オフタイム

2015年01月27日

赤道に近い都市

 
身体が軽〜く感じます。昨年末のパリ取材を終えてから、ウエイトオーバーの解消に取り組んできました。アジアや中東、アフリカ、欧米と海外での仕事が続き、ついついおいしいものを食べ過ぎてしまって。旅の取材では食べることも必須なので仕方がないことですが、そこに極度の運動不足も重なったようです。


でも「身体が軽く感じる」と書いたのは、じつは減量の成果ではありません。軽くなった理由は、昨日から滞在しているマレーシアのクアラルンプールという土地にあります。どういうことか、というと──。

赤道に近いクアラルンプールでは、地球が自転している遠心力で、どの人の体重も平均200グラムほど軽くなります。これ、ウソではありません。自分の体重を正確に測って、その体重と完全に等しい浮力を持つ風船を用意し、それにぶら下がったと仮定しましょう。計算上は体重と風船の浮力がちょうどつり合うはずですが、クアラルンプールでは静止しません。地球の遠心力で、身体が徐々に浮き上がってしまう。つまり、その分だけ身体が軽く感じてもおかしくないのです。

な〜んて、たかが200グラムの差なんて、認識できるわけないか。トイレに一回行けば、それ以上に体重は変動しますから(笑)。クアラルンプールで身体が軽くなった本当の理由は、日本から着てきた重いジャケットやコートを脱ぎ捨てたからです。昨日朝、自宅を出発したときの気温は摂氏3度でしたが、到着したこちらの温度表示は30度。半袖のポロシャツ一枚になったら、心も身体も解放されました。今週はクアラルンプールに滞在して、人に会ったりホテルで書き物をしたり──まあ、仕事はほどほどにして、プライベートな時間もゆっくり楽しみます。

S.Akimoto at 00:54|Permalink

2015年01月09日

羽田神社にて

 
今日は羽田神社に来ました〔写真〕。この界隈に住む子分が「休みなのでつきあいますよ」と言うので、京急の大鳥居駅で待ち合わせて。昨年に引き続き、これから遅〜い初詣でです。


遅い、と言っても、昨年ほどではありません。昨年は1月1日から体調をくずし、入院も含めて3週間寝込んでしまいました。2014年の初めての外出は1月24日──空港で取材があったついでに、この羽田神社まで足を伸ばしてお参りしたのを思い出します。

2015年も今日が初外出ですが、今年は寝込んでいたわけではありません。心身ともに健康で、ピンピンしています。ただ、仕事が忙しくてまったく出かけられませんでした。一番の大物は季刊『航空旅行』の冬号(Vol.12=1月30日発売)の特集「エアバスA380で行く旅」の原稿で、書いたのは計68ページ。巻頭のエミレーツ航空をはじめシンガポール航空大韓航空タイ国際航空のフライトレポートに、ドバイとモーリシャス、ロサンゼルス、パリ、バンコクの旅のエッセイを添えて特集が構成されます。今日の午前中に最後の1本を入稿し、ようやく終わりました。

神社でのお参りを終えて、いまから子分が予約したという蒲田の店に飲みに向かいます。外で飲むのも今年は今日が初めて。酒が回りそうだなあ。ハメを外さないようにしないと。

S.Akimoto at 16:30|Permalink

2014年12月28日

さわやかな敗北

 
今日は中央競馬の1年を締めくくる「第59回・有馬記念」。この日で引退を宣言していた5歳牝馬のジェンティルドンナが、見事なラストランを見せてくれました。1番人気から3番人気のゴールドシップ(3着)、エピファネイア(5着)、ジャスタウェイ(4着)を抑えての圧巻の勝利です。


2着には、3歳牡馬のトゥザワールドが入りました。私の買った馬券は、1着・2着とも的中。しかし残念ながら、3着のゴールドシップは「7枠14番」という外枠を嫌って、買っていません。ジェンティルドンナとトゥザワールドの2頭を固定し、1枠から5枠までの数頭に流して「三連複馬券」を買っていたのですが。

私の買った馬券が当たっていたら、1、2カ月くらいは働かないで済みそうだったのですが、そうはうまくいきません(笑)。今年秋のG1レースでは、菊花賞とエリザベス女王杯を連続で的中させました。神様は「これ以上“当たり馬券”をプレゼントしてしまうと、こいつ本当に働かなくなるゾ」と判断したのでしょう。なので、来年も真面目に執筆活動に取り組むことにします。

ジェンティルドンナには拍手喝采です。歴史に名を残す名馬であることが、今日のグランプリレースで証明されました。馬券は外れたものの、さわやかな敗北感を味わいながら、2014年最後のBlogをいまこうして綴っています。みなさん、今年もBlog『雲の上の書斎から』を訪ねていただきありがとうございました。どうぞ素敵な新年を!

S.Akimoto at 23:53|Permalink

2014年11月30日

インド洋の貴婦人

 
ドバイを朝10時に発つエミレーツ航空EK703便で、モーリシャスに到着しました。空港からクルマで40分ほどの高級リゾート「コンスタンス・ル・プリンス・モーリス」に部屋をとり、週末をのんびり過ごしています。


季刊『航空旅行』の次号(Vol.12=2015年1月末発売)で予定している巻頭特集「エアバスA380で行く旅」の取材が佳境を迎えています。今回のエミレーツ航空はその3社目。ドバイ/成田線で運航していた同社のA380は、羽田線の開設でボーイング777に変更になり、いまは日本からA380に乗ることはできません。では、ドバイからのどの路線でエミレーツ航空のA380を取材しようか? いくつか候補に挙がったなかで最終的に決めたのが、モーリシャス線でした。

アフリカ・マダガスカルの東側に浮かぶモーリシャスは、日本からは遠いため、まだまだ馴染みが薄いかもしれません。しかし、ヨーロッパの人たちには大人気。「インド洋の貴婦人」と呼ばれ、多くの旅行者が訪れます。エミレーツ航空はドバイからモーリシャスへの便を、A380を使ってダブルデイリーで運航。私たちは午前の便を利用し、そのフライトを取材してきました。

モーリシャスを訪れるのは、私にとって今回が初めて。時間がゆっくり流れ、癒されています。ドバイの旅に続き、これからしばらくはfacebookなどでモーリシャスの旅の報告を続けます。

S.Akimoto at 23:03|Permalink

2014年11月24日

“空の歌”は名曲揃い

 
お昼の12時15分からスタートしたNHK・FMラジオの特番『今日は一日“SORAソング”三昧、ヒコーキ・ラジオ/NHK002便』──順調に進行しています。ゲストのココリコ・遠藤章造さんとのトークを終え、入れ替わりにクリス松村さんが登場したところで、私はしばしの休憩に入りました。控室でのんびりしながら、いまこのBlogを書いています。ソラシドエアから借りたパイロットとCAの制服を着ているのは、司会の和田光太郎さんとアシスタントの渕上彩夏さん。


前回のBlogでも書きましたが、2012年9月に『NHK001便』を羽田空港の特設スタジオから公開生放送しました。司会の宮崎放送アナウンサー、和田光太郎さんとは2年ぶりの再会です。『001便』を終えたあと、和田さんは「必ず002便を飛ばしましょう。次は2時間とかではなく、丸一日でもやりたい」と言っていました。まさかそれが実現するなんて──私もびっくりです。

オープニングでかかった曲、バリー・ホワイト&ラヴ・アンリミテッド・オーケストラの『Love's Theme(愛のテーマ)』は、いいですね。JALキャセイパシフィック航空のCMで使われたこの曲を聴くと、海外に憧れていた1970年代当時に引き戻されます。今日のテーマは「SORA ソング」ですが、空をテーマにした曲には名作が少なくありません。番組ではまだまだリクエストを受け付けているようですので、みなさんもぜひ!

このあと、18時50分頃からニュース&天気予報に続いて、番組が再開する19時20分頃から私もまたスタジオに戻ります。22時45分の終了まで、楽しい音楽とともに、くつろぎながら聴いてくださいね。

S.Akimoto at 16:31|Permalink

2014年11月21日

NHK002便

 
明日からまた3連休ですが、今日はその最終日(11月24日)に放送されるラジオ番組の紹介です。NHK・FMラジオでは祝日や日曜を中心に、年に何回か『今日は一日、○○三昧』という特番を組んできました。その「○○」に入るのは、たとえば「アニメソング」「戦後歌謡」「ハードロック」など。毎回、お昼から夜まで延々10時間半にわたって、リスナーからのその日のテーマに合ったリクエスト曲を流し、ゲストとのトークなども交えながら一日をたっぷり堪能してもらおうという番組です。


11月24日(月・祝)にもこの特番が企画されました。今回のテーマは「SORAソング」で、私も「総合解説」という立場で番組をお手伝いします。サブタイトルに「ヒコーキ・ラジオ/NHK002便」とありますが、じつは2012年9月にラジオ第一で羽田空港の特設スタジオから2時間の生特番「ヒコーキ・ラジオ/NHK001便」を放送。その第1回に引き続き司会を務めるNHK宮崎放送局アナウンサーの和田光太郎さんは「あのときも番組開始前から飛行機や空港にちなんだ多くのリクエスト曲が寄せられ、リスナーのみなさんから『早く002便を』という要望が届いていた」と話します。

放送時間は「001便」の5倍以上に拡大し、昼の12時15分から夜10時45分までという長丁場。ヒコーキ好きで知られるクリス松村さんやココリコの遠藤章造さん、スタジオジブリのアニメ映画『紅の豚』で主人公マルコ・パゴットの声を演じた森山周一郎さん、映画『ハッピーフライト』監督・矢口史靖さんなどの多彩なゲストが音楽の合間に入れ替わりで登場します。私のヒコーキ仲間であるマンボミュージシャンのパラダイス山元さんもまた来てくれることになりました。

私の出演はどこで? と思っていたら、番組ディレクターから「秋本さんは総合解説なので、ずっといてもらいます」と言われ、一瞬絶句! とにかく長いので、みなさんにも「ずっと聴いててくださいね」とは言いません。自宅でちょっとくつろいでいる時間とか、クルマを運転する時間などがあったら、ラジオをONにしてみていただければと思います。詳細は番組ホームページでどうぞ。

S.Akimoto at 16:35|Permalink

2014年11月15日

北陸で紅葉狩り

 
仕事で石川県の小松空港に来たついでに、奇岩遊仙境で有名な「那谷寺(なたでら)」まで足を伸ばしました。「北陸の紅葉はいまが見頃だよ」と聞いていたからです。空港からタクシーで30分。あまり天気はよくなかったものの、土曜日のせいか観光客らしき姿もポツリポツリ見かけます。拝観料を払って境内に入ると、なるほど色づいた木々が見事でした。


秋が深まり、最低気温が10度を切るころになると、夜間の寒さで葉の中につくられた糖類の動きがにぶくなります。茎と葉のつけ根に離層という部分ができて、茎に移動できずに葉にたまった糖類がだんだんと赤い色素に。これが紅葉の原理で、葉が鮮やかな色に染まるときの最低気温は5度から6度くらいだと聞きました。南から北上していくサクラ前線とは反対に、最低気温が左右する紅葉前線は北から始まり、南下します。

夏から秋にかけての日照りが十分で、夜の冷え込みが強い年ほど木々の葉はきれいに染まるそうです。今年は9月の気温が例年に比べて低かったので、どうかなと思っていたら、気象庁が「全国的に色づきは昨年よりもやや早め」と発表。見頃の時期も「各地で5日ほど早まる」そうで、紅葉前線のあとは落ち葉が追いかけ、そのあと雪が続きます。

都心部でも、間もなく本番を迎えるでしょうか。今年はちょっと忙しく、これから12月にかけてもまだ取材予定がびっしり。常夏の島や、すでに冬支度を始めたヨーロッパにも飛ばなければなりません。四季の美しい日本にいる間は、できるだけ時間をつくって紅葉を楽しみたいと思います。

S.Akimoto at 15:53|Permalink

2014年09月14日

富士山を望む宿

 
3連休の真っ只中ですね。メキシコ取材から戻り、私もスケジュール表の上では、次の海外取材まで10日ほどぽっかり空きました。月々の5本程度の連載に加え、単発で書かなければならないレポートやエッセイもたまっているのですが、私の仕事は必ずしも書斎にこもっている必要はありません。週末に公開したJALレポート4回連続企画の最終回でも報告したように、最近はそれこそ「雲の上」だってオフィスに変わります。そこで今日は、仕事道具一式をかかえ、クルマを飛ばして静岡県の焼津までやってきました。


中央自動車道を大月JCTで折れて、河口湖方面へ。忍野八海でクルマを止めて一休みし、その後は御殿場を目指します。天気にも恵まれ、山中湖を過ぎてしばらくすると、進行方向右手に富士山が大きく迫ってきました。道中の写真はfacebookにiPhoneからアップしましたので、そちらをご覧ください。

私が生まれ育ったのは東京の下町で、小学生の頃、よく「図工」の時間に校舎の屋上から見える景色を絵に描かされました。思い出すのは、下町の低い家並みの向こうに浮かび上がる富士山を絵に添えている生徒が多かったこと。そのとき、先生が言ったのです。「みんな、もっと大胆に描きなさい。私の故郷である御殿場という街の子どもたちは、大きな、力強い富士山を描くぞ」と。先ほど、雄大な富士山を間近に見て、私たちと御殿場の子どもたちとは、日々見ていた風景がまったく違っていたのだと改めて気づきました。

さて、少し前に焼津の宿に到着しました。予約したのは、露天風呂から遠くに富士山が望めるホテルです〔写真〕。これからゆっくり湯に浸かり、海の幸を楽しんだあとで、部屋で波の音を聞きながら執筆に取りかかろうと思います。え、まるで作家みたいだって? 作家ですよ、私。ヒコーキに乗って遊んでいるだけのオッサンではありません(笑)。みなさんも、どうぞよい休日を!

S.Akimoto at 16:45|Permalink

2014年08月24日

扇風機に興味なし

 
アトランタ&ニューヨークでの珍道中を繰り広げてきた相棒の航空写真家、チャーリィ古庄氏のネタが続きますが、彼は本当にヒコーキ以外の世界に関心を向けません。せっかくヤンキースタジアムに連れていっても、野球への興味はゼロ。だから、ユニフォームを膝近くまでたぐり上げたクラシックスタイルで着こなすイチロー選手を見て「彼だけ半ズボンはかされて、可愛そう」とか、トンチンカンなコメントばかりです。


そんな古庄氏も、いざ目の前にヒコーキが現われると、表情が一変します。翌日のJFK空港でもそうでしたし、アトランタでデルタ航空の本社を訪ねたときには、オフィスの窓際に無造作に飾られていた古い機体のプロペラに彼は食いつきました〔写真〕。近くにいた社員と「これ何の機体ですか? へえ、DC-3。写真撮っていいですか?」などと話し込んでいます。そこでの撮影を終えた彼に、私は「おい、チャーリィ。向こうにも珍しいプロペラがあるよ。かなり小さいけど」と教えました。「え、どこですか。あっち?」と彼は言って、私が指さした方向に飛んでいきます。そしてふくれ面をして戻ってきて、私に言いました。

「扇風機じゃないですか。カンベンしてくださいよ。扇風機のプロペラに、興味ないっすよ」

ごめんね。ちょっといたずらが過ぎたかも(笑)。でも、それだけヒコーキが大好きだから、ギネス世界記録に認定されるまでに至ったのでしょうね。そんな古庄氏と私との対談の動画完全版が先日、誠Styleで公開になりました。楽しい話が盛りだくさんです。興味のある方はこちらからどうぞ。

S.Akimoto at 00:14|Permalink

2014年08月16日

秋の旅プラン

 
今週は友人・知人の多くが、帰省して故郷でのんびり過ごしているようです。いいなあ。羨ましい。私には、お盆に帰省するという習慣がありません。もともと東京の人間だし、下町の私の実家ではお盆は7月に行うため、お墓参りも先月済ませました。なので、書斎で静かに過ごしています。書き物をしたり、秋からの予定を整理したり。


この秋はかなり忙しくなりそうです。来週からの米国取材を皮切りに、多ければ年内にあと10回近く海外に出ることになるかも知れません。海外は決して嫌いではないのですが、さすがにちょっと食傷気味。最近はむしろ、日本にいる時間をとても心地よく思うようになりました。年をとったのかな(笑)。だから、海外取材の合間に、この秋はプライベートで国内の旅に出ることにします。行く先は二つ──島根と佐賀へ。

なぜその二つなのか? 私は高校時代から国内放浪の旅を始め、ライター稼業を始めてからも経済誌の仕事などで若い頃は全国を飛び歩きました。ところが、いま改めて振り返ってみると、全47都道府県のうち2県だけはまだ一度も降り立ったことがありません。その2県が、島根と佐賀なのです。「全国制覇」に向けて、まずは10月あたりに島根へ行ってこようと決めました。

羽田からは出雲へJAL便〔写真はボーイング737-800〕が飛んでいるので、それに乗って、パワースポットとして人気の出雲大社を訪ねてみようと思います。調べてみたら、出雲大社には「縁結びの神様」がいるらしい。じつは、このところずっと書き進めている小説作品が、他の仕事との時間的なからみなどもあって壁にぶつかっています。この秋にはプロジェクトが完結しますようにとお願いしてこようかな。縁結びと言っても、男女の縁だけでなく、出雲大社には“目に見えない良縁”を結んでくれる御利益があるっていうし。私の作品がちゃんと完成して、まだ知らない多くの読者に届いてくれますように──と。

S.Akimoto at 23:55|Permalink

2014年07月13日

わが友、マラドーナ

 
ドイツ対アルゼンチンのサッカーW杯決勝戦は、日本時間で明日の早朝4時にキックオフです。ドイツ関係のたくさんの友人たちに申し訳ないのですが、私はアルゼンチンを応援! そこで今日は、懐かしい写真を引っ張り出してきました。いまから8年前にアルゼンチンの首都ブエノスアイレスで撮った写真です。


同国の人気クラブチーム、ボカ・ジュニアーズのホームスタジアムが下町にあり、そこを視察できると聞いて訪ねました。ボカ・ジュニアーズといえば、かつてあの英雄ディエゴ・マラドーナが活躍したチームだったな。そんなことを思いながら、スタンドに足を踏み入れたときです。何とそこで、マラドーナ本人と遭遇しました。先ほどfacebookに大きなサイズをアップしましたが、これはそのときに撮ってもらった2ショット写真です。

あ、もう気づきました? というのはウソで、私の隣にいるのは地元でも人気者のマラドーナのそっくりさんです。「ココ」の愛称で親しまれ、体形も年齢も笑う仕草も、まさに本物の生き写し。テレビCMや雑誌のグラビアなどで活躍中のタレントさんでした。そこでいっしょに記念撮影をお願いしたのですが、通常は撮影料として30ペソ(当時のレートで約1,000円)を払わなければいけないのだとか。しかし、彼は私に笑顔で言いました。「はるばる地球の裏側から取材に来たのなら、今日は特別タダでいいよ。その代わりオレのこと、日本でもいっぱい宣伝しといてね。雑誌のインタビューだっていつでも受けるよ」と。

帰国してから、実際にどこかのメディアに彼のことを書いた記憶があります。一応、約束ですからね(笑)。それにしてもこの写真、私も若かったなあ。髪形も違うし。ココさん、いまも元気にしているでしょうか。明日はきっとスタジアムにみんなで集まり、大型スクリーンで試合を観戦しながら大声でアルゼンチン代表を応援していると思います。

S.Akimoto at 11:30|Permalink

2014年07月04日

東京ドームにて

 
サッカーW杯は8強が出そろい、居酒屋でも電車の中でも優勝チームの予想で盛り上がっていますが、今日のBlogは日本のプロ野球の話。デルタ航空は今年、球団創設80周年を迎えた読売巨人軍と“サポーティングカンパニー”として契約し、東京ドームの巨人戦ホームゲームでの冠協賛などを実施しています。


同社はハブ拠点の一つであるニューヨークでMLBのヤンキースやメッツなどをオフィシャルエアラインとして支援していますが、米国以外のプロ野球チームのスポンサーとなるのは今回が初めて。これについて日本支社長の森本大氏は「デルタ航空が日本市場を大切にする姿勢を表すものでもあります」と話していました。

さて、本日行われた対中日ドラゴンズ戦もデルタ航空の冠協賛の試合で、航空・旅行ライターの緒方信一郎氏と航空アナリストの鳥海高太朗氏とともにバックネット裏のシートに招待していただきました。巨人軍が公式戦初勝利をあげた1936年7月3日にちなんで開催する「ジャイアンツメモリアルウィークス(7月4日〜6日、11日〜13日)」の初戦であるこの日は、試合前に歴代ユニフォームが披露されるなどイベントも盛りだくさん。始球式では、400勝投手の金田正一氏とミスタージャイアンツの長嶋茂雄氏の1打席対決が実現し、スタンドは大歓声に包まれました〔写真〕。

ところで、白状すると、私は筋金入りのアンチ巨人です。私の左隣に座った鳥海氏は熱狂的な巨人ファンで、彼の声援を「うぜえなあ」と思いながら、周囲の観衆とは正反対の場面でガッツポーズをしたり落胆したり。結果は4対3で中日の負けでしたが、最後に1点差まで追い上げ、見ごたえのあるゲームでした。

S.Akimoto at 23:57|Permalink

2014年06月16日

クラゲと戯れる

 
パラオでの取材日程を最初に見たとき、これだけは本当にイヤだなと思いました。「無数のタコクラゲが生息する湖、ジェリーフィッシュレイクでクラゲたちといっしょに泳ぐ」──そう予定表に書いてあったのです。私は、どうもあのくねくねした生き物が好きになれません。かといって、予定されたアクティビティをパスするわけにもいかず、仕方なくガイドさんに従うことにしました。


ロックアイランドに囲まれた塩水の湖に、水中メガネと足ひれをつけてそっと入ります。怖くて、顔をつけることができません。沖のほうに泳ぎ始めると、感触の悪いふわふわしたものがそこらじゅうで肌に当たってきました。10分ほど進んだあたりで「では、潜ってみましょう」と言われ、水の中へ。そこはまさに、想像を絶する不思議な世界でした。

生息しているクラゲはじつに2,000万匹以上と言います。これだけの数がいては、逃げようがありません。もういいや、何とでもなれ! そう言葉に出して、開き直りました。

ガイドさんは「クラゲは弱い生き物で、足ひれで簡単に傷ついてしまいます。泳ぐときは注意してあげてください」と話していたので、きっとクラゲのほうからこちらに危害を加えることはないでしょう。慣れてくると、恐怖心はだんだんと消え去っていきました。むしろ、無防備に肌に触れてくるクラゲたちに、愛おしささえ覚えます。「クラゲたちの寿命はせいぜい1年ほど」という話を聞いたからでしょうか、彼らとしばらく触れ合っていたいなという気持ちに変わっていました。

S.Akimoto at 00:01|Permalink

2014年06月13日

全身泥パック

 
ロックアイランドをめぐるパラオでの遊び(アクティビティ)の中でも、現地の人たちに「楽しいよ」とすすめられた一つがミルキーウェイでの全身泥パック。美白&保湿効果があることから、女性に人気だといいます。面白そうなので、同行の写真家・中西一朗氏を連れて私も行ってみることにしました。


ホテルの桟橋を船で出発して真っ青な海をがんがん進み、入り江になっているミルキーウェイに到着すると、乳白色の海が現われました。これは「ホワイトクレイ」と呼ばれる石灰質の泥で、どうやらサンゴのかけらが沈殿したものらしい。現地の人がそう教えてくれました。

海底に積もったホワイトクレイをバケツに入れたものをガイドさんから渡され、それを身体に塗っていきます。泥だらけになった背中に、ガイドさんは絵心があるのか、指で何やら絵を描き始めました。facebookにその写真をアップしましたので、興味があればご覧ください。

泥が乾いたら、洗い流してOK──そう言われて、中西氏と二人で頭から海へ飛び込みます。ひんやりした水が妙に心地よく、もう炎天下の船に上がる気になれません。上の写真のようにしばらくお昼寝タイムと決め込みました。待ってもらったガイドさんには申し訳なかったですが(笑)。

S.Akimoto at 00:11|Permalink

2014年06月01日

札幌ラストナイト

 
札幌での休日の最終日は、すすきのにあるお気に入りのジャズバーへ。「ハーフノート」という小ぢんまりした居心地のいい店で、週末のその日はピアノとベース(コントラバス)とドラムスのトリオライブが予定されていました。1回目のステージが始まる21時ごろに顔を出すと店に電話しておいたら、用意されていたのはステージのすぐ横のテーブル! 演奏が直接みぞおちに響いてくるような、まさに特等席です。


IWハーパーの12年もののソーダ割りを飲みながらベテラン奏者3人が奏でるハーモニーに浸り、約50分間の最初のステージが終了したあとで、カウンターで休んでいたベース担当の佐藤人志さんと少し話しました。

「途中で『リクエストが来ている中から』と、1曲応えていましたね」と私。「リクエストは前もって受け付けるんですか?」
「いいえ、そういうわけじゃなく」と佐藤さんは言います。「その場でもかまいません。もし何かお好きな曲がありましたら」
「本当ですか? じゃあ──」

私はスタンダードナンバーから「朝日のようにさわやかに(原題:Softly As In A Morning Sunrise)」と「煙が目にしみる(原題:Smoke Gets In Your Eyes)」という大好きな2曲を挙げ、迷ったあげく「どちらかやりやすいほうを」と伝えました。そして2回目のステージが始まると、幕開けから「朝日のようにさわやかに」のイントロが流れてきたのです。感動しました。しかも1曲目が終わり、続いて2曲目には、こんどは「煙が目にしみる」も!

ステージを終えて楽器の片づけを始めた佐藤さんに「明日東京に帰ります。素敵なラストナイトになりました」と伝えると、彼は「またいつでもお起こしください」と私に手を差し出します。札幌の夜がくれた、最高のプレゼントでした。

S.Akimoto at 14:31|Permalink

2014年05月31日

小樽のひと

 
石油ランプのほんのりした灯りがともるテーブルで小樽ワインの赤を飲みながら、ホールに流れるピアノの生演奏に聴き入っています。曲は「The way we were」──大好きな映画『追憶』のテーマにもなった名作です。20年ぶりに訪れた小樽の街の散策を終え、ひと休みしようと北一硝子3号館にあるカフェ「北一ホール」に来ました。


運河のたたずまいは、20年前と変わっていません。中に入っているショップやレストランなどは新しくなったものの、運河に沿って並ぶ石造りの倉庫も昔のまま。歩いていると、懐かしさが込み上げてきます。

運河沿いの散策路で、私の少し前を30歳くらいの女性が歩いているのに気づきました。肩にキャノンのミラーレス一眼を提げています。あれ、この人──。JR小樽駅から運河に向かう途中に、北海道で最初に敷設された鉄道(手宮線)の線路跡が保存されています。その写真を撮ろうとカメラのファインダーを覗いたとき、フレームに入ってきたのも彼女でした。カメラを手に、レールとレールの間を、同鉄道の明治時代からの歴史を踏みしめるようにして優雅にのんびり歩いています。東京の人でしょうか。一人旅のようです。

そしていま、この北一ホールでワインを飲んでいたら、同じその人が店に入ってきました。小樽は観光地ですし、散策するコースはだいたい決まっているとはいえ、3回目となるとちょっと意識してしまいます。私のこと、気がつくかなあ。そう思ってしばらく見ていましたが、彼女は私と同じ赤ワインのグラスを傾け、ピアノの奏者に目を向けたまま私を振り返ることはありませんでした。

S.Akimoto at 12:14|Permalink

2014年05月27日

鹿児島を起点に

 
ニューヨークから戻り、昨夜は羽田空港のホテルに前泊。今日は鹿児島空港に来ています。朝一番のJAL便に乗って〔写真〕。写真家の倉谷清文氏といっしょで、いまから二人で奄美諸島をめぐる1泊2日の“アイランドホッピング”に飛び立ちます。カウンターで先ほど、本日のフライトのチェックイン手続きも済ませました。


九州本土と奄美諸島を結ぶのは、JALグループの日本エアコミューター(JAC)です。それら短い路線で運航するのは、スウェーデン製のサーブ340B。同社が本部を置く鹿児島を起点に、この小型プロペラ機に乗って、まずは開聞岳を眼下に眺めながら奄美大島を目指します。奄美大島からは喜界島へ、喜界島のあとは再び奄美大島に引き返して、次は徳之島へ。徳之島に着いたら、また奄美大島を経由して、スタート地点に鹿児島に戻ってきます。

いったい何日かけて? いいえ、いま書いた計6回のフライトはすべて初日のスケジュール。つまり、ここまでがわずか1日の旅なのです。乗り継ぎ時間はどれも30分程度しかありません。30分しかないと、1便でも遅れてしまうと乗り継げなくなるのでは? そう不安に思う人もいるかも知れませんが、大丈夫。上記のコースを1機のサーブ340Bが便名を変えながら飛んでいくので、乗り遅れる心配もありません。鹿児島に戻ってきたら今夜は空港近くのホテルに泊まって、明日は沖永良部島や与論島なども目的地に加えて朝から同じようなフライトを繰り返し、福岡から最終のJAL便で羽田へ帰ります。

小型プロペラ機はかなり低い高度を飛ぶので、島の家並みや海面をゆく船などを間近に眺めながら、きっと楽しいフライトになるでしょう。「アイランドホッピング」の名のとおり、島から島へぴょんぴょんと。機窓からの景色も存分に撮影してきたいので、あとは天気がもつことを祈るばかり。行ってきます!

S.Akimoto at 09:31|Permalink

2014年05月24日

マンハッタンの歩き方

 
マンハッタンでお金を使おうと思ったら、いくらあっても足りません。いい気になってカードで払い続けていると、請求が届くころにはかなりマズいことに。けれど、ふところが淋しくても楽しむ方法はあります。それは、ひたすら歩けばいい。地下鉄に乗ればアッいう間に着いてしまう場所でも、歩くことで意外な発見があったりします。

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ただし、体力が必要です。ニューヨーカーたちはとにかく早足で、しかも大股。前だけを見て目的地へ向かってスタスタ軽快に歩くので、周囲に目をやりながらのんびり歩いていると、肩をぶつけて追い越されていく。嫌な顔をされるときもあったりするので、ついついこちらも早足に。流れに乗ろうと努力しているだけで、けっこう疲れます。

そんなサイドウォークも、1日か2日いればすぐに慣れてきます。たとえば赤信号は、歩行者にとっては「注意して進みなさい」という意味。あ、もちろん私が思っているだけで、そんなルールはないですが、道路を横断するのだってここでは個人の責任においてやりたい放題です。適当な目的地を決め、いま立っている場所から信号など気にせず一度も止まらずにたどり着ければ自分の勝ち! この街を制覇した気分になれます。

週末のマンハッタンの散歩を、そんなふうにして楽しんでいます。ヒマだなあ(笑)。


S.Akimoto at 12:21|Permalink

2014年05月22日

オイスター&ジャズ

 
ミッドタウンイーストにある「ザ・ルーズベルト・ホテル」にチェックインした私は、シャワーを使ってリフレッシュし、まずはランチに出向くことにしました。何を食べようか迷った末に向かったのは、ホテルから2ブロック南にあるニューヨークの“玄関口”──グランド・セントラル・ステーション。その駅構内で1913年に創業した老舗の「オイスターバー&レストラン」で、ビールを飲みながら新鮮なシーフードを楽しむことにします。


JALの機内では到着前の2回目の食事をパスしておいたので、さすがにお腹がペコペコ。この店に来るのはかれこれ5年ぶりですが、店内は平日の昼間にもかかわらず相変わらずの大賑わいです。店の陽気なスタッフがすぐにテーブルを用意してくれ、メニューリストの中から「本日のおすすめ」の生牡蠣を何種類かチョイス。ほかに大ぶりの茹でたシュリンプやクラムチャウダーなどをオーダーし、満足のひとときでした〔写真はfacebookにアップしています〕。

その後、夕方までに初日の用事はすべて済ませて、夜は昨日のBlogにも書いた「JAZZ at KITANO」へ。パーク街66番地/38丁目の日系ホテル「ザ・キタノ・ニューヨーク」の1階で営業をつづけるジャズクラブです〔写真〕。地元のニューヨーカーたちからも支持され、2013年には権威あるジャズ専門紙から「ニューヨークで最も優秀なジャズクラブのひとつ」に選ばれました。

ライブが始まる30分前に到着すると、顔なじみのフロアスタッフが「また戻ってきてくれて嬉しいよ」と、予約したテーブルに案内してくれました。店内は、天窓のある高い天井と開放的なスペースを生かしたモダンな造り。その一番奥に、プレーヤーたちがゆったりと演奏できる、客席とバリアフリーのステージが設けられています。マンハッタンでの初日の締めくくりとして、アジアンテイストを取り入れた現代的なアメリカ料理&ワインとともに、深夜までジャズライブを楽しみました。

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2014年05月13日

幼なじみの書家

 
原稿書きに集中するため、都心の某シティホテルに部屋をとって詰めています。その合間をぬって先ほど、日本橋高島屋の8階ホールで開催中の「現代女流書100人展」という書道展に足を運んできました〔写真〕。私と同い年で、下町の幼なじみでもある書家・島村操さんが作品を出展していたからです。


漢字やかな、近代詩文書などのジャンルに分かれて展示されていた中で、島村さんの作品は、いわゆる墨で文字を書く「書」ではありません。彼女の専門は「篆刻(てんこく)」です。私はシロウトなので詳しくありませんが、篆刻とはつまり、書道と彫刻をかけ合わせたようなジャンル。師範である父親の影響で幼少の頃から「書」の道を歩んでいた彼女が篆刻にのめり込んでいったのは、20代の後半でした。上野の居酒屋で飲んでいて、突然「私、篆刻に生きることに決めた」と宣言したのです。

その宣言の前にすでに中国に渡っていたか、あるいは篆刻に興味をもったから中国を目指すようになったのか? 記憶は定かではありませんが、彼女が中国で強い影響を受けたことははっきり覚えています。自身の口から「篆刻は書道芸術のひとつで700年前に中国で起こった」というルーツにまつわる話を何度か聞きました。

先週、久しぶりに彼女と会っていて、ふいに「これ、もうすぐ始まるから来てね」とチケットを渡されました。先ほど慌てて行ってきたのは、5月12日(月)がその最終日だったからです。「最後の日の夕方に顔を出すから、終わったらメシでも行く?」と誘うと、首を振って「無理。だって私、いないもん」と彼女。え、会場に詰めてないの? 開催中は女流書家らしいシックな和装などのいでたちで訪れる人を迎えている──勝手にそんなイメージを思い浮かべていたら、大間違い。いまごろはたぶん、沖縄のビーチで思い切り羽を伸ばしています。まあ、さもありなんという感じ。アーチストというのは、どこか必ず“ぶっ飛んだ”ところがありますから。

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2014年05月04日

鎌倉に恩師を訪ねる

 
連休も後半にさしかかりました。天気予報によると、今日(5月4日)も一日、初夏のようなぽかぽか陽気。午後からは学生時代にとくに仲の良かった数人のグループで、鎌倉にある恩師(教授)の家を訪ねます。グループに沖縄出身者がいて、彼が休暇を利用して那覇から上京するゴールデンウィークの恒例行事になりました。


集まるのは共に航空工学科で学んだ4人で、一人は私と同じ機体の設計を、残る二人は航空でも原動機工学(エンジン)を専攻。しかし私たちが師と仰ぐ教授は「航空」の先生ではありません。「鍛造」と「鋳造」を専門とする機械工学科の先生です。履修科目の中にそれらの実習があって、教授の指導を受けながら金属のかたまりを1,000度くらいで熱してハンマーで叩いて成型したり、どろどろに溶かした金属を砂でかためた型に流して鋳物をつくったり。不真面目にダラダラやっていると、よく教授から「おい、秋本。気合いを入れろ! モノづくりをなめてるんじゃねーぞ」と小言が飛びました。

ちょっとだけ自慢しちゃうと、私は航空のクラスでもトップの成績で学生生活をスタートしました。ですが、自由な校風の中でどんどん悪い遊びを覚えて、次第に勉学に力が入らなくなります。そんな私に、教授は言ったものです。「優秀な成績で入ってきても、最後はペケで出て行く学生が大勢いるんだ。そういう奴を実際に何人もこの目で見てきた。気をつけろよ」と。私はそのつど「いっしょにされたくないね。大きなお世話だい!」と反発したのですが。いまは会うたびに、教授は「な、秋本。おれの言ったとおりだったろ」と言って笑います。

今日もきっと、同じことを言われるのでしょう(笑)。駅に着いたらまず、教授の自宅のすぐ近くにある成福寺という鎌倉でも唯一の浄土真宗のお寺にお参りし、手を合わせていこうかな〔写真〕。教授がいつまでもお元気で、私たち劣等生グループを叱りつづけてくれますように──と。

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2014年03月04日

N700系新幹線の話

 
週末の空いた時間を利用して読んだ本が面白かったので、紹介します。タイトルは──『東海道新幹線/運転席へようこそ』。新潮文庫の書き下ろし企画として今年1月に刊行になりました。元東海道新幹線の運転士であり、現在は旅行をテーマにライター&写真家として活躍するにわあつしさんが書いています。


タイトルからわかるように、本書は読者を新幹線の運転台に招待してくれます。まずは35年前の東京駅から初代0系「ひかり」で出発し、懐かしいエピソードや裏話に耳を傾けながら新大阪駅へ。そして復路は、現在の新大阪駅から最新型のN700系「のぞみ」に乗車し、車両技術の変遷などに思いを馳せながら東京へ戻ります。読んでいて、私もかつて10年以上にわたり新幹線技術を取材してきた当時を思い出しました。

記憶によみがえった一人が、N700系車両の開発で台車と車体傾斜システムを担当したエンジニアのHさん。東海道新幹線はよくフランスやドイツの高速鉄道と「速さ」を比較されますが、もともとまっすぐなレール上を走ればいいように計画された仏独の車両と、起伏やカーブが多く人口が密集するエリアを走らなければならない日本の新幹線とは設計条件の過酷さが明らかに違います。Hさんらのチームは、従来はカーブで減速を余儀なくされていた車両の「速度向上」に挑みました。そのベースとなったのが、台車に採用した車体傾斜システムです。速度制限のかかるカーブで、車体がいまどういう高さでどんな状態にあるかを台車に設置したセンサが検知。精密な空気バネを連動させ、乗客にはカーブを通過していることをまったく感じさせない角度に車体を自動的に傾斜させる仕組みを完成させました。N700系車両の投入により、東京/大阪間の所要時間は短縮されてダイヤの過密化が実現したほか、従来型車両に比べて乗り心地も格段に向上しています。

説明が長くなりました。上記はほんの一例で、日本の新幹線には世界に誇る最先端テクノロジーがいろいろ詰まっています。その一つひとつを、約10年かけて取材した当時がとても懐かしい。『運転席へようこそ』を読み終えて、また鉄道技術の現場にも足を運びたくなりました。

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2014年02月08日

雪国の旅

 
今朝、遅めの時間に起床してベランダに出ると──外は天気予報で言っていたとおりの雪景色。午後から夜にかけて風雪はますます強まるそうで、お天気キャスターは「不要な外出は極力避けて」と呼びかけていました。でも、雪景色ってなぜか旅情を誘います。最近はなかなかチャンスがありませんが、若い頃は好んで「冬の旅」に出かけました。雪に覆われた地方の民宿を訪ねて、熱いお風呂につかり、地元の食材を使ったごはんをいただきながら宿の人の話を聞く。そんな旅も、なかなか楽しいものです。


北海道の日高地方を旅したときです。窓の外で降りつづく雪を見ながら、民宿のおかみさんが「雪のことをアイヌ語で“ウバシ”というんだ」と教えてくれました。ウは「互いに」の意味で、バシは「走る」──つまり、お互いに走る。小さい雪は速く、大きい雪はふわふわと落ちてくる様子が、あたかも競争しているように見えるからなのでしょう。美しい表現だな、と思いました。

奥飛騨を真冬に訪ねたときは、白川村の合掌集落で、やはり泊まった宿のご主人が降る雪の量とかやぶきの強さの関係を話してくれました。村を歩いてみると、合掌づくりのかやぶき屋根の厚みに驚きます〔写真〕。「このあたりの年間降雪量は延べ20メートル。ふきたてのかやはな、冬場に屋根に積もる雪の強さによって、はじめて固く締まるのよ」とご主人は言いました。「雪で固く締まるうえに、下からはいろりの煙でいぶしつづける。だからかやぶきは100年も長持ちするのさ」。じゃあ、合掌づくりは雪国の外に移転してもだめなの? 私のそんな質問に、ご主人は「新しく屋根をふいたところで、10年ももたないだろうな」と首を振っていたのを思い出します。

ああ、また旅に出たいなあ。窓の外の雪景色をみながら、そんな気持ちがわきあがってきます。今年は海外へ出る回数を少し減らそうと決めたので、そのぶんのんびり国内旅行でもするかなあ。

S.Akimoto at 12:10|Permalink

2014年01月24日

遅い初詣で

 
ようやく復帰です! 元日から3週間も寝込んでしまいました。昨年後半から続いた無理が「過労」という形で噴出し、いくつかの病気を併発。体力が落ち切っているところにインフルエンザ・ウイルスが侵入し、高熱が収まらず救急車で病院送りになりました。退院してからもまた別の病気を発症して寝たり起きたりを繰り返していましたが──でも、もう大丈夫です。今週から2014年の活動を開始しました。


昨日(23日・木曜日)は午後から羽田空港でANAの747機長への取材があったので、早めに出かけて京急・大鳥居駅から5分ほどのところにある羽田神社へ。遅ればせながら、今年の初詣でをしてきました。

羽田神社は羽田地区の氏神様ですが、年間を通して空の安全を願う航空関係者の参拝も絶えません。パイロットやキャビンアテンダントの仕事を夢見る人たちも訪れ、境内には合格祈願の絵馬がたくさん奉納されていました。また文久元年(1861年)に天然痘が流行した際、当時の将軍・徳川家定がここ羽田神社に参詣して病気を沈めたということも伝えられ、健康回復を願う参拝者も多いと聞きます。私も改めて「1年間の健康」を祈願し、そして帰り際には、ご覧の「航空・旅行安全お守り」を買ってきました。

寝込んでいた3週間に、みなさんから温かいメールやメッセージをたくさんいただきました。Blogがいっこうに再開されないことを心配して、海外からわざわざ電話をくれた友人もいます。本当にありがとうございました。来週からはまたフル稼働ですが、しっかりと体調管理につとめ、やるべきことに全力で取り組んでいきたいと思います。夜の外出は当分控えますので、会って話そうよ──と言う方は、ぜひランチでもお誘いくださいませ。

S.Akimoto at 00:01|Permalink

2013年12月27日

1年の終わりに

 
仕事で、プライベートで、毎年必ず1回か2回は訪れるニューヨーク。今年は季刊『航空旅行』の取材で、9月に飛びました〔写真=ニューヨーク市立図書館の前で〕。そして年末のこの時期になると、現地に暮らす友人からこんな連絡が届きます──「1年間のイヤな出来事や思い出を紙に書き出して、FAXで送るように」と。


私の大好きなイベントが、今年もタイムズスクエアで現地時間の明日(12月28日)正午から開催されます。イベントの名称は「グッド・リダンス・デー(Good Riddance Day)」。英語の「Good Riddance」は「いなくなってせいぜいだ」「いい厄介払いができた」といった意味です。これは「今年1年の辛かったことなどを紙に書いてシュレッダーで粉砕してしまおう!」というとてもユニークな企画で、以前にもたしかどこかで紹介しました。年の瀬にNYに飛ぶという機会はなかなかないので、友人が「FAXで届けてくれればまとめて悪い記憶を消してきてやるよ」と毎年、親切に言ってくれるのです。

いま、A4版の真っ白な紙にいくつか書き出しています。2013年もいろいろありました。友人はアメリカ人なので、もちろん日本語は読めません。なので、正直にさらけ出していますが、もし彼が日本語がわかる誰かに見せたりしたらちょっと恥ずかしいかな(笑)。

タイムズスクエアでは巨大なシュレッダーがトラックで運ばれ、集まった大勢の前で「最悪の出来事」や「イヤな思い出」が木端微塵にされるそうです。大きな失敗、高額な督促状、別れた恋人や意地悪な上司の顔、赤点の答案用紙、不採用の通知──きっといろんな記憶が粉砕されるに違いありません。見ているだけでスカッとし、フレッシュな気持ちで新しい年を迎えられるのでしょう。もちろんNYまで行かなくても、日本で自分でシュレッダーにかけても同じ気分が味わえるはず。1年のけじめとしても、おすすめです。

みなさんも、どうぞよい新年をお迎えください。今年も1年、ありがとうございました。

S.Akimoto at 07:18|Permalink

2013年12月21日

“円安”の笑い泣き

 
このBlogでも報告しましたが、今年は秋以降、海外取材の合間に国内の旅に時間をとるよう心がけました。「日本再発見」というと大げさになりますが、自分のお膝元もきちんと見ておかないと、という思いからです。9月には木曽へ、11月には京都へ、そして今週は博多へ。いずれも短い日程ですが、それぞれの旅を満喫しました。


そしてどの観光地へ行っても気づくのが、外国人の多さです。海外からこんなにたくさんの人が日本を訪れているんだ──と実感しました。とくに多いのがアジアからの観光客で、やはり円安が進んで旅行が割安になったことや、観光ビザ(査証)の発給要件の緩和などが大きく影響しているのでしょう。

国土交通省は昨日、2013年に日本を訪れた外国人旅行者が初めて1,000万人を超えたと発表しました。政府は03年に「観光立国」を掲げ、2010年を目標としていた「1,000万人」をようやく3年遅れで実現。この勢いを続けて「2030年に3,000万人」を新たな目標として掲げています。

一方で、年に20回近く海外に出る私たちには、円安はきついなあというのが正直な思いです。9月に3回の北米取材があり、その後はイタリア、オーストリア、フランスと欧州取材が続きました〔写真はヴェネツィア・サンマルコ広場のカフェにて〕。少し前まで1ユーロ100円程度だったのが、現在は1ユーロ140円。渡航先で遊び歩いていると、お金がどんどん出ていきます。まあ、使わなければいいだけの話なので、自業自得ではあるのですが。予定していた取材を終えると、同行に写真家に「よし、遊びに行くぞ!」と言って街の繁華街へすっ飛んで行く──そういう性格を、来年から少しは改めようかな。無理だろうな。

S.Akimoto at 18:54|Permalink

2013年12月16日

久しぶりの博多

 
来年から始まる旅の連載コラムのリサーチがあって、久しぶりに博多に来ました。行きの便の機窓から撮った写真をいまfacebookにアップしましたが、今日は天気もよくて、上空からの見晴らしも抜群。前から2列目の窓側席でのんびり八ケ岳を見下ろしながらのフライトに、ちょっぴり癒された気分です。


あ、でも飛行機代はケチりました。写真に写っている主翼のカラーで、見る人が見るとわかると思うので、先に言います。福岡へは、成田からのジェットスター・ジャパン便を利用。安いに越したことはありませんから。ただ、エアアジア・ジャパンの撤退後は、思ったよりも安くないなあというのが正直な感想です。そういう意味でも、やっぱり必要ですね──ライバル同士の競争は。

飛行機代をケチった分、ホテルは奮発しました。ご覧の部屋、ツインのベッドと応接スペースが分かれていて、かなり広い。しかも、部屋は最上階にとってもらったので、博多の街が一望できます。以前は、いいホテルをとってもほとんど寝に帰るだけでもったいなかったのですが、最近はできるだけ部屋で過ごそうという気持ちになりました。大人になったのかな(笑)。

夕方からは旅コラム執筆のためのリサーチに繰り出しますが、あとは部屋で書き物をしたり、来年以降に発表する作品の構想を練ったり。この1カ月で3件も続いた欧州取材の疲れを取り除きながら、ほんわか過ごそうと思います。このあと、年末にかけてはまだまだ忙しいので、復路はANA便で羽田へ戻ります。

S.Akimoto at 15:32|Permalink

2013年11月09日

京都散策

 
昨日は大阪市内で開催された関西空港調査会の定例会で「LCCの現状と今後の展望」をテーマに講演し、その後は京都へ移動。旧友と久しぶりに会い、隠れ家的なしゃれた居酒屋で夜遅くまで酒を酌み交わしました。そして一夜明けた今日は、朝からいい天気なので、カメラを持って京の街を散策しています。


寺だけで1,700もが市内に点在する京都を、誰かが「世界最大の歴史ミュージアム」と言っていましたが、本当にそう。通りを歩けば世界遺産の塔に出会い、バスに乗れば桃山時代の楼門が窓の外を流れていきます。方丈から眺める庭園に、ハードな日々が続いてたまっていた疲れもすっかり癒されました。

ご覧の写真は、金閣寺です。言わなくてもわかると思いますが。一度は放火で全焼したものの、昭和30年に復元再建され、昭和62年には金箔がすべて張り替えられました。そのときに使用された金箔は20万枚で、かかった費用は7億2,000万円。──あ、これ、観光ガイドさんの受け売りです。外国人のグループに英語で説明していたのを、横で盗み聞きしました(笑)。たぶん、そんなことを言っていたと思います。

その金閣寺の近くの茶店でWi-Fi電波を借りて、いま休憩がてらこの文章を書きはじめました。このあとは銀閣寺と清水寺を駆け足でまわって、東京へ向かう新幹線に乗ります。帰って荷造りをして、明日からはイタリア取材。ローマとヴェネツィア──ふたつの街から、また報告する予定です。

S.Akimoto at 13:31|Permalink

2013年09月20日

月の魔力

 
日付けは変わってしまいましたが、今夜(9月19日)は「中秋の名月」でした。旧暦の8月15日は一般に「十五夜」の日として知られています。一昨年は9月12日が、昨年は9月30日が中秋の名月でしたが、実際はこの日に満月になるとは限りません。29.5日ごとに地球をひと回りする楕円軌道などの関係で、満月の日が旧暦8月15日の前後にずれることがあるからです。


しかし、今年はまさに旧暦8月15日──つまり今夜が、真ん丸の満月。午後8時13分にその瞬間を迎えました。ちなみに満月の時刻は、全国どこでも同じです。九州から東北にかけて今日は高気圧にすっぽり覆われたので、月見を楽しんだ人も多いでしょう。もっとも、満月の日は忙しくてそれどころじゃない、という職業の人もいるようですが。その一つが漁師で、もう一つが消防士。何年か前にニューヨークにいたときに、現地の新聞で「満月」に関する漁師と消防士の記事を読みました。

最初は、マイアミの港では大勢の漁師たちが満月を狙ってエビ漁に出るという話。魚は月の引力による潮のみちひきで代謝活動が盛んになり、たくさんのエネルギーを燃焼させて腹をすかせます。とくに満月の夜はふだんの何倍も餌に食いつき、ひと晩で大量のエビが捕れると記事にありました。次はニューヨークの火事の話で、市の火災調査局の調べによると、満月の夜は放火事件がいつもの2倍に増えるそうです。人間の身体は80%が水分で、地球の海と同じように月の引力の影響を受けていると考えられています。満月の日は体内の液体バランスがくずれて、精神状態が危うくなり、情緒不安定に。サンフランシスコでは金門橋からの投身自殺を調べたら、その多くが満月の夜に起きている事実が判明したそうです。

月の魔力って、何だか不思議。そんなことを考えながら、私は月が真ん丸になる夜の8時過ぎにはベランダに出て空を眺め、いたって平穏にだんごを食べていました。

S.Akimoto at 00:01|Permalink

2013年09月17日

木曽路

 
台風接近のニュースを聞いて迷ったものの、思い切って出かけてよかったなと思っています。コロラド、ホノルルと続いたアメリカ取材をひとまず終えて先週末に帰国。来週からまた海外に飛ぶため、行くならこのチャンスしかありません。久しぶりのプライベートな国内旅行です。15日(日)は未明から土砂降り状態でしたが、支度して朝6時にクルマを出し、長野県の木曽を目指しました。


木曽路は、学生時代に歩いた思い出があります。私は理科系だったため、履修科目の中心は数学・物理や流体力学、材料力学などの工学系でしたが、なかには「文学」といった授業もあってかなり力を入れて取り組みました。一人ひとりが古典文学のテーマを決めて調査・研究し、発表を行うというユニークな内容だったからです。

そのテーマに私が選んだのが、木曽を舞台にした島崎藤村の『夜明け前』でした。文庫で1部、2部ともに上下刊の全4冊という大作で、それを読破して以来、いつかは自分の足で歩いてみたいと思っていた山あいの旧中山道。「木曽路はすべて山の中にある」という冒頭の文章そのままの景色の中、馬籠宿から妻籠宿までの9キロほどの道を、小説のモデルとなった藤村の父親が生きた時代に思いを馳せながら踏みしめたことを思い出します。

今回の旅で、当時の記憶がそのまま脳裏によみがえりました。先ほどfacebookに写真をアップしましたが、妻籠宿で訪ねた一つが、学生時代に泊まった宿「松代屋」です。外観も風情も、すべてがあの頃のまま。襖で仕切られただけの殺風景な部屋をあてがわれ、共同の風呂場は当時、ただ湯に浸かるだけで石鹸もシャンプーもいっさい使用禁止でした。いまはどうなのでしょう? 部屋にテレビも時計もないことに驚いていた私に、おかみさんが言った「長い生涯の一日か二日くらいは退屈を味わってみるのもいいもんよ」という言葉──いまも忘れません。

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2013年08月10日

カヤ・トースト

 
シンガポール出張から戻った友人が、瓶詰めのカヤジャムを土産に買ってきてくれました。かりかりに焼いた薄切りトーストにこのカヤジャムを塗った“カヤ・トースト”が、シンガポールでは朝食の定番です。今朝、少し時間があったので、私もつくってみました。


カヤジャムはココナッツミルクと卵、白砂糖が主な原料で、加熱しながら練り、タコヤシの葉でうっすらと色と香りをつけたペーストです。これを、焼いて焦げ目をつけた10センチ四方くらいの薄切りトーストに塗り、何層にも重ねたものがカヤ・トースト。食べ始めるとちょっとクセになって、止まりません。シンガポールの朝の食卓では、このカヤ・トーストを、かなり軟らかめの半熟卵と練乳入りの甘いコーヒーといっしょに食べます。私は甘いコーヒーが苦手なので、いつものモカコーヒーと合わせていただきました。

世間では、今日からお盆休みに入ったようです。外の空気も、いつもの土曜日に比べて何となく静か。各地の空港はいまごろ、帰省や出国のラッシュで賑わっているでしょう

でも、フリーの私にお盆休みはありません。のんびり朝食をとったあとは、さて、仕事仕事──。

S.Akimoto at 08:12|Permalink

2013年07月29日

あ丶上野駅

 
夏祭りの最終日だった昨日、私が焼きそば作りの鉄板の準備を始めたころ、東京の下町ではちょっとしたイベントが開催されたようです。そのイベントとは、JR上野駅の開業130周年を祝う記念行事。帰宅してテレビをつけたら、夜のニュース番組でJR東日本の東京支社長が「人生の節目を上野駅からスタートした人も多い」と集まった人たちの前であいさつする様子が映し出されていました。


かつて歌手の井沢八郎さんが、東北から集団就職で上京した若者たちの心情を「あ丶上野駅」という曲に乗せて歌い、人々の共感を呼びました。この「あ丶上野駅」のメロディが昨日から、寝台特急カシオペアなどが発着する13番ホームの発車ベルになっています。私も今日、夕方からその上野駅へ。駅構内では、130年の歴史を振り返る写真展も開催されていました(8月31日まで)。

日本の高度成長期を支えた70代、80代の東北出身の人たちにとって、上野は悲喜こもごもの思い出がつまった集団就職列車の終着駅です。私は彼らの年代よりはずっと下ですが、下町で生まれ育ったので、上野駅は幼少のときから身近な場所でした。やんちゃな仲間とつるんで遊びに繰り出す繁華街といえば上野か浅草でしたし、高校2年の夏休みに人生初の「放浪の旅」に出たのもやはり上野駅からです。線路が行き止まりになった終着駅型のホームから乗り込んだ夜行列車。見送りに来ていた当時の彼女に手を振り、目頭を熱くしながら、東北から北海道への1カ月におよぶ無計画な旅を始めた日のことをいまでも忘れません。

上野駅にいまも残るかつての懐かしい雰囲気と、周辺の雑然とした街並みが私は好きです。今日も駅のすぐ近くのロティサリーチキンがおいしい店で、夕方から親しい新聞記者や編集者、ライターなどを集めての飲み会でした。私が会を仕切るときは、上野とか浅草とかの下町開催がどうしても多くなります。

S.Akimoto at 23:45|Permalink

2013年07月17日

マイ・タンブラー

 
毎朝4時30分にラジオのタイマーが作動し、聞き慣れたFENの早口英語で目を覚ますと、まずは昼過ぎまでの執筆時間中に飲む3、4杯分のコーヒーをポットに落とします。豆は何種類か用意してあって、その日の気分でチョイス。今朝は“モカ”を選びました。やや酸味のあるモカは、私の一番好きなコーヒーのひとつです。


書かなければならない原稿がたまり、午後も執筆作業を続ける場合は、豆を変えて気分転換。バニラ味のハワイ・コナコーヒーなどは最高です。でもコナコーヒーはちょっと高いので、年中というわけにはいきません。最近は出かけたついでに、カフェでコーヒーを注文し、そこで仕事をするというケースも増えました。カフェといっても、高級店ではなく、スタバとかが圧倒的に多いですが。

そんなわけで、日々のコーヒー代がけっこうばかになりません。デルタ航空の取材で先月、羽田から米国シアトルに飛んだときに、産経新聞デジタルに寄稿した連載コラムでシアトルっ子たちが持ち歩く“マイ・タンブラー”について書きました。カフェで出会った日本人留学生が自分のタンブラーを持参し、コーヒー代を値引きしてもらっていたという話です。日本でも大きなチェーン店だと、タンブラーを持っていくと20円とか30円の値引きがあるそうなので、私も常に自前のを携帯しようかな──なんて考えました。そうしたらタイミングよく、デルタ航空の広報からご覧のタンブラーが届いたのです。

デルタ航空では、シアトル生まれのカフェチェーン「シアトルズベスト」と提携し、機内で同社のオリジナルコーヒーを楽しむことができます。送ってくれたタンブラーは、そのコラボ企画を記念してつくったものだとか。ちょうどいい、これをいつもバッグに入れておこう! そう考えてから、ふと「待てよ!」と思いました。私が行くのはスタバが多いので、ライバル店のタンブラーはさすがにまずい? でもコーヒーは買うわけだから、別に問題ないか。きっと嫌な顔もされないと思うけど──どうでしょうか? こんど、やってみよう。

S.Akimoto at 17:06|Permalink

2012年12月08日

聖夜コンサート

 
早朝からの執筆が連日、続いています。まだ暗い時間に起き出して1日分のコーヒーを落とし、書斎での作業をスタート。通常は午後の早い時間に書き物を切り上げ、それから取材や打ち合せに出ますが、昨日は17時過ぎまで原稿書きを進めたあと西新宿の東京オペラシティへ向かいました。フリージャーナリストのYさんと待ち合わせ、クリスマスコンサートに出かけるためです。


Yさんからお誘いいただいたのは、ドレスデン聖十字架教会合唱団によるコンサート(ドイツ大使館後援)でした。この聖歌隊はバッハ、ウェーバー、ワーグナーらが活躍した音楽の都ドレスデンを発祥に800年の歴史を誇る名門です。透明感あふれる少年たちのコーラスは天上的な美しさを放ち、パイプオルガンによる聖夜の調べは荘厳そのもの。10月、11月と海外取材が続き、その後も忙事に追われて心身にたまった疲労がすっかり洗い流されました。

クリスマス気分にはちょっと早いかな、と思いながら出かけたのですが、都心はもう年末ムード一色。コンサートが終わった21時過ぎから、東京オペラシティに近い初台駅の駅前でYさんと食事を兼ねて軽く飲みました。新宿駅周辺の店は、昨夜はどこも忘年会のグループでいっぱいだったようです。みんなで集まって一時だけでも仕事や日常を忘れ、週明けからまた忙しい年の瀬に向かっていこうとしているのでしょうか。

さあ、私もまた、今日からエンジンを全開にして取り組まないと。みなさんも、よい週末を!

S.Akimoto at 12:24|Permalink

2012年11月12日

来年行きの列車

 
原稿書きが、いま終わりました。で、ふと気がつくと11月ももう半ば。11月とか12月は、ほかの月よりも時の経つのが速く感じるのはなぜだろう。年末はきっと、普段よりも忙しいから? うん、そうに違いない。仕事でも遊びでも、夢中になって取り組んでいると時の経つのを忘れますから。反対にヒマを持てあましているときの時間は、いつだって長く感じます。


これ、物理的時間に対して「心理的時間」というそうです。あ、でも「もういくつ寝ると、お正月──」と数えた子どものころは、同じ12月でもずいぶん長かったなあ。待っている時間は長い、というのも一つの法則なのでしょう。正月でも、恋人でも。

10年という区切りで考えてみます。小学生や中学生のときは、10年が無限に近い年月に思えました。ところが20代の10年はアッという間で、それ以降は加速度がつくばかり。最近の10年はまさに超特急のごとく過ぎてゆきます。

今日の昼間、郵便局へ行ったら、もう2013年の年賀はがきを売り出していました。せかせかと「来年」行きの特急列車に乗り込まされるようで、ちょっといやな感じです。来週以降、また数件の海外取材が控えているし、自分をしっかり持って取り組まないと。乗るなら特急ではなく、やっぱり地に足のついた鈍行列車がいい。上の写真は、年明けの2013年1月に取材予定のある有名な登山列車です。どの国の何という鉄道か、この写真でわかりますか?

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2012年10月28日

芋煮レシピ

 
里芋は水洗いして食べやすい大きさに切っておき、こんにゃくは手でちぎって一口大のサイズに、そしてネギは斜めに角度をつけてぶつ切り状態に。下準備ができたら大鍋に水を張って火にかけ、牛肉は別の鍋でさっと炒めて醤油と日本酒で下味をつけておきます。鍋に里芋とこんにゃくを入れて沸騰させ、灰汁をこまめに取り除きながら柔らかくなるまでコトコトと。適当なタイミングで下味をつけた牛肉を混ぜて、醤油と日本酒(またはミリン)と砂糖で味を調整し、最後にネギを大量に加えてひと煮立ちさせて出来上がり──。


秋もだいぶ深まってきました。毎年10月の最後の日曜日は、地元の仲間を集めての恒例・秋の芋煮会。いつもどおり、私が40〜50人前の芋煮を大鍋で作ります。今日のBlogは冒頭で、そのレシピを披露してみました。

あいにくの空模様で、予約しておいた市民公園内のバーベキュー広場はキャンセルし、急きょ会場を地域のコミュニティセンターに変更。この天気でどうかなと思いながら中庭で火を起こし始めたら、例年同様にたくさんの参加者が集まり、地元の酒屋からは生ビールのサーバーも届いて賑やかな会になりました。

東北地方に伝わるこの芋煮は、地域によって味付けや入れる具材などが違ってきます。中心は山形ですが、同じ山形県でも庄内地方では牛肉が豚肉に代わって味噌仕立てになったり、隣の仙台ではさらに“豚汁”色が強まったり。そんな中で、私は元祖・山形の味を守り続けてきました(といっても、別に山形県人ではありません)。具材も里芋と牛肉とこんにゃくとネギだけという、とてもシンプルなもの。最後にネギといっしょにしめじを入れる──という工夫を加えていますが、山形の人に「それくらいなら元祖のレシピには反しない」と言われました(笑)。

どんな料理でも「大量に作る」というのは、おいしくする秘訣なのでしょう。「もう1杯いいですか?」と、器を差し出してくれる参加者も少なくありません。鍋の中の具材がほとんどなくなったところで、余った出汁にお湯を足し、カレー粉と麺を入れて最後は特性カレーうどんで締めます。恒例の秋の一日が、こうして今年も無事に終わりました。

S.Akimoto at 18:07|Permalink

2012年10月19日

博多の週末

 
更新が1カ月半ほど滞っていた誠Styleの連載『“飛行機と空と旅”の話』の原稿を3本まとめて書き上げ、イメージ画像を添えて編集部に送信してから、急いで支度をして成田へ。エアアジア・ジャパンを使って、福岡に来ました。


利用した福岡行きJW8543便の出発は、11時40分。出かける前にWebでチェックインを済ませ、成田空港第2ターミナルには1時間前に到着しました。プリントアウトしてきた搭乗券を提示して手荷物検査を通り、沖止めされたエアバスA320へは搭乗ゲートから連絡バスで移動します。今日の日本列島は、全国的にさわやかな秋晴れ。予約しておいた7列目のF席(進行方向右手の窓側席)で、京都や岡山、広島、下関などの景色を眺めながらのんびりフライトを楽しみました〔写真は2号機到着時に成田で取材・撮影〕。

滑走路1本で運営されている福岡空港は近年、混雑が目立ちます。大手の基幹路線のほか、フジドリームエアラインズ日本エアコミューターIBEXエアラインズ天草エアライン、またエアアジア・ジャパンも含めて日本のLCCも3社が就航。アジアからの国際線乗り入れも少なくありません。パイロットたちは「時間帯によっては上空で待機を命じられ、なかなか降ろしてもらえない」と嘆きます。それだけにこの空港は、航空写真の愛好家にとっては人気が高い。「飛行機が近いので、手が届くような魅力がありますね」と私の知人も言うように、うまい時間に行くと次々に降りてくるいろんな飛行機を撮影できます。

私は先ほど、博多駅に近いホテルにチェックインしました。今日は福岡を中心に九州に在住の航空ファンたちが何人か集まってくれるそうで、交流会を持つことになっています。そのリーダー格の方からは「博多といえばやっぱり屋台です。すごく評判のいい屋台に予約を入れておきました」と連絡をもらいました。これから出かけ、人に会う用事を済ませてから、みなさんと合流します。うぅ──久しぶりの、博多の夜!

S.Akimoto at 15:59|Permalink

2012年08月17日

一番星が見える時間

 
急な用事で昨日、岡山まで行ってきました。帰りは東京に着くのが黄昏どきの時間帯だったので、久しぶりに都会の夜景を楽しもうと前方席のちょっとだけ高いクラスを予約。主翼より後方だと、エンジンの排気で景色がクリアに見えないケースがあるからです。


空から夜景を眺める場合は、私は一番星が見え始める時間帯を狙います。南風が少し強めに吹く頃合いがベストで、その直前に雨が降って大気が澄んでいれば、チャンスもさらに増すでしょう。シートは、右の窓側席を選びました。これで準備は万端。あとは条件が揃えば、お台場や東京タワーのネオンの背後に丹沢や奥多摩の稜線が広がり、赤く染まる空に富士山が浮かび上がります。

とはいえ、風の向きまではななかな予測できません。北風だと川崎側からのアプローチになり、景色が変わってしまいます。ですが東京では、夏場は南風が吹くことが多く、昨日もまずまずのパノラマを楽しむことができました。

眼下にきらめく都会のネオンを機内から楽しむ──国内の移動はそれを目的に、わざわざ夜間フライトを選ぶことが私は少なくありません。夜景の美しさに定評のあるスポットは世界に存在しますが、東京の夜景はいつ見てもダイナミックでいい。私は好きです。

S.Akimoto at 10:41|Permalink

2012年08月14日

おニューのiMac

 
私の書斎に、iMacがやってきました〔写真〕。ピカピカのおニューです。といっても、嬉しくて書いているわけではありません。むしろ「なぜこんな時期に……」と、嘆いています。だって新しいマシンを購入したのは、いままで使っていたPCが突然動かなくなってしまったから。


まあ、壊れるのはいつだって「突然」です。以前愛用していた一つ前のモデルのiMacが、2010年春に『ボーイング777機長まるごと体験』(サイエンス・アイ新書)を書き終えたときに、やはり突然機能しなくなりました。その次の仕事も控えていたので、それまで持ち運び用のサブマシンとして使っていたMacBookをメインとサブの兼用に。それから2年間、書斎でも海外の取材先でも酷使し、ついにそのMacBookも音を上げてしまったようです。暑い日が続くなか、プツッと音がして、熱中症でも起こしたように動かなくなりました。

で、急きょ最新のiMacを注文。届いたマシンのセッティングと「わたし用」のカスタマイズを終え、さっそく酷使しています。壊れたMacBookは、パネルを外して接触の悪い箇所を直したりして応急処置をしたら、何とかまた生き返りました。でも、その動き方がどうも心許ない。「これだけ働いたのだから、あとはゆっくりさせてよ」と訴えているようです(笑)。

この先、これを海外の取材先に持っていくわけには、もういかない感じです。かといってPCは、物書きにとってかつての万年筆やタイプライターと同じ必須の道具。やっぱりサブマシンも早めに新調しておかないと、ダメかなあ。買い物って、めんどくさい。

S.Akimoto at 23:22|Permalink

2012年08月08日

パスポート増補

 
まだ大丈夫かなと思っていたら、いつの間にか空きスペースがあと3ページだけに。このままではパスポートが機能しなくなります。数えてみたら、今月から秋にかけて10カ国くらいで取材があるので、どう考えても足りません。午後から慌ててパスポートセンターに増補手続きに行ってきました。


パスポート上で過去の渡航歴を振り返ってみます。ああ、こんな国にも行ったよなあと懐かしく思い出しながら。ユニークなのは、国や人によって入国スタンプの押し方もいろいろなこと。すき間をつくらないよう隅から順番にスタンプを押してくれる人もいれば、まだ余白があるページを無視して、まっさらなページのど真ん中にいきなり押してくる奴も! おれ、何か気にくわないことしましたかね──と聞きたいくらい。

そのあとでドイツに行ったとき、イミグレーションで審査官がそのスタンプを見て「こいつ、性格悪いなあ」と笑っていました。どこの国だったかは、ここでは書きません。書くと、こんどその国に入るときにまた意地悪されるのがイヤなので(笑)。

でもでも、これでひと安心です。まっさらな紙が40ページも増えました。どこにスタンプを押されても、もう大丈夫。どこからでもかかってきやがれ、って感じ。あ、うそです、うそです。やっぱり端っこから順番に押してね。各国のスタンプが整然と並んでいたほうが、見栄えもいいし。

S.Akimoto at 23:19|Permalink

2012年08月05日

体重5キロ増

 
ファッションというものに、私はあまり関心がありません。興味をもってしまうとお金もかかるし、いちいち身なりを気にしているのも面倒臭い。しかし4年ほど前に、夏物・冬物のスーツをそれぞれ5着ずつ新調したことがあります。オーダーメイドで、生地もイタリア産を中心にちょっとお洒落なものを選んで。


いいえ、お洒落に目覚めたわけではありません。2008年秋から2年にわたってスカパー「旅チャンネル」で放映されてきた『世界のエアラインガイド』というレギュラー番組に、私はメイン解説者として関わってきました〔写真〕。そのときに、毎回同じ服装ではみすぼらしいと思って、計10着のスーツを新調したのです。

出費は痛手だったけれど、一生ものだし、まあいいか。そんなふうに考えていたのですが、ここにきて問題が発覚。私はもともと運動が嫌いではなく、健康維持の目的もあって、オフィス近くのジムに通ってきました。しかし昨年秋にジャカルタで腰を痛めたのと、この1年は毎月のように海外取材があって、運動をバッタリとストップしてしまったのです。新調したスーツが少しずつきつくなっているなあとの自覚はあったのですが、最近はズボンを履くと苦しく、上着のボタンもなかなか留められない。で、昨日1年ぶりにジムに行って体重を測ってみたら、何と1年で5キロも増えていました。

これはマズイ! なんて、本当はいま気づいたわけではないのですが(笑)。今月後半から秋にかけては、ロングフライトを体験しながらのハードな海外取材が続くので、頑張って体型を戻すことにしました。今日の日曜日も、地元のソフトボールチームから「午後に練習アリ」と連絡が入っているので、これから支度をして出かけようと思います。それにしても、外は暑そうだなあ。終わって、ビールをがぶ飲みしないように気をつけないと。

S.Akimoto at 10:43|Permalink

2012年07月27日

副業の二日間

 
暑いです。身体がとろけて、なくなってしまいそうなほどに。でも気力を振り絞って、今日も活動してきました。秋の取材に向けた仕込み作業が先週あたりから続いています。この秋は、どんなテーマでどこを取材するのが面白いか? 取材したレポートはどのメディアに発表するのが効果的か? そんなことを考えながら、担当の編集者とともにエアライン各社に出向いて交渉を進めたり。


早朝から9時過ぎまで連載などの執筆に集中し、11時からは大韓航空を訪ねて広報のUさんと打ち合せ。その後、有楽町へ移動し、お昼はシンガポール航空広報のYさんを誘って情報交換会を兼ねたランチタイム。午後はリクルート発行のフリーマガジン『R25』の記者からインタビューを受けました。この三つの用件をこなすだけでも、かなり体力を消耗します。

さて、例年と同様、今週末は作家業から離れます。7月の最終土曜と日曜は地元恒例の夏祭り。熱い鉄板の前で「焼きそば屋のおじさん」に変身するため、この二日間は仕事の連絡などもいっさい受けられません。月末が締め切りで、まだ未提出の原稿については、休み明けの月曜と火曜で集中して仕上げるつもりです。でも、体力が残っているかなあ。頑張らないと。

S.Akimoto at 18:37|Permalink

2012年06月12日

マンゴーかき氷

 
ここは2週間前の5月29日にMRT國府紀念館駅の近くにオープンしたばかりの「ICE MONSTER(アイス・モンスター)」。永康街にあったマンゴーかき氷の有名店「永康15」が突然の閉店後、移転して生まれ変わりました。


あ、報告が遅れました。台北に来ています。デルタ航空のDL275便で、成田から。今回の取材の目的は同社のボーイング747-400に搭載された新しいビジネスクラスシートで、その快適さは昨日のBlogでも報告しました。私の取材は完了したので、台北滞在中は早朝から昼過ぎまでホテルで執筆に専念し、午後からの予定は同行した旅ライターのFさんにすべてお任せ。「どこでもつき合うよ」と言ったら、ニューヨークタイムズでも紹介されたというこのかき氷屋さんに連れてこられました。

つまり、私が来たかったわけでも、もともと興味があったわけでもありません。かき氷、ですからね。MRT駅を降り、忠孝東路を西へ5分ほど歩くと、見えてきました。真新しい店舗が──というより、店の前に連なる長〜い行列が。

「え、並ぶの?」
「並びます」
「本当に?」
「本当に」

Fさんの容赦ない返答で、私もしぶしぶ列の最後尾に。ようやく順番が来て、店に入って注文したのが、一番人気という彼女オススメの「超級芒果冰(チャオジーマングォビン)」です〔写真〕。ドーンと出てきました。きめの細かなかき氷に大量のマンゴーとマンゴーシャーベット、パンナコッタが乗って、これで180元(約480円)。なるほど。甘すぎることもなく、新鮮なマンゴーがなかなかおいしかった! まあ、こんな旅もたまにはいいですね。

S.Akimoto at 22:33|Permalink

2012年06月09日

ゴールラッシュ

 
サッカーW杯アジア最終予選の日本対ヨルダン戦。同大会の公式スポンサーであるエミレーツ航空の日本支社長、リチャード・エンゲルマン氏から「いっしょに応援に行かない?」と埼玉スタジアムのVIP席に招待をいただいて、夕方から試合を観戦してきました〔写真=私のとなりがエミレーツ航空日本支社長のエンゲルマン氏〕。


いやあ、日本は強かった! 前半から相手ゴールを攻めまくり、本田選手のハットトリックを含めて結果は6対0の完勝です。ヨルダンのハマド監督は試合後、報道陣に日本代表のチーム力について聞かれ、真顔で「きょうの出来ならブラジルにも勝てる」と答えていました。先ほど自宅に戻りましたが、このところ書斎にこもりきりでたまっていたストレスも、これですっきり解消。また気分を新たに、執筆活動に集中できそうです。

さて、日付は変わって、6月9日の土曜日になりました。明日の10日からまた海外取材に出るので、それまでに現在書き進めている書籍の入稿をすべて終えなければなりません。日曜日は午後の便なので、デッドラインまであと36時間ほどです。頑張らないと。

まあ、10日からの取材はあるエアラインの新しいビジネスクラスシートがテーマですので、それほど大変ではありません。デスティネーションの取材もありますが、今回は旅行ライターを伴うことにしたので、現地では私はわりとゆったり。のんびり街歩きをしながら、おいしいものでも食べて過ごそうと思います。そのためにも、いま取り組んでいる作業をきっちり終わらせていかないと。さ、いまからまた仕事モードに!

S.Akimoto at 00:31|Permalink

2012年05月02日

連休、真っ只中

 
ゴールデンウィークの予定は? 毎年この時期になると、必ずそれをあちこちから聞かれます。常に各国各地を飛び回っている人間が、プライベートに休みにはどんな場所を旅するのか。興味があるのでしょうね。


でも、どこにも行きません。今年に限らず、この答えもいつだって同じ。時間があれば旅に出てもいいのですが、ゴールデンウィーク中は必ず仕事が山積み状態になります。だから基本的には書斎にこもり、連載コラムや雑誌などから頼まれている単発のレポート、現在取り組んでいる新しい本などの原稿書きに追われることに。まとめて連休中にやればいいやって心のどこかで思っているから、こうなるのでしょう。まあ、自業自得です。

今日と明日は都内で、航空の世界でもかなりの“重鎮”として知られる二人の評論家との個別のミーティングを予定に入れました。今後の活動に向けた意見交換会のようなものですが、両者とも私の大先輩なので、一方的に学ぶことも少なくありません。きっといい刺激になるでしょう。

それ以外は、連休の最終日までずっと執筆作業が続きます。5月の3週目からはまた海外取材が入っていますので、その前に予定の枚数をきちんと書き上げなければなりません。上の写真──デルタ航空機の背景に写っている高層ビル群は、世界一忙しいといわれる空港がある都市のダウンタウン。連休明けには、まずはそのアメリカ南部の街に出かけます。

S.Akimoto at 00:02|Permalink

2012年04月19日

ビールの祭典

 
ドイツ・ミュンヘン発祥の「オクトーバーフェスト」がこの秋、東京ドームにやってきます。オクトーバーフェストは、レーベンブロイやホフブロイハウス、アウグスティナーなどのビール会社がミュンヘン市内の公園に巨大テントを張って、自慢のビールとバイエルン料理を提供する世界最大のビールのお祭り。毎年9月から10月の開催時期に世界中から1,000万人近いビール好きが集まるこのイベントに、私も過去に一度だけ参加しました。


写真は、オクトーバーフェストの時期にドイツの民族衣装を着用するルフトハンザのクルーたちです。規模としては本場ミュンヘンに遠く及びませんが、日本でも2002年から横浜の赤レンガ倉庫で同様なイベントが開催されてきました。2011年は17日間の開催期間で約17万人が来場するほど認知度が高まっています。この秋の開催を発表した東京ドームでは「スーパーオクトーバーフェスト」と銘打ち、11月30日〜12月2日の3日間で実施。はたしてどれくらいのビールファンが集まるでしょうか。

秋まで待てない、という人には、東京スカイツリータウンからも耳寄りなお知らせが。5月22日の東京スカイツリーの開業に合わせ、同タウンに世界の約150種のビールを提供するレストラン「世界のビール博物館」がオープンします。最大300人以上を収容できる施設で、私の好きなベルギービールやチェコの樽生なども飲めるそうです。

昼間は初夏を感じさせる日も多くなり、ビールがおいしい季節になりました。スカイツリータウンの「世界のビール博物館」にも東京ドームの「スーパーオクトーバーフェスト」にも、オープンしたらさっそく、ビール大好きな旅ライターを誘って行ってみようと思います。

S.Akimoto at 11:37|Permalink

2012年03月25日

奇妙な交流会

 
下の写真──左に写っているのは、マンボミュージシャンで国際サンタクロース協会の公認サンタとしても活躍する、ご存じパラダイス山元さん。そしてその隣、中央で私の新著を持ってくれているのが、こちらもご存じ落語家の柳家三之助さんです。週末の土曜日、この奇妙な組み合わせによる交流会が実現しました。


ミュージシャンと落語家と、航空ジャーナリストの私。一見、何のつながりもないように思えるかも知れません。じつは、山元さんは1年で1,000回も飛行機で旅をする“マイルの達人”です。一方の三之助さんも飛行機旅行が大好きで、中部国際空港で「セントレア寄席」などを続ける“空港の達人”。二人とは、私が監修して2月末に発売になったJTBムック『旅客機と空港のすべて』に航空ファン代表として登場していただいた縁で、交流が生まれました。

そしてここは、東京・荻窪にある山元さん経営の餃子専門店「蔓餃苑(まんぎょえん)」。山元さんは「芸能界で餃子を作らせたら一番うまいのはタモリかパラダイス山元」と言われるほどの“腕”の持ち主で、仕込みから調理、接客までをすべて一人でこなしてしまいます。もっとも、店とはいっても限定1,000人の完全会員制で、普段はオープンしていません。毎日送信されるメールでのみ、その日の開店時間を会員に告知。昨夜はその山元さんの、まるで芸術ともいえる作品(餃子)の数々を味わいました。写真で山元さんが手にしているのは、最後に締めの一品として焼いてくれたイチゴ入りのデザート餃子です。

おいしい餃子でお酒も進み、旅と飛行機の話が尽きません。気がついたら、アッという間に終電の時間でした。山元さんから「今度どこか会場を借りて、この3人で“空の旅”をテーマにしたトークイベントを開きましょう」と提案され、三之助さんも私も無条件で賛同。近く読者のみなさんにも、イベントの具体的な案内ができるかも知れません。

S.Akimoto at 11:45|Permalink

2012年03月19日

幸せな“街猫”たち

 
犬か猫かと聞かれたら、私は間違いなく「猫派」です。過去に犬を飼ったのは一匹だけですが、猫は東京・下町の私の実家に代々何匹も住みつき、いつも大切な家族の一員でした。そんな猫派の私にとって、イスタンブールはとても楽しい街です。なにせ、どこを歩いても街じゅうが猫だらけなのですから。


観光地の広場で、土産屋の軒先で、坂道を上った住宅地で──猫に出会わないことはまずありません。野良猫かな? それとも誰かの飼い猫? どっちだろうと思って焼き栗を売っていた屋台のおじさんに訊ねてみたら、そのどっちでもありませんでした。どこからかやってきて、近所の人たちみんなに可愛がられている「街猫」なのだそうです。

猫が近寄ってくると、イスタンブールの人たちは邪険に追い払ったりしません。ねだられると自分のパンを分けてやり、観光客が猫にカメラを向けると、嬉しそうにそれを眺めています。私が海沿いのカフェでお茶を飲んでいたら、猫が一匹店に入ってきて、ウエイターの足もとにまとわりつきました。仕事中はさすがにダメだろうと思って見ていたら、ウエイターは隣のテーブルで給仕しながらそっとクツを脱ぎ、足先で猫のお腹をこちょこちょ。テーブルの下には、ペットボトルの底の部分を切り取ってお皿にした、猫用の飲み水が置かれていました。

イスタンブールの猫たちは、本当に幸せそう。お腹をすかせてゴミ箱を漁る必要もないから、どの猫もみんな小ぎれいです。私もお茶に添えられてきたビスケットを小さくちぎって手のひらに乗せ、舌先で「チュッ、チュッ」と招き寄せようしましたが、猫は見向きもしません。ウエイターが笑って首を振り、私に言いました。

「ちがうちがう。イスタンブールではこうやるのさ」

彼は唇で「ピシ、ピシ、ピシ」と声を出します。すると猫はすぐ反応して寄ってきました。この街で猫に話しかけるには、トルコ語が必須のようです。その後は、猫を見かけるたびに「ピシ、ピシ、ピシ」と声をかけ、たくさんの街猫と友だちになりました。こんなことを覚え、また少しこの街の“通”になれた気がしています。

S.Akimoto at 00:31|Permalink

2012年03月08日

金環食フライト

 
太陽と月は、地上からだとほぼ同じ大きさに見えます。実際は太陽のほうが月の400倍も大きいのだけれど、月よりも400倍遠くにあるから、見た目の大きさはほとんど変わりません。この「ほとんど変わらない」というのが微妙な表現で、月の軌道のふらつきによって、月の見かけの大きさはほんの少しだけ太陽より大きくなったり小さくなったり。


で、皆既日食のときにたまたま月が地球から少し離れていると、月は太陽を隠しきれなくなります。その「たまたま」が日本で起こるのが、今年の5月21日。世紀の天体ショーまで、いよいよあと2カ月とちょっとに迫りました。

日本で金環食が観測できるのは1987年以来、25年ぶりです。これは観ない手はありません。観測用のメガネなどもすでに飛ぶような売れ行きで、工場はフル稼働の状況が続いているとか。問題は、当日の天気だけですね。いっそのこと、雲の上まで飛んでいきたいなあ。そう思っていたら、JALが今日から「金環食を雲の上から」と題した観賞ツアーの販売を始めました〔写真はイメージ〕。

やるなあ、JAL──という印象です。詳細を見ると、チャーター便は5月21日の午前6時20分ごろに離陸し、金環食のピークとなる7時台の時間帯に高度約9,000メートルの太平洋上を旋回。観賞用メガネもおまけでつくそうです。料金は、窓側席に一人で参加する場合は7万〜7万6,000円。う〜ん、ちょっと高い。けど、迷うなあ。売り切れないうちに、予約を入れようかな。

S.Akimoto at 11:48|Permalink

2012年01月30日

宇宙へワープ

 
いきなり宇宙の話で、すみません。素粒子や暗黒物質など宇宙の根幹に関わる謎の解明に取り組んできた理論物理学者の村山斉さんが先週、集英社から『宇宙はなぜこんなにうまくできているのか』という新刊を出しました〔写真〕。これは“村山宇宙論”の決定版といえるかも知れません。


太陽はどうして燃え続けていられるのか? 目に見えない暗黒物質の存在がどうやってわかった? 宇宙はなぜこんなにも人間に都合よくできているのか? 宇宙に関する謎をこれほどやさしく解き明かした解説本は、かつてなかったように思います。

この本の編集を担当した集英社インターナショナルの本川浩史さんは、じつは私にとっても頼れる仕事のパートナーです。今回の新刊は、彼が手がけてきた「知のトレッキング叢書」という新シリーズの第1弾。ようやく刊行の運びになった先週末、彼は私に連絡をくれました。「発売を記念して著者(村山斉氏)の講演会を開催するので、来ませんか?」と。詳細は下記のとおりです。

村山斉講演会〜宇宙はなぜこんなにうまくできているのか〜
日時:2012年2月4日(土)19:00開演(18:30開場)
会場:新宿・紀伊國屋ホール(新宿本店4階)
料金:1,500円(全席指定・税込)
前売:キノチケットカウンター(紀伊國屋書店新宿本店5階)
電話予約:紀伊國屋ホール(TEL=03-3354-0141)
※受付時間はいずれも10:00〜18:30


2月4日、うかがおうと思います。最近ずっと書斎にこもる日々が続き、精神的にかなり消耗しました。週末はおそらく一段落しているので、次の新たな仕事に向かう前に、壮大な宇宙に思いを馳せてリラックス&リフレッシュしようかな──と。終演後には村山さんのサイン会もあるそうですので、興味のある方はぜひ!

S.Akimoto at 01:30|Permalink
Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各媒体にレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『飛行機はなぜ、空中衝突しないのか?』(KAWADE夢文庫)『羽田空港のひみつ』(PHP新書)『これだけは知りたい旅客機の疑問100』(SBクリエイティブ/サイエンスアイ新書)など著書多数。

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