースとしての広さも東京ミッドタウンの「d-labo」以上。上の写真は、今日の昼にオープニングの現場にお邪魔して撮ってきたものです。

この「Financial Center」のオープンを記念した第1回セミナーを、私が担当することになりました。タイトルは『華麗なるファーストクラスの世界』。カーテンで閉ざされた先では、どんなサービスが行われているのか? 世界の空を旅してきた過去の体験をもとに、さまざまな角度からお話しします。セミナー後半では、ANAのファーストクラス乗務の資格をもつ現役CAをゲストに迎えての私との“本音トーク”も予定しています。

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日時は11月15日(火)の14時〜15時30分。昼間の開催になりますが、電話またはインターネットでお申し込みのうえ、ぜひお越しください。無料です。当日会場でお会いできますこと、楽しみにしています。

S.Akimoto at 15:52|Permalink

2016年07月18日

名店の味を“雲の上”で

 
私の地元である東京・湯島に、『くろぎ』という和の名店があります。「雲の上の書斎」からは、歩いて3分くらいの場所。上野・浅草界隈を中心とする下町にはもう何十年と通っている好きな店がいくつもあるのですが、ここ『くろぎ』だけはなかなか行けません。行きたくても、予約がとれないのです。

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いずれ機会をうかがって行こうと思いますが、その前にいま、JAL機内で同店の味を堪能しています〔写真〕。『くろぎ』のオーナーシェフである黒木純さんが今年3月、JALが結成する機内食づくりのドリームチーム「スカイオーベルジュBEDD」の新たなメンバーに加わりました。日本(羽田、成田、関西、中部)から欧米やアジアへの中長距離路線で、黒木さんが監修した和食メニューを味わえるようになっています。

現在私が向かっているのは、タイのバンコクです。スワンナプーム国際空港で働くJALのバンコク基地スタッフの取材を今日から予定していて、羽田発11時20分の031便で現地へ。少し前に、台湾南部の上空を通過しました。先月の18日(土)からこの路線に導入された最新ビジネスクラス「SKY SUITE III」でくつろぎながら、機内Wi-Fiにつないで、この報告を書いています。

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食材の産地選びから料理を盛りつける器のデザインまでこだわったという黒木さん監修の和食メニュー、本当においしかったです。湯島の『くろぎ』にもやっぱり行ってみたくなりました。せっかくなので機内食ドリームチームのもう一人のメンバー、南麻布の人気レストラン『山田チカラ』のオーナーシェフである山田チカラさんの洋食メニューも撮影だけさせてもらったので、上に掲載しておきます。

S.Akimoto at 15:09|Permalink

2016年03月12日

雲の上のレストラン

 
先ほどfacebookにもアップしたご覧の写真は、NHK BSプレミアムのドキュメンタリー番組『驚き!ニッポンの底力──航空機物語』の収録現場での一コマです。ANAの整備工場にドックインして作業を終え、ピカピカになったボーイング787の機内で撮影が行われました。


番組ゲストの高橋英樹さんと大島麻衣さんが試食しているのは、実際にビジネスクラスで提供されている機内食です。高橋さんは和食に、大島さんは洋食にトライ。ANAは世界的な著名シェフたちが機内食をプロデュースする「THE CONNOISSEURS(ザ・コノシュアーズ)」を2013年9に立ち上げました。二人ともその味とクオリティの高さに驚いていたようです。

エアライン各社は最近、どこも有名レストランや一流ホテルとのコラボによる機内食の提供を始め、著名シェフたちの“秘伝の味”が雲の上で楽しめるようになりました。しかし、その「うまさ」を人の味覚が変わる高度1万メートルの上空で再現するのは、決して簡単なことではありません。ドイツのある研究機関は「上空では気圧や湿度、振動、照明などの変化の影響を受け、味蕾(みらい)の感度が地上の3分の1程度に低下する」と発表しました。気圧が低下すると味蕾細胞の働きが鈍り、甘いとかしょっぱいといった感覚が大きく失われて風邪をひいたときのような感度になるそうです。

ところで、試食している二人のうしろで、MCの高橋克典さんと私が何やら大笑いしていますね。どんな話をしていたのだっけ? 番組でチェックしてみてください。『驚き!ニッポンの底力──航空機物語』のオンエアは、本日夜9時です。

S.Akimoto at 08:22|Permalink

2015年12月09日

ゼロハリのポーチ

 
通称「ゼロハリ」の名で知られるゼロハリバートンはアルミ素材のアタッシェケースなどを専門に製造するメーカーで、米国の宇宙船アポロ11号が月の石を持ち帰る際に使用した「月面採取標本格納器」を製造したことでも有名になりました。スーツケースの分野ではリモワと人気を二分しますが、堅牢性という面ではゼロハリに軍配が上がるかもしれません。


そのゼロハリとのコラボによるアメニティキットのケースを、JALが国際線ビジネスクラスで12月28日より提供することになりました。世界の航空会社で初となる試みです。ケースの素材は2種類あって、日本発便ではソフトケースを、海外発はセミハードケースを用意。とくに海外発のセミハードケース〔写真〕が、かなりよさそうです。

リップクリームや歯磨きセットなど、キットに入る中身も発表されましたが、中身など私には関心ありません。欲しいのは、セミハードケース! もう一度言います。欲しい〜〜〜! なぜ2回も叫ぶのか。2008年に、ルフトハンザがリモワ製のアメニティポーチをファーストクラスで提供したことがあります。そのサンプルを見てあちこちで「欲しい〜!」と書いたら、フランクフルトの同社ヘッドクオーターを取材で訪ねたときに広報関係者が「欲しがっていたようなのでサンプルを用意しておきました」と私にくれたのです。そのことは当時のBlogにも書きました。同じようにゼロハリのポーチも「欲しい〜!」と繰り返し言っていれば、もらえるかもしれないなと思いまして(笑)。

JALが新しいアメニティを提供する対象路線は、羽田発着がサンフランシスコ、ロンドン、パリへの各路線で、成田発着がニューヨーク、ボストン、シカゴ、ダラス、ロサンゼルス、サンディエゴのほかバンクーバー、パリ、フランクフルト、ヘルシンキ、モスクワ、シドニーへの路線。関西発着のロサンゼルス線も対象になっています。これからしばらく「欲しい〜!」と言い続け、それでもくれなかったら──仕方ない、自分でどこかの路線に乗って、正当にゲットしてくるか。

S.Akimoto at 00:04|Permalink

2015年02月17日

ワインの話

 
最近、ワインが好きです。料理に合わせてビールも日本酒も焼酎もウイスキーも飲みますが、仕事を終えた深夜などに、書斎でワインを抜くことが多くなりました。ワインを飲むのは、もちろん移動中の機内でも。facebookにもアップしたご覧の写真は、先週利用したフィンエアーのビジネスクラスでのものです。


写真を見ただけで「あ、フィンエアーのフライトだ」とわかる人もいるかもしれません。ワインが注がれたイッタラのグラスは、まるで繊細な氷の彫刻。窓から差し込む陽光を受けてキラキラまぶしく輝き、ワインの味わいをことさら高めてくれます。そして、グラスに添えられているライトグレーの紙ナプキンはマリメッコのデザイン。どちらもフィンランド人が心から愛するブランドです。

ん? 今日はいつもと違って洒落た文章を書くなァ──なんて思いました? はい。「ワインが注がれたイッタラの」から「フィンランド人が心から愛するブランドです」までは、仲間の旅ライターEさんのパクリです。季刊『航空旅行』のヨーロッパ特集(Vol.8)で彼女がフィンエアーを取材したときのレポートにそう書いていました(笑)。

さて、機内で試したこの赤ワインは、カリフォルニア・カーネロス地区のピノノワールです。魚料理をオーダーしたので本当は白がよかったのでしょうが、どうしても赤が飲みたくてクルーに相談したら、彼女は「これなら魚のグリルにも合いますよ」とすすめてくれました。辛口のミディアムボディで、オークの微香があり、これはうまい! ネットで注文しようと、いま調べ始めています。

S.Akimoto at 15:03|Permalink

2014年08月18日

太平洋上空から

 
オフィスとして使っている自宅の一室を私は「雲の上の書斎」と呼んでいますが、ときどき本当に「雲の上」で仕事をします。つまりは、移動中の飛行機の機内で。今日は成田から米国アトランタに向かうデルタ航空の機内が、私の書斎になりました。太平洋の上空から現在、このBlogを更新しています。


3カ月ほど前にも一度、JALの国際線Wi-Fiサービスを使ってニューヨークへ向かう機内からBlogを更新しました(2014年5月21日のBlog参照)。同様なサービスの実現に取り組むエアラインが最近、増えています。いま乗っているデルタ航空も、今年3月からアトランタ線やニューヨーク線、ロサンゼルス線などで運航するボーイング747-400でインターネット接続サービスを開始。「保有する16機の747-400のうち、これまで15機に導入が完了した」と広報の人が話していました。

米国への出発前に提出予定だった原稿が終わらず、こうしていま機内で仕事を継続しているわけですが、ネットで必要な情報にアクセスしたりメールのやりとりもできるので何ら不便を感じません。まさに「移動オフィス」です。とりわけデルタ航空が747-400に設置しているビジネスクラスは、プライベート感が抜群に高く、ホテルの一室にいるような感覚で書き物に集中できる。進行方向に向かってシートを斜めに配置する「ヘリンボーン型」を改良し、窓側席では足先が窓を向くように座席を配置しているため、周囲の乗客がまったく気になりません〔写真〕。

書かなければならない原稿がたまると、以前は渡航を控えてきました。ですが、10時間を超えるフライトで誰にも邪魔されずに仕事に集中できるのなら、むしろ積極的に海外に出るのも悪くありません。欧米への長距離便でよく利用するエアラインのうち、私がとくに評価するのがデルタ航空のこの“進化型ヘリンボーン”シートと、JALの777-300ERに搭載された個室タイプの「JAL SKY SUITE」です。この二つは、今後も「雲の上の書斎」のサテライトオフィスとして、積極的に活用していきたいと思います。

S.Akimoto at 21:02|Permalink

2014年07月28日

ラーメンをすする

 
今日予定していた分の原稿書きを終えたら、急に空腹をおぼえました。夜はベルギービールの店でたらふく飲んで食べるので、昼食は抜こうと思ったけれど、ラーメン一杯くらいならおなかに入れておいてもいいかな? そんなことが頭をよぎって、ふと思い出したのが、先週金曜日に開催されたANAの機内食発表会です。


私は別件があって発表会に行けなかったのですが、ANAが欧米線のビジネスクラスとファーストクラスで提供している「博多一風堂」のラーメン・メニューに、今年9月から従来のとんこつと醤油の2種類に新たに「味噌ラーメン」が加わるそうです〔写真〕。発表会で試食してきたという記者から「おいしかったですよ」と報告を受けました。

ラーメン好きの日本人にはもちろん、一風堂は海外にも進出していて、外国人にも大人気。前にニューヨークのイーストビレッジにある店を訪ねたら、長蛇の列ができていました。日本の店舗よりも込んでいる印象だったので、スタッフに「大繁盛だね」と声をかけたら、こんな答えが返ってきて吹き出してしまったことを思い出します。もちろん、ジョークでしょうが──。

「行列ができているだけで、さほど儲かっていませんよ。アメリカの人は日本人みたいに麺をズルズルすすれませんでしょう。1本1本を味わって食べるので、時間がかかってしょうがない。列ができているのは、単にお客さんの回転が悪いからですよ」

S.Akimoto at 14:20|Permalink

2014年05月21日

雲の上の書斎から

 
このBlogのタイトル『雲の上の書斎から』を、初めて個別記事のタイトルに使いました。個室感覚がきわめて高いJALの長距離国際線ビジネスクラス「JAL SKY SUITE」で、ボーイング777-300ERに搭載された機内Wi-Fiサービスを使用し、いままさに「雲の上の書斎」からこの報告を書いています。


向かっている先はニューヨーク──今回はリフレッシュを兼ねたプライベートの旅です。現地ではいろいろやりたいことがあってかなりタイトなスケジュールを立ててしまいましたが、到着した日の夜だけはフリーの時間を確保できたので、お気に入りのジャズクラブに出発前にメールを入れて出てきました。そしていま、機内でWi-Fiをつなげたら、そのジャズクラブの知り合いから「今晩の席を確保しておきましたよ」という返信メールが! 去年秋のNY取材の際にお世話になった、日系人のYさんからです。

「プライベートでお越しになるのですね」と、Yさんはメールに添えてくれました。「前回いらしたときは撮影もあって、慌ただしかったと思います。今晩はぜひ仕事を忘れ、秋本さんが大好きなジャズをごゆ〜〜〜〜っくりとお楽しみくださいね。フロアのスタッフに、いっぱいサービスするようにと伝えておきました」

こんなふうに機内でリアルタイムに情報をやりとりできるのは、本当に便利です。通信衛星を介して提供されるWi-Fiサービスの実用化が、フライト中の過ごし方を今後大きく変えていくことは間違いありません。──という文章を書いていたら、あちこちの編集部からもメールが! はい、原稿の催促ですよね。わかってます、書きます書きます。到着までにはすべて書き上げて送信しますので、ご心配なく。仕事をしっかり終えて、せっかくのプライベートのNYを私も思い切りエンジョイしたいですから。

S.Akimoto at 16:34|Permalink

2014年03月30日

ボンダイビーチにて

 
シドニー中心部の取材を終えた写真家の中西一朗氏と私は、クルマで20分ほど東に行ったオーストラリアで最も有名なビーチのひとつ、ボンダイビーチへ足を伸ばしました。まだ夕方の4時前でしたが、撮影もあったので早めのディナータイムに。訪ねたのは、おいしいシーフードを手軽な料金で食べられると評判の「North Bondi Fish」というレストランです〔写真〕。


1キロにわたって砂浜が広がるボンダイビーチは「シドニーっ子たちが衣服を脱ぎ捨て、抑制から解放される場所」などと言われています。North Bondi Fishは、オーストラリアの著名シェフであるマット・モラン氏が、あえてそんな場所を選んで開きました。彼の一番新しいレストランです。

マット・モラン氏とは、私は何年か前に中国の上海で会いました。今回はカンタス航空の取材でシドニーに来ましたが、モラン氏は機内食ではシンガポール航空と提携。シンガポール航空が世界の一流シェフ8名で結成した「ICP(インターナショナル・カリナリー・パネル=国際料理委員会)」に彼も名を連ね、同社が機内で提供する食事メニューの考案などを任されています。そのICPのシェフが一堂にそろうイベントが以前、上海であり、その取材で出席したときにモラン氏と少しだけ話しました。

さて、モラン氏のレストランの中でもNorth Bondi Fishはとても雰囲気がカジュアルで、厨房のシェフたちも料理を運ぶウエイターたちもみんな陽気でフレンドリーです。私たちは、彼らがすすめる地元産のキングプラウン(海老)とフエダイの丸焼き、それに定番のフィッシュ&チップスをオーダー。撮影が終わる頃には日が暮れ始め、テラス席でビーチを眺めながらゆっくりディナーを楽しみました。料理の写真についてはのちほど、facebookに大きなサイズの画像をアップします。

S.Akimoto at 14:59|Permalink

2014年02月23日

被災地で食育支援

 
全国のシェフが被災地の小学校を訪れ、ランチを振る舞う「子どもたちに笑顔を! プロジェクト」が、先日の読売新聞で紹介されていました〔写真〕。年2回のペースで続けている活動で、カレーとハンバーグにコーンポタージュ、サラダにデザートといった子どもたちの好きなメニューを多いときには800食も作るとか。このプロジェクトを中心になって進めている一人が、東京・四ツ谷の「オテル・ドゥ・ミクニ」のオーナーシェフ、三國清三さんです。


記事には「1週間かけて東京で料理を仕込み、開催前日の夜に大型バス2台で現地に向かい、終わった後は使った食器をそのまま東京に持ち帰って真夜中に洗い物をしてようやく解散に」という三國さんの談話が載っていました。宮城県気仙沼市の小学校を訪ねた第1回目は震災から間もない2011年6月6日で、当初はおびえたような表情だった子どもたちも、食べているうちにわあっと笑顔に。しかしいっしょにハンバーグを食べていた先生の中には泣いている人もいたそうで、三國さんは「大人には口に出せないつらさがあることを理解した」と言っています。

「この活動は炊き出しではありません。食育です」と三國さんは続けます。「食べることを通じて子どもが五感を磨き、育っていくことに意味がある。できるだけ長く活動を続けていきたいと思っています」

三國さんは、スイスインターナショナルエアラインズ(SWISS)の上級クラスの機内食をプロデュースしているシェフとしても知られています。一流ホテルや著名なシェフとタイアップした機内食を提供するエアラインは最近でこそ珍しくありませんが、その先駆けとなったのが同エアラインと三國さんのコンビ。私も三國さんには、これまで取材で何度か会いました。穏やかな人柄の奥に、情熱を秘めた人──という印象です。食育で被災地の子どもたちを支援する三國さんを、これからも応援していきたいと思います。

S.Akimoto at 15:15|Permalink

2013年11月28日

DO&CO社訪問

 
ウィーン市内にあるDO&CO社を訪問しました。DO&COは欧米で高級レストランやホテルを経営する会社で、オーストリア航空の機内食も同社が提供しています。食材選びのこだわりなどについて担当者から話を聞いたあとは、調理や盛りつけのラインを見学。クオリティの高さに定評があるオーストリア航空の機内食づくりの舞台裏を取材することができました。


そのDO&CO社に所属するプロのシェフをフライトに乗務させるサービスも、オーストリア航空は2006年から続けています。成田/ウィーンなどの長距離路線で実施しているこのサービスは「フライングシェフ」と呼ばれ、微妙な温度調整が必要な機内のギャレーでシェフが料理の最終仕上げと盛りつけを担当。それを一皿ずつサービスするクルーたちにもきめ細かな指導を行います。行きのフライトで会ったシェフは次のように話していました。

「地上で調理された料理を機内であたため、盛りつけることによって機内食は完成します。その最後の仕上げで失敗してしまうと、せっかくの洗練された料理も台無しに。お客さまに100%完璧な料理を楽しんでいただくために、私たちはお客さまといっしょに空の旅に出るようになりました」

S.Akimoto at 09:34|Permalink

2013年11月21日

大阪の味、空デビュー

 
LCCの重要な戦略の一つが「ノンフリル」のサービスです。というと、なかには「ノンフリルってどんなサービス?」と勘違いする人もいますが、ノンフリルとはコスト削減のため「フリル(飾り)」のサービスをなくす──つまりは無料のサービスは廃止して、必要なものだけ有料で提供するというLCC独特のスタイル。機内での食事や飲み物などのサービスを、多くのLCCが原則として有料化しました。


そもそもわずか2〜3時間のフライトに、食事のサービスが必要なのか? そんな疑問からLCCのノンフリル・サービスは生まれました。LCCはよく「バス感覚で使える交通手段」と言われますが、路線バスで食事を提供するサービスはありません。空の旅では食事を出すのが当たり前というこれまでの“常識”に、徹底したコスト削減にチャレンジするLCCが切り込んだのです。

もちろん食事をしたい人は、お金を払って買えばいい。各社とも工夫をこらしたメニューを揃えています。なかでもバラエティに富んだラインナップで他社をリードしているのが、今週初めに利用したピーチ〔写真〕。指定された席に着いて「ピーチ・デリ」と名づけられたメニューカードを手にとると──ありました、ありました。2013年秋の新作として登場した「豚玉お好み焼き」が! 大阪道頓堀の老舗「千房」の特性メニューで、同行の編集者Hさんが「食べたい!」というので買ってみることに。

これからその写真をfacebookに載せますが、うん──なかなかの美味! 大阪の味の、空デビューです。

S.Akimoto at 00:01|Permalink

2013年10月24日

“食育”と“デコ弁”

 
ANAの国際線エコノミークラスで提供される機内食が生まれ変わります。東京・汐留の本社で今日、その発表会がありました。刷新されるメニューの中でも、注目は子ども向けの機内食。“食育”と“デコ弁”をコンセプトに、実際に子育て中というANAの4人のシェフたちが「わが子に食べさせたくなるようなチャイルドミール」を考案しました。


ちなみに“食育”とは、日々の食事を通して健康な身体と心を育てていくこと。「安全で安心な国産野菜や成長に不可欠なカルシウム、ビタミンなどを多く含む食材を使い、栄養バランスのいいメニューに仕上げた」とシェフの一人が言います。一方の“デコ弁”は「デコレーション弁当」の略で、盛りつけを工夫して顔や動物の形にしたり、色の取り合わせで子どもたちが楽しくなるようなメニューを目指しました。

「旅行中は外食が続き、食事の栄養バランスがどうしても崩れがちです。機内でこのような野菜たっぷりのメニューを子どもに与えられるのは、親としても安心ですね。見た目もかわいらしいので、これならみんな喜んで食べてくれるんじゃないですか」

自身も子育てを続けながら旅&グルメライターとして活躍する古屋江美子さんも、ANAのチャレンジを高く評価します。今日の発表会で撮ってきた写真をメールで送って感想を求めると、古屋さんからさっそく電話が。「これ、本当にかわいいですね。娘も興味津々で写真に見入っています。機内での提供が始まるのは12月からですか? ANAで海外に出るときは、必ずチャイルドミールを予約して乗りたい」と話していました。

S.Akimoto at 21:58|Permalink

2013年08月22日

創作フレンチ

 
東京・四ツ谷にある有名レストラン「オテル・ドゥ・ミクニ」を訪ねました。そこで味わったのが、オーナーシェフの三國清三さんが手がけた創作フレンチのフルコース。まずは、メニューから紹介しておきましょう。


1皿目が、自家製豆腐の柚子味噌風味、無花果・胡瓜・パプリカ、カリフラワーのピュレととんぶり添え。2皿目は、サーモンのスフレ仕立て、ノイリー風味、フルーロンとトマト・フォンデュ添え。3皿目のメインに、牛フィレ肉のステーキと茄子のブレゼ、木の芽味噌ソース。そして4皿目のデザートが、ピスタチオナッツのムースとカシスのムース、マンゴーのシャーベットの盛り合わせ。最後にコーヒーがついて、おしまい。

以上です。ふう。詳しく紹介しましたが、私にはうまく解説できないので、いただいてきたメニューをそのまま写しました(笑)。でも、本当においしかったです。上の写真は3皿目のメイン料理で、いまからfacebookに、1皿目と2皿目も合わせて大きなサイズの写真をアップします。

さて、種明かしをすると、これはスイスインターナショナルエアラインズ(SWISS)の機内食の試食会でした。同社が雲の上で提供する機内食は定評があり、ファンが少なくありません。一流ホテルや著名なシェフとタイアップした機内食を提供するエアラインは最近でこそ珍しくありませんが、その先駆けとなったのがSWISSです。成田発のファーストクラスとビジネスクラスで、三國さんのプロデュースによる創作フレンチを楽しむことができます。もう一度言いますが、本当においしいですよ。

S.Akimoto at 16:23|Permalink

2012年07月30日

フライトを愉しむ

 
イカロス出版からこの週末、刷り上がったばかりの『航空旅行』夏号が届きました。今年4月から季刊になった同誌のリニューアル創刊第2号です。ファーストクラスを特集した創刊第1号(4月25日のBlog参照)につづき、第2号のテーマは「機内食」。明日、全国の書店で発売になります。


今号では私は「機内食の最新トレンド」をテーマに4ページの巻頭エッセイを書いただけですが、この本、なかなかいいです。誰もが気になる「天空のレストラン」を総力をあげて取材し、空の旅の魅力を1冊に凝縮しました。

海外旅行は現地に到着しないと始まらない。そんなふうに思っている人に、私は「成田や羽田、関空などのゲートをくぐった瞬間から旅をスタートしないと、もったいないよ」と常々メッセージを発してきました。日本から目的地に向かうフライトも、旅の重要な要素の一つです。そのことを伝えるメディアがないなか、『航空旅行』は現地までのフライトと目的地での旅の情報をセットで発信できる唯一の雑誌といっていいでしょう。

今年10月末に発売になるリニューアル創刊第3号(秋号)のメイン特集の企画も決まり、編集部とともにすでにその取材準備に入りました。内容はまだ明らかにできませんが、多くの人たちに感動を与えるダイナミックな旅をお伝えできる予定です。こちらもどうぞお楽しみに!

S.Akimoto at 17:04|Permalink

2012年05月23日

機内で高級スイーツ

 
早朝からの執筆活動が続いていますが、今日は昼過ぎで作業を中断し、東京・青山にある「ピエール・エルメ・パリ」へ。ピエール・エルメといえば、お目当てはもちろん高級スイーツです。──なんて書くと、「飲ん兵衛がいつから甘党に変わったの?」と言われるかも知れません。ハハ、まさか。私は甘いものは苦手です、相変わらず。


今日訪ねたのは、ANAの記念レセプションに出席するためでした。ANAは今年4月に、ピエール・エルメとのコラボレーション企画を発表。6月1日より同社の日本発の欧米線ファーストクラスで、上の写真のような3種類の高級デザートを楽しめるようになります。ピエール・エルメ本人も列席して今日午後に開催されたのは、その試食会を兼ねたレセプションでした。

せかっく試食会に行ったのなら、その感想を書かないと意味がありません。けれど冒頭で言ったように、私は甘いものはちょっと──というタイプ。そこで取材には、“食”の分野に精通した旅&グルメライターの古屋江美子さんに同行してもらうことになりました。

「機内での食事をフライトの一番の楽しみにしている人は多いですからね」と古屋さんは言います。「そのため多くの航空会社が、これまで著名なシェフや一流ホテルとタイアップしたメニューで機内食に“個性”を打ち出してきました。ですがこれは、あくまでメイン料理の話です。デザートにここまで工夫を凝らすというのは珍しい。ANAはいいところに目をつけたと思います。女性客を中心に、間違いなく注目が集まりそうすね」

その後、3種類のデザートをひととおり試食し、満足げにうなずいていた古屋さん。9月以降はビジネスクラスでもピエール・エルメのスイーツが搭載されると聞き、自身も早い時期に実際のフライトで味わってみたいと話していました。

S.Akimoto at 22:59|Permalink

2012年02月12日

機上のティータイム

 
なんか、すごくお洒落だなァ。下の写真は、イギリスの伝統的な風習である“アフタヌーンティー”のワンシーン。いいえ、老舗ホテルのティールームとかではありません。雲の上でのサービスです。


英国のヴァージンアトランティック航空は、ビジネスクラスに相当する同社の「アッパークラス」の新しいプロダクト開発を1億ポンド(約121億円)を投じて進めてきました。その一環として2012年3月1日から導入すると発表したのが、雲の上でのアフタヌーンティーのサービスです。個別のミニケーキスタンドで乗客一人ずつに提供される機上のティータイムなんて、じつに優雅。クープ型グラスでのウェルカムシャンパンの乾杯や、新しいスタイルの機内食なども合わせて導入されるそうで、これはぜひ早い時期に体験してみたい!

それにしても、エアラインのプレミアムサービスはどんどん進化しているなァ。相変わらずLCC関連の原稿書きを続けているので、なおさら思います。

あ、LCCもとても重要なのですよ。私たち旅行者に選択肢を増やしてくれる、という意味で。企業努力で一生けんめいチケットの値段を下げてくれて、使い方によってはじつに重宝します。いま書いているのも、そういう本です。念のため。

S.Akimoto at 00:21|Permalink

2012年01月27日

覗いてみたい世界

 
入っちゃダメ、と言われると、入ってみたくなる。開けないでね、と言われると、意地でも開けたくなる。その先に未知への扉があると、つい覗いてみたくなるのは誰でも同じでしょう。エアラインの世界でいうと、限られた一部の人たちしか利用できない「ファーストクラス」がそうかも知れません。


最近はマイレージでアップグレードする方法も一般化し、ビジネスクラスまでは体験したという人が増えました。けれど、ファーストクラスとなると話は別。ほとんどの人にとって、そこは想像するしかない空間です。

ここ数年のファーストクラスの“進化”は、とどまるところを知りません。まるでホテルの一室のような個室タイプが登場したり、シャワールームが設置されたり。写真は、ルフトハンザが運航するエアバスA380のファーストクラスのトイレで、奥にはゆったり着替えができるほどのスペースが広がり、赤いバラの花が生けられています。乗務員の対応もグレードアップしました。最上級クラスでサービスできるのは、選ばれた一握りのクルーだけ。彼女たちは専門の訓練を受け、社内で資格をとってファーストクラスでの乗務につきます。高額な料金を払って乗ってくれる人に何とか報いようと、出発地の空港に到着してから到着地の空港を出るまでトータルにもてなそうというエアラインも増えてきました。

ある旅関係の雑誌がこの春、誌面を全面的にリニューアルする計画で、創刊第1号の誌面づくりを手伝うことになりました。その目玉企画として考えているのが、ファーストクラスの大特集です。各社それぞれに技術の粋を集めた最新のシートや設備から、最上級クラスにふさわしい食事とワイン、さらにクルーたちの洗練されたサービスまで──ファーストクラスのすべてを網羅する特集で、クルーの訓練の様子や利用者層などについても言及できると面白い企画になるかも知れません。

いま進めている書籍の執筆が来週半ばに一段落するので、さっそく具体的な企画づくりと取材準備にかかりたいと思います。

S.Akimoto at 00:41|Permalink

2011年11月28日

鴨肉の創作料理

 
チューリッヒの弾丸取材から戻りました。鴨肉のおいしい料理を食べながら。スイスインターナショナルエアラインズ(SWISS)というと、定評のあるのが機内食。一流ホテルや有名レストランとタイアップした機内食を提供するエアラインは最近でこそ珍しくありませんが、その先駆けとなったのがSWISSです。成田発のファーストクラスとビジネスクラスでは、東京・四谷の「オテル・ドゥ・ミクニ」のオーナーシェフ、三國清三さんのプロデュースによる創作フレンチを楽しむことができます。


「新しいメニューを考案したからといって、それでおいしい料理が実現するわけではありません」と、以前会った三國シェフが言っていました。「お客さまに出す前の微妙な温度調整で料理は味が変わってしまいますし、盛りつけの仕方によってもせっかくの料理が台無しになります。そのため、サービスに当たる客室乗務員にも何度もレストランに足を運んでもらい、私たちのコンセプトとやり方をしっかりと体得してもらいました」

では、チューリッヒ発の便ではどうしているのでしょう? チューリッヒから成田への便の機内食は、スイス国内を中心とする各地の著名シェフがメニューづくりを担当しています。3カ月に一度担当シェフを交代し、メニューを更新。その機内での最終仕上げには、誰が指導に当たっているのか?

今回の取材でチューリッヒ空港に隣接するオペレーションセンターを訪ね、その疑問も解消しました。同センターには「プロダクト・ハブ」というブースが置かれ、機内食メニューが変わると、その現物や料理に合わせてセレクトされたワインなどを展示。客室乗務員はここに足を運び、メニューの特徴や食材に関する情報、正しい盛りつけの方法などを学んでから乗務につくのです。

11月いっぱいまでチューリッヒから帰国便の機内食を担当しているのは、スイス・シャフハウゼンにあるレストラン「フィッシャーズンフト」のシェフ、アンドレ・イエガー氏。ビジネスクラスのメインディッシュは「鴨肉の煮込みチョコレートオレンジ風味ポレンタのガレットと、芽キャベツを添えて」──ちょっと長い名前の料理ですが、スイス産の赤ワインとともに満足のゆく一品でした。

S.Akimoto at 11:38|Permalink

2011年11月19日

年末ムード

 
まだ11月も半ばを過ぎただけなのに、もうすっかり年末のムードですね。街はクリスマス用にライトアップされ、友人たちからは忘年会の誘いもチラホラ。雑誌や電波媒体からは年末年始の恒例企画での記事執筆や情報提供、番組出演などの依頼が増えました。


年末年始の恒例企画というのは、たとえば「旅の専門家が選ぶ今年の○○○○、ベスト3」とか、「2012年のエアライン業界、ここが注目!」とか。新しい年のトレンドをいち早く解説してやる特集や番組コーナーは、きっと読者(視聴者)ニーズも高いのでしょう。

私が協力する予定の一つが、FMラジオ「NACK5」で月〜木の午後5時から放送中の『夕焼けシャトル』。その中の、旬な話題についてランキングをつけて発表する「BANZUKE!番付!!」というコーナーで、11月22日(火)に私が選んだ「世界の航空会社“驚きのサービス”──ベスト3」が紹介されます。

もちろんここでそのベスト3を明かすことはできません。当日までヒミツで、上の写真もただのイメージです。が、ヒントだけお伝えすると、それは「人によるサービス」。エアラインの取り組みはさまざまですが、今回は「意外な人を機内に乗せて提供しているサービス」に絞りました。「BANZUKE!番付!!」コーナーのオンエアは18時30分ころからですので、時間のある人は来週22日(火)のその時間にFMラジオの79.5MHzに合わせてみてください。Nack5はネットラジオ「radiko.jp」でも聴けます。

S.Akimoto at 22:08|Permalink

2011年11月04日

クッキー&マカロン

 
ボーイング787の初営業フライトの取材で先週乗った、香港への往復チャーター便。その行きと帰りの機内で、乗客一人ひとりに客室乗務員から記念のクッキーとマカロンが配られました。ユニークだったのは、それぞれに「787」の文字がデザインされていたことです。


まず行きの機内でもらったのが、上の写真のクッキーでした。わ、可愛い。おいしそう。私の周りにいた記者たちはそんなことを呟きながら、さっそく食べ始めています。でも私は、封を切らずに取材用のバッグの中へ。これをお土産に持ち帰ると、喜ぶかな? そう考え、何人かの顔を思い浮かべたからです。

ところが、大失敗でした。機内ではとにかく取材・撮影に忙しく、バッグにクッキーをしまったことを忘れて、その上に交換したレンズを放り入れてしまったようなのです。で、香港のホテルに着いて取り出してみたら、せっかくの787の文字入りのクッキーがこなごなに!

帰りの便では下の写真のマカロンが配られたので、今度こそ大切にと思って、バッグにはしまわずに上着のポケットへ。しかし、先日のBlogでも報告したように、成田に到着した日は都内のスタジオに移動して深夜のテレビ番組への生出演がありました。その放送が終わって、どっと疲れが出たのでしょう。上着を脱いで、スタジオのソファーの背もたれに置き、そのままぐったり。瞬間、ぐしゃっという感触を背中に覚えてハッとしましたが、あとの祭りです。身体を起こして上着のポケットから取り出してみると、そこには見る影もなくつぶれたマカロンが。

お土産にと顔を思い浮かべた人がいた、とさっき書きました。私かなあ──と思った人、ごめんね。あ〜あ。最悪。

S.Akimoto at 05:57|Permalink

2011年10月11日

空飛ぶ入国管理官

 
インドネシアの首都ジャカルタへ、成田発12時のガルーダ・インドネシア航空GA885便で入りました。今朝は、昨日のフライトで体験した同エアラインのユニークなサービス「機内での入国審査」について紹介しましょう。


成田空港でチェックイン手続きを済ませた私は、隣のカウンターに行ってインドネシア入国に必要な短期ビザを25USドル購入し、レシートを受け取りました。離陸後、機内でのミールサービスが終わって間もなくのことです。搭乗機に同乗しているインドネシアの入国管理官が乗客一人ひとりの席に回ってきたので、そのレシートをパスポートといっしょに入国管理官へ提示。そこで入国審査が行われ、審査済みであることを証明する水色のカードをくれます。ジャカルタ空港では他の国から到着した人たちがイミグレーションで列をつくっていますが、その横のゲートで水色のカードを係官に渡すと、私たちは長い列に並ぶことなく簡単に入国できました。

こんなサービスは世界でも唯一、ガルーダ・インドネシア航空だけです。しかも、すべての国際線に導入されているわけではありません。このサービスの導入路線は日本からの便のほか、シドニー線やアムステルダム線のみ。だから、余計に感動的でした。

また入国管理官というと、日本では「お堅い公務員」というイメージですが、機内で会ったインドネシアの“空飛ぶ入国管理官”はじつに気さくです。カメラを向けると自分から「スマイルが必要か?」と聞いてきて、カメラ目線でポーズ。イカした奴でした。

S.Akimoto at 07:12|Permalink

2011年06月30日

珍しいミールサービス

 
普段はあまりしない体験なので、記録に残しておこうと思ってアップしました。下の写真です。メインの皿にはチキン料理にポテトと温野菜が添えてあって、あとはサラダとスープとパン。赤ワインのハーフボトルとおつまみのチーズも見えます。これ、どの路線のどのクラスの食事か、想像つきますか? 最近私が行った都市をアトランダムに列挙してみると──。


パリ、フランクフルト、ミュンヘン、ソウル、シアトル、ヘルシンキ、イスタンブール、ヨハネスブルグ、バンコク、ハンブルグ、台北、ニューヨーク、プラハ……。あと、どこ行ったっけ? そうそう、マラガとバルセロナにも先月、行ってきました。

では、この食事はどこへ向かう路線で? 答えは、スペインのバルセロナです。ワントレイで出てきているので、エコノミークラスだと思うでしょう。ブッブーッ! 不正解。これは機内食ではありません。マラガからバルセロナへ向かうスペイン新幹線AVEの車内で出された、いわば“車内食”です。5月25日のBlogでも報告したように、1等車での食事なので一応は飛行機のビジネスクラスと同等だと思うのですが、とはいえ2等車では食事は出ないのでプレミアムエコノミーくらいのレベルでしょうか。

味も、可もなく不可もなく。マラガからバルセロナまでの所要時間は5時間40分ですが、食事が運ばれてきたのは4時間を過ぎた頃でした。でも、なかには出発して3時間も経たないうちに食べていたグループもあります。なぜなのかなあと思って見ていたら、彼らは途中駅で降りていく人たち。人によってサービスする時間がまちまちなので、担当の乗務員も大変そうでした。

S.Akimoto at 23:48|Permalink

2011年06月17日

くつろぎの新空間

 
乗ってきました、大韓航空のエアバスA380就航初便に! 詳しくは誠Styleの連載『“飛行機と空と旅”の話』で近く報告しますが、やはり強く印象に残ったのはビジネスクラスを配置したアッパーデッキ(2階席)のキャビン設計です。


大韓航空のA380のキャビン設計については何度かお伝えしたように、メインデッキ(1階席)には最前方にファーストクラス12席とその後方にエコノミークラス301席を配置し、アッパーデッキはすべてビジネスクラスだけでレイアウトしました。フルフラット型のベッドになる「プレステージリスーパー」と呼ばれるビジネスシートは計94席。昨日、成田からソウルへのフライトで利用したボーイング777では同じシートを横1列“2-3-2”の計7席でレイアウトしていたのに対し、その一回り大きなA380では1席少ない“2-2-2”の6席での配列です。シートピッチ(前後間隔)もゆったりととってあって、キャビン全体に開放的な空間が広がっていました。

また新しい試みとして、メインデッキ最後部にはすべてのクラスの乗客向けに機内販売品のショースペースを設置。そして私たちが利用したアッパーデッキには、ビジネスクラスの旅客専用にバーカウンターやテレビモニターが置かれたラウンジもあります〔写真〕。ソウルから成田へはわずか2時間20分のフライトですが、水平飛行に移ってからのほとんどの時間を、私はラウンジで他の記者や大韓航空の広報関係者らと歓談しながら過ごしました。

ラウンジのバーカウンターには、専門の客室乗務員も配置しています。「スウェーデンに派遣されてバーテンダーの研修を受け、資格をとりました」と言う彼女は、乗客の注文に応じて好みのカクテルをつくってくれます。ラウンジでくつろいでいるときに気流の影響で飛行機が揺れたりしたら、慌てて座席に戻されるのかなあ……。搭乗前にそう言って首をかしげていた記者もいましたが、大丈夫、心配ありません。ラウンジのソファーにも、ちゃんとシートベルトが設置されていますから。

S.Akimoto at 23:45|Permalink

2011年05月23日

地中海に癒される

 
スペインのマラガに来ました。今日はイスタンブールからマラガへのフライトについて報告のです。なかなかイイ感じの空の旅でしたので。4月27日に開設したこの新規路線に、トルコ航空はエアバスの単通路型ベストセラー機A320を投入しています。通路をはさんで両側に3席ずつというごく一般的なキャビンレイアウトですが、シートは淡いブルーを基調にしたレザー製で、それが青い地中海の上空を進んでいくフライトによく似合っていました。


私の予約した上級クラスは、キャビン最前方の3列が割り当てられています。ただし上級クラスとはいっても、カーテンで仕切られているだけでシートはエコノミークラスと何ら変わりません。幅も、シートピッチも同じです。違うのは上の写真のように、3席並びの中央の席をつぶしてテーブルをしつらえていること。テーブルにでも物置きにでも、両側の席から自由に利用できるようになっています。同じような方式を以前のBlogで、ルフトハンザの国内線を例に紹介しました。いいアイデアだな、と私は思います。

食事も本格的です。搭乗後のウェルカムシャンパンに始まり、冷たい飲みものと前菜、メインには私はラムチョップを注文しました。昨日は機内でのランチから到着後のディナーまでトルコ料理が続きましたので。食事が終わると、うとうと、まったりな時間が続きます。明らかに昨日の寝不足の影響でしょう。そしてときどき目を覚まし、窓の外に目をやると、眼下には真っ青な地中海が。癒されます。イタリア半島を横断し、コルシカ島とマヨルカ島を越え、離陸から4時間後にスペインに入りました。

今回はスケジュールの都合で足を伸ばせませんが、“アンダルシアの白い村”といわれるミハスもマラガからは近いし、アルハンブラ宮殿で有名なグラナダへの便もいい。イスタンブール経由でマラガへ──この路線は今後も何度か使うことになりそうだな、などと考えながら、いままでとはちょっと違う空の旅を満喫しました。

S.Akimoto at 04:16|Permalink

2011年03月04日

有料サービスの値段

 
マレーシアのクアラルンプールに来ています。昨年12月に羽田に就航した話題のLCC、エアアジアX〔写真〕を利用して。みなさんも気になっていると思いますので、有料の機内サービスについて報告しておきますね。


羽田発のエアアジアX便は深夜23時45分に出発するので、自宅や空港で食事を済ませてから乗る人も多く、シートにつくとすぐに眠りにつく人も。エアバスA330-300は定刻どおりスポットを離れ、それから40分ほどすると機内サービスが始まりました。深夜便なので、乗客も早めのサービスを望んでいるのでしょう。私の席にも、事前に予約しておいた機内食が運ばれてきましたが、事前予約の機内食は日本円で700円。アジア料理、多国籍料理、ベジタリアン料理の3種類から選択できます。予約なしでも機内販売で購入できますが、私の担当クルーは「搭載している機内食の量は限られていますので、できるだけ予約を入れていただきたい」と言っていました。

機内販売で売られているのは、サンドイッチやスナック類、カップ麺など。クルーたちは事前予約の食事を乗客に配りながら、予約なしの乗客のオーダーをとって歩きます。ジュース、コーラ、コーヒーなどのソフトドリンク類は5〜6マレーシアリンギット(130円前後)で、アルコール類は赤・白ワインとビールが用意されています。機内販売での支払いは現金のみですが、リンギットでもUSドルでもOK。日本路線では円による支払いも受け付けています。通路をはさんで私の隣の席にいた年配の日本人がビールを買うのに1,000円札を出したところ、お釣りはリンギットで渡されて苦笑いしていました。

エコノミークラスでは、毛布やアイマスク、空気枕などがセットになったインフライト・コンフォートキットが事前予約で1,000円、機内では1,500円で販売されています。これは持ち帰り可能なので、帰国便でもう一度使用できるし、乗客のなかにはお土産として大事に持ち帰る人も。クルーたちにとっては、到着後の機内でいちいと毛布をたたむ作業が不要になり、ターンアラウンド時間の縮小にもつながって一石二鳥のようです。ほかに、映画やオーディオ、ゲームが楽しめる携帯型の「e-Player」も30リンギット(約760円)で貸し出されていました。私の見たかぎり、使っている人はあまりいませんでしたが。

クアラルンプールまでの飛行時間は約7時間半。深夜1時過ぎには機内の照明が落とされ、ほとんどの人が眠りについていました。

S.Akimoto at 00:10|Permalink

2011年02月20日

ハワイアン・シェフ

 
午前0時を回り、2月20日になりました。今日は羽田から欧米のいくつかの都市へ新しい路線が就航します。まずは早朝の6時25分にBA(ブリティッシュ・エアウェイズ)のロンドン行きが出発。そのすぐあと、6時40分と6時55分にはアメリカン航空のニューヨーク行きとデルタ航空のデトロイト行きが続き、日付が変わって21日の深夜0時5分になると同じデルタ航空のロサンゼルス行きも離陸していきます。


私も先ほど、羽田に入りました。現在は近くのホテルに部屋をとって、このBlogを書いています。明朝は就航セレモニーに立ち会ったあと、実際にアメリカン航空(AA134便)でニューヨークへ。マンハッタンにある現地メディアを訪ねる予定があったため、就航便取材として上記候補の中からこのフライトを選びました。

写真は、アメリカン航空の機内食を開発・監修するサム・チョイさんです。数々の受賞歴があるハワイの有名なシェフで、羽田就航セレモニーに出席するため来日したのを機に、宿泊している品川のホテルを訪ねて1時間半ほど話しました。その内容については改めてレポートで紹介しますが、就航便で私がニューヨークに飛ぶことを知ったチョイさんは「羽田線には新しいメニューが搭載されるから、ぜひハワイアンテイストのミールを楽しんでみて!」とにっこり。ただ、早朝の出発なので、そんなに食べられるかなあ? 私が答えあぐねていると、チョイさんは予想どおりの反応だと言わんばかりに「ノー・プロブレム!」と大きく手を広げました。

「大丈夫、心配ないね。時間帯が時間帯だから、いろいろなお客さんが乗ってくると想定して、メニューもいろいろ考えたよ。まだ胃が起きてなくて、軽いもので済ませたい人にはサラダを中心した料理を、もう少しブランチ的なものを食べたい人にはポテトケーキやポークを使ったややボリュームのある料理を用意したんだ。もちろん、しっかり食べたい人向けのメニューもあるよ。アキモトさんには、お腹ぺこぺこの万全の状態で乗ってもらって、サーモンを使ったハワイの伝統的な料理にトライしてみてほしいな」

S.Akimoto at 00:07|Permalink

2010年08月06日

電子書籍考

 
私たち物を書く立場の人間にとって、いま避けて通れなくなりつつあるのが「電子書籍」というテーマです。この出版の新しい形態とどう向き合うか。先日も私の著書に対して「アップル社のiPad向けコンテンツとして販売したい」というオファーがあり、いろいろ考えた結果、最新作『ボーイング777機長まるごと体験』について承諾しました。


もちろん、いくつか問題点もあります。著作権がきちんと保護される仕組みはできあがっているのか? 電子出版により、本の売れ行きが落ちないか? 担当編集者は、本の読者と電子書籍のコンテンツ購入者はまだ層が分かれているので、むしろ電子出版により販路が拡大できるだろうと予想します。これについては、まずは実際にトライしてみることで、じっくり検証していこうと思っています。

ところで、エアラインの世界でも電子出版の動きが出てきました。紙に印刷された機内誌を廃止し、その内容を各シートに設置されたパーソナルモニターで読めるようにしようというもので、始めたのはシンガポール航空です。

同社はまず、機内誌「シルバークリス」や機内販売カタログ「クリスショップ」を電子化し、それをボーイング777-300ERやエアバスA380に搭載している機内エンターテインメントシステム「クリスワールド」で閲覧できるようにします〔写真はシンガポール航空の最新エコノミークラスに設置されたパーソナルモニター〕。機体を軽量化してCO2排出量を減らすため、機内誌の紙質見直しやページ数削減に取り組むエアラインはありましたが、機内誌そのものを電子書籍化するというのは世界でも初めての試み。今後は機内食メニューのカードや、現在機内で提供している国内外の100種類以上の雑誌、新聞などについても電子化していきたいと関係者は話していました。

時代はいま、確実に変わりつつあるのかも知れません。

S.Akimoto at 11:06|Permalink

2010年07月28日

機内食づくり

 
夕方、都内のある調理師学校で学ぶ学生たちから「エアラインの機内食づくり」をテーマに取材を受けました。機内食はどこでつくられているのか? 一般の料理と機内食の調理法の違いは? どんなプロセスで作業は進むのか? フライトで機内食を楽しんだ経験はあるという人は多くても、その舞台裏は意外と知られていません。そこで今日は、その基本部分を簡単にお話ししておきましょう。


日本でも海外でも、機内食は空港近くにあるケータリング会社の工場で製造されます〔写真はトルコ航空に機内食を提供するDO&CO社の工場=今年4月にイスタンブールで撮影〕。ここでポイントになるのが、機内食は調理が済んでから乗客に提供されるまでにタイムラグがあること。旅客機に積み込まれるのは出発の直前で、その間に鮮度が落ちないよう、調理方法や温度管理などに一般のレストランで出される料理にはない厳しさが求められます。

私が取材で訪れた工場の多くでは、白衣に帽子や手袋を身につけ厳重に衛生管理されたスタッフたちが、機械ではなくほとんど手作業で調理に当たっていました。食材となる肉や魚、野菜などは下処理室で一人分ずつの量(重さ)に切り分けられ、その状態で巨大な業務用冷蔵庫へ。しばらくすると、その冷蔵庫の反対側(料理室側)のドアが開き、ナベやフライパンを使っての加熱調理が始まりました。そうして調理された一品一品を、別のスタッフが「盛りつけ見本」を参考にしながら正確に容器に並べていきます。

成田から飛び立つ便を例にとると、機内食づくりの現場がもっとも忙しくなるのは午前中からお昼にかけてです。午後になると出発便ラッシュが始まり、機内食は乗客に出したときに最高においしくなるタイミングを逆算して調理されるため、おのずとその時間帯が作業のピークに。調理された食事は、台車付きカートに乗客の人数分のトレーがセットされた状態で専用トラックに積まれて工場を出発し、空港で機内のギャレー(厨房)に搭載されます。そして離陸後、水平飛行に移ると、客室乗務員はカートのスイッチをオンに。するとトレーの下の加熱板に電気が通じてメインディッシュだけが温められ、温めが終了すると、乗務員はそのカートを押して乗客のもとに飲み物などといっしょに運んでいくわけです。

S.Akimoto at 22:10|Permalink

2010年07月09日

LCCのビジネスモデル

 
先日のBlog「アジアンタイフーン」でも触れた、エアアジアについての話の続きです。LCCの一番の特徴は、何といっても安い価格でフライトを利用できること。下の写真にあるように、エアアジアの赤い機体には「NOW EVERYONE CAN FLY(いまや誰でも飛行機に乗れる)」という文字が記されています。


もともとレコード業界の幹部だったエアアジア・グループの総帥、トニー・フェルナンデス氏は「われわれが航空業界に乗り込んだ当時(2001年)は、マレーシアで飛行機に乗れるのは人口のわずか6%に過ぎなかった。だったら、残りの94%の人たちのために安い飛行機を飛ばせば、必ず大きなビジネスになと確信した」と、これまでさまざまなメディアのインタビューで語ってきました。

それを実現するため、いくつものアイデアが導入されます。たとえば、座席数を大手エアラインの2割増しにして、1便ごとの利益率をアップ。機内食などのサービスはすべて有料にしました。離陸すると客室乗務員は、機内で積極的に食事や飲み物を売り歩きます。一人ひとりの“やる気”を引き出すために、売上げの10%程度が歩合として社員に配分される給与体系もつくりました。

客室乗務員はまた、機内でゴミが出るとすぐに回収して歩くなど、清掃係も兼務することで人件費を削減しています。運航機材の稼働率を高めるために空港にとどまる時間を可能なかぎり減らし、発着は各都市のメインの国際空港ではなく、あえてアクセスが不便な郊外の空港を選んできました。

大手とは異なるこうしたLCC独自のビジネスモデルが今後、日本の空をどう変えるのか? 日本への就航が予想される今年の秋以降は、本当に注目です。

S.Akimoto at 10:57|Permalink

2010年01月30日

機内で入国手続き

 
成田から人気リゾート・バリ島のデンパサールへ飛ぶガルーダインドネシア航空〔写真〕のGA881便で、2月1日よりちょっと便利なサービスが始まります。そのサービスとは、到着前の機内で入国審査などの手続きを済ませてしまうというユニークなもの。他のエアラインにはない試みだけに、注目です。


旅行者はまず、成田空港でチェックイン後にインドネシア入国に必要な短期ビザ(25米ドル)をカウンターで購入し、レシートを受け取ります。出発して機内でのミールサービスが終わると、搭乗機に同乗しているインドネシアの入国管理官が乗客一人ひとりの席に回ってくるので、パスポートといっしょにそのレシートを提示。入国審査済みであることを証明する水色のカードをくれるので、到着したデンパサールの空港でそれを係官に渡すだけで、イミグレーションの列に並ぶことなく簡単に入国できます。

日本からの便は午前11時に発ち、デンパサールには夕方17時35分に到着します。それからすぐにホテルへ向かい、荷物を解いて夕陽を眺めに行ったり、ショッピングや食事に出かけたり──。入国手続きの時間が節約されることで、バリ島の夜を着いたその日からフルに満喫できるようになるでしょう。

このサービス、じつは今回が初めてではありません。ガルーダインドネシア航空は以前もトライアル的に実施していた時期があり、ずいぶん前ですが私も利用したことがあります。世界中を放浪していた頃だから、もう20年以上も前──1980年代の終わりだったでしょうか。当時はフリーライターとして、普段は日曜日や祝日も休まずに働くだけ働き、その後まとめて時間をつくって海外へ。そんな生活を続けていました。日本を発つと、3カ月くらい戻らなかったりして。いい思い出です。また、あんな旅がしたいなあ。

S.Akimoto at 19:00|Permalink

2010年01月27日

人気ランキング

 
おお、総合第1位は3年連続でシンガポール航空ですか。さすがです。これはダイヤモンドビッグ社が発表した「地球の歩き方/2010年版エアラインランキング」の結果で、2位には昨年の4位から二つジャンプしてエミレーツ航空が、3位には昨年の2位から一つランクを落としてヴァージンアトランティック航空が続きます。以下、4位がキャセイパシフィック航空(前年5位)で5位がルフトハンザ(同10位)──。


1位から10位までの顔ぶれは、アジア系が5社、ヨーロッパ系が3社、中東系が2社です。アメリカ系は残念ながら入っていません。20位までの中では、18位にアメリカン航空が、20位にエア・カナダがかろうじて顔を出しています。ちなみにANAは12位、JALは16位でした。

アメリカ系エアラインの関係者から、よく「うちの会社は人気がなくて……」と嘆く声を聞きます。それに対する私の返答は「あまり気にする必要はないですよ」ということ。調査対象をどこに置くかで、人気ランキングは結果が変わってきますから。アンケート回答者の多くを男性旅客が占めていれば、若い乗務員を配置して“笑顔のサービス”を売りにしているアジア系にどうしても人気が集ります。反対に、女性ビジネス客からは「ベタベタしたサービスは要らない。安全第一で時間どおりに飛んでくれればそれでいいので、あとはシートで仕事に集中させてほしい」といった声も。そういう人たちの中には、アメリカ系の支持者も少なくありません。

ただしシンガポール航空に関しては、どの人気ランキングにも必ず上位に顔を出しているのも事実です。何時間かのロングフライトを終えて目的地に降り立つと、乗客たちは「やれやれ」とか「やっと着いた」と言ってホッとした表情を見せます。が、シンガポール航空の機内では乗客から何度かこんな言葉を聞きました──「え、着いちゃったの? なんだあ。もう少し乗っていたかったなあ」。これ、なかなか言ってもらえる言葉ではありません〔写真はシンガポールからシドニーへのフライトで出会ったCAたち〕。

S.Akimoto at 10:33|Permalink

2010年01月12日

史上最強のグッズ

 
下の写真──キャリーバッグをそのまま小さくしたようなこの洒落たケースは、ルフトハンザがファーストクラスの搭乗客にのみ配布しているアメニティポーチです。正真正銘のリモワ製で、2008年夏に新しく登場しました。


発表されたとき、このBlogで「これ、欲し〜い!」という文章を書いたところ、去年フランクフルトを取材で訪れた際にルフトハンザの関係者から「ひとつ記念にどうぞ」ともらってしまいました。

エアライン各社の上級クラスを利用すると、さまざまなアメニティキットが手に入りますが、私は機内でそれらをほとんど使いません。歯ブラシセットなど簡単な洗面用具はすべて自前のものをバッグに入れてありますので。持ち帰ったキットは、そのままケースごと誰かにプレゼントしてやると、とても喜ばれます。

で、ルフトハンザのこのアメニティポーチも欲しい人がいたらあげようと思っていたのですが、これがじつはマニアの間で相当な人気商品であることが判明しました。先日、あるエアライングッズ専門店で1万6,800円の値が付いていたのを発見して、ビックリ! 店の人に聞くと、“Lufthansa”と“RIMOWA”のダブルロゴ入りのこのポーチは「史上最強のエアライングッズ」との呼び声も高いのだとか。「だから、あげちゃあもったいないですよ」とクギを刺されたのですが……。

でも、私が持っていても仕方ないしなあ。私、モノに対する執着心がどうも欠落していて。誰かに「欲し〜い」とせがまれると、きっと断ることができないかも。近々お会いする予定の方、もし興味があれば、声をかけてみてください(笑)。

S.Akimoto at 16:34|Permalink

2009年12月04日

フレンチの巨匠の挑戦

 
この秋、丸の内のビジネス街に誕生した大型ショッピング&グルメゾーン「丸の内ブリックスクエア」の2階に東京・四谷の「オテル・ドゥ・ミクニ」のオーナーシェフである三國清三さんの新しいフレンチレストラン「mikuni MARUNOUCHI」がオープンし、話題を集めています。


ユニークなのは、地域で生産されたものを地域で消費するという三國さんらしい“地産地消”の料理哲学。フレンチの巨匠は大都会・東京で、その高すぎるともいえるハードルへの挑戦を始めました。千住葱や亀戸大根、寺島茄子などの江戸野菜や秋川牛、小平の次郎柿などを契約農家から取り寄せ、これまた東京産の蜂蜜や牛乳などを使って身体に優しい三國流フレンチへと昇華させます。

三國さんの料理は、私もこれまで何度か味わってきました。といっても、私が訪ねたのは四谷の「オテル・ドゥ・ミクニ」でも新しい「mikuni MARUNOUCHI」でもありません。私がときどき利用するのは、いわばレストラン・ミクニの「“雲の上”支店」です。

成田/チューリッヒ間でデイリー運航を続けるスイスインターナショナルエアラインズ(以下SWISS)の日本発のファーストクラスとビジネスクラスで、三國さんが手がけるメニューを楽しむことができます。三國さんは2001年にSWISSの前身であるスイス航空と契約し、自身のプロデュースによる機内食の提供をスタート。今週水曜日に「mikuni MARUNOUCHI」で、SWISS日本支社長の岡部昇さんと三國さんを囲んでの記者懇親会が開催され、私もちょっとお邪魔してきました〔写真は三國シェフ(左)と岡部さん〕。

「レストランで出す料理とは違って機内食にはいろいろと制約があります」と、三國さんはその難しさについて話します。「地上で調理したものを一度冷蔵保存して機内に搭載し、再び温めてお客さまに提供するときに最もおいしい状態にならないといけません。それにふさわしいメニュー開発を進める一方で、サービスに当たる客室乗務員にも何度もレストランに足を運んでもらい、私たちのコンセプトとやり方をしっかりと体得してもらいました」

一流ホテルや有名レストランとタイアップしての機内食を提供するエアラインは最近でこそ珍しくありませんが、その先がけとなったのがSWISSです。ライバルとの競争が激しさを増すなかで、三國さんの言葉には“元祖”としての自信が感じ取れました。

S.Akimoto at 11:55|Permalink

2009年11月29日

KLMオランダ航空

 
オランダは、決して大きい国ではありません。面積は日本の九州と同程度で、人口は約1,600万人。KLMオランダ航空はそのオランダの“フラッグキャリア”で、1919年に設立されました。現存する中では世界で最も歴史の古いエアラインです〔写真は同社のボーイング777〕。


強力なブランド力と充実した国際線ネットワークがKLMオランダ航空の特徴です。国内の航空需要がさほど大きいとは思えない小国オランダで、なぜこれほどのエアラインが誕生したのでしょうか?

オランダはかつて、他のヨーロッパ諸国と同様に、海外に植民地支配を広げてきました。本国と植民地の間では、物資や郵便物の輸送が頻繁に行われます。人も行き来しなければなりません。その輸送手段として早くから重要な役割を果たしてきたのが航空機でした。航空路線網はその後、世界が植民地拡大を競う時代ではなくなってからも発展を継続。なかでもオランダは、自国のマーケットだけでは限界があるため、オランダ人のみならず世界中の人々にとって利用しやすいエアラインを目指してきました。

実際のフライトで感じるのは、乗る路線によってサービスの内容が少しずつ違うことです。「これが私たちのやり方です」と一方的に自己流を押しつけるのではなく、乗り入れている相手国の歴史や文化・風習を尊重し、その国の人たちができるだけ快適に利用できるよう路線ごとにさまざまな工夫を取り入れてきました。

日本人客室乗務員をヨーロッパで最初に採用したこと、機内食では“和食っぽい”食事ではなく“和食そのもの”という本格メニューの開発を進めてきたこと──スカパー「旅チャンネル」で放映中の情報番組『世界のエアラインガイド』では、そんな観点から同社を解説しました。KLMオランダ航空編のオンエアは一昨日から始まっています。

S.Akimoto at 11:19|Permalink

2009年11月11日

ANAの“ひらめき”

 
ANAが2010年から欧米路線に導入する新しいプロダクト&サービスが昨日、東京・赤坂のANAインターコンチネンタルホテル東京で発表されました。新ブランド名は「inspiration of Japan」──和訳すると「日本発のひらめき」。発表会見には、スカパー旅チャンネル『世界のエアラインガイド』でサブコメンテータを務める橋本絵里子さんをともなって私も出席してきましたが、これはすごい!


たとえばビジネスクラスでは、一人ひとりのスペースを従来の1.5倍に広げ、180度水平に倒れるフルフラットシートを互い違いの形でレイアウト。どの席からもダイレクトに通路に出られるようにしました〔写真〕。同シートは新しいボーイング777-300ERに導入されて2010年2月にニューヨーク線でデビューし、その後はフランクフルト線、ロンドン線へと拡大する予定です。

ハード面もさることながら、私が注目したのはソフト面です。各座席には新スタイルのエンターテインメントシステムを搭載。タッチパネル式パーソナルモニターで「食事」の画面を呼び出すと、料理家の栗原はるみさんや人気レストランが監修する30種類以上のメニューが写真入りで表示されました。ここで食べたいメニューを自由に組み合わせて選べるほか、2010年4月からは好きな時間に好きな食事を画面上で直接オーダーできるようになります。

まさに画期的といえるでしょう。これまでは、各社がどれだけメニューを豪華にしても、乗客にとっては「決まったやり方のサービスを待つだけ」という“受け身”の構図は変わりませんでした。それをANAは180度転換し、乗客一人ひとりの気分やコンディションに合わせた個別サービスに変えようとしているのです。

私が感心していたら、横で橋本さんが「本当に画期的ですね。従来の常識では考えられないサービスです。でもそのぶん、CAは大変だろうな」と呟きました。自身の客室乗務員時代の体験と照らし合わせての実感なのでしょう。その点について、私は会場にいたANAの現役客室乗務員に聞いてみました。

「新ブランドを展開するに際しての新しいサービス訓練も、これからスタートします」と彼女は言います。「パーソナルな対応というのは、たしかにものすごく労力もかかるでしょう。決して簡単ではないことは私たちも重々承知しています。でも、だからこそワクワクもしています。それをきっちりやりとげることで、他には負けない、誰にも真似できないANAの個性を世界に向けて発信できると思っていますから」

S.Akimoto at 07:02|Permalink

2009年07月12日

空飛ぶママからの手紙

 
世界の空を旅していると、機内で小学生くらいの子供が一人でぽつんと乗っている姿を見かけることがあります。本人は旅慣れた感じでフライトを楽しんでいるようでも、送り出した家族はきっと気が気ではないでしょう。ちゃんと食事はとっているか、機内で心細い思いをしていないか──などと。


でも最近は、子供の一人旅を客室乗務員がしっかりとサポートしてくれるエアラインが増えているので、まず問題ありません。なかには大韓航空のように、子供の機内での様子を詳しく観察して手紙に記し、到着地の空港で待っている両親や家族に手渡してくれるサービスを実施しているエアラインもあります。

大韓航空では、5時間以上の長距離路線に同伴者なしで乗ってくる子供を担当の客室乗務員が手厚くケアするとともに、フライト中の様子を記録して両親や家族に手紙として届けるサービスを2002年に導入。「空飛ぶママからの手紙」と名づけたこのサービスは子供を送り出す親たちから圧倒的支持を受け、07年にはITCA(国際トラベルケータリング協会)が航空会社の特化したサービスに授与している「マーキュリー賞」を受賞しました〔写真はイメージ〕。

ここ数日、エアライン各社の子供向けサービスについて情報を整理しています。調べてみると、いろいろありますね。またまた急な話ですが、今週水曜日(7月15日)にFMラジオ“bayfm”の朝の情報番組『POWER BAY MORNING』に生出演し、7時30分前後にオンエアされる「DELI NAVI(デリナビ)」というコーナーで「航空会社の子供向けサービス」をテーマにお話しすることになりました。最近の傾向とその背景、定番のサービスやユニークな取り組み、現状の問題点と今後の展望──伝えたいことはたくさんあります。ただ、5分程度のコーナーだと聞いていますので、はたしてどこまで話せるかなあ。

S.Akimoto at 02:18|Permalink

2009年07月03日

こだわりのもてなし

 
ラジオを聴かない人が増えているそうですが、一方でまだまだ根強いファンも多いのでは──と感じました。昨日の朝、生出演したラジオ日本の番組『ザ・ホットライン〜ヨコハマろはす』。急な話でしたので、このBlogの「Information」で簡単に告知だけしたのですが、先日出演した文化放送の番組と同様にまたたくさんの方々から「聴きました」という報告をいただきました。


お話ししたテーマは「航空会社のおすすめサービス」について。その中の、たとえば「機内食でおすすめのエアラインは?」という司会者の質問には、「そのエアラインの“お国柄”が特徴として出ている機内食がおいしい」と答えました。番組ファンの方からは「とくにオーストリア航空の話が面白かった」という感想が届いているようですので、ここで改めて紹介しておきますね。

オーストリア航空が本拠を置くウィーンは、カフェ文化の発祥の地でもあります。そんな同社ならではの個性的な取り組みの一つが、ビジネスクラスで本場ウィーンの代表的なカフェメニュー10種類の中から好みのコーヒーを選べるというサービス。エコノミークラスでもオーストリアの「ユリウス・マインル」という老舗ブランドのコーヒー豆を使い、淹れたてを出してくれるというこだわりようです。

そしてさらに、パンを一つひとつ温めて出してくれるのも乗客にとっては嬉しい。パンを温めるときの何ともいえない香ばしいかおりが機内に漂ってくると、本当に食欲がそそられます。最近はフライトであまりヘビーな食事をとらないようにしているので、おいしいコーヒーとパンという組み合わせは私にはとてもありがたい。カイザーロール、ライロール、ソフトロールなどの中から一つを選び、淹れたての濃いめのコーヒーといっしょにいただきます〔写真〕。

オーストリア航空は、音楽の都ウィーンと成田を週6便で結んでいるほか、ウィーンからはヨーロッパ60都市以上への同日乗り継ぎが可能という充実したネットワークが特徴です。とくに中世の歴史とロマンが色濃く残るザルツブルク、プラハ、ブダペストなどへ行くには最も便利なエアライン。これからは旅をするにも最高の季節ですので、みなさんもオーストリア航空を利用する機会があれば、同社ならではの“こだわりのもてなし”を機内で存分に楽しんでみてください。

S.Akimoto at 01:19|Permalink

2009年05月29日

スイスの菜食シェフ

 
限られたスペースで10時間以上を過ごす長距離フライトでは、どうしても運動不足になりがちですね。ごく普通に食事をとったつもりでも、実際はカロリー過多に。かといって、上級クラスで事前にオーダーできる特別のベジタリアンミールは、いわゆる“精進料理”のようで味気ない。で、機内ではつい和食をチョイスしてしまうケースが最近はとくに増えてきた気がします。


もっとあっさりしていてシンプルで、なおかつ味がよく満足させてくれる洋食メニューがあったらいいのに。そんなことを思っていたら、うれしいニュースが入ってきました。

スイスの有名なベジタリアンレストラン「ヒルティル」が、SWISS(スイスインターナショナルエアラインズ)と長期のパートナーシップ契約を締結。チューリッヒ発成田行きの全クラスで、通常メニューのひとつとして同レストランの人気シェフ、ラルフ・ヒルティル氏〔写真〕のベジタリアンメニューをチョイスできるようになったというのです。

インド方面の多彩な香辛料をアレンジした風味と香りが特徴の「ヒルティル」の料理は、欧州では大人気。肉や魚をいっさい使わないのに本当においしいと評判で、連日1,200人もの来客で賑わうそうです。私も以前、ある雑誌で見かけて、いつか訪ねてみたいとずっと思っていました。そのラルフ・ヒルティル氏の作品を機内で通常メニューのひとつとして選べるというのは、いいですね。アーティチョークとサフラン・フェタソースのほうれんそうパスタと、なすと赤パプリカの野菜パエリアが代表的な二皿。次のフライトの機会を心待ちにしたいと思います。

S.Akimoto at 07:50|Permalink

2008年07月01日

“現場”が仕事の基本

 
少し古い話ですが、いまから5年ほど前に、織田裕二さん主演の映画『踊る大捜査線2/レインボーブリッジを封鎖せよ!』が大ヒットしました。あの作品で思い出すのが、織田さん演じる主人公・青島刑事の「事件は会議室で起きているわけじゃない。事件は現場で起きているんだ!」という名セリフです。仕事の基本を“現場”に据えようという考え方は、警察に限らず、ビジネスの世界でも同じかも知れません。


先ほど、BA(ブリティッシュ・エアウェイズ)に関するユニークなニュースが入ってきました。今日の成田発ロンドン行きBA006便のフライトに、同エアラインの機内食を担当するシェフが招待された──というニュースです。

BAはこの7月から、全クラスの機内食を刷新しました。今日が、その初日です。新メニューの提供の手順や乗客たちの様子を自ら視察するためにサービスの現場(機内)に姿を見せたのは、中島信夫さん〔写真〕。成田空港内のケータリング会社・コスモ企業で26年の経験を持つベテランシェフです。

ケータリング会社のシェフが視察目的に搭乗するというのは、きわめて稀なケースですね。しかしBAの日本・韓国地区支社長、ジュリアン・ロジャースさんは「プロフェッショナルなサービスを提供するためには、シェフ自らが飛行機に乗ってお客さまや乗務員の様子を確認することはごく当たり前の活動ですよ」と話します。

機内食をいつもベストの状態で提供するためには、地上で綿密な計算のもとに作成される調理マニュアルがきちんと守られているかどうかが非常に重要になります。実際のフライトでの機内食の加熱の仕方から盛りつけ方、さらにはキャビンアテンダントの動き方までを担当シェフが把握することで、サービスのいっそうの向上につなげたい──BAには、そんな“現場重視”の姿勢があるようですね。

S.Akimoto at 21:59|Permalink

2007年12月05日

空飛ぶレストラン

 
胡麻ドレッシングで風味をきかせた牛ハラミの前菜に始まり、メインは蕪のクリーミーなソースであっさり味に仕立てたスズキのグリル、そして締めのデザートはキャラメルムースのアングレーズソースがけ──。東京・四谷の「オテル・ドゥ・ミクニ」のオーナーシェフ、三國清三さんの料理を久しぶりにたっぷりと堪能しました。


いいえ、四谷に行ったのではありません。私が料理を楽しんだのは、2001年に三國さんがオープンした“高度1万メートル店”です。

評判のいいレストランのシェフが自慢の料理をより多くの人たちに味わってもらおうと、最近は新規出店の候補地に「空の上」を選択するケースが増えてきました。エアラインとタイアップし、秘伝の味を「機内食」として乗客に提供しようという目論みです。そのブームの火付け役となった一人が三國さんで、当時のスイス航空(現在のスイスインターナショナルエアラインズ)と契約し、成田発チューリッヒ行きの便のファーストクラスとビジネスクラスで自身のプロデュースによる機内食の提供をスタート。開店以来、多くの利用者たちのハートを射止めました。

機内でおいしい食事を楽しんだあと、LX169便は定刻通りにチューリッヒ国際空港〔写真〕に到着。先ほど中央駅近くのホテルにチェックインしました。スイス滞在は一晩限りですが、この文章をアップしたら、さっそく夜の街に繰り出してみるつもりです。

S.Akimoto at 02:57|Permalink

2007年08月28日

JAL機内食と有田焼

 
地球温暖化の原因であるCO2(二酸化炭素)の排出をいかに少なくするかは、エアライン各社に共通するテーマです。CO2排出量は使用する燃料の消費量にほぼ比例するため、JALでも、ボーイング777クラスで1機500キロ程度のダイエットを目標に消費燃料の削減を進めてきました。


そのダイエットのターゲットは、機内食で使用する食器類にまで及んでいます。たとえばナイフとフォークには、従来のものに比べて厚さが0.2ミリ薄いものを導入。またファーストクラスやビジネスクラスの食事で使用している磁器も、3年前から新開発の「軽量磁器」に変えました〔写真/提供=JAL〕。

軽量磁器を開発したのは、日本の磁器発祥地である有田周辺の企業グループでした。磁器は薄くして軽量化すると、そのぶん割れやすくなります。それを補強するには通常、アルミ酸化物の結晶を加えますが、そうするとこんどは重量が増してしまう。そこで素地中のアルミの一部をリン酸アルミニウムに置き換えたことで、一般の磁器よりも3割ほど軽い軽量磁器が誕生しました。

単に食器を軽くすればいいという発想なら、わざわざ磁器を使用しなくても、プラスチック製の容器に代えればそれですむわけですね。しかしJALは、あくまで磁器にこだわった。そこには「食事のメニューだけでなく、器の質感も楽しんでほしい」というサービスマインドがあるように私は思います。上級クラスには、それに相応しいもてなしを──という姿勢は好感が持てますね。今年12月からは、いよいよ国内線にもファーストクラスのサービスを導入。はたしてどんなもてなしが用意されるのでしょうか。

その国内線ファーストクラスのサービス発表会が本日、東京・お台場で開催されるので、私もちょっと顔を出してこようと思っています。

S.Akimoto at 00:47|Permalink

2007年07月23日

新婚旅行のエアライン選び

 
これから結婚を予定している人たちにとって、ハネムーンのためのエアライン選びはとても大事なことの一つ。先日、海外ウエディング情報誌『BRIDES Wedding/海外ウエディングアイデアBOOK』の編集部の方からインタビューを受けました。


海外挙式&ハネムーンで渡航する際、エアライン選びでとくに留意する点は? 両親など年配者も同行する場合はどんな点に配慮すべき? ハネムーナー向けのエアラインのサービスは? ハネムーンでのマイルの上手な利用の仕方は? ハネムーナーの上手な空港利用術や機内でのリクエストの裏技は?

一つひとつの質問に、できるだけ分かりやすく答えるよう心がけました。最後の「機内でのリクエストの裏技」というのはなかなか難しい質問ですが、要は恥ずかしがらずに「ハネムーンで乗っています」と乗務員に告げることですね。欧米系エアラインなどにはフレンドリーな乗務員も多く、本人の裁量でそっとワインやプチケーキをプレゼントしてくれるケースも。現地のとっておき穴場情報も親切に教えてくれるでしょう。

詳しくは本誌で。最新の「秋・冬号」〔写真〕は本日発売になり、このBlogと同じ写真で登場しています。

S.Akimoto at 09:18|Permalink

2007年04月11日

火星人を食べる

 
エコノミークラスの料金と比較すると、一般にビジネスクラスはざっとその10倍、ファーストクラスでは15倍のも料金がかかります。それだけの高い料金を払わせて、はたして満足のゆくサービスを提供できているのかどうか? そんな発想から実現したのがルフトハンザの「ファーストクラス専用ターミナル」のサービスで、同サービスについては以前のBlogでも詳しく紹介しました。


そのルフトハンザが、次にターゲットに選んだのが子供たちです。小さな子供といえども大人料金の5割とか7割の航空運賃を払っているのだから、やはりそれなりのサービスの提供を──という考えから、まずは機内食メニューの開発に着手。今年5月から子供向けの機内食に、ドイツのテレビで著名なシェフ、ラルフ・ザックヘール氏の料理が採用されることになりました。

さて、その子供向けメニューの名前が、じつにユニーク。「火星人」「甘い蝶」「トマトジャングルのヘビヌードル」「トラのしっぽ」……。「火星人」はムースとイチゴのピュレやチョコレートなどで火星人の顔の形を模したデザートで、「甘い蝶」はチーズフィリングとバニラソースを添えたパンケーキです。

ザックヘール氏は子供向け新メニューを開発するため、多様な食習慣を持つ各国の子供たちを試食会に招待〔写真〕。一人ひとりの意見を取り入れながら、砂糖や油を極力控えるため蜂蜜や純度の高いオリーブ油を使用し、サボイキャベツのような野菜、豆を多用した健康的な食事に仕上げました。

ルフトハンザというと、職人の国・ドイツ生まれの“お堅い”イメージがありますが、じつはとてもチャレンジ精神が旺盛がエアラインです。今後どんな新たなチャレンジが始まるのか、楽しみに待ちたいですね。

S.Akimoto at 11:34|Permalink

2007年01月09日

地中海料理を機上で楽しむ

 
和食、中華、インド料理、韓国料理など、エアライン各社はそれぞれ趣向を凝らした機内食メニューの開発にしのぎを削っています。フライトの楽しみも最近はぐっと広がりましたね。そんな中、私がいまちょっと気になっているメニューの一つが、この1月からルフトハンザがドイツ発の長距離線ファーストクラスとビジネスクラスで提供を始めた地中海料理です。


世界の一流シェフを起用して機内食を開発・提供する「スターシェフ」プログラムをルフトハンザが導入したのは1998年でした。日本発の路線でも、成田/フランクフルト線と成田/ミュンヘン線で2005年1月からグランドハイアット東京のシェフチームによる洋食&和食メニューを提供。今年1月からはヒルトン大阪とヒルトン名古屋のシェフを同プログラムに迎え、大阪線のビジネスクラスや名古屋線のファーストクラスとビジネスクラスでも特別メニューが楽しめるようになりました。

さて、今回ドイツ発の長距離線で提供される地中海料理のメニューの一部を紹介すると──。

ファーストクラス 前菜/炒めたウズラ胸肉とカシューナッツをあしらったハーブサラダ メインディッシュ/アンコウのポアレとシチリア風ナスのシチューなど
ビジネスクラス 前菜/クルマエビのマリネ仕立て白インゲン豆添え メインディッシュ/ラムの蒸し煮ラタトゥイユ添えなど

どうです? 内容を知っただけでも、食欲がわいてきますでしょう。この本格地中海料理は、新たに起用した女性スターシェフ、コーネリア・ポレット氏〔写真〕の手によるもの。ポレット氏はハンブルグ出身の35歳で、現在約60人が名を連ねるスターシェフでも最年少です。ドイツの3ツ星シェフ、ハインツ・ヴィンクラー氏の元で腕を磨き、自身がハンブルグで経営するレストラン「ポレット」は地中海風のアクセントを加えたダイナミックで独創的な料理で人気を集めています。

ところで、同メニューの機内での提供が予定されているのは、1月と2月。私もチャンスがあれば──と思うのですが、この間にドイツへの出張はいまのところ計画していません。みなさんの中で、もしトライした人がいたら、ぜひ感想などを知らせてくださいね。

S.Akimoto at 10:53|Permalink

2006年10月11日

『TIME』が選ぶアジアNo.1

 
米国『TIME』誌のアジア版が毎年実施している「TIME Readers Travel Choice Award(読者が選ぶ旅行賞)」の06年度結果が、先ごろ発表されました。


今回人気を集めたのは大韓航空です。エアライン関連の3つの評価部門のうち、「ファーストおよびビジネスクラス」と「マイレージプログラム」の両部門で堂々第1位に選出。残る「最も好まれるエアライン」部門でもシンガポール航空に次いで第2位に選ばれました〔写真〕。

ちなみに昨年(05年度)は、固定ファンの多いシンガポール航空が「最も好まれるエアライン」に5年連続で選出されたほか、3部門で1位を独占。大韓航空はいずれも3位〜5位で、シンガポール航空の牙城は当分くずせないのかな──と思っていただけに、すごい躍進ですね。

先日、親しくさせていただいているフリージャーナリストの高沢昭さんより「プライベートでフィジーを旅してきた」と便りが届きました。その旅で利用したのが、大韓航空のソウル経由便だったとか。彼は「機内食のビビンバが本当にうまかった」と感想を添えてくれました。

いまや人気メニューの定番となった「ビビンバ」で大韓航空は“機内食のオスカー”と呼ばれるマーキュリー賞の最優秀賞を受賞したほか、昨年秋からはCAの制服や機体の内装の全面リニューアルを進めるなど企業イメージの刷新に着手。全社をあげてのそうした努力が着々と実を結び、ファンの心をつかみ始めたようですね。

考えてみれば、かつて私が初めてアメリカに渡った際に利用したのも大韓航空でした。大韓航空はその意味でもとても身近で親しみのあるエアラインであり、この勢いでこれからも頑張ってほしいな、と思っています。

S.Akimoto at 10:53|Permalink

2006年08月09日

機内でマッサージはいかが?

 
朝早く自宅を出て、ヨーロッパからの知人を出迎えるために成田空港へ。途中で渋滞につかまり、少し遅れて第1ターミナル北ウィングに入ると、到着ロビーにはすでに知人の姿がありました。思いのほか疲れている様子です。


夜行便はやっぱり身体がしんどいのかな? 同じ時間帯に到着した便がいくつかあるので、ロビーをぐるっと見わたしてみると、たしかにぐったりした顔が多い。ところが1組だけ、スーツ姿の3人連れが妙にさっぱりした顔でスーツケースをころがし、私たちの前を颯爽と横切っていったのです。

その3人がロビーを出ていったあと、私は到着ロビーの案内ボードを見上げ、無意識にこう呟いたらしい。「あの3人組、きっとロンドンからの帰りだな」

なぜそう思うのか? いぶかる知人に、私は笑いながら案内ボードの表示を指差し、推理の根拠を話しました。私が指し示したのは「ヴァージンアトランティック航空」の文字で、やはり同じ時間帯にロンドンからの便が降り立っていたのです。

英国ヴァージンアトランティック航空の独創的なサービスは、業界でも定評があります。その一つが、アッパークラス・スイート(ビジネスクラス)で提供しているマッサージ・サービス〔写真〕。マッサージ機能を備えたビジネスシートを導入するエアラインは昨今では珍しくありませんが、ヴァージンアトランティック航空のそれは“機械”ではなく“人”による本格的なもので、英国の一流サロンで経験を積んだプロの「ビューティセラピスト」がアロマセラピーオイルを使って疲れた身体を入念に解きほぐしてくれます。

聞くところによると、イギリス人というのは世界でも1、2を争う“旅行好き”らしい。パスポートの所有率はじつに成人の約95%に達するとか。エアラインのサービスにも“熟練”を感じるのは、そんな国民性が影響しているのかも知れません。そういえば、世界で初めて機内にフルフラットシートを導入したのも、英国のBA(ブリティッシュ・エアウェイズ)でした。

「だからって、さっきの3人組がロンドンからの帰りだと言ったのは、半分冗談だけどね」と私が笑うと、知人は案内ボードの表示を見上げたまま言いました。「へえ、乗ってみたいな。フライト中に専門家のマッサージを受けられるなんて、ウソみたい。エアラインのサービスも、ずいぶん変わったね」

S.Akimoto at 21:02|Permalink

2006年07月06日

エミレーツの大胆な試み

 
今日は「ケアンズの旅の同窓会」(6.15のブログ参照)第2弾を決行! バリ島の長期取材から帰国したフリージャーナリストの高沢昭さん、クイーンズランド州観光公社日本オフィスのポール・サマーズさん(夫妻で登場!)と早い時間から新宿で飲み始め、福岡から上京中である地元情報誌『アヴァンティ』編集部の清澄由美子さんもあとから駆けつけて、2カ月前のケアンズ取材の思い出話に花を咲かせました。


その中で話題に出た一つが、「時差」のことです。オーストラリアとの時差は日本の「+1時間」、高沢さんが先日まで行っていたバリ島は「−1時間」。「時差がない国への取材は、身体が楽でいいよね」という意見で一致しました。そして話の矛先は、最近“旬”なニュースの多いエミレーツ航空のことに──。

日本から真南に向かう旅とは対照的に、辛いのは経度をいくつもまたいで地球を真横に移動するようなフライトです。ようやく時差に身体が慣れてきたと思ったら、旅行が終わってしまった──みなさんはそんな経験はありませんか? そうした時差ボケ解消のためにユニークな試みを始めたのが、エミレーツ航空なのです。

関空やセントレアとドバイとをノンストップ便で結ぶエミレーツ航空。その機内に足を踏み入れると、特注のパネルと照明設備により、キャビンの天井に満天の星が浮かび上がります〔写真〕。星のきらめくその夜空は、到着地が近づくにつれて徐々に明るさを増し、やがて明け方の時間帯の日が射し込んだような照明に。そして機内には鳥のさえずりが聞こえ始めます。

これは乗客の体内時計を到着時間に合わせることで、時差ボケを最小限にとどめようという業界初の試みです。日本より5時間遅れている時差を実際にどこまで解消できるのか? その効果は人によって違うでしょうが、このエアライン、何よりも発想が大胆でユニークですよね。その大胆さを象徴しているのが、各座席に電動式スライドドアを設け、完全な個室状態に変えてしまうファーストクラス! “空飛ぶ五つ星ホテル”とも呼ばれるこのシートを、私もいつか試してみたいと思っています。

S.Akimoto at 23:58|Permalink
Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら新聞・雑誌、Web媒体などにレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『これだけは知りたい旅客機の疑問100』『ボーイング787まるごと解説』(ソフトバンククリエイティブ/サイエンスアイ新書)や『航空大革命』(角川oneテーマ21新書)など著書多数。

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