キャビンアテンダント

2015年03月23日

満員御礼

 
六本木ミッドタウンタワー7階のイベントスペース「d-labo」で先日(3月12日)開催した私のトークセミナーに、たくさんの方々にお集まりいただきました。主催者側からの報告では「過去のイベントの中でも最多の入りだった」とのこと。お越しいただいたみなさんには、改めて御礼を申し上げます。


いつも言っていることですが、私はモノを書く人間で、しゃべることを生業にしているわけではありません。セミナーや講演の仕事をあまり増やそうとも思わないので、準備にも時間をかけず、本番ではつい“本音”で余計なことも話してしまいます。それでひんしゅくを買って主催者から「もう来るな」と言われれば、はい、わかりました、もう行きません──というぐらいの気持ちで(笑)。

今回のセミナーでは、ANAの現役客室乗務員である山本直子さんをゲストに招き、途中で30分ほど私とのトークショーをはさみました。言いたいことを言ってしまう私とは違う、山本さんの誠実な話しぶりに、うなずいたりメモを取ったりしながら真剣に聞き入っていた人も少なくありません。私より、ゲストがお目当てだった人も会場にはかなりいたように思います。私ももちろん、それを狙って山本さんに声をかけたのですが(笑)。

もう来るなと言われたら、行きません──と先ほど書きました。ですが、反対に「来い」と呼ばれれば、積極的にリクエストにお応えしていくつもりです。セミナー終了後、主催者側から「反響が大きかったので、今後も“航空”をテーマにしたセミナーを定期的に開催させてほしい」と連絡がありました。「また話を聞きたい」と言ってくれているみなさんには、感謝の気持ちでいっぱいです。世界の空を飛びまわってかき集めた“裏話”をたくさん引っ提げて、また近く、みなさんと再会したいと思います。

S.Akimoto at 10:55|Permalink

2014年07月19日

キャセイに栄冠

 
英国の調査機関スカイトラックス社が毎年160カ国以上の1,800万人の航空旅客の投票をもとに選出する「ワールド・エアライン・アワード」が、今年も発表されました。その結果を受け、私のもとにも受賞各社から「ベスト・キャビンクルー賞に選ばれました」「当社が北欧のベストエアラインに」「LCCのベストワンは当社です」といったPR用のリリースが送られてきています。ですが、あまりに細かく賞が分かれ過ぎていて、さほど興味もわきません。毎年の発表で私が注目するのは「総合での1等賞はどこだったのかな?」ということくらい。では、今年の総合ナンバーワンは?


2014年の「エアライン・オブ・ザ・イヤー」の栄冠を射止めたのは、キャセイパシフィック航空でした。同社については、私も昨年6月に徹底取材しています。その取材でわかった一つが、キャセイファンは日本やアジアだけでなく、欧米やオセアニア、中東・アフリカなど世界中に分散しているということ。そして「国際派」としての人気の重要な一翼を担っているのが第一線のキャビンクルーたちであることも、取材を通じて理解できました。

香港のキャセイパシフィック航空本社を私が訪れたとき、本部のスタッフとともにいろいろと対応してくれたのが日本人客室乗務員の藤原良美さんでした〔写真=中西一朗氏撮影〕。外資系では、日本人クルーが乗務するのは日本路線だけというキャリアが多いなか、キャセイではどの国のクルーもさまざまな国・都市への路線に乗務します。「それだけに、いろんなことにチャレンジしなければなりません」と、藤原さんは次のように話していました。

「日本人のお客さまはシャイな人が多く、欲しいものがあってもなかなかリクエストしてくれません。ですから日本路線では、お客さまが何を望んでいるのかをこちらでまず察する必要があります。その点、別の路線──たとえばインド線などに乗ると、あちこちからコールボタンが押されて、リクエストの量がものすごい。通路を歩いていても声がかかり、いったん通路に出るとなかなかギャレーに戻れません(笑)。そのひっきりなしのリクエストにどう効率的に対応していくかが、インド線などでは重要なポイントにります」

日々のフライトでのそうした創意工夫が、サービスを受ける側の心に響くのでしょう。今年の「ワールド・エアライン・アワード」の結果を聞いて、藤原さんに「おめでとう!」と久しぶりに連絡したら、乗務を終えてステイ中のロサンゼルスから「ありがとうございます。現場(機内)だけでなくさまざまな部署で働く社員たちみんなで頑張ってきた結果だと思います」と返事が届きました。

S.Akimoto at 01:10|Permalink

2014年06月22日

隠語と符丁

 
あるテレビ局から連絡がありました。「秋本さんが紹介していた客室乗務員たちの“隠語”が面白いので、番組で取り上げたい」と。たしかに、何かの雑誌で「カラスフライト」とか「アメリカン」などCAたちが仲間同士の会話で使う一般の人にはわからない言葉について書いたことがあります。カラスフライトとは、黒の学生服を着たカラスのような集団という意味で、修学旅行の高校生たちが乗る予定の便のこと。アメリカンは濃くないコーヒー、つまり国内(こくない)線のことです。


え、くだらない? はい、本当にくだらないんです。私がそのことを“業界こぼれ話”として書いたのは、もう15年以上も前。いまは誰もそんな隠語は使いません。なので局の人には「時代錯誤と思われるのでやめてください」と丁重に断りました(笑)。

ところで、時代が変わっても残りつづける隠語もあります。隠語というより「符丁(ふちょう)」と書くべきでしょうか。つい先日、東京・向島の小料理屋のカウンターで飲んでいたときのことです。隣にいた男女の二人連れが席を立ち、男性のほうが「おいくら?」と聞くと、板前さんが小さな声で「へい、お一人さまメノジで」と言いました。これ、わかりますか? 漢字で「目」の字を書くと5画なので、「メノジ」といえば5,000円を指します。接待などで連れの人に値段を知られたくない場合のために、その商売でしか通用しない暗号のような言葉として符丁は生まれました。

同様な例をほかに挙げると、3は「ゲタ」(穴が三つだから)で、9は「キワ」(10のすぐ近くの意味)。4は「チムチョク」(置の文字の直が無い)です。なぜそんなことに詳しいのかって? 20代のころに向島界隈でかなり飲み歩き、そのときにいろいろ覚えました。向島、とてもいいところですよ。風情があって。一歩路地を入ると、芸妓さんたちがお座敷帰りにちょっと寄っていくようなカジュアルな店も少なくありません。そういう、古きよき時代の余韻が残る街だからこそ、符丁などもいまに受け継がれているのでしょう。CAたちが内輪だけで使う隠語などとは違って(笑)。

S.Akimoto at 07:13|Permalink

2014年04月22日

JALクルーが人命救助

 
テレビの報道番組では連日、多数の死者や安否不明者を出している韓国の旅客船セウォル号の沈没事故を取り上げています。沈みかけた船から乗客をすみやかに避難させる措置を、船長や乗組員らはなぜとれなかったのか? 私も疑問に思って繰り返しニュースを見ていますが、先週末のこと──画面はふと別の話題に切り替わりました。セウォル号のニュースの次に映し出されたのは、JALの客室乗務員二人が成田空港警察から表彰ているシーン〔写真〕。とてもいい話なので、紹介しましょう。


そのアクシデントは今月8日、台北からの便が到着した直後の成田空港で起きました。到着後、コンコースを歩いていた台湾からの男性(67歳)が突然、その場で倒れたのです。男性のもとへ駆けつけたのは、近くを歩いていた二人の女性──JALの客室乗務員の粕谷理恵さん(写真左)と吉村亜希子さん(同右)。プライベートで台北を旅行してきた帰りで、たまたま乗客として同じ便に乗り合わせていたのでした。

男性は意識がなく、呼吸もしていません。二人はすぐに荷物を放り出し、行動を起こしました。吉村さんが心肺を蘇生させるための心臓マッサージを始め、粕谷さんが男性の手を握って脈が戻るかを確認します。そんな役割分担を無意識のうちにしていた、と二人はあとで話していました。心臓マッサージは5分ほど続きます。とにかく必死に、男性に向かって「がんばってください!」と声をかけながら。

粕谷さんと吉村さんの懸命の救命措置で、やがて男性の意識は回復し、到着した救急隊により病院に搬送されました。二人が咄嗟の判断で男性を救えたのも、機内で急病人が発生した場合などに備えて日頃から訓練を続けているからでしょう。そんな二人に成田空港警察は感謝状を贈ったのですが、重大な事故に直面しながら何も行動を起こせないセウォル号の乗組員と、勤務外の時間でありながら適切な処置で一人の命を救ったJALのクルーと──極めて対照的な二つのニュースでした。

S.Akimoto at 07:31|Permalink

2014年02月20日

新卒CAを500人

 
ANAは今日、2015年度入社の客室乗務員(CA)を500人程度採用する意向を発表しました。500人というのは、過去最多です。羽田からの発着枠増加や国際路線の拡大という目標に向けて、人員を補充していく必要があるのでしょう。


採用する客室乗務員は東京ベースで、もちろん正社員です。以前もどこかに書いた記憶がありますが、ANAはここ数年、産休・育休制度をはじめとする組織改革に取り組んできました。女性社員に少しでも長く働いてもらえる会社にしたい──そんな思いがあるからです。そのベースにあるのが「社員一人ひとりの経験こそが会社の財産である」という考え方。客室乗務員はまさに機内サービスのスペシャリストであり、実際のフライトでどれだけ多くの経験を積み重ねてきたかでサービスにおけるスキルやセンスに大きく差が出てしまう。乗客の安全を守る「保安要員」としての役割にも、やはり経験が不可欠です。

人事担当のKさんは、私とのインタビューでこんなことも言っていました──。

「ベテラン社員の経験を社内に蓄積していくことが、ANAの強みになるはずです。いつか会社を辞めることになっても、ANAでのそれまでの経験をいろんな世界で生かしていってほしい。さまざまな分野で活躍する人の中に“ANA出身”という経歴を見かけるようになれば、ANAの評価もますます上がっていくでしょうから」

S.Akimoto at 11:54|Permalink

2013年07月26日

CAスクール

 
最近入ってきたニュースをひとつ。ANAグループでは、2013年10月から“接遇(もてなし)”のプロを目指す学生を対象にした「ANAエアラインスルール」を開設すると発表しました〔写真=同スクールのホームページより〕。そのメインとなる一つが、CAになりたい人たちが基本や実践を学ぶ「キャビンアテンダントコース」で、このニュースを聞いて私はちょっと期待してしまいました。というのも、あちこちで目にする「CAスクール」や「CA予備校」といった類いのものの中に、どんでもないひどい学校が数多く存在するからです。


エアラインの仕事は、とてもやりがいがあります。目指すだけの価値があると私は思います。実際、早くから目標に定め、夢を実現しようと頑張っている若い人たちが少なくありません。ところが一方で、そうした人たちの純真の心につけこみ、彼女たちを“食い物”にしているスクールがいかに多いことか。その実態を知るにつけ、いつかきちんと言わなければいけないと思っていました。

何の根拠もないのに「うちで学ぶことがCA合格の近道」などと銘打って、3カ月とか半年とかのコースを契約させ、何十万円もの高額な授業料をむしり取る。講師には「元○○○○航空の優秀なCA」という人たちが名を連ねていますが、その実態もめちゃくちゃ。私の知り合いの現役CAは「あるスクールの運営者から『単発の講座を企画したら受講生が集まったので、何でもいいから2、3時間しゃべってくれない? 5,000円でどう?』と誘われました。講義など一度もしたことのない私にですよ」と呆れ顔で話していました。また別のスクールの代表は、アジア系の某人気エアラインのOBという経歴をうたっています。しかしそのエアラインの人事部に聞いたところ「あの人は在籍はしていたものの、新人訓練が辛くてリタイアし、実際のフライトの乗務経験は皆無」なのだとか。その“アジア系OB”を自称する彼女は外部の企業に出向いての「ビジネスマナー講座」も持っているようですが、私はその人とやりとりして、本人にまったくビジネスマナーが身についていないことに驚いた記憶があります。

ということで、CAを目指すみなさん! “空の仕事”はとても魅力的なので、頑張ってほしいですが、どうぞいんちきなスクールには注意してくださいね。すべてがそうだとは言いませんが。私の意見としては、そんなことに何十万円も出費するなら、そのお金で自由な時間を使える学生のうちに世界を見てきてほしい。そうしていろんな経験を積むほうが、絶対にいいと思っています。

S.Akimoto at 00:54|Permalink

2013年06月12日

キャセイの本社で

 
香港は現在、中国の「特別行政区」という位置づけにあります。しかし1997年までは英国の植民地で、中国でありながら中国ではないというユニークなポジションの国際都市として発展してきました。そんな香港に拠点を置くのがキャセイパシフィック航空です。昨日は、その本社を訪ねました。


受付で出迎えてくれたのは、広報担当のトレイシー・クオンさん。クルーの訓練施設では日本人客室乗務員の藤原良美さん〔写真〕を紹介され、インタビューと撮影のあとは彼女に“キャセイシティ”と呼ばれる本社内の各施設を案内してもらいました。

香港は面積も人口も東京の半分強にすぎません。だからキャセイパシフィック航空に国内線はなく、運航するのはすべて国際線です。乗客も外国人が多く、サービスに当たる客室乗務員の国籍もバラエティ豊か。藤原さんは「日本は香港とのつながりが密接ですので、日本人クルーも約500名が在籍しています」と話してくれました。

さて、キャセイの本社取材を終えた今日は、宿泊しているインターコンチネンタル香港の部屋でヴィクトリア湾を眺めながら朝からまったり。これから予約しているスパでリフレッシュして、午後はまたまったり。夕方からはスターフェリーで対岸の香港島へわたり、ディナーに招待してくれている現地の友人と合流してのんびり夜を過ごす予定です。

S.Akimoto at 11:43|Permalink

2013年04月25日

“和”のもてなし

 
JALに利用者が戻り始めています。今月17日に発表された2012年度の旅客輸送実績を見ると、国際線が対前年比9.9%増の752万5,038人となり、8年ぶりにプラスに。ビジネス需要が好調で、東南アジア線(20.6%増)や米国を中心とする太平洋線(8.8%増)の旅客数が大きく伸びました。一方の国内線も同3.6%増の3,002万440人と、6年ぶりに増加に転じています。


2013年に入ってからも、「1クラス上の最高品質」をテーマに居住性・機能性を進化させた新キャビン「スカイスイート777」を搭載したボーイング777-300ERが1月に就航し、話題を集めています。そしてそうしたプロダクトのグレードアップもさることながら、新生JALの躍進に重要な役割を果たしてきたのが、サービスの最前線に立つCA(客室乗務員)たちです。彼女たちは「選ばれるエアライン」を目指し、JALらしい「和のもてなし」を推進してきました。

雲の上の“現場”では、実際にどんな人たちがサービスに当たっているのか? 一人ひとりは何を心がけ、それを実践するために日々どんな訓練を重ねているか? そしてズバリ、JALのサービスの極意は? 先日、その最高峰であるファーストクラス担当の現役客室乗務員にインタビューする機会を得ました。

台北線の乗務から戻った日に羽田空港のJALラウンジまでご足労いただき、私のさまざまな質問に真摯に答えてくれたのは、2004年入社の秋澤麻由さん〔写真〕。その一問一答を再現した記事を、明日から誠Styleの連載『“飛行機と空と旅”の話』で公開します。朝8時過ぎにはアクセスできるようになると思いますので、興味のある方はご一読ください。

≫≫≫「JALの現役CAに聞く──ファーストクラスのサービスと“和”のもてなし

S.Akimoto at 23:45|Permalink

2013年03月29日

ドバイの日本人CA

 
昨年秋にエミレーツ航空を利用してポルトガルのリスボンを取材した際に、経由地であるドバイに2日間滞在し、同エアラインの本社を訪ねました。クルーの訓練施設で私を出迎えてくれたのが、ご覧の入社10年目になる日本人CA、田村郁子さんです。


田村さんがかつてアメリカ・カリフォルニアでの留学を終え、モルディブの旅行社に現地駐在員として勤務していたときでした。「目の前で発着するエミレーツ航空の美しい機体に目を奪われ、クルーの採用試験に応募しようと思い立ったんです」と話す田村さん。その試験に合格して以来、ずっとドバイベースの生活が続き、現在もエアバスA380のファーストクラスキャビンなどを担当して世界を飛び回っています。

エミレーツ航空は急成長を続け、在籍するクルーは1万3,000人を超えました。田村さんが入社した2003年当時は4,000人ほどだったというので、この10年で3倍以上に増えた計算です。国際色の豊かさ、という点もエミレーツ航空の特徴でしょう。クルーの国籍はじつに120カ国。そんな多国籍のクルーたちとうまくやっていく方法は? という私の質問に、田村さんは「お互いの“違い”を認め合うことですね。宗教も政治観も肌の色も一人ひとり違うので、まずは相手を尊重すること──それに尽きると思います」と話してくれました。

さて、航空のジャンルに強いイカロス出版の刊行物の一つに『月刊エアステージ』という老舗雑誌があります。CAやグランドスタッフの仕事を夢みる人なら、一度は手にとったことがあるかも知れません。昨日発売になった同誌の2013年5月号に、私も久しぶりに寄稿しました。ドバイのクルー訓練施設を案内してもらいながらの田村さんとの一問一答を、誌面で再現しています。

S.Akimoto at 00:03|Permalink

2013年02月20日

プライスレス

 
世界中のLCCを過去に利用してきましたが、ひと口にLCCと言っても簡単に括ることはできません。中身は各社各様です。昨日、成田から台北経由でシンガポールまで新しいLCCスクートのフライトを体験してみて、改めてそう思いました。スクートはいい意味で、これまでのLCCのイメージを払拭するキャリアだと思います。


成田での出発は、搭乗手続きやゲートでのハンドリングをJALに委託しているため、第2ターミナルから。LCCごとに異なるチェックイン施設が混在するなか、大手キャリアと同じ国際線出発カウンターを使用しているので、初めてでも迷う心配はありません。この日の搭乗ゲートはサテライト側の98番で、ボーディングブリッジを通ってそのまま機内に入れるのも他のLCCとは違います。そしてキャビンに一歩、足を踏み入れると、ボーイング777という機材の優位性を実感できました。

キャビンは2クラス制で、エコノミークラスは横1列が3-4-3のレイアウトで370席を配置しています。LCCの“定番”ともいえる単通路型のエアバスA320などに比べ、シートピッチ(座席の前後間隔)はゆったり。さらに基本のスタンダードシート(ブルーのシート)のほか、シートピッチを広くとったスーパーシートや非常口横の足もとスペースに余裕のあるストレッチシート(黄色のシート)を、それぞれわずかな追加料金で指定することもできます。

パイロットやキャビンクルーの訓練は定評あるシンガポール航空の施設で受けているせいか、乗客への対応も行き届いていました。スクート全体で約300名いるCAのうち、現在14名の日本人クルーが在籍。昨日利用したTZ201便のキャビンクルーは9名で、チャンギ空港到着後に乗客が降りるのを待ってみなさんで記念撮影を──そんなリクエストにも全員で協力してくれました。LCCなのでエコノミークラスでの食事などは希望する人が有料で購入することになりますが、クルーたちの笑顔にはもちろん追加料金はかかりません。日本から台北やシンガポールへ、そしてシンガポールを経由してアジアやオセアニアの各都市へ。黄色と黒のユニフォームに身を包んだクルーたちの“プライスレス”なサポートを受けながら、一度実際に飛んでみるといいと思います。

S.Akimoto at 13:16|Permalink

2013年01月08日

ヒコーキの貯金箱

 
元日フライトでお会いしたタイ国際航空の日本人クルー、城戸京子さんのことを、前回のBlogで紹介しました。城戸さんとは、じつは帰国のフライトでも同じ便に。まったくの偶然です。彼女はメインデッキの担当でしたが、ときどき私がいるアッパーデッキのビジネスクラスにも顔を出し、また少し話すことができました。


そして成田空港が近づき、そろそろアプローチ降下が始まるかなというときに、再び現れて「子どものおもちゃみたいですが、よろしければ」と渡してくれたのが上の写真のグッズです。

A380の就航を記念したトランプとキーホルダー、そして丸いのがヒコーキの形をした貯金箱です。よく見ると、この貯金箱だけはA380ではなく、ボーイング747。2階席が先頭部分にしかありません。でもこれ、かなりの優れものです。

おしりの部分にボタン電池が入るようになっていて、背中の挿入口からコインを落とすとギューンというエンジン音が鳴ります。何度か繰り返して、笑ってしまいました。そして「失敗した!」と思ったのですが、もう後の祭り。主翼と垂直尾翼がボディとは別になっていて、ビニールの袋にきれいにパッキングされていたのに、組み立てて写真を撮ろうと破って取り出してしまったのです。きちんとパッキングされたままなら、誰かにお土産としてあげられたのに。こういうグッズ、欲しいというファンは多そうですから。

仕方ない、自分で使いますか。500円玉でも貯めて。500円玉でいっぱいにふくれたら、そこそこの金額になるでしょうから、そのお金で一番行きたい国に旅しようかな。貯めたマイルではなく、貯めた500円玉で旅に出る──仕事ではなく、まったくのプライベートで。うん、いいかも知れない。あ、でも、そもそも私が一番行きたい国ってどこなのだろう。そんなことを考えていたら、俄然楽しくなってきました。

S.Akimoto at 00:33|Permalink

2013年01月05日

タイ国際航空677便

 
報告したように、私の2013年はタイ国際航空が新たに導入したエアバスA380の元日フライトでスタートしました。成田からバンコクへの就航初便は、17時30分発のTG677便です。ファーストクラス12席、ビジネスクラス60席、エコノミークラス435席の計507席でレイアウトされたキャビンは、ほぼ満席の状態。チーフパーサーとパーサーを含め24名体制でサービスに当たっていたクルーたちは、フライト中ずっと忙しそうでした。


「677便はアメリカやカナダから東京を経由してタイに帰る人たちも利用する便なので、従来からとても需要が高いんです」

そう話してくれたのは、この就航初便に乗務していた日本人クルーの城戸京子さん。キャビンをざっと見渡してみると、なるほど、日本人よりもタイ人旅行者がやや多いようです。それについて訊ねると、城戸さんはうなずいて言いました。

「そうですね。お客さまの6割から7割は、日本を旅行して帰る人たちだと思います。タイの人たちは日本が大好きなんですよ。最終日は前日に成田のホテルにステイして、朝からバスでイオンモールに行ってぎりぎりの時間まで買い物をし、お土産を両手にいっぱい抱えて乗ってきます」

タイの人たちのことを話すときの、城戸さんの優しい眼差しが印象に残ります。1994年に新卒で入社して以来、タイ国際航空ひと筋に18年勤務。タイ人クルーたちの間にもすっかりとけ込んでいる様子で、私が「仲がよさそうですね」と言うと、彼女は笑みを浮かべてもう一度うなずきました。「お客さまにもよく言われます。みんなとても楽しそうに働いているので、乗っている自分たちまで楽しくなるよ、って」。たしかに。インタビューのあとでカメラを向けたら、城戸さんはすっと両手を合わせて応えてくれました──そう、お決まりのあの「ワイ(合掌)」のポーズで。

S.Akimoto at 11:57|Permalink

2012年12月02日

ANAの初代制服

 
1952年にスタートしたANAは今年12月1日で創立60周年を迎え、昨日は羽田空港・国際線ターミナル4階の江戸舞台で記念セレモニーが実施されました。そのイベントの中で企画された一つが、パイロットやグランドスタッフ、整備士、客室乗務員らの歴代制服の披露会。会場には大勢の人が詰めかけ、舞台に次々に登場するモデルを食い入るように見つめていたファンも少なくありません。


客室乗務員の制服は、2005年から着用している現在のもので9代目です。上の写真は初代の制服で、1期生6名のために用意されました。募集時には1,000人の応募者が殺到し、面接会場では警備員が大忙しの状況だったといいます。

当時は日本ヘリコプターの社名で、その6名の客室乗務員を含めて18名のスタッフと2機のヘリで旅客運送事業を開始しました。ちなみにANAのエアラインコード(3レターコード)の「NH」は、日本ヘリコプターの頭文字からとっています。それから60年。現在は社員数3万3,000人に増え、約230機の旅客機で国内外80都市に就航するまでに成長を遂げました。

昨日の記念イベントでは、創立60周年を機に客室乗務員の制服をリニューアルすることも発表されました。挨拶に立った伊東信一郎CEOは「着用の開始は2014年春を予定し、すでにデザイナーの選定に入った」とコメント。はたしてどんな制服が誕生するのでしょうか。海外の人気エアラインに比べると日系2社の制服はちょっとおとなしいイメージがあるので、大胆で斬新なデザインにしてほしいなと個人的には思います。

S.Akimoto at 12:04|Permalink

2012年11月24日

赤いスーツの集団

 
マレーシアから帰国しました。今回は羽田からクアラルンプールを往復する国際線LCC、エアアジアXのプレミアムクラスを使っての旅。プレミアムクラスのシートは、エアバスA330-300の最前部に2本の通路をはさんで“2-2-2”でレイアウトし、2列・計12席を設置しています。キャビンクルーは9名が乗務し、うち1名がプレミアムクラスを専属で担当していました。


プレミアムクラスといっても、LCCなので他のクルーと仕事内容は変わりません。機内食を無料で配るか、注文をとって有料でサービスするかの違いはあるものの、酒類やグッズなどの機内販売はチームワークでいっしょに進めますし、到着前のゴミ回収も同じように担当します。

「日本人クルーも全員がクアラルンプールをベースにし、羽田線には通常、日本人2名が乗務します」と、私の乗った便のクルーが話していました。「羽田に行くときは東京で1泊ステイして、翌日の深夜便で折り返します。乗務は月に6、7本程度。でも日本線だけでなく、たまにオーストラリア線などにも乗るので、変化があって楽しいです」

みんな少し濃いめの化粧に、真っ赤なスーツスタイルのユニフォームがよく似合います〔写真=チャーリィ古庄氏撮影〕。そんな彼女たちは、まさにエアアジアXのシンボル的存在。キャリーバックを引いて颯爽と歩く赤い集団を、旅行者たちが立ち止まって振り返っている姿を就航先の空港で何度も見かけました。同様な印象を、独特の民族衣装サロンケバヤに身を包んだシンガポール航空のキャビンクルーと出会うときにも感じます。エアアジアXやシンガポール航空のキャビンクルーたちは、セールス面で考えても会社の貴重な“広告塔”になっていることは間違いありません。

さて、私はこれから、シンガポールへ飛びます。先日のBlogで報告したマレー鉄道でそのまま終点まで行けばシンガポールに到着したのですが、シンガポール航空のフライト取材をしなければならないので、帰ってきました。真っ赤なユニフォームではなく、今日はサロンケバヤの衣装をまとったクルーたちのサービスを受けながらの旅。エアアジアXのプレミアクラスとともに、詳細は来年1月末に発売の季刊『航空旅行』のVo.4(イカロス出版)でじっくり報告します。

S.Akimoto at 11:14|Permalink

2012年03月05日

キャビン歳時記

 
日曜日の朝、東京の下町に在住でKLMオランダ航空に客室乗務員として勤務するMさんからメールが入りました。彼女は関西/アムステルダム線を中心に乗務し、フライトが終わると東京に戻ってきます。「先ほどアムスから関空に到着しました」という一文で始まるそのメールがちょっとユニークだったので、紹介しましょう。


「3月のいまごろの時期は学生さんたちの卒業旅行がピークで、連日満席という状況が続きます。今日のフライトでもキャビンは若いエネルギーが満ち満ちて、ひっきりなしにビールの注文が入りました」とMさんは書いています。「ところがあと何週間かして4月に入ると状況は一転し、キャビンはリタイア組のチューリップ鑑賞ツアーのお客さまで埋め尽くされます。こちらは食事の時間が終わると、みなさんいっせいにお薬タイム。お酒やビールではなく、あちこちから『お水お願い!』という注文の手が上がります」

なるほど。そうやってキャビンでも季節のうつろいを感じながら、彼女たちはフライトを続けているのですね。

写真は、何年か前の春にオランダのアムステルダム郊外をクルマで走っていて遭遇した風景の1枚です。東京でも今週の半ばからぐっと春めいてくるとお天気キャスターが伝えていました。私にとっては、花粉と格闘しなければならない辛い季節ですが……。

S.Akimoto at 00:03|Permalink

2011年11月28日

鴨肉の創作料理

 
チューリッヒの弾丸取材から戻りました。鴨肉のおいしい料理を食べながら。スイスインターナショナルエアラインズ(SWISS)というと、定評のあるのが機内食。一流ホテルや有名レストランとタイアップした機内食を提供するエアラインは最近でこそ珍しくありませんが、その先駆けとなったのがSWISSです。成田発のファーストクラスとビジネスクラスでは、東京・四谷の「オテル・ドゥ・ミクニ」のオーナーシェフ、三國清三さんのプロデュースによる創作フレンチを楽しむことができます。


「新しいメニューを考案したからといって、それでおいしい料理が実現するわけではありません」と、以前会った三國シェフが言っていました。「お客さまに出す前の微妙な温度調整で料理は味が変わってしまいますし、盛りつけの仕方によってもせっかくの料理が台無しになります。そのため、サービスに当たる客室乗務員にも何度もレストランに足を運んでもらい、私たちのコンセプトとやり方をしっかりと体得してもらいました」

では、チューリッヒ発の便ではどうしているのでしょう? チューリッヒから成田への便の機内食は、スイス国内を中心とする各地の著名シェフがメニューづくりを担当しています。3カ月に一度担当シェフを交代し、メニューを更新。その機内での最終仕上げには、誰が指導に当たっているのか?

今回の取材でチューリッヒ空港に隣接するオペレーションセンターを訪ね、その疑問も解消しました。同センターには「プロダクト・ハブ」というブースが置かれ、機内食メニューが変わると、その現物や料理に合わせてセレクトされたワインなどを展示。客室乗務員はここに足を運び、メニューの特徴や食材に関する情報、正しい盛りつけの方法などを学んでから乗務につくのです。

11月いっぱいまでチューリッヒから帰国便の機内食を担当しているのは、スイス・シャフハウゼンにあるレストラン「フィッシャーズンフト」のシェフ、アンドレ・イエガー氏。ビジネスクラスのメインディッシュは「鴨肉の煮込みチョコレートオレンジ風味ポレンタのガレットと、芽キャベツを添えて」──ちょっと長い名前の料理ですが、スイス産の赤ワインとともに満足のゆく一品でした。

S.Akimoto at 11:38|Permalink

2011年10月02日

ピンクの制服

 
東京ビッグサイトで今日まで開催されていた「JATA旅博2011」。私は一般公開前日のプレス招待日に顔を出しました。各国政府観光局のブース、旅行会社のブースなどどこも賑わっていたなかで、相変わらず人気を集めていたのがそれぞれに個性的なユニフォームの客室乗務員たちが出迎えてくれるエアラインのブースです。


シックなエンジ色の帽子と制服はカタール航空、青とオレンジの2種類の制服はガルーダ・インドネシア航空ベトナム航空のブースでは知人の広報担当も民族衣装アオザイのユニフォームで接客に当たっていました。加盟各社の客室乗務員が一堂に集うスターアライアンスのブースも人気だったようです。

なかでも今年大きな話題になったのが、2012年3月に関西から就航するANA系の格安航空会社、ピーチ・アビエーションのブースでした。同社はこの旅行博に合わせて、客室乗務員の制服デザインを発表。上の写真が、社名のピーチにちなんだそのピンク色のユニフォームです。色合いは派手ですが、シンプルなデザインに「なかなかいいのでは?」といった感想を漏らしていた取材記者も少なくありません。

ピーチはすでに約100人の客室乗務員(契約社員)の採用を内定。2012年3月の福岡線、新千歳線を皮切りに、5月には仁川への国際線就航も予定し、現在その準備を着々と進めています。

S.Akimoto at 17:43|Permalink

2011年08月23日

アオザイ姿の乗務員

 
成田を10時に発ったベトナム航空VN951便は、現地時間の14時にホーチミンに到着。その後15時50分発のVN1320便でダナンに入り、バスで移動して、トゥボン川の河口に位置する中部の古い港町ホイアンのホテルにチェックインしました。二日目の今日は、これから1999年に世界遺産に登録された旧市街などを訪ねてみようと思います。


写真は、成田からホーチミンへのフライトで出会ったベトナム航空の日本人客室乗務員の二人──尾崎彩加さん(左)と馬場美帆さんです。ともに2010年4月に入社。長めの赤いチャイナ風ドレスに白のパンタロンを組み合わせたベトナムの民族衣装「アオザイ」のユニフォームが、とてもよく似合っています。

「このユニフォームは身体にフィットするよう、20箇所以上を採寸して作られます。ですので気をつけないと、自分が太ったり痩せたりしたらすぐわかりますね」

そう笑いながら話してくれたのは尾崎さん。けれど見た目ほどは窮屈ではない、と馬場さんは言います。

「新人訓練のときはこのユニフォームにふさわしい立ち居振る舞いを練習しましたが、慣れてくるととても動きやすいですよ。私は大好きです」

民族衣装といっても、ベトナムでも街なかなどで目にすることは最近少なくなりました。ときどき見かけるのは、通学途中の中高校生や、一部の高級ホテルやレストランのスタッフくらい。現地でもレアな存在になりつつあるそのアオザイ姿に空の上で出会えるというのも、ベトナム航空で旅する楽しみの一つかも知れません。

S.Akimoto at 09:28|Permalink

2011年07月18日

なでしこジャパン

 
感動しました。後半24分に米国のモーガン選手にゴールを決められ、さすがに力尽きたかなと思いきや、終了間際に宮間選手が同点にして延長戦へ。延長前半にFWのワンバック選手に頭で合わされると、延長後半にはエース澤選手がコーナーキックに反応して再び同点に。PK戦でのゴールキーパー海堀選手の相手キック3連続セーブは、まさに神がかり的でした。


時刻は間もなく、朝の7時です。昨夜は全英オープンゴルフ最終日の中継もあって夜9時半からずっとテレビを観ているので、もう眠いはずなのに、興奮で頭がさえているのか睡魔が襲ってきません。この連休中に仕上げなければならない原稿がまだ少し残っているので、仮眠をとって仕事にかからないといけないのですが。

ところで、今回の大会を通じてときどき目に入ったのが、エミレーツ航空の赤いロゴです。このBlogは「エアラインと空の旅」がテーマなので、航空に関する話にも一応触れておきました──無理やりですが(笑)。エミレーツ航空は大会オフィシャルスポンサーの1社で、試合後の表彰式でもユニフォーム姿の客室乗務員たちが表彰台の両側に整列〔写真=テレビ画像より〕。あのエキゾチックなデザインの制服が観衆の目を引きつけていたようです。

ちなみに帽子の赤がエミレーツ航空のブランドカラーで、スーツのベージュはアラブの砂漠をイメージしています。白のスカーフもアクセントになっていて、なかなかいい。しかし、そんな制服も霞んでしまうほど輝いていたのは、やっぱりなでしこジャパンの青いユニフォームのほう。だって世界No.1ですから。おめでとう、なでしこジャパン!

S.Akimoto at 06:58|Permalink

2010年10月16日

クルーたちの訓練施設

 
イスタンブールに到着した翌朝は、トルコ航空の客室乗務員やパイロットの訓練を取材するため、空港に隣接するフライトアカデミーへ。ちょうど約40日間のトレーニングをスタートした新人キャビンクルーのグループが、見学に訪れた私たちを笑顔で迎えてくれました。


実際のキャビンを再現したモックアップを使っての機内サービスをはじめ、緊急時のドア操作や乗客の避難誘導、救命措置の方法などがカリキュラムに組み込まれ、訓練に臨む新人たちの表情は真剣そのもの。客室乗務員はサービス要員である前に“保安要員”であることを改めて確認できました。

つづいて、パイロットの訓練施設へ移動します。今年4月にこのフライトアカデミーを訪ねた際、新しいボーイング777-300ERの受領に合わせて同型機のフライトシミュレーターを発注していることを関係者から聞きました。それがつい最近、納入されたというので、さっそく見せてもらうことに。訓練中のフライトシミュレーター内の取材もOKとのことです。

教官パイロットが操作すると、操縦席から見える滑走路の景色が次々に変化します。昼間から夜間へ、さらに雪の日や霧が深い日の状態に。「イスタンブール上空をひと回りしてきましょうか」と教官が言うので、お願いしました。離陸時にコクピットに伝わる音や振動は、まさに本番さながらです。ボスフォラス海峡上空にさしかかると、機体を左右に旋回させながら教官は指差しました──「橋の左側がアジア、反対側がヨーロッパです」〔写真〕。実際のフライトのコクピットに同席させてもらったように、迫力満点の20分間でした。

さて、シアトルからイスタンブールとつづく取材も今日が最終日です。午後は旧市街まで出て歴史ある街並みをのんびり散策し、明日はエジプシャン・バザールへ行って少し買い物をしてから、夕刻の便で帰国の途につきます。

S.Akimoto at 18:11|Permalink

2010年10月04日

車椅子に乗せられて

 
写真の私──笑っていますが、楽しくて浮かれているのではありません。恥ずかしさを押し隠そうと、無理に笑っています。だって公共の場で、車椅子に乗せられて移動しているのですから。


場所は、ヨハネスブルグ国際空港です。クルーガー国立公園でのサファリ取材がかなりハードだったのと、日頃の不摂生がたたって、持病の関節炎が左足の膝に発症してしまいました。すべての取材を終えるまではと我慢していたら、痛みがだんだん酷くなり、帰国の日にはとうとう歩くのもままならない状態に。で、空港カウンターで往路と同じバンコク経由便のチェックインをする際に「通路側をお願いしたいのだけど、窓側の2席並びだと隣のシートの人が通路に出るときに立ち上がれそうにないから、中央の2席並びのシートにしてほしい」とリクエストしました。

するとタイ国際航空のスタッフは、親切にも窓側2席の通路側シートをとり、隣に誰も乗らないよう窓側シートをブロックしてくれたのです。そして私に「すぐに車椅子を手配するので、搭乗まで使用してください」と言いました。車椅子と聞いてさすがに固辞したのですが、スタッフは「その足で動くのは無理です」と聞いてくれません。で、情けなくも写真のような結果に。

こんな状態だからこそ見えてくる人のやさしさ、というのがあります。カウンターから私の車椅子を押してくれた空港スタッフの黒人青年は、道中気づかってずっと話しかけてくれました。膝の痛みはどう? 取材はうまくいった? 自分も将来はジャーナリストになるのが夢なんだ。日本はいい国? 行ってみたいなあ。その間、私のパスポートとボーディングパスをもって出国審査を代行し、カメラ機材やPCの入った重い荷物を抱えてセキュリティチェックを済ませてきてくれます。私自身のボディチェックも、座った状態でできるように係を車椅子まで連れてきてくれました。

搭乗ゲートに向かう途中では、歩いている人たちがみんなさっと通路を空け、私に微笑みかけてくれます。そして搭乗口では、車椅子の利用者は最優先でゲートイン。ドアにたどり着いて車椅子を降り、そこで黒人青年にお礼を言ってあとは自分で歩いて乗り込もうとすると、中から4人ものクルーが出てきてみんなで私を支えてくれました。

バンコクへ向かうTG704便がヨハネスブルグ国際空港を発ってからも、私の横を通るクルーたちがそのつど「具合はどう?」「何か要望があれば、遠慮なく言ってくださいね」などと声をかけてくれます。そしてその中の一人が、ギャレーで使うドライアイスをタオルにくるんで「これで患部を冷やされるといいですよ」と持ってきてくれました。11時間のフライト中、中身のドライアイスを何度も替えにきてくれて。おかげでバンコクに到着したときには、かなり痛みも引き、なんとか自分で歩けるまでに回復していました。

お世話になったみなさん、本当に感謝です。不摂生、少しは控えるようにします。トホホ。

S.Akimoto at 10:08|Permalink

2010年09月10日

シャイな仲間たち

 
乗客の多くはそれぞれの目的地を目指し、ヘルシンキで乗り継いでいく──フィンランド航空の利用者の特徴について昨日のBlogでそう報告しました。ですがもちろん、“ネットワークキャリア”としての利便性だけが同社が選ばれる理由ではありません。ヘルシンキの旅を目的とする乗客も年々、確実に増えています。


「一度目はヘルシンキを経由して他の国の都市に向かわれたお客さまも、二度目はフィンランドを旅するために利用してくださる方が多いんです」

そう話してくれたのは、行きの機内で会った日本人クルーの吉田真由美さんでした。吉田さんは、フィンランド航空で飛び始めて4年目。乗客がフィンランドという国そのものに興味を引かれる理由について、彼女はこう続けます。

「機内でふれあうフィンランド人クルーの存在が大きいみたいですね。私たちが常に心がけている一つが、マニュアルに縛られないパーソナルなサービスです。フィンランド人はどちらかというとシャイで控えめですが、何かリクエストがあれば、みんな親切に精いっぱい対応しようと努力する。そんなフィンランド人の真面目さや温かさに接すると、次はここで降りて街に出てみたい、この人たちがいる国を旅してみたいと思われるようです」

かく言う吉田さんも、そんな仲間たちに囲まれてとても楽しそうに働く姿が印象的でした。その後、私が取材で乗っていることを知ったクルーの一人から写真撮影を頼まれ、ビジネスクラス担当のクルーたちにギャレーに集まってもらってパチリと1枚〔写真=右から2番目が吉田さん〕。クルーたちは「あとでメールで送ってくださいね」と口々に言い、持ち場へ戻っていきました。

明日は、ヘルシンキの街の魅力を紹介します。

S.Akimoto at 14:54|Permalink

2010年09月02日

金髪のオランダ娘

 
私のオフィスに今週、KLMオランダ航空の客室乗務員がやってきました。金髪のキュートなオランダ娘で、同エアラインのコーポレートカラーである鮮やかなスカイブルーの制服に身を包み。下の写真が、そのオランダ娘です(笑)。


某中東系エアラインの客室乗務員として勤務してきたMさんが、この夏にKLMオランダ航空に移籍しました。7月末からアムステルダムに渡り、現在は本社での約2カ月にわたる乗務員訓練が続いています。その訓練に組み込まれているトレーニングフライトで、Mさんは今週初めに成田に飛来。2日間ステイするというので、東京の下町で会って食事をした際に、彼女から「秋本さんにお土産です」とこのフィギュアが手渡されました。

エアライン各社の本社などを取材で訪れたときに、ロゴマーク入りの旅客機のミニチュアモデルなどが贈呈されるケースはこれまでにもありました。しかし、客室乗務員のフィギュアをもらったのは今回が初めて。KLMオランダ航空の制服は、通常のスカートスタイルのほか、パンツルックやロングのフレアスカートなどを自由に組み合わせて着ることができるそうです。Mさんはそのことを説明してくれたあとで、少し上目遣いでニヤッと笑って言いました。

「このフィギュアにも替えのパンツとフレアスカートがセットになっていますので、楽しんでくださいね」

いいえ、みなさんがいま想像したようなこと、私はしていません。静まり返った深夜の書斎で、一人黙々とこのオランダ娘の制服を着せ替えて遊んでいる──なんてことは! せっかくいただいた貴重なエアライングッズなので、デスクの片隅にただポンと置いているだけです。本当です。

S.Akimoto at 00:08|Permalink

2010年08月12日

滑った客室乗務員

 
その“事件”は今週月曜日に起きました。アメリカのピッツバーグからニューヨークのJ・F・ケネディ空港に到着したジェットブルー航空1052便の機内でのことです〔写真はイメージ〕。機体が完全に停止する前に頭上のラックから荷物を降ろそうとした女性客を、客室乗務員のスティーブン・スレーター氏が注意してやめさせようとしたところ、その荷物が滑り落ちて彼の頭を直撃。スレーター氏は乗客に謝罪を求めましたが、逆にののしられたことで、彼の堪忍袋の緒は完全に切れてしまいました。


スレーター氏は機内アナウンス用のマイクでこの乗客への不平不満をわめき散らしてから、「もううんざりだ、やめてやる!」と言い放ってギャレーへ。そこで機内サービス用の缶ビール1本をつかみとると、非常口に設置されている緊急脱出用スライドシュートを作動させ、機内から滑り降りてそのまま帰ってしまったのです。

警察はその後、自宅に戻っていたスレーター氏を「危険行為」などを理由に逮捕しましたが、機内でのマナー悪化を不満に思う同業者からは彼を同情する次のような声が絶えません。

「乗客から罵倒されたことなんて、何万回もあるよ」
「客室乗務員は、乗客の手下くらいにしか思われてない」
「私なんか、乗客から平手打ちをくらわされたわ」

客室乗務員の指示には、乗客は必ず従わなければなりません。ネット上ではスレーター氏の行動を「よくやった!」と支持する声も集まっているようですが、現場で問題が起きたときには放置せず、そのつど報告を上げてきちんと対処すべきでしょう。溜め込んだ不満を爆発させて職場を放棄し、脱出用スライドシュートで逃走するなどという行為はもってのほかです。客室乗務員一人ひとりは、機内の安全を守る“保安要員”としての任務も負っているのですから。

警察の調べに対しスレーター氏は「一度、実際にスライドシュートを試してみたかった」と語ったそうです。アメリカ国内では、早くも「I slide(私は滑る)」という文字がプリントされたTシャツが売られているという話を聞きました。これについては、う〜ん、私は何もコメントしようがありません。ヘンな国。

S.Akimoto at 10:58|Permalink

2010年07月19日

ANAの人材観

 
今日は、客室乗務員の採用に関しての話を少々──。ANAはこの春に実施した約200名の新卒採用につづいて、先週新たに150人の既卒者募集を発表しました。一方のJALが再生に向けて事業縮小を進めるなか、名実ともに日本のフラッグキャリアを目指したANAの人事戦略が始まったと見ていいでしょう〔写真は出発前の客室乗務員のブリーフィング風景=成田のANAスカイセンターで撮影〕。


採用試験にパスして新人訓練を終了すると、ANAでは1年契約の客室乗務員として乗務が始まります。契約は2回(3年)を限度に更新が可能で、3年が経過すると、本人の希望と適性・勤務実績などを踏まえて長期雇用社員として再契約。その契約時には過去3年間の勤務態度などが考慮されますが、先日私が会った人事担当のKさんは「よほどの理由がないかぎり、ほぼ100%の確率で長期雇用の客室乗務員に転換していきますよ」と話していました。

女性社員に少しでも長く働いてもらえる会社にしたい──そんな思いからANAではここ数年、産休・育休制度をはじめとする組織改革に取り組んできました。産休や育休明けの社員が本人の希望で休みの日数を選択できる新制度もスタートしています。従来は、1カ月のうち勤務日が20日間と決まっていました。その勤務日を、新制度では75%の15日に減らしたり、50%にしたりということも可能に。それぞれのライフスタイルに合わせた働き方をできるようにすることで、家庭と仕事をより両立しやすくしたのです。

そんな取り組みの背景には、ANAの「社員一人ひとりの経験こそが会社の財産である」という考え方があります。客室乗務員はまさに機内サービスのスペシャリストであり、実際のフライトでどれだけ多くの経験を積み重ねてきたかでサービスにおけるスキルやセンスに大きく差が出てしまう。乗客の安全を守る「保安要員」としての役割にも、やはり経験が不可欠です。人事担当のKさんは、私とのインタビューの中でこんなことも言っていました──。

「ベテラン社員の経験を社内に蓄積していくことが、ANAの強みになるはずです。やがて会社を辞めることになっても、ANAでのそれまでの経験をいろんな世界で生かしていってほしい。さまざまな分野で活躍する人の中に“ANA出身”という経歴を見かけるようになれば、ANAの評価もますます上がっていくでしょうから」

S.Akimoto at 23:47|Permalink

2010年07月02日

アジアンタイフーン

 
エアライン業界への就職や転職を目指す人たちに向けたセミナーが先日開催され、1時間半ほど講演してきました。当日の受講生は30名前後と聞いていたのですが、私が到着したときには会場はすでに満席の状態。最後列のうしろや通路にも立ち見(立ち聴き)の人があふれていたほどです。


90分間ずっと立ったまま? それじゃあ気の毒なので、私が「イスだけでも用意できないのかなあ」と言うと、主催者側から「客室乗務員は立ち仕事で、きちんとした立ち姿勢で人の話を聞くのも大切な訓練です」とピシャリ。「はあ。そ、そうッスか」と、ちょっと恐縮してしまいました(笑)。

一人ひとりの様子は、私のほうからもよく見えます。話を聞くときの態度も表情も実際、とてもよく訓練されているなあという印象でした。受講生の目つきがとくに変わったのは、ルフトハンザエアアジアについての内容に触れたときです。すでに報告したように、ルフトハンザは6月からフランクフルト/東京線にエアバスA380を就航。A380でのデイリー運航になる夏以降は大幅に座席供給量が増えるぶん、日本人客室乗務員の新規採用計画も早々に浮上するでしょう。一方のエアアジアは、アジアを中心に世界の空に翼を広げるマレーシアのLCC(ローコストキャリア)で、いよいよ日本就航を視野に日本人客室乗務員の採用に踏み出しました〔写真はエアアジアが運航するエアバスA320〕。

ただし、エアアジアそのものについては受講生もまだあまり多くを知らないようで、セミナーではその独特な取り組みなどについて詳しくお話ししました。ターゲットとする就航地は、国際化が進む羽田なのか、あるいはつい最近「新しくLCC専用ターミナルを建設する」と発表があった成田なのか? これまでどんな戦略で成長を続けてきたのか? 働く場として見た会社や組織の特徴は?

上陸目前の“アジアの台風”として注目を集めるエアアジアについては、今後当Blogでもさまざまな角度から情報をお伝えしていく予定です。今月半ばに来日することになっている幹部らからは先日、私に面会依頼がきました。新しい情報を仕入れるチャンスでもあるので、先方にはすでに「会っていろいろ話しましょう」と返事を送ってあります。

S.Akimoto at 00:04|Permalink

2010年06月17日

いいねえ、新シート

 
搭乗が始まり、途中で二つに分かれるボーディングブリッジを通ってアッパーデッキ(2階席)へ。機内に入ると左手の先頭部分が8席あるファーストクラスで、私は出迎えてくれた客室乗務員にビジネスクラスの搭乗券を提示して右側のキャビンに向かいました。


そこからアッパーデッキの最後部まで計98席が配置されたビジネスクラスは、壮観です〔写真〕。ネイビーに黄色のアクセントを配したルフトハンザカラーのシェル型シートは従来タイプを踏襲していますが、これまでのボーイング747-400では横一列が“2-3-2”のレイアウトだったのに対し、エアバスA380では1席減らして“2-2-2”の配置に。そのぶん、通路もゆったりとってあります。ドア近くの窓側シートに座った年配カップルの「やっぱりいいねえ、新しいシートは」とささやき合う声が聞こえました。

私のチケットに表示された番号は「27D」。最後部から2列目のシートだったので、出発前のインタビューで男性会社員が話していた「静寂性」に注目してみました。タキシングから離陸滑走、離陸・上昇とつづく中でずっと耳をすませていると、なるほど、静かさを実感します。巡航飛行に移ってから、その静寂性について日本人客室乗務員の一人としばらく話しました。

「これまでの747-400ですっかり慣れてしまい、エンジン音が気になるというのはなくなっていたのですが──」と、彼女も言います。「でも言われてみると、本当にそう。747-400のエンジンより後方のシートでは、少し声を張らないとお客さまとこんなふうに会話はできませんでした。A380での乗務は今日でまだ2回目ですが、これから乗務を重ねていくうちに、もっともっといろんな発見がありそうですね」

どの客室乗務員にとっても、A380という新機材での乗務はまだスタートしたばかり。なので、サービスに当たる一人ひとりの表情には緊張感がただよいます。が、それでもみんないつも以上に楽しげに見えるのは、私の気のせい?

S.Akimoto at 12:40|Permalink

2010年05月23日

赤いバラのもてなし

 
予定していたすべての取材を終え、帰国しました。フランクフルトからは、ワケあってファーストクラスでのフライトで。ルフトハンザが成田線で運航しているボーイング747-400では、ファーストクラスはアッパーデッキ(2階席)にあって、中央の通路をはさんで2席ずつのシートが4列──計16席がレイアウトされています。


ルフトハンザはファーストクラスの客室を今回のエアバスA380の1号機受領に合わせてフル・モデルチェンジする計画を進めていたため、現状の747-400に搭載されているシートはもう古く、決して豪華とは言えません。発表されたA380の新シートに比べると、実際のところかなり見劣りします。

ただし、見劣りするのはあくまでハード面に関してのこと。“人”が介在するソフト面のサービスは話が別です。ベタベタせず、しかし必要なときはいつでも近くにいてくれる──その何ともいえない距離感が心地よく、私はいかにもルフトハンザらしいと感じました。

たとえば、搭乗してシートに着くと、通路側の肘掛けの先端に直径3センチ/深さ10センチほどの小さな穴が開いていることに気づきます。私の斜め向かいに座ったスイス人のカップルは「これ、何だろう?」と首をかしげていました。ほどなくして、それぞれの席に担当の客室乗務員が挨拶にきます。「担当の○○です。ご用がございましたら、いつでも遠慮なくお申しつけくださいね」と言って、肘掛けの穴に差していったのは、一輪の赤いバラでした〔写真〕。乗客との間に保たれる絶妙な距離感と、そのさりげない一輪のバラの花は、どこか共通しているように私は思います。

フライトの途中、私を担当してくれた日本人客室乗務員の森素子さんと、今回発表された新しいファーストクラスの話になりました。

「私たちはまだ見ていないのですが、オープンな空間を演出した新しいファーストシートはとても素晴らしいと聞きました」と、森さんは言います。「最近は個室タイプが流行のようですが、ルフトハンザはたくさんの方々にアンケート調査を実施したところ、密閉された空間よりもオープンな空間をお客さまは望んでいるという結果を得たようです。オープンなぶん、私たち客室乗務員もお客さまとのコミュニケーションがとりやすいですし、シートだけでなくソフト面でもお客さまにご満足いただける対応ができるよう私たちももっともっと努力を続けていかなければと思っています」

一輪の赤いバラは、ハンブルグからフランクフルトへのA380のデリバリーフライトでも見かけました。ファーストクラスの座席や、トイレの中などで。ルフトハンザのさりげないもてなしは新機材でも継続されます。その1号機が就航する成田/フランクフルト線も私は搭乗取材する予定ですので、報告を楽しみにお待ちください。

S.Akimoto at 19:11|Permalink

2010年04月29日

緊急事態発生!

 
キャビンの足もとには煙が充満し、気圧も低下しはじめています。徐々に息苦しさが増すなか、目の前に降りてきた酸素マスクに私は必死で手を伸ばしました。


「みなさん、落ち着いて!」と、乗客一人ひとりに客室乗務員が懸命に声をかけます。「マスクのゴムを頭の後ろ側にまわして」

予期せぬ緊急事態の発生です! ──というのはウソで、上の写真は、この4月にイスタンブールのトルコ航空トレーニング施設を訪れた際に見学した客室乗務員の訓練風景です。実際の機内を再現したモックアップを使用しての緊急時訓練に、私も乗客のモデルとして参加させてもらいました。

客室乗務員の仕事はじつに多彩です。では、その中で最も重要な役割は何でしょうか。笑顔での対応? おいしいワインや機内食の提供? いいえ、彼女らに課せられた最重要任務は「保安要員」としての役割です。火災発生時の消化活動や緊急時の脱出誘導、救命措置などの厳しい訓練を、彼女たちは日々重ねています。今回の取材で、私はそのことをあらためて実感しました。

さて、今日からゴールデンウィークですね。夕方のテレビニュースで、成田空港の出国ラッシュの様子を伝えていました。みなさんのフライトが、事故やトラブルのない、思い出に残る楽しいものになることを心から願っています。

S.Akimoto at 22:44|Permalink

2010年02月23日

お笑い出身

 
今日の夜、フジテレビ系列で“ピン芸人”の日本一を決める「R-1ぐらんぷり」の生放送がありました。司会者の話では、今年は過去最多の3,539人がエントリー。これとは別に、テレビ朝日系列では漫才の日本一を決める「M-1グランプリ」を、TBS系列ではコントの王座を競う「キングオブコント」を開催しています。お笑いブームはずっと続いているようですね。


そういえば、この4月にANAに新卒社員として入社してくる客室乗務員の中に、昨年のM-1出場者がいるそうです。先日インタビューした同社の人事担当者が教えてくれました。決勝大会までは進めなかったそうですが、どんな人なのでしょう。いずれ彼女が訓練を終えて乗務につき始めたら、私も世界のどこかの空で会えるかも知れません。楽しみです。

2011年4月入社の新卒社員の募集要項も、ANAから発表になっています〔写真は同社採用HPより〕。客室乗務員の募集人数は、ここ1、2年よりも50名ほど少ない200名。いまごろはきっと、空の仕事を夢見る多くの人たちがエントリーシートに向き合っていることでしょう。人事担当者も「今回の採用活動でも、またいろいろな“個性”に出会えることをいまから楽しみにしています」と話していました。

S.Akimoto at 23:21|Permalink

2010年02月11日

セミナー準備

 
昨年秋、取材で中国・北京へ向かう機内でのことです。ANAの905便が成田を発って1時間。水平飛行に移り、座席のテーブルにノートPCを広げて書き物をしていたら、やがて昼食のサービスが始まりました。


「お食事、少しあとでお持ちしましょうか」

私にそう声をかけてくれたのは、担当のチーフパーサーです。仕事の調子が乗ってきていただけに、彼女の申し出はありがたかったですが、中国線はわずか3時間半のフライトでサービスできる時間も限られているはず。心遣いには感謝しながらも、そう思って「いちいち個別に対応していたら大変でしょう」とPCを片づけ始めたら、彼女は首を振ってこう言いました。

「限られた時間だからこそ、マニュアル通りではない、パーソナルなサービスが大事だと私たちは考えています。短時間のフライトでできるだけお客さまと接点をもち、心からの“おもてなし”を感じていただくことが、ANAを知っていただく近道ですから」

さて、当Blog右欄の「Information」コーナーでもお知らせしているように、明後日(2月13日)にエアライン業界を目指す人たちに向けた応援セミナーを開催します。今日は書斎で朝からその準備を進めていたら、あのときの彼女の言葉をふと思い出しました〔写真はANA客室乗務員の拠点である成田スカイセンター〕。

マニュアル通りの一律なサービスではない、もう一歩進んだ“パーソナル”な対応──これは決して簡単なことではありません。目の前の乗客が何を望んでいるかをコミュニケーションをとる中で正確に把握し、それに最も相応しいサービスを自分たちで考えて提供していく。その仕事でポイントになるのが、サービスに当たるCA一人ひとりの「人間力」です。

憧れの“空の仕事”を手にいれるために、いまやるべきことは? エアライン各社はその「人間力」を秘めた人をどうやって見極めようとしているのか? 新しく迎え入れた社員たちを、組織の中でどう育て、どんな活躍の舞台を提供していくのか? セミナーで受講生のみなさんに話してやりたいことはたくさんあります。たくさんありすぎて、予定の2時間では足りないかも知れません。さて、どうしましょう(笑)。

S.Akimoto at 17:41|Permalink

2010年01月06日

新春セミナーのご案内

 
日系エアラインの旅客スタッフとして成田空港で働くFさんは、学生時代に留学していたアメリカ西海岸のあるテーマパークでアルバイトをしていたそうです。その当時のことを、彼女はこんなふうに話してくれました〔写真はイメージ〕。


「来園されるお客さまに、ゲートで『Enjoy!(楽しんでね)』とか『Have a nice day!(よい1日を)』とお迎えするのがとても楽しかったんです。ゲートをくぐると、この先に夢と希望がいっぱいの世界が待っていますよ──という気持ちを込めて。その体験が忘れられなくて、将来は笑顔でお客さまを出迎えたり見送ったりする仕事に就きたいと思うようになりました」

なるほど。旅客スタッフとは、新しい世界や未知なる国へ人々が気持ちよく旅立っていけるようサポートする仕事といえるかも知れません(以上は拙著『みんなが知りたい空港の疑問50』より)。空港で私たちが最初に接する旅客スタッフや、フライトで出会う客室乗務員たち。その一人ひとりが、それぞれの動機で“空の世界”を目指し、現在の仕事を手に入れました。取材で多くの人たちに話を聞いていると、エアライン業界が本当に夢のある舞台であることを実感します。

金融危機に端を発する世界同時不況の影響で現在、エアライン業界もとても厳しい状況に置かれています。が、こういう時代にこそ、各社は知恵と努力を結集して“空の旅”をより進化させていかなければなりません。そのために何よりも必要なのが「人の力」です。

そこでこの2月に、航空業界を志望する人たちに向けた新春応援セミナー『秋本塾』を、エアラインスクール「ARK ACADEMY」で開催することになりました。これまで世界の空を旅し、1,000人以上のエアライン関係者と接してきた経験をもとにこの業界の魅力と現状をお話しするとともに、サービスに当たる第一線の現場や人事担当者らの本音をお伝えするため現在さまざまな角度から最新情報の取材も進めています。

客室乗務員や旅客スタッフ、総合職としてエアラインへの就職を目指す人たちのみならず、すでに何らかの形で業界に携わっている人たちにとっても有意義な業界研究セミナーにしたいと思いますので、どうぞふるってご参加ください。詳細はこちらから。

S.Akimoto at 10:07|Permalink

2009年10月05日

中国南方航空

 
“アジア版オリンピック”とも言われるアジア競技大会が2010年11月、中国・広東省の広州で開かれます。その開催を控え、広州をベースとする中国南方航空では輸送力増強とサービス強化を目的に新しい客室乗務員の採用・育成をスタートしました。


日本と同様、客室乗務員は中国の若い人たちの間でも憧れの職業のようですね。今年夏にはテレビ番組とのタイアップによる公開CAオーディションが北京で行われ、あのエンジ色の制服〔写真〕を夢見る女性たちが全国から殺到。40人の採用枠(北京地区)になんと6,000人の応募がありました。その第一次選考会で、まずは“見た目”で彼女たちを振るい落とす役を担当したのが中国南方航空のマイレージクラブ上級会員です。一人ひとりが流れ作業で「乗客の代表」と称するオジサンたちの視線にさらされ、品定めされていた光景には、ちょっと閉口しました。

さて、成長を続ける中国のエアラインの中でも、年間の輸送力や旅客数でトップを走るのが中国南方航空です。最大拠点である広州と首都北京をハブ空港とし、日本へは東京、札幌、仙台、新潟、富山、名古屋、大阪、広島、福岡、北九州の10都市に就航。広州と北京のほか上海、大連、長春などの中国各地を結んでいます。

中国南方航空の歴史や就航地情報、サービスの特徴などを詳しく知りたい方は、スカパー「旅チャンネル」で放映中の情報番組『世界のエアラインガイド』をご覧ください。ちょうど先週末から同社編のオンエアが始まりました。

S.Akimoto at 08:45|Permalink

2009年09月24日

夢はキャビンクルー

 
恒例となった「世界旅行博'09」が先週末に東京ビッグサイトで開催され、私もエアライン各社の出展ブースを訪ねて関係者たちといろいろ意見交換をしてきました。その会場を歩きながらときどき見かけたのが、ダークスーツに身を包んだ若い人たちです。大半は女性でしたが、なかには男性の姿も。何人かに声をかけてみると、彼らの多くが「将来はエアライン業界で働くのが夢。そのための情報収集に来た」と話していました。


憧れる世界の空気を、実際に自分で肌で感じてみる──これは就職活動を進める上でとても大事なことだと私も思います。各社の出展ブースには現役の客室乗務員らも応援に駆けつけ、学生が彼女たちに積極的に質問している姿も目につきました。こういう交流の場がもっともっと増えればいいなと感じます。

私のその考えに「本当にそう思います」と同調していたのは、スカパー「旅チャンネル」の情報番組『世界のエアラインガイド』にサブコメンテーターとして参加している橋本絵里子さん。橋本さんが代表を務めるエアラインスクール「ARK ACADEMY」では、2003年より「クルーパーティ」と銘打ち、客室乗務員をはじめ航空業界を志望する若い人たちと国内外のエアラインで活躍中の現役クルーたちとの“ふれあいの場”を提供してきました。

「エアライン業界に入って何が一番よかったと思いますか?」
「客室乗務員に求められている資質とは?」
「目標に到達するには、どんな準備が必要でしょう?」

空の仕事を夢見る人たちからの質問に、現役クルーが自身の体験を振り返りながら答え、毎回とても有意義な催しになっていると聞きます〔写真〕。そのクルーパーティが今年は10月3日(土)に開催され、今回は私も特別ゲストとして出席することになりました。

当日はスクール代表の橋本さんのインタビューを受けたあと、参加者との質疑応答も予定しています。どんな質問が投げられるか、いまからとても楽しみ。世界の空を旅し、1,000人以上のエアライン関係者と接してきた経験から、すべてをお話しするつもりです。その結果、エアライン業界の仕事にますます夢を膨らませてくれると嬉しいですね。参加方法などの詳細は、同校ホームページで。

S.Akimoto at 12:02|Permalink

2009年09月03日

ミュンヘンが恋しい

 
早朝のオフィスの窓を開けると、空気がひんやり。9月に入ったばかりなのに、もうすっかり秋めいてきました。そして毎年この時期になると思い浮かぶのが、ドイツ・ミュンヘンのことです。同市で開催される恒例の一大イベント「オクトーバーフェスト」が、ビール好きの私には気になって仕方ありません。


レーベンブロイ、ホフブロイハウス、アウグスティナーなどのビール会社が市内の公園にそれぞれ1,000人は収容できる巨大テントを張り、自慢のビールとバイエルン料理を用意。会場には世界中から何百万人というビール愛好家たちが集まり、きっとまたどんちゃん騒ぎが繰り広げられるのでしょう。いいなあ。

今年のオクトーバーフェスト開催は9月19日〜10月4日に決まり、この期間中はミュンヘンをハブ空港の一つにするルフトハンザもお祭りムードに包まれます。たとえばミュンヘン発の長距離便では、名物の白ソーセージや地元産のマス料理、デザートのレーブクーヘンといったバイエルン地方の伝統料理を提供。また一部路線では、地元の人気ファッションブランドがデザインしたディアンドル(民族衣装である胴衣とギャザースカート)を女性客室乗務員が着用してサービスに当たります〔写真〕。

ネイビーに染められた胴衣&スカートと、黄色を基調としたエプロン──なかなか優美ですね。ルフトハンザのコーポレートカラーを反映させたこのディアンドル姿のスタッフには、ミュンヘン空港のカウンターでも出会えるそうです。

S.Akimoto at 06:21|Permalink

2009年08月15日

“仏日越”の合作サービス

 
右欄の「Information」コーナーでもお知らせしているとおり、スカパー「旅チャンネル」の情報番組『世界のエアラインガイド』で先週からベトナム航空のオンエアがスタートしました。


このベトナム航空について、私は番組の中で「フランス、日本、ベトナムの3カ国による合作サービスが何よりの特徴」と解説しています。

ベトナム航空にはもともとエールフランス航空が機材を提供し、同時にキャビンクルーも派遣していた歴史があるため、フランス流のサービスが根強く残ってました。その後、日本路線の開設とともに他のエアラインで経験を積んできた日本人クルーが採用されると、彼女たちは日本人らしいきめ細やかなサービスのスタイルを提案。そうしてフランスのやり方と日本のやり方がミックスされ、そこにベトナム本来の「あたたかい笑顔のもてなし」が加わって、世界でも類を見ない独特のサービスが完成したのです。

かつて「東洋の真珠」といわれたベトナムは、旅先としても魅力です。アジアの伝統とフランス様式の建築が融合したエキゾチックな街、ハノイ。買い物やエステなどで人気の近代都市、ホーチミン。その両都市にはさまれた中部エリアにも、隠れ家的なビーチリゾートや世界遺産が集まっています。そんなさまざまな“顔”をもつベトナムに、民族衣装アオザイの制服を着たクルーたちの独特のサービスを体験しながら飛んでいく、というのは楽しいですよ〔写真〕。

番組ではアオザイ姿の現役キャビンクルーも登場し、おすすめのスポットなどを紹介しています。再放送も繰り返しオンエアされていますので、興味のある方はどうぞ。

S.Akimoto at 01:06|Permalink

2009年06月25日

歌手の“U”さん

 
アーティスト名はアルファベット一文字で──“U”。これで「ゆう」と読みます。彼女は、自分の声を多重録音する「完全ひとりア・カペラ」にこだわり、心の癒しと再生をうながす「治音(ちおん)」というユニークな音楽の創造をつづけてきました〔写真〕。そしてこの“U”さん、じつは私が交流をもつ幅広いエアライン関係者のうちの一人でもあります。


歌手で、エアライン関係者? そうです。彼女は最近までJALの客室乗務員として世界の空を飛んでいました。3年前に客室乗務員としての16年のキャリアにくぎりをつけ、その後はアーティストの活動に集中。ライブを中心に忙しい日々を送るなかで、先日「スケジュール表に今月後半の一時期だけぽっかり空白ができた」と連絡があり、久々に都心で会うことになりました。

待ち合わせの店に行くと、先に到着していた“U”さん。「これ、どうぞ」とさりげなく渡されたのは、最新のリリースアルバム『運命の詩』のCDです。以前ライブにもお邪魔したことがありますが、彼女のあの何ともいえない不思議な世界はどうやって誕生したものなのか? それを聞くと、“U”さんはちょっと考えて答えました。

「作品づくりは、詩よりもまず曲が先で、メロディが浮かぶ背景にはいつもかつてどこかで出会った異国の街の風景が重なっているように思います。そういう意味では、世界を16年間飛び回ってきた経験はきっといまの自分のベースになっているのでしょうね」

その穏やかな語り口調も特徴で、“U”さんはイベント司会からナレーターまで何でもこなすマルチタレントとしても活躍。「お役に立てることがあればいつでも言ってくださいね」とにこやかに微笑みます。そして話題が私の近況に移ると、彼女は思い出したかのように言いました。

「そういえば、いま書いてる本、いつ出版の予定ですか?」
「秋だね。出版社の意向にもよるけど、10月頃に出そうかなと」
「でしたら、出版パーティには私が司会役で行きますよ」
「ほんとに?」
「あ、何なら、秋本さんのお友だちやお仲間の前で、歌も披露しましょうか?」

真顔でそんなふうに言ってもらったのには、びっくり! このところ海外取材も一段落してまったりと活動していましたが、気合いを入れ直さないといけません。7月以降はエンジンを全開にして、執筆に集中したいと思います。

S.Akimoto at 22:21|Permalink

2009年02月04日

ホットパンツの乗務員

 
ダウンタウンの中心に来ました。いま立っているのは、市内を縦横に走る地下鉄の南北線と東西線が交差する「Five Points(ファイブポインツ)」駅。さて、これからどこで何をしようか? アトランタといえば、コカコーラが誕生した地であり、世界の動きを24時間伝えるCNNの本拠地でもあり、ちょっと毛色の違ったところではアメリカ人男性に大人気のチェーンレストラン「HOOTERS(フーターズ)」の本部がある街でもあります。


すでに日は沈み、コーク博物館もCNNセンターも見学時間は終了してしまっています。で、同行者と相談した結果、私たちは地下鉄で一つ北の「Peachtree Center(ピーチツリーセンター)」駅へ向かうことにしました。駅を降りたすぐのところに「HOOTERS」の店舗があるからです。ちなみに同行者というのは、航空写真家のO氏。今回の取材旅行で、私はまたまたカメラマンに彼を指名してしまいました。「フーターズでご飯食べましょうよ」と言い出したのも、彼です(笑)。

さて、全米で429店舗、海外でも19店舗を展開する「HOOTERS」──その人気の秘密は、スタイル抜群の若いウェイトレスたちが胸元の谷間を強調したタンクトップと脚線美をギリギリまで露出したショートパンツというコスチュームでサービスしてくれること。といっても、きわめて健全なレストランで、店内にはカップルや家族連れも見かけます。「HOOTERS」の名前は男性客の目が店内を動き回る女の子たちを追ってフクロウのようにキョロキョロすることからついた、と何かに書いてありました(フクロウの鳴き声は英語で「hoot, hoot」と表記)。

このチェーン店の成功で得た資金で、経営者のロバート・ブルックス氏は事業の多角化を推進し、かつては「フーターズ・エア」という航空会社まで設立してしまいました。同じタンクトップにホットパンツといういでたちのクルーが乗務する飛行機が、最近までアメリカ国内を飛んでいたのです。2005年に大きな被害を出したハリケーン「カトリーナ」などの影響で営業は停止になりましたが、O氏は「ホットパンツの乗務員、取材してみたかったなあ」と残念そうに言います。

バドワイザーを飲みながら、そんな話をして過ごした2時間。ハンバーガーや照り焼きリブ、オニオンリングなど食べきれないほど注文してしまいましたが、チェック(会計)してみると、一人あたりせいぜい20ドル程度。値段も手頃です。テーブルを担当してくれた黒人系のウエイトレス〔写真〕に、少し多めにチップを加えて渡すと、彼女は紙幣を数えてから上目づかいに言いました。

「おつり、要りますか?」
「ううん、要らない。残りはきみに」

すると彼女は白い歯をのぞかせ、愛想いっぱいに「ありがとう、また来てくださいね」と言ってテーブルを離れて行きました。

S.Akimoto at 19:46|Permalink

2009年01月18日

A380でシンガポールへ

 
昨年末にひいた風邪が、まだぐずぐずと長引いています。寒い日がつづきますし、これではいつまでたっても抜け切らない。そう思って、常夏のシンガポールに逃げてきました。──なんて、風邪を治すためにシンガポールまで飛んで来たというのはウソ(笑)。今回の渡航目的の一つは、昨年5月に東京線に就航したシンガポール航空・エアバスA380の“その後”を取材するためです。


2007年10月のシンガポール/シドニー線での世界初就航から、早くも1年3カ月が経過しました。その後ロンドンと東京へ就航路線を拡大し、商業飛行回数は2,000回以上、運航時間は2万時間にも達しています。来月にも、A380の搭乗者数がのべ100万人に到達する見通しとの発表もありました。

まだ開発の段階から私はこの新しい旅客機を追い、初就航便への搭乗取材を経て数々のレポートを発表、東京線就航前には著書『エアバスA380まるごと解説』(ソフトバンククリエイティブ/サイエンス・アイ新書)も出版しました。今日、久々にこのA380のビジネスクラス〔写真〕で約7時間のフライトを取材しましたが、乗務していた日本人CAの乾可奈さんは「反響は私たちの想像していた以上」と話します。“A380は空の旅を変える”──著書に書いたそんな予言も、彼女の次の言葉で決して間違いではなかったことを確信しました。

「最初に旅の目的地を決め、そこに行くために必要なエアラインを選ぶというこれまでの旅のプランニングスタイルを、A380が変えるのではないか。秋本さんはそう書かれていましたね。A380が就航して以降は、まず『この飛行機に乗りたい』という思いが先にきて、その就航地の中から旅のプランを決めるというスタイルが出てくるだろう──と。本当にそう思います。A380に乗りたくてシンガポールに行く。そういう人たちが確実に増えていることを私たちも日々実感しています」

S.Akimoto at 20:12|Permalink

2009年01月14日

ベスト・オブ・アジア

 
この年末年始に家族をともなってアメリカ・ロサンゼルスを旅してきたというYさん。どうだった? と私が聞くと、彼は久しぶりに利用したという大韓航空のことに言及し「昔に比べてずいぶん雰囲気が変わっていて、びっくりした」と話していました。


彼が大韓航空を利用したのは5年ぶり。5年前というと、機体カラーも乗務員の制服も紺色と赤をベースにした古いデザインでした。それを淡いブルーとベージュの組み合わせに一新したのが、2005年秋です。

あれから3年。全社を挙げて刷新してきたイメージは利用者たちの間でもかなり浸透してきたようで、旅行専門誌「ビジネストラベラー」が主催する“2008 Best in Business Travel Awards”では07年に続きいてアジアのベストエアラインに選出されました〔写真はロサンゼルスで開かれた表彰式の様子〕。

ビジネストラベラーは世界に15万人以上の購読者を持つ旅の専門誌で、同アワードでは毎年、50近いカテゴリーで読者投票により優秀な航空会社が選出されます。大韓航空はその読者投票でアジアのベストエアラインのほか、アジア太平洋路線のベストビジネスクラスの栄冠も3年連続で手にしました。

実際、私の周囲でも評価は高いですね。私とはよく海外取材を共にする航空写真家のO氏も「大韓航空はサイコー!」と常々騒いでいます。もっとも、彼のお気に入りはフライトで出会う韓国人クルーたち。そういう視点での評価は“ブレ”も激しく、先日シンガポール航空を利用した際にはサロンケバヤを着たクルーにうっとりし「KEがナンバー1だと思っていましたが、SQもいいかも」と鼻の下を伸ばしていました。

S.Akimoto at 11:22|Permalink

2008年12月11日

ミネソタ生まれ

 
ポートランドからはノースウエスト航空005便を利用し、チーフパーサーのラッセル・ゲイナーさん、日本人クルーの浦部晴美さんの二人とギャレーで雑談しながら帰ってきました。そのときに近くにいたアメリカ人クルーが「ちょっとこっち向いて。記念に1枚」と言って撮ってくれたのが、下の写真です。


いつも思うのですが、アメリカ系のエアラインはとてもフレンドリーで、乗っていて飽きません。とくにミネソタ州のミネアポリスという田舎街(失礼!)で生まれたノースウエスト航空のクルーたちは、みんな本当に素朴で陽気です。これも、エアラインの重要な個性の一つでしょう。

そのノースウエスト航空がデルタ航空と合併することになり、準備が始まって忙しくなってきたという話を日本支社のスタッフたちから聞きました。いずれは「ノースウエスト」の名は消えてしまうわけですが、日本人にとってより馴染みが深いのは、デルタ航空よりもやはりノースウエスト航空のほう。アメリカから日本へ乗り入れる太平洋路線を初めて開拓したのはノースウエスト航空でしたし、外国のエアラインで最初に日本人の客室乗務員を採用したのもノースウエスト航空でした。日本人向けのサービスを強化してきた方針は、合併後も変わらずに続いてほしいですね。

現在は東京、名古屋、大阪から週に200を超える便を運航。日本発着便には1〜3名の日本人が乗務するほか、アメリカ人クルーにも日本語や日本文化に対する理解をうながし、習熟度の高いクルーを優先的に乗務させています。帰りのフライトで会ったゲイナーさんも日本語を勉強中らしく、英語で話しかける私に彼が日本語で答えるというチグハグなやりとりに、同僚の浦部さんは可笑しさをこらえ切れない様子でした。

その浦部さんからは今朝、こんなメールが届いていました。

「今日はこれからミネアポリス線の乗務で、凍てつくミネソタに行ってきます。最高気温マイナス5度で、最低気温がマイナス17度。それでもビジネスマンたちは、冬用の厚手のコートを着込み、我慢して外のテラスでビールを飲んでいます。ミネソタって、そんな人たちの街なんですよ。次回はミネアポリス線を利用して、ぜひスヌーピーの街、ミネソタへお越しくださいね」

S.Akimoto at 20:59|Permalink

2008年08月22日

コーヒー頼みました?

 
成田と羽田を中心に現在、日系エアラインの取材を進めています。今週会ったのは、主にCAとグランドスタッフたち。彼女たちが本音で語る話はじつに面白く、いまだから話せる失敗談などもたくさん聞くことができました〔写真はイメージ〕。


国内線の乗務では通常、1日に3つのフライトを担当します。たとえば、朝一番で羽田から札幌へ飛び、次の札幌/羽田便で帰京。そして夕方に羽田から今度は那覇へ飛び、その日は沖繩にステイ──といったパターンです。その最後の羽田/那覇のフライトで、当時まだ新人だったOさんは「24C」の座席の乗客にコーヒーを注文されていたことを思い出しました。「いけない、危うく忘れるところだったわ」と呟きながら、彼女は急いで用意して24Cの席へ。するとその乗客は「私、頼んでいませんが……」と言うのです。

あれ、おかしいな。たしかに頼まれた覚えがあるし、席番号も24Cで間違いないはず。Oさんはその後、ゆっくりと記憶をたどってみて、自分が大間違いをしていたことに気づきました。24Cの乗客にコーヒーを頼まれたのは事実なのですが、それは夕方の羽田/那覇線ではなく、朝一番の札幌行きの便でのことだったのです。

「機内の通路を行って帰ってくるだけで、飲み物のほか新聞や毛布など、いろんなことを注文されます。それらに一つひとつ対応しているうちに、なぜかコーヒーの注文だけがすっぽり抜け落ちてしまったのでしょうね」とOさんは言います。「あのことがあってから私、同じ失敗を二度と繰り返さないためのいい方法を思いつきました。それは、自分の記憶力を過信せず、頼まれたことはそのつどメモするというい方法。“15Aのお客さまはスポーツ新聞をお待ち”といった具合にね。どうです?」

頼まれたことは忘れずにメモする──ですか。ふうん、なるほど。でもこれ、ちょっと意地悪な言い方をすると、ごくごく当たり前のことのようにも思えますが(笑)。

S.Akimoto at 22:28|Permalink

2008年06月16日

アッフェルワイン酒場

 
関西発のルフトハンザ741便は定刻どおり昨日15時25分にフランクフルトに到着しました。その後、空港に隣接するシェラトンホテルにチェックイン。PCをネットにつないでeメールのチェックを済ませ、熱めのシャワーでリフレッシュして、さっそく市街に繰り出しました。


フランクフルトは空港と市街が近接していて、アクセスがとても便利です。空港ターミナルの地下エリアにあるSバーン(都市近郊電車)に乗れば、市の中心部まで15分もかかりません。中世の面影がただようレーマー広場の木組みの建物や大聖堂などを手短にカメラに収めたあと、約束の場所である中央駅に向かいます。

待ち合わせの相手──奥村里菜子さんは、フランクフルトに暮らすルフトハンザの日本人客室乗務員。彼女とは約1年半ぶりの再会です。「さて、どこへ行こうか」と二人であれこれ考えた結果、市内を流れるマイン川をはさんで中央駅から1キロほど離れたザクセンハウゼンへ。ここは120軒以上の伝統的なアッフェルワイン(りんご酒)酒場が軒を連ねる歴史的旧市街地域です。

フランクフルト名物であるアッフェルワインは、最初は「何だ、これ?」という印象ですが、軽いノド越しと独特の甘酸っぱさが飲むほどにクセになります。こってりしたドイツ料理には相性もぴったりですね。いまの時期のフランクフルトは1年のうちで最も日が長く、夜9時過ぎまで暗くなりません。古い石畳の路地をしばらく歩いたあと、以前いっしょに入った「STRUWWEL PETER(もじゃもじゃ頭のペーター)」という店を再び訪ねてみました〔写真〕。

奥村さんは、私にとっての貴重な情報ソースの一人です。これまでのフライト経験をベースにした彼女の語りは聞いていて楽しく、いつもつい引き込まれてしまいます。お酒が進むとオフレコ話も多くなり、これはそのまま書くと大変なことになりますが(笑)。飲んで、食べて、しゃべって──店の人に「閉店」を告げられて外に出たときは、辺りはもうすっかり暗く、間もなく日付が変わろうとしていました。

S.Akimoto at 09:22|Permalink

2008年06月04日

43人のニューフェイス

 
今年2月のBlog「CA志望者にチャンス!」で、欧州を代表する“ネットワークキャリア”として世界の空で活躍するルフトハンザが、好調な業績を背景に日本人客室乗務員40名を新たに募集していることをお伝えしました。


同社の日本人募集はほぼ3年ぶりです。その結果、計43名が新規に採用されました。ニューフェイスたちは昨日、あいにくの雨模様のなか、東京都内で開催された初のセミナーに参加。セミナーに立ち合ったルフトハンザ関係者の一人は「新しい社員を迎えるのはやっぱり嬉しいもの。ぐずついた天気の中でも、会場入りするスタッフたちの足取りはみんな軽かったですよ」と話していました。

さて、ニューフェイス43名は今後、6月中旬より2チームに別れて本社のあるドイツ・フランクフルトで11週間の基礎訓練をスタート。8月には実際のフライトでのOJTを経て、今秋からフランクフルトをベースに日本路線に乗務することになります〔写真はフランクフルト本社に隣接するルフトハンザの乗務員訓練センター〕。

ルフトハンザには現在、約1万5,000人の客室乗務員が在籍しています。アジア出身者は約600人で、そのうちの3分の1の約200人が日本人。今回の新規採用で日本人は一気に243人に増えたわけですが、これも2009年以降に予定されているエアバスA380の東京線就航も視野に入れてのことなのでしょうか。ニューフェイスたちのこれからの活躍、楽しみですね。

S.Akimoto at 11:06|Permalink

2008年05月22日

この着物、なーんだ?

 
うかつにも、知りませんでした。JALの客室乗務員がかつて70年代の初めにかけて着物で機内サービスをしていたことは、私もいくつかのメディアで書いてきましたが、まさかヨーロッパのエアラインにも着物姿のCAが乗務していたとは──。


そのエアラインとは、英国のBA(ブリティッシュ・エアウェイズ)です。同社は今年で日本就航60周年。それを記念して昨日、東京・銀座の三越で客室乗務員の歴代ユニフォームのファッションショーが開催されました。

ショーではCA養成学校「イカロスアカデミー合格講座」の受講生たちがモデルを務め、12種類のユニフォームを披露。その一つとして紹介されたのが、同社の前身であるBOAC(ブリティッシュ・オーバーシーズ・エアウェイズ・コーポレーション)時代に日本人だけに着用が許されたという着物のユニフォームです〔写真〕。ユニフォームとはいえ、着物は乗務員自身がそれぞれに調達したそうで、機内ではいろんな柄の着物が通路を行き交いきっと華やかだったでしょうね。

しかしファッションショーでは、他のスーツやワンピース姿のモデルたちと違い、着物のモデルの動きはやっぱりちょっとスロー。ときに機敏な動きが要求される乗務員の制服に、残念ならが着物は合わないかな? ロンドンのBAミュージアムから取り寄せたという歴代ユニフォームは、BAと銀座三越で開催中の「英国展」のコラボレーション企画として今月26日まで展示されます。

S.Akimoto at 14:59|Permalink

2008年03月09日

国際舞台で活躍しない?

 
外国のエアラインを利用する際の、いちばんの不安は? そんな質問を日本人旅行者にすると、必ず返ってくるのが言葉の問題です。とくに年配の人たちは、日本語の通じる航空会社に乗りたいと希望するケースが少なくありません。そこでエアライン各社は最近、乗客サービスの一環として、各路線で乗客ができるだけ母国語で会話できるよう客室乗務員を配置することに力を注いでました。


なかでも、日本人クルーの採用を早くから積極的に進めてきた1社が、姉妹会社の香港ドラゴン航空とのコードシェア便をあわせて東京、大阪、名古屋、福岡、札幌、仙台と香港を結ぶ6路線で週に計101便を運航(仙台線は冬季のみ)するキャセイパシフィック航空です。在籍する7,300人の客室乗務員のうち、日本人は現在約460人。各フライトには最低2〜3人の日本人客室乗務員を配置しています。

そのキャセイパシフィック航空がさらなる事業拡大に向け、3月下旬から4月上旬にかけて新たに120人の日本人客室乗務員を採用する計画を発表しました。日本での客室乗務員採用は、約100名を採用した前回から約2年4カ月ぶりです。

現在、香港を拠点に世界35カ国・地域の111都市に翼を広げるキャセイパシフィック航空。その特徴は、なんといっても“国際色の豊かさ”でしょう。客室乗務員は性別や国籍を問わず原則として全員が香港ベースで勤務し、日本以外の路線でも日本人クルーに出会うことが少なくありません。せっかく航空業界で働くなら、国際的な舞台で活躍したい──そんな人にはピッタリのエアラインだと思います。

S.Akimoto at 18:24|Permalink

2008年02月26日

二人の日本人客室クルー

 
「それまで続けていた英語教師をやめて、友人と初めてタイを旅したときに直感で思ったんです。私はこの国に住みたい、住んでみたい、と。タイの人たちの優しさに魅かれたのでしょうね」


広島から乗ったバンコクエアウェイズPG812便に乗務していた平元禎子さん〔写真左〕はそう話してくれました。2007年12月に同エアラインに入社した7人の新しい日本人客室クルーのうちの一人です。同じ便に乗務していたもう一人の新人、以前はコリアンエアーのグランドスタッフとして成田に勤務していた松井剛さん〔写真右〕も、やはりタイが大好きだったと次のように言います。

「プライベートでは、10回以上はタイを訪れましたね。気候もいいし、人も親切。いつか何かしらタイに関わる仕事したいなと考えていたことと、飛行機が好きで、できればクルーとして飛びたいと思っていました。そんなとき、インターネットでバンコクエアウェイズのクルー募集を見つけたんです」

日本人男性をクルーとして採用しているアジア系エアラインは、キャセイパシフィック航空とこのバンコクエアウェイズだけ。松井さんにとってはまたとないチャンスだったのでしょう。いまの仕事は自分に合っているという松井さんは同僚たちからの信頼も厚く、平元さんも「男性が乗務していると、力仕事なども率先して引き受けてくれて、とても心強いです」と話しています。

二人ともバンコクベースの生活にもすっかり慣れたそうで、平元さんは、バンコクではいろんな種類のマッサージに通うのが一番の楽しみだとか。当面の目標は一日も早くタイ語をマスターすることだといいます。

「同僚のタイ人クルーたちに『これはタイ語で何ていうの?』と質問し、毎日1語ずつボキャブラリーを増やすことを日課にしています。そうしたら、タイ人クルーも反対に『これは日本語で何?』と聞いてくるようになりました。日本路線はタイ人クルーにも人気で、お客さまと日本語で話せるようになれたらいいなとみんな言っています」

バンコクエアウェイズの日本路線は現在、タイの首都バンコクへ広島から週に2便、福岡から週に3便を運航。この4月より広島線は週3便、福岡線は週4便に増便されます。

S.Akimoto at 22:06|Permalink

2008年02月08日

CA志望者にチャンス!

 
欧州を代表する“ネットワークキャリア”として世界の空で活躍するルフトハンザが、日本人客室乗務員40名の新規採用を進めています。CAをめざす方は、チャンスですよ。


チャンスという理由の一つは、欧米のエアラインのCA採用は多くが欠員補充のためで、なかなか“空き”が出ないこと。とくにルフトハンザのCAたちは、辞めないんです──会社を。私もIさんとOさんという二人の日本人CAと親しくしていますが、二人とも結婚後も辞めずに元気で飛び続けています。

しかも今回は、欠員補充のための募集ではありません。好調な業績を背景にした同社の“攻めの経営”の一環です。ルフトハンザには現在、約1万5,000人の客室乗務員が在籍し、そのうち205人が日本人。3年ぶりの日本人募集となる今回は東京、名古屋、大阪の各線に乗務するクルーを新規に40人採用する計画で、合格者は今年の夏からドイツでの11週間の基礎訓練後、2カ月間のOJTフライトを経て公式の乗務にあたります。

IさんとOさんに話を聞いても、ルフトハンザはすごく働きやすそうですよ。彼女たちが結婚後も辞めないのは、別に無理にしがみついているわけではありません。長年フライトを続けてきた経験を会社側は何よりも大切な財産と考え、彼女たちを手放そうとしないのです。結婚して子供が産まれてもずっと飛び続けていられるよう、通常の「70%」「50%」など乗務の回数を自分で希望できる制度もつくっています。

「社員を本当に大切にしてくれますね。社員一人ひとりの能力アップが、結局は会社の発展にもつながる──そんな考え方も会社にはあるようです」と、Iさんは言います。「だからフライトに直接必要なスキルだけではなく、異文化や医療・健康、ビジネスなど他の分野の知識や技術を学びたいと思う社員に対しても、ルフトハンザはとても協力的。フライトを続けながら大学で医学を学んで資格をとり、医者と乗務員の仕事を両立している同僚などもいますよ」

どうです? チャンスだと思うでしょう。我こそは、という人のために応募方法を付記しておきますね。応募する場合は、こちらから英文質問表をダウンロードして必要事項を記入し、日本語の履歴書とパスポート用および全身の2枚の写真を添付して下記宛てに直接送付してください。〆切は2月15日(金)です。Don't give up !

Deutsche Lufthansa AG
Abteilung:FRA NB
Flughafen Bereich West
D-60546 Frankfurt am Main/Germany

S.Akimoto at 00:15|Permalink

2007年12月25日

キーワードは“人材交流”

 
コリアンエアーは今月18日より、同じスカイチームに11月から正式加盟した中国南方航空との間で客室乗務員の交換乗務をスタートしました〔写真〕。


このプログラムにはコリアンエアーから6名、中国南方航空から40名の客室乗務員が参加。コリアンエアーのクルーは、中国南方航空の仁川/広州線に1便当たり1名ずつが乗務し、中国南方航空からはコリアンエアーの仁川/広州、仁川/北京、仁川/長沙の3路線に1便当たり2名ずつが乗務します。

実施期間は約6カ月。中国南方航空からは最低2年以上の勤務経験があり、英語が堪能で、サービス教育も担当している優秀なクルーが選抜されました。11月下旬から約3週間、コリアンエアーの乗務員訓練センターでサービスから安全に至るまでの訓練が実施されたそうです。一方のコリアンエアーからも、英語・中国語に堪能なベテラン乗務員が選ばれました。

お互いの優れた点を学び、自社に取り入れながら、サービス向上を図っていく──いいことですね。各社とも2社間の提携による共同運航などは従来から活発に行ってきましたが、アライアンス同士の競争がますます激化する2008年以降は、そうした「人材交流」が一つのキーワードになりそうです。

S.Akimoto at 23:03|Permalink

2007年11月23日

外資系初の日本人FA

 
1947年7月、米国ミネソタ州ミネアポリスから日本に向けて、初の民間フライト機が飛び立ちました。運航したのはノースウエスト航空です。そして同エアラインに外資系航空会社として初めて日本人フライトアテンダントが乗務したのが、5年後の1952年。その人とは、遠藤ようこ(現ヨーコ・テイラー)さんで、当時24歳だった彼女は300名の応募者の中からたった一人採用されました。


1950年代初頭は、日本ではパスポートの取得や外貨の持ち出しに制限があり、乗客の中に日本人はまだほとんどいなかった時代です。戦後間もない時期で、日本を敵国とみなしていた国も少なくありません。ソウルでは遠藤さんは機外にいっさい出ずに帰国便の出発までキャビンで待機したり、対日感情が良くなかったフィリピンのマニラでもステイ先から一歩も外出できなかった──そんなエピソードも残っています。

そのノースウエスト航空が、今年で日本就航60周年を迎えました。日米間の掛け橋として、そして太平洋の空のパイオニアとして今日まで活躍を続けてきましたが、先駆者たちの歴史には常に想像もつかないような苦労話がつきまといますね。

それらのエピソードや、大量輸送時代の幕開けを告げるジャンボジェット(ボーイング747)の他社に先駆けての導入経緯なども含めた同エアラインの歩みを振り返るレポートを、前・後編の2回にわけてAll About『世界のエアライン』にアップしました。

≫≫≫「NWA──太平洋の空のパイオニア(前編)
≫≫≫「NWA──太平洋の空のパイオニア(後編)

S.Akimoto at 08:17|Permalink
Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら新聞・雑誌、Web媒体などにレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『これだけは知りたい旅客機の疑問100』『ボーイング787まるごと解説』(ソフトバンククリエイティブ/サイエンスアイ新書)や『航空大革命』(角川oneテーマ21新書)など著書多数。

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