世界のエアライン

2013年09月10日

便名を考える

 
フライトの便名を表す数字(通常3ケタ)に、厳密にはどのエアラインにも共通するルールというのはありません。ただし国際線に限定して言うと、多くの会社が取り入れているスタイルはあります。たとえば成田からニューヨークへ向かうJAL便は「JL006」で、復路便が「JL005」。中東のエミレーツ航空の成田からドバイへの便は「EK319」で、ドバイから成田への復路便が「EK318」──。


日本から目的国への便がJALでは偶数(006)なのに対して、エミレーツ航空では奇数(319)です。もう一例を見てみると、今回利用したユナイテッド航空の成田発デンバー行きは「UA138」と偶数で、帰りが「UA139」と奇数でした。そこにはつまり、こんなルールを発見できます──「国際線は地球全体で考えて、東から西へ向かう便には奇数の、反対に西から東へ向かう便には偶数の便名を割り当てている」と。こういう決め方をしているエアラインは、世界に少なくありません。

もっとも、すべてに共通するルールというわけではありません。なかには電車の「上り」「下り」のような発想で、自国を中心に海外への便を奇数、海外から自国に戻る便を偶数にしているエアラインもあります。その1社が大韓航空〔写真〕で、たとえばソウルから成田を経由してホノルルに向かう便に「KE001」を、ホノルルから成田経由でソウルに戻る便は「KE002」を割り当てました。ちなみに001便/002便は、各社にとってのメイン路線か、古くからある伝統的な路線であるケースが多いようです。

さて、ユナイテッド航空で訪ねたアメリカ・コロラドの取材から無事に戻りました。そして帰国したのもつかの間、現在はまた成田空港の第1ターミナルに来ています。これから乗るのは、大韓航空のその001便。季刊『航空旅行』秋号(Vol.7)の巻頭特集「太平洋航路をゆく」の取材第2弾で、ホノルルへ向かいます。

S.Akimoto at 19:31|Permalink

2013年09月03日

太平洋航路を787で

 
アメリカ系キャリアで唯一、ボーイング787を保有するユナイテッド航空が、同型機の日本路線での積極活用に乗り出しています。たとえば現在デイリー運航を続ける成田/シアトル線に、これまでの777-200に代えて2013年11月から787を導入すると発表。同様に関西/サンフランシスコ線でも、2014年4月より777-200から787への変更を決定しました。関西発着便に787を就航させるのはユナイテッド航空が初めてです。


このBlogでも何度となく書いてきましたが、787は燃費効率にとても優れた旅客機です。軽量で高強度のカーボンファイバー複合材をボディや主翼のメイン素材にしたことで、同サイズの767に比べて燃費は20%も改善されました。そのため飛行距離が延びれば延びるほど、真価を発揮します。

長距離路線を開設する場合、大量の燃料が必要なことから大型機を使わざるを得ず、これまでは一度のたくさんの乗客が利用する路線でなければビジネスとして成立しませんでした。一度のフライトに400〜500人の利用者があるのは、ニューヨーク、パリ、ロンドン、フランクフルトなどいわゆる“ドル箱”といわれる路線です。しかし中型機であっても787なら、航続距離が長く、また200人の程度の乗客数で長距離を飛ばしても燃費がよくてコストを抑えられるから十分にペイできる。結果、従来は不可能だったさまざまな都市への路線開設が可能になりました。ユナイテッド航空が2013年6月から飛ばし始めている成田/デンバー線などは、787だからこそ実現した路線といえるでしょう。

さて、私は現在、成田空港第1ターミナルのユナイテッド航空ラウンジにいます。10月末に発売の季刊『航空旅行』秋号(Vol.7)で予定している巻頭特集「太平洋航路をゆく」の取材のため、写真家の倉谷清文氏を伴って。ウィンドウ越しに見えるのは、出発準備を進めるデンバー行きのUA138便。あと30分ほどで、ボーディング開始です。

S.Akimoto at 15:35|Permalink

2013年08月31日

スイスハウス

 
通称「スイスハウス」の名で呼ばれているご覧の建物、ご存知ですか? 東京メトロの溜池山王駅と直結する44階建ての山王パークタワーのすぐとなり。日枝神社との間に広場があって、そのやや奥まったところにポツンと佇むこの2階建ては、まるで都会の中のオアシスです。屋根に掲げられているのは、「Swiss International Air Lines」のロゴマーク──読めますか?〔違う角度からの大きいサイズの画像をfacebookにアップしました〕


スイスハウスは、スイスインターナショナルエアラインズがチューリッヒとニューヨークに次ぐ世界で3番目のフラッグシップオフィスとして開設しました。同社は今年4月より、グループのルフトハンザおよびオーストリア航空とともに、ANAとのジョイントベンチャーに参入。グループ内の連携強化を目的に、日本支社は6月よりルフトハンザの日本支社がある港区芝公園のビルに移転しましたが、予約・発券セクションおよびマーケティングや広報などの拠点は現在もスイスハウスにあります。

さて、チューリッヒにあるスイスインターナショナルエアラインズの本社から今週、新たにCCO(最高コマーシャル責任者)に就任したばかりのマーカス・ビンカート氏が来日しました。それにともない、スイスハウスに航空に関係の深いメディア関係者を集めての懇談会を実施。私も出席してきました。話の中でビンカート氏は「長距離国際線で使用中の15機のエアバスA340-300の後継機としてボーイング777-300ERを6機オーダーした」と発表し、2016年に受領するその1号機をまずはデイリー運航を続けるチューリッヒ/成田線に導入する可能性も示唆しています。新CCOとしての最初の海外訪問先に彼が日本を選んだ背景には、同社にとって日本市場の重要性が増している事実があるのかも知れません。

それにしても、取材の打ち合せなどでときどきスイスハウスを訪れると、なぜかいつも心が癒されます。最初に書いたように、ここは都会のオアシスのようで。知り合いの広報スタッフらは現在もスイスハウスに詰めているので、赤坂界隈でちょっと時間が空いたときは、立ち寄ってお茶でも飲ませてもらおうかな。また仕事の邪魔をしにきた──って、嫌がられるかなあ(笑)。

S.Akimoto at 00:01|Permalink

2013年08月22日

創作フレンチ

 
東京・四ツ谷にある有名レストラン「オテル・ドゥ・ミクニ」を訪ねました。そこで味わったのが、オーナーシェフの三國清三さんが手がけた創作フレンチのフルコース。まずは、メニューから紹介しておきましょう。


1皿目が、自家製豆腐の柚子味噌風味、無花果・胡瓜・パプリカ、カリフラワーのピュレととんぶり添え。2皿目は、サーモンのスフレ仕立て、ノイリー風味、フルーロンとトマト・フォンデュ添え。3皿目のメインに、牛フィレ肉のステーキと茄子のブレゼ、木の芽味噌ソース。そして4皿目のデザートが、ピスタチオナッツのムースとカシスのムース、マンゴーのシャーベットの盛り合わせ。最後にコーヒーがついて、おしまい。

以上です。ふう。詳しく紹介しましたが、私にはうまく解説できないので、いただいてきたメニューをそのまま写しました(笑)。でも、本当においしかったです。上の写真は3皿目のメイン料理で、いまからfacebookに、1皿目と2皿目も合わせて大きなサイズの写真をアップします。

さて、種明かしをすると、これはスイスインターナショナルエアラインズ(SWISS)の機内食の試食会でした。同社が雲の上で提供する機内食は定評があり、ファンが少なくありません。一流ホテルや著名なシェフとタイアップした機内食を提供するエアラインは最近でこそ珍しくありませんが、その先駆けとなったのがSWISSです。成田発のファーストクラスとビジネスクラスで、三國さんのプロデュースによる創作フレンチを楽しむことができます。もう一度言いますが、本当においしいですよ。

S.Akimoto at 16:23|Permalink

2013年08月19日

ソカロの大聖堂

 
ご覧の写真は、メキシコの歴史的建造物のひとつ──首都メキシコシティの中心地ソカロに建つカトリック大聖堂です。facebookに大きいサイズの画像をアップしましたが、とても古い写真で、画質があまりよくありません。いまから四半世紀も前の1987年12月に撮影しました。


当時私は「宗教と地域紛争」をテーマに、カトリックについても取材を続けていました。そんな私がはじめてメキシコを訪れたのが、1987年のクリスマス。ソカロの大聖堂は、中南米諸国のカトリックの総本山です。いい機会だったので神父さんに交渉し、24日深夜のイブのミサに参列させてもらいました。まだデジタルカメラなど世に存在しない時代で、この写真はキャノンA-1というフィルム用の機種で撮影したものです。プリントアウトしてあったものをスキャナーで読み込んでいるので、画質はより劣化しています。

さて、じつはある雑誌の特集企画の取材で、私はこの9月にもメキシコに飛ぶ計画を立てていました。日本から直行便を就航しているアエロメヒコ航空のフライト取材も兼ねて。そこで広報担当と打ち合せを進めていたのですが、同社は今年10月14日より、成田/メキシコシティ線にこれまでのボーイング767に代えて新たに787を投入します。せっかくメキシコを取材するのなら、最新の787でアプローチしてはどうか。そんな話でまとまり、就航後しばらくして落ち着いたころに実現することになりました。

アエロメヒコ航空の787は、当初の計画どおり先週金曜日(8月16日)に1号機が納入されたようです。9月中に2号機と3号機を受領し、まずは10月1日からメキシコシティとモンテレイおよびティファナを結ぶ路線で運航をスタート。その後はニューヨーク線に、さらに10月14日からは成田とメキシコシティを結ぶ週3往復の全便が787での運航に切り替わります。私が飛ぶのは、いまの状況だと早くて12月? 作家としての取材テーマは現在も継続していますし、今年はクリスマスイブを、もう一度メキシコシティで過ごすかも知れません。

S.Akimoto at 00:53|Permalink

2013年08月07日

ガルーダが熱い

 
発売中の季刊『航空旅行』夏号(Vol.6)の巻頭特集のテーマは“アジア”で、ガルーダ・インドネシア航空のレポートを読んだ読者の方からいくつか反響をいただきました。「ガルーダに私も乗ってみたくなった」「ジョグジャカルタに行きたい!」「ウブドのあのホテルに私も泊まってみたい!」などなど。フライトと現地の魅力がうまく伝わったようで、私もうれしく思っています。


現在のガルーダ・インドネシア航空には、とても“勢い”を感じています。私たちが取材した成田/ジャカルタ線のほか、同社は成田と羽田、関西の3空港からバリ島デンパサールへの直行便もデイリーで運航。ここ数年の成長ぶりは目覚ましく、今年11月には関西からジャカルタへの路線も開設予定であることが発表されました。2010年からは日本人客室乗務員の採用も始まっています。今回の取材では機内で日本人2期生の高野真規子さん〔写真〕にインタビューしましたが、ジャカルタの本社では彼女の後輩に当たる新人たちがトレーニング中で、もう間もなく実機での乗務に移ると聞きました。

そうした動きの中でも、私がとくに注目しているのがインドネシア発着の国際線ネットワークの拡大です。日本路線はすべてエアバスA330での運航ですが、新規導入を進めるボーイング777-300ERを使用して年内にもロンドンへの直行便が就航。私がちょうど『航空旅行』にレポートを書いていた7月2日に、ファーストクラスも搭載された777-300ERの初号機を受領したというニュースが入ってきました。

成田からジャカルタを経由し、真新しい777-300ERに乗り継いでロンドンへ。いずれ、そんなロングフライトの取材もしてみようかと考えています。

S.Akimoto at 17:02|Permalink

2013年08月01日

機上のクルーたち

 
イカロス出版から季刊『航空旅行』の夏号(Vol.6)が発売になっています。この号のメイン特集は「アジアのトップエアラインで行く優雅な空旅」で、私は巻頭でレポートしたキャセイパシフィック航空のほか、ガルーダ・インドネシア航空ベトナム航空を使った旅の取材と執筆を担当。フライト取材では、機上でご覧の3人の日本人クルーたちと出会いました(大きな画像はfacebookで)。


紹介しましょう。写真左から、キャセイパシフィック航空の藤原好美さんとガルーダ・インドネシア航空の高野真規子さん、そしてベトナム航空の冨田結美さんです。今回の取材では、雲の上での私のインタビューに、それぞれ快く応じてくれました。

飛んでゆく先のお国柄で機内の様子もがらりと変わる──そう話してくれたのはキャセイの藤原さんです。日本路線のみならず、香港をベースにさまざまな国・都市への路線に乗務する同社のクルーならではの経験といえるでしょう。ガルーダ航空の高野さんからは、厳しい新人トレーニングの中の「サバイバル訓練」について聞きました。山奥のジャングルで急峻な斜面を登ったり、川を泳いで渡ったりという体験を積むそうです。またマニュアルに縛られず、いいと思うことは率先してやるのがベトナム航空での働き方だと話していたのは、同社の冨田さん。自分の提案で始まったサービスについて具体的に教えてくれました。

各社のフライトレポートには、そんな三者三様の話も盛り込みました。フライトレポートのあとにはもちろん、香港、インドネシア、ベトナムを私なりのスタイルで旅した報告も添えて。キャセイの藤原さんがキャビンで出迎えている写真が表紙になった『航空旅行』夏号は、昨日から書店に並んでいますので、どうぞ手に取ってご覧になってみてください。

S.Akimoto at 00:01|Permalink

2013年07月11日

アジアの旅を終えて

 
ようやく終わりました。イカロス出版の季刊『航空旅行』2013年夏号(Vo.6)の仕事が。今号のメイン特集は「最高のエアラインで行く優雅なアジアの旅」で、数えてみたら、私はそのうちの計43ページ分を担当しています。400字詰めの原稿用紙に換算して100枚近い原稿を、どうにか期日内に書き上げました。


いいえ、書くこと自体は本職ですので、何ら苦ではありません。大変だったのは、書くための材料の仕込み──つまりフライトと旅の取材です。このアジア特集で、私は巻頭のキャセイパシフィック航空で行く香港の旅と、ガルーダ・インドネシア航空で行くジョグジャカルタ&バリの旅、ベトナム航空で行くダナン&ホイアンの旅を担当。それらの取材が、5月末からの1カ月間にすべて重なったのです。加えて、今年の1月1日に就航したタイ国際航空のA380についての搭乗記も寄稿しました。

その間、デルタ航空の羽田/シアトル線が就航し、こちらはMSN産経ニュースの連載コラムを書くために飛びました。つまり、1カ月で海外取材が計4回。正気の沙汰ではありません。取材で会ったエアライン関係者に「クルー以上に過密なフライトスケジュールですね」と笑われました。

ですが、こうしてすべてのレポートを書き上げてみて、とても充実した1カ月だったと改めて感じています。編集部では現在、校了に向けた最終作業が続いていますが、著者校正用に送られてきたPDFを見ても、満足のゆく誌面になることは間違いありません。取材に協力してくれたエアライン関係者のみなさんや、親切にしてくれた現地の人たち、取材に同行してくれた二人の写真家、そして私たちの活動を舞台裏でサポートしてくれた編集担当のHさん──すべてに感謝です。

季刊『航空旅行』2013年夏号(Vo.6)の発売は今月末。どうぞお楽しみに〔写真は、インターコンチネンタル香港のロビーラウンジにて〕。

S.Akimoto at 08:34|Permalink

2013年06月18日

ジョグジャカルタ

 
世界遺産のボロブドゥール遺跡や、5キロにもわたって遺跡が残るヒンドゥー教と仏教が融合した巨大寺院群のプランバナン遺跡。それらの観光の拠点となる、インドネシアのジャワ島中央部の街──ジョグジャカルタに先ほど到着しました。


時刻は間もなく22時。マイナス2時間の時差があるので、日本ではあと数分で日付が変わりますね。成田からは12時発のガルーダ・インドネシア航空885便を利用し、こちらの時間で17時35分に首都ジャカルタに到着しました。写真は、エアバスA330に搭載されているフルフラットベッド型の快適なビジネスクラス・シートです。ジャカルタからは同社の国内線に乗り継いで、21時過ぎにジョグジャカルタのアディスチプト空港に降り立ち、現在は遺跡群へのアプローチに便利なホテル・ハイアットリージェンシーの眺めのいい部屋にチェックインしてこれを書いています。

あと5分もすると、同行の写真家・倉谷清文氏が私の部屋に来ることになっています。お目当ては、日本から持ち込んだちょっとリッチな赤ワイン。これから二人で、まずは到着の乾杯をしますが、今夜は深酒はしません。今回の旅の目的の一つが、世界でも有数の絶景といわれるボロブドゥール遺跡の幻想的なサンライズ・シーンの取材と撮影で、そのために明朝は4時にホテルを出発しなければならないからです。

二人で1本空けたら、今夜は大人しくベッドに入り、明日の仕事に備えたいと思います。

S.Akimoto at 23:56|Permalink

2013年06月12日

キャセイの本社で

 
香港は現在、中国の「特別行政区」という位置づけにあります。しかし1997年までは英国の植民地で、中国でありながら中国ではないというユニークなポジションの国際都市として発展してきました。そんな香港に拠点を置くのがキャセイパシフィック航空です。昨日は、その本社を訪ねました。


受付で出迎えてくれたのは、広報担当のトレイシー・クオンさん。クルーの訓練施設では日本人客室乗務員の藤原良美さん〔写真〕を紹介され、インタビューと撮影のあとは彼女に“キャセイシティ”と呼ばれる本社内の各施設を案内してもらいました。

香港は面積も人口も東京の半分強にすぎません。だからキャセイパシフィック航空に国内線はなく、運航するのはすべて国際線です。乗客も外国人が多く、サービスに当たる客室乗務員の国籍もバラエティ豊か。藤原さんは「日本は香港とのつながりが密接ですので、日本人クルーも約500名が在籍しています」と話してくれました。

さて、キャセイの本社取材を終えた今日は、宿泊しているインターコンチネンタル香港の部屋でヴィクトリア湾を眺めながら朝からまったり。これから予約しているスパでリフレッシュして、午後はまたまったり。夕方からはスターフェリーで対岸の香港島へわたり、ディナーに招待してくれている現地の友人と合流してのんびり夜を過ごす予定です。

S.Akimoto at 11:43|Permalink

2013年05月30日

大西洋横断の思い出

 
機体前方に2階席があるため独特な形状をしたボディと、大きな主翼に装備されたパワフルな4基のエンジン。“ジャンボ機”の愛称で親しまれるボーイング747は、どの角度から見ても、遠くからでも、その個性的なシルエットで機種を確認できました。そのジャンボ機も、日本ではANAが4機を飛ばしているだけで、来年3月にはすべて退役してしまいます。最後の別れを言うためのプランをいまから練っているファンも多いかも知れません。


しかし去る機種もあれば、生まれてくる機種もあり。ボーイングはジャンボ機の進化型である747-8インターコンチネンタルの50機目を完成させ、ルフトハンザに納入しました。ルフトハンザはこの次世代ジャンボのローンチカスタマーであり、同社にとって7機目となる747-8Iです。

振り返ればちょうど1年前、私は747-8Iのデビューフライトに密着するため、フランクフルトへ渡りました。最初の就航地はアメリカのワシントンD.C.です。各国から招待された記者たちと共に真新しい2階席に乗り込み、お祝いのシャンパンを酌み交わしながら、9時間におよぶ大西洋横断フライトを満喫したのをまるで昨日のことのように思い出します〔写真は、ワシントンD.C.に到着した747-8I〕。

ルフトハンザはその後、今回の1機を含めて6機の747-8Iを自社フリートに加え、インドのデリーとバンガロール、ロサンゼルス、香港へと就航先を拡大してきました。今日5月30日からは、米国フロリダ州の南端の街、マイアミにも飛び始めています。次世代ジャンボで、ヨーロッパからマイアミへ──いいなあ。夏場まではもう海外取材の案件がぎっしりなので、今年の秋か冬に、そんな旅に出ようかな。

S.Akimoto at 23:26|Permalink

2013年05月22日

36年目の旅

 
開港35周年を迎えた成田と、同空港の歴史と私の旅がシンクロしていることについて前回のBlogで書きました。今朝はさっそく、その成田に来ています。36年目に入った成田からの最初の旅は、ベトナムです。9時30分に出発するベトナム航空のVN301便でホーチミンへ。ホーチミンでは約2時間の接続で国内線に乗り換えて中部の都市ダナンへ向かい、そこからバスで今夜のうちに世界遺産の街ホイアンに入る予定です。


タテに細長い地形のベトナムは国土の半分が海に面し、ホーチミンとハノイという同国を代表する南北の都市の間にはいくつもの隠れ家的なリゾートが点在します。その代表的な一つがホイアンで、位置としては南北に長い土地のちょうど真ん中あたり。トゥボン川が南シナ海に流れ出る三角州に形成された港町で、400年前は海のシルクロードの貿易で賑わいました。

私がホイアンを訪ねるのは、ほぼ2年ぶりです。前回のときは、新市街からトゥボン川にかかる橋を渡り、世界遺産に登録されている旧市街を中心に歩きました。ホイアンは初めて訪れた人がつい長居をしてしまう街──と、そんなことをどこかに書いた記憶があります。まだ5月とはいえ昼間の気温は35度を超えているそうなので、今回は名物の三輪自転車タクシー「シクロ」に乗って、のんびり街をまわろうかな。

ホイアンはランタン(提灯)の生産地としても有名で、街なかでは毎月、旧暦の14日にランタン・フェスティバルが開かれます。これから行く旅の目的の一つが、このお祭りの取材&撮影で、太陽暦では明日の5月23日が開催日。写真をたくさん撮ってfacebookにアップします──と書こうと思ったら、そうか、だめかも知れません。社会主義国ベトナムでは、facebookは現在も規制がかかっていて、つながらない可能性も。なので、Blogで毎日報告するようにします。行ってきます!

S.Akimoto at 08:23|Permalink

2013年05月10日

関空の夏

 
私の仕事部屋(書斎)の壁に、こんなものが額に入れて飾ってあります。写真のサイズが小さくて見えづらいと思いますが、わかりますか? 下のほうに見える旅客機は、エアバスのオール2階建て機A380。そう、これはA380の世界初就航便を取材したときに授与された、搭乗証明書です。


A380の世界初就航は2007年の10月25日。シンガポール航空によるシンガポール/シドニー線でした。私はモノを集めたりする趣味がいっさいないのですが、この証明書だけはずっと大切にしています。A380は開発がスタートした当初から注目し、取材を続けてきた機種だけに、私にとってその就航初便に乗れたという思い出は何にも変えられません。

さて、このA380をめぐり、関西の航空ファンたちがそわそわと動き始めました。お盆期間中の8月11日(日)〜17日(土)に、シンガポール航空がA380を関西/シンガポール線で運航するからです。同社がA380を関西線に導入するのは、大阪就航40周年を迎えた昨年に続いて2回目。昨年の運航時も大きな話題を集め、搭乗する乗客ばかりかA380をひと目見たいというファンたちが大挙して関空を訪れました。A380で運航される期間中のSQ618/619便は、午前9時に関空に到着して2時間後に出発します。きっとまた大勢のファンが詰めかけることが予想されますし、いまからチケットを取ろうと画策している人も少なくないでしょう。

最初に旅の目的地を決め、そこに行くために必要なエアラインを選ぶ。そんな一般的な旅のプランニング方法が、最近少し変わってきました。「この飛行機に乗ろう」という思いが先にきて、その就航地の中から旅行プランを決める──そんなふうに旅のスタイルを変えたきっかけになった旅客機が、私はA380だと思っています。

S.Akimoto at 23:45|Permalink

2013年05月04日

アイランドホッパー

 
今週発売になったイカロス出版の季刊誌『航空旅行』Vol.5に、とても楽しい記事が載っています。サブ特集「小国・辺境・秘境を訪ねる」のトップを飾るマーシャル諸島のレポートです。取材・執筆を担当したトラベルライターの岩佐史絵さんから「こんなのに乗って、島から島へと旅してきました」と私のもとに写真が送られてきました(大きな画像はfacebookでどうぞ)。


グアムとホノルルを、途中の島々に“各駅停車”しながら結ぶこのユナイテッド航空のボーイング737-800は、別名「アイランドホッパー」と呼ばれています。それぞれの地に降り立って、ほんの少しだけ島の雰囲気を楽しんだあとは、また同じ飛行機に乗って上空へ。ヒコーキファンにはたまりません。

先日のBlogで紹介したもう一冊──『男の隠れ家』6月号の巻頭で、私は鹿児島からSAAB340という小型プロペラ機で喜界島、奄美大島、沖永良部島、与論島などを渡り歩く薩南諸島のアイランドホッピングの楽しさについて書きました。岩佐さんが体験してきたマーシャル諸島の旅は、まさにその海外版です。グアムを起点に、ミクロネシア連邦共和国のチューク、ポンペイ、コスラエへと移動。コスラエからはさらにマーシャル諸島共和国のクワジェリンを経由して最終目的地のマジュロへとたどり着きます。

一つひとつのフライトはせいぜい1〜2時間程度ですが、早朝にグアムを出発した彼女が最後のフライトを終えたときは、すでに夕方に。「クルーたちともすっかり顔なじみになりました。到着した島で時間をつぶして、再び乗り込むと、みんな『おかえりなさい!』と笑顔で出迎えてくれるんですよ」と岩佐さんは言います。レポートにはそんな楽しいエピソードがいっぱい詰まっていますので、ぜひご覧になってみてください。

S.Akimoto at 00:01|Permalink

2013年04月22日

欧州を飛ぶハエ

 
GWを控えたこの週末は打ち合わせに、執筆にとフル稼働で、合間に雑誌やテレビなどメディアからのインタビューも受けました。インタビューで記者の方が持ってきたテーマの一つが、各国エアラインのユニークな機体塗装について。機体のデザインは各社各様で、どれもみんな個性的です。しかし「ユニークな」という記者の条件を満たす答えとして、私はオーストリアのウィーン国際空港を拠点にするLCC、フライ・ニキ(ニキ航空)を挙げました。


フライ・ニキの創業者であるニキ・ラウダは、知る人ぞ知る伝説のF1ドライバーです。彼は大の“乗り物好き”で、F1界から引退後は自らの苗字をつけたラウダ航空を設立し、経営していました。ラウダ航空はその後、経営難から2000年11月にオーストリア航空に吸収されてしまいますが、彼の情熱は消えません。2003年になると、こんどは自分のファーストネームをつけたLCCのフライ・ニキを設立したのです。

さて、ユニークなのはそのイメージマスコットです。同社のシンボルはなぜか「ハエ」で、欧州の空では尾翼やボディにハエのイラストを描いた機体が飛んでいます。ご覧の写真は、昨年秋にポルトガルのリスボンを訪れたときに空港で撮影しました。

それにしても、なぜハエをトレードマークに? 日本人には理解できません。夏場になるとうるさくつきまとうし、決して衛生的ではないし。それで以前、同社のスタッフに質問してみたことがあります。じつに単純な理由でした。「ヒコーキはF1のように地上を走るのではなく、空を飛ぶでしょ。“飛ぶ”は英語で“FLY”──つまり“ハエ”なのさ」

S.Akimoto at 01:47|Permalink

2013年04月16日

デルタ航空の本拠地

 
世界の主要空港の利用者数に関する2012年の暫定的な統計が、この3月末に国際空港管理組織団体である国際空港協議会から発表されています。それによると、首位はアメリカ・ジョージア州アトランタのハーツフィールド・ジャクソン国際空港(通称アトランタ空港)。同空港は2011年も1日の平均乗降者数が25万人を超え、年間で世界最多の約9,200万人が利用しました。2012年の年間利用者数はさらに3.3%増えて9,500万人に達し、相変わらず“世界一忙しい”空港の座を維持しています。


アトランタ国際空港は、以前は4本の滑走路で運用されてきましたが、それでも足りずに2006年春に5本目の滑走路が完成。そのうちの3本から、同空港を本拠地とするデルタ空港をはじめ各社の旅客機が世界に向けて同時に飛び立っていく──そんな光景は、ほかでは見られません。壮観そのものです。2012年5月には新しい国際線ターミナルも完成し、乗り継ぎなどの使い勝手もますますよくなりました。

さて、このアトランタ国際空港に隣接した場所に、デルタ航空の本社があります。昨年5月の新ターミナル取材の合間に、私は本社に併設された「デルタ・ミュージアム」を訪ねてみました。館内を歩くと、デルタ航空の歴史が理解できるようになっています。たとえば展示されていた一つが、ご覧のレトロな塗装で趣のあるボーイング767。そのボディには「スピリット・オブ・デルタ」の文字が描かれています。

デルタ航空は1982年、36年ぶりに赤字に陥りました。そのときに3人の客室乗務員が会社を支援しようと思いつき、当時導入しようとしていた航空機の購入資金を、従業員の減給でまかなって会社に寄贈。これがスピリット・オブ・デルタの由来です。

ミュージアムではこれ以外にも、デルタ空港の歴史を飾るいろいろな展示物に触れることができます。アトランタ国際空港は“世界一忙しい”空港なので、みなさんも利用される機会がきっとあるでしょう。ミュージアムは空港からも近いので、アトランタまたはアメリカ南部への旅行の際にはぜひ足を運んでみてください。

S.Akimoto at 16:48|Permalink

2013年04月13日

魅惑のインドネシア

 
日本人にとって人気の渡航先の一つが、インドネシアです。この国を訪れた日本人旅行者は昨年、約50万人に達しました。定番のバリ島をはじめ、隠れ家的スポットとして注目されつつあるロンボク島、さらに世界遺産の遺跡と伝統文化が息づくジョグジャカルタなど──。ボルネオ島なども含めて魅力ある観光地を数えてみると、両手を使っても足りません。


そんな日本人のインドネシア人気を支える役割を担ってきたのが、同国のフラッグキャリアであるガルーダ・インドネシア航空です。昨日、来日したガルーダ航空のエミルシャ・サタルCEOの会見が東京・六本木で開催され、私も出席してきました〔写真=中央がサタル氏〕。羽田からデンパサール(バリ島)への直行便が開設されてちょうど1年。成田からデイリー運航中のジャカルタ線およびデンパサール線と関西からのデンパサール線を合わせると、日本とインドネシアは現在週28便で結ばれ、日本人の利用者数はこの1年で20%増加したそうです。今年10月には関西/ジャカルタ線も週4便で再開されることが発表されました。

日本路線での使用機材はすべてエアバスA330ですが、ガルーダ航空は今年から新たにボーイング777-300ERを4機導入します。その777を日本に導入する予定はないのか? 記者からのその質問にサタルCEOは「需要の伸び次第です。マーケットがさらに拡大すれば、777への変更も当然考えたい」ときっぱり。スタッガード型の豪華ビジネスシートなどが搭載されているこの最新機材が、いずれ日本に入ってくるといいなと思います。

さて、私は2011年10月にガルーダ航空の本社の取材でジャカルタへ飛びました。あれからもう1年半になります。ある雑誌でいま、成長著しいガルーダ航空の最新のフライトと、インドネシアの魅惑の観光スポットを取材するプランが浮上。GW明けの実現を目指して具体的な準備に入りました。近々詳しく報告できると思います。

S.Akimoto at 00:41|Permalink

2013年03月29日

ドバイの日本人CA

 
昨年秋にエミレーツ航空を利用してポルトガルのリスボンを取材した際に、経由地であるドバイに2日間滞在し、同エアラインの本社を訪ねました。クルーの訓練施設で私を出迎えてくれたのが、ご覧の入社10年目になる日本人CA、田村郁子さんです。


田村さんがかつてアメリカ・カリフォルニアでの留学を終え、モルディブの旅行社に現地駐在員として勤務していたときでした。「目の前で発着するエミレーツ航空の美しい機体に目を奪われ、クルーの採用試験に応募しようと思い立ったんです」と話す田村さん。その試験に合格して以来、ずっとドバイベースの生活が続き、現在もエアバスA380のファーストクラスキャビンなどを担当して世界を飛び回っています。

エミレーツ航空は急成長を続け、在籍するクルーは1万3,000人を超えました。田村さんが入社した2003年当時は4,000人ほどだったというので、この10年で3倍以上に増えた計算です。国際色の豊かさ、という点もエミレーツ航空の特徴でしょう。クルーの国籍はじつに120カ国。そんな多国籍のクルーたちとうまくやっていく方法は? という私の質問に、田村さんは「お互いの“違い”を認め合うことですね。宗教も政治観も肌の色も一人ひとり違うので、まずは相手を尊重すること──それに尽きると思います」と話してくれました。

さて、航空のジャンルに強いイカロス出版の刊行物の一つに『月刊エアステージ』という老舗雑誌があります。CAやグランドスタッフの仕事を夢みる人なら、一度は手にとったことがあるかも知れません。昨日発売になった同誌の2013年5月号に、私も久しぶりに寄稿しました。ドバイのクルー訓練施設を案内してもらいながらの田村さんとの一問一答を、誌面で再現しています。

S.Akimoto at 00:03|Permalink

2013年02月20日

プライスレス

 
世界中のLCCを過去に利用してきましたが、ひと口にLCCと言っても簡単に括ることはできません。中身は各社各様です。昨日、成田から台北経由でシンガポールまで新しいLCCスクートのフライトを体験してみて、改めてそう思いました。スクートはいい意味で、これまでのLCCのイメージを払拭するキャリアだと思います。


成田での出発は、搭乗手続きやゲートでのハンドリングをJALに委託しているため、第2ターミナルから。LCCごとに異なるチェックイン施設が混在するなか、大手キャリアと同じ国際線出発カウンターを使用しているので、初めてでも迷う心配はありません。この日の搭乗ゲートはサテライト側の98番で、ボーディングブリッジを通ってそのまま機内に入れるのも他のLCCとは違います。そしてキャビンに一歩、足を踏み入れると、ボーイング777という機材の優位性を実感できました。

キャビンは2クラス制で、エコノミークラスは横1列が3-4-3のレイアウトで370席を配置しています。LCCの“定番”ともいえる単通路型のエアバスA320などに比べ、シートピッチ(座席の前後間隔)はゆったり。さらに基本のスタンダードシート(ブルーのシート)のほか、シートピッチを広くとったスーパーシートや非常口横の足もとスペースに余裕のあるストレッチシート(黄色のシート)を、それぞれわずかな追加料金で指定することもできます。

パイロットやキャビンクルーの訓練は定評あるシンガポール航空の施設で受けているせいか、乗客への対応も行き届いていました。スクート全体で約300名いるCAのうち、現在14名の日本人クルーが在籍。昨日利用したTZ201便のキャビンクルーは9名で、チャンギ空港到着後に乗客が降りるのを待ってみなさんで記念撮影を──そんなリクエストにも全員で協力してくれました。LCCなのでエコノミークラスでの食事などは希望する人が有料で購入することになりますが、クルーたちの笑顔にはもちろん追加料金はかかりません。日本から台北やシンガポールへ、そしてシンガポールを経由してアジアやオセアニアの各都市へ。黄色と黒のユニフォームに身を包んだクルーたちの“プライスレス”なサポートを受けながら、一度実際に飛んでみるといいと思います。

S.Akimoto at 13:16|Permalink

2013年02月19日

颯爽と、世界へ

 
ユニークなネーミングだな、と思いました。最初その名前を聞いたときに「お、いいじゃない」と。「Scoot(スクート)」──シンガポール航空の100%子会社として2011年5月にデビューした戦略的LCCで、このネーミングには「気軽に」というニュアンスで「颯爽と動く」といった意味が込められています。名づけ親は、同社設立とともにCEOに就任したキャンベル・ウィルソン氏でした。


ウィルソン氏を最初に紹介されたのは、彼がシンガポール航空の日本支社長に就任した2010年3月です。生真面目で、ちょっと“堅物”かな、というのが私が受けた第一印象でした。前任のフィリップ・ゴー氏がとても気さくな人で、私とはとくに仲が良かっただけに、つい比較してそう思ってしまったのかもしれません。昨年12月の会見の席で久しぶりに見たウィルソン氏〔写真〕は、ずいぶん印象が変わっていて驚きました。

とてもフレンドリーで、よく笑います。初めて会ったときは日本に赴任したばかりでやや緊張していたのか、あるいはいきなりヘンなジャーナリスト(私です)を紹介されて、警戒心があったのかも知れません。実際のウィルソン氏は、スクートという新しい、自由な雰囲気の会社のリーダーにぴったりな人です。

スクートは2012年10月29日に成田に就航し、それから早くも4カ月近くが経ちました。これまで予定が詰まって実現できませんでしたが、私もようやく今日、そのフライトを初体験します。成田を11時50分に発つTZ201便で、台北経由でシンガポールへ。その報告を受けたウィルソン氏から「せっかくだから、会おう」と声がかかり、多忙な中を時間をつくってくれて明朝、私が滞在するホテルに来てくれることになりました。ホテルのクラブラウンジで1時間ほど朝食を共にしながら、彼の新会社に賭ける思いや自身が愛してやまない旅のことなど、いろいろ話してみようと思います。

S.Akimoto at 00:02|Permalink

2013年02月14日

極上旅を誌上体験

 
報告が遅れましたが、イカロス出版の『季刊・航空旅行』2013年冬号が発売になっています。今回の特集は、世界のエアラインが人とお金と経験を惜しみなく投資してサービス向上を競い合うビジネスクラスを大特集。私自身も、実際のフライト取材で“極上の旅”を体験してきました。


ご覧の表紙の写真は、“最強”の呼び声も高いシンガポール航空のビジネスクラスです。シートよりも、客室乗務員が身につけた民族衣装サロンケバヤのユニフォームで「あ、シンガポール航空だ!」とわかる人も多いかも知れません。成田空港のVIPレーンで迎えられての旅の始まりから機内でのゆったりしたフルフラットシート、こだわりの機内食などを徹底取材し、それらを丸ごと誌上体験していただけるようページを構成しました。

シンガポール航空のほか、スイスインターナショナルエアラインズデルタ航空のビジネスクラス、さらにLCCでありながらフルフラットシートを導入しているエアアジアXのプレミアムクラスも同じように誌上体験できるよう取材・報告しています。そしてもちろん、到着した目的地からはそれぞれに魅力ある旅のレポートも!

フライトの愉しさと旅そのものの魅力をセットで伝える──そんなコンセプトをより強力に打ち出し、かつての年2回刊行のムックから年4回の季刊誌に『航空旅行』をリニューアル創刊したのが昨年4月でした。読者もどんどん増え、編集部とも「だいぶ軌道に乗ってきたね」と話しています。これからも世界の空から、ますますパワーアップした内容でフライト&旅のレポートをお届けしますので、どうぞご期待ください。

S.Akimoto at 00:10|Permalink

2013年02月12日

Sky Priority

 
デルタ航空大韓航空ベトナム航空などのビジネスクラスの利用者たちから最近、空港でのサービスがよくなったねえという評価の声が届きます。それらのエアラインの共通項は、いずれもアライアンス「スカイチーム」のメンバーであること。彼らが「サービスがよくなった」と感想を口にするのは、成田空港に登場した保安検査場の優先レーン「Sky Priority(スカイプライオリティ)」についてです。


スカイチーム加盟のエアラインは現在、日本の21都市から世界各都市へ毎週978便を運航しています。19の加盟会社うち11社が乗り入れているのが成田空港で、その保安検査場に2012年3月にSky Priorityが誕生しました。これにより、チェックインから搭乗までの空港手続きがスピードアップ。上の写真のように、専用レーンの前にはひと目でわかるような案内板が立てられています。

海外に飛ぶ日は、私はできるかぎり空港に早めに到着し、出発までラウンジで仕事をしたりのんびりくつろいだり──というのが旅の始まりのスタイルになっています。しかし昼前後や夕方の出国ラッシュの時間帯は、保安検査場に長い列ができて、ラウンジで過ごせる時間が結局30分程度しかとれないというケースが多々ありました。Sky Priorityができたおかげで、最近はそんな状況も解消されています。

スカイチームの世界路線網のなかで、専用の保安検査場入口を設置したのはじつは成田空港が初めて。そんなところにも、日本市場を重視する同アライアンスの姿勢をうかがい知ることができます。デルタ航空の幹部は「2013年末までにSky Priorityを1,000の就航都市すべてに導入したい」と話していました。

S.Akimoto at 23:44|Permalink

2013年01月24日

究極のサービス

 
基本的に私、依頼を受けた仕事は断りません。自分にはとても出来そうにないジャンルの仕事を除いて。ときどき私の専門分野を勘違いされて、なぜこれを私に? というオファーも舞い込みます。そういう場合は理由を説明して丁重に辞退しますが、私に手伝える仕事であれば、たとえスケジュールが過密でも受けてしまいます。仕事を発注する候補はたくさんいるなかで、あえて私を指名してくれたことに感謝し、応えたいという気持ちが先にきますので。


先週から今週にかけては、例のボーイング787の事故に関する番組出演や取材依頼がメディア各社から殺到し、その対応に追われる状況が続きました。結果、いつアップしてもOKの不定期の連載などは、どうしても先延ばしに。誠Styleの連載『“飛行機と空と旅”の話』も、2013年に入ってから1本も更新できずにいました。

昨日、今年最初の記事をようやくアップしました。テーマは新春にふさわしく、華やかに──「これがファーストクラスの最高峰、エミレーツ航空の『プライベートスイート』だ」。

海外へ発つとき、クルーに迎えられて機体の左サイド前方の乗降用ドアから機内に入ると、大多数の乗客は右手に折れて通路を奥(後方)へと進み自分のシート番号を目指します。エコノミークラスの乗客も途中、手前側に設置されたビジネスクラスのキャビンを通っていくから、そこにどんなシートがどう配置されているかを見たことがあるという人は多いでしょう。「いつかこんなシートで旅行してみたいね」などという会話を耳にし、優越感にひたっている乗客もビジネスクラスには少なくありません。ところが、そのさらに上のファーストクラスは、厚いベールに包まれたまま。ファーストクラスは多くの場合、乗降用ドアを入って左手──つまりコクピットに近い最前方に設置されているから、ビジネスクラスの乗客さえ足を踏み入れることがないのです。

今回は、そんなファーストクラスを取材してみました。で、せっかく伝えるなら“最高峰”と呼ぶにふさわしいものを、という気持ちで選んだのがエミレーツ航空です〔写真〕。興味のある方、ぜひ記事にアクセスしてみてください。

さて、ボーイング787関連の取材対応もどうにか落ち着き、今日はお昼で書き物を切り上げて午後から成田に向かいます。真冬の東京から向かう先は、南半球にある真夏のオーストラリア。現地では楽しいプランを立てていますので、このBlogでもまた逐一報告する予定です。

≫≫≫「これがファーストクラスの最高峰、エミレーツ航空の『プライベートスイート』だ

S.Akimoto at 01:53|Permalink

2013年01月22日

スタッガード

 
ビジネスクラスのシートの進化が止まりません。大型機ではかつて、二つの通路をはさんで横1列が2席ずつ、計6席という“2-2-2”配置が一般的でした。しかしこのレイアウトだと、窓側のシートの人が通路に出るのにひと苦労。そこで登場したのが、窓側は1席ずつ、通路にはさまれた中央席が2席並びという計4席というレイアウトです。


けれども“1-2-1”配置だと必要な席数を確保できないため、対策として進行方向に向かってシートを斜めに配置するレイアウトが考えられました。“1-2-1”配置ながら前後の間隔を詰めて席数を増やすこのスタイルはエア・カナダニュージーランド航空ヴァージンアトランティック航空などで採用され、魚の骨のような形であることから「ヘリボーン型」などと呼ばれています。

ヘリボーン型のレイアウトは、乗客によって好き、嫌いがはっきり分かれるようです。全席が通路に面しているのは便利なのですが、斜めに座るので、ちょっと立ったときなど通路越しに隣の乗客とどうしても目が合ってしまう。その気まずさが嫌だ、という意見もこれまで何度か聞きました。

そんななかで最近、ブームになりつつあるのが「スタッガード型」よ呼ばれるシート配置です。スタッガードとは、英語で「互い違いの」「ジグザグの」という意味。その名のとおり、シートが前後に互い違いにレイアウトされ、前向きでかつ“1-2-1”の4席でも十分に席数を確保できるよう設計されました。ANAをはじめスイスインターナショナルエアラインズエミレーツ航空アリタリア-イタリア航空などの新しいビジネスクラスに採用されています。上の写真は今年の元日フライトで取材したタイ国際航空のエアバスA380に搭載しているビジネスクラス・シートで、やはりスタッガード型でした。

ペアで乗る場合は中央の隣合わせの席〔写真下〕がぴったりで、一人で乗るなら窓側ソロシートの、物置テーブルが通路側でシートが窓側にある席〔写真上〕がプライベート感が高くてベスト。本当に落ち着きます。前の席の物置テーブルの下に足が伸ばせるようにできていて、就寝時には快適なフルフラットベッドになりました。いまイチオシのビジネスシートといえそうです。

S.Akimoto at 23:52|Permalink

2013年01月05日

タイ国際航空677便

 
報告したように、私の2013年はタイ国際航空が新たに導入したエアバスA380の元日フライトでスタートしました。成田からバンコクへの就航初便は、17時30分発のTG677便です。ファーストクラス12席、ビジネスクラス60席、エコノミークラス435席の計507席でレイアウトされたキャビンは、ほぼ満席の状態。チーフパーサーとパーサーを含め24名体制でサービスに当たっていたクルーたちは、フライト中ずっと忙しそうでした。


「677便はアメリカやカナダから東京を経由してタイに帰る人たちも利用する便なので、従来からとても需要が高いんです」

そう話してくれたのは、この就航初便に乗務していた日本人クルーの城戸京子さん。キャビンをざっと見渡してみると、なるほど、日本人よりもタイ人旅行者がやや多いようです。それについて訊ねると、城戸さんはうなずいて言いました。

「そうですね。お客さまの6割から7割は、日本を旅行して帰る人たちだと思います。タイの人たちは日本が大好きなんですよ。最終日は前日に成田のホテルにステイして、朝からバスでイオンモールに行ってぎりぎりの時間まで買い物をし、お土産を両手にいっぱい抱えて乗ってきます」

タイの人たちのことを話すときの、城戸さんの優しい眼差しが印象に残ります。1994年に新卒で入社して以来、タイ国際航空ひと筋に18年勤務。タイ人クルーたちの間にもすっかりとけ込んでいる様子で、私が「仲がよさそうですね」と言うと、彼女は笑みを浮かべてもう一度うなずきました。「お客さまにもよく言われます。みんなとても楽しそうに働いているので、乗っている自分たちまで楽しくなるよ、って」。たしかに。インタビューのあとでカメラを向けたら、城戸さんはすっと両手を合わせて応えてくれました──そう、お決まりのあの「ワイ(合掌)」のポーズで。

S.Akimoto at 11:57|Permalink

2012年12月26日

元日フライト

 
タイ国際航空は2013年1月1日から、エアバスのオール2階建て機A380の成田/バンコク線での運航を開始します。同社はA380をこれまでに6機オーダーし、今年の9月に1号機を受領。冬期スケジュールよりバンコクから香港、シンガポールへの路線に就航しました。11月末に受領した2号機はフランクフルト線で、さらに12月に入って受領した機材を成田とバンコクを結ぶTG677/676便に導入します。


A380の成田線就航は当初、来年1月16日からの予定で、メディア各社にもそう発表していました。しかし機材の受領時期が早まったため、就航予定を元日に前倒しに。TG677便は成田を17時30分に発ち、22時30分にバンコクに到着します。

このA380のキャビンを、タイ国際航空はファーストクラス12席、ビジネスクラス60席、エコノミークラス435席の計507席でレイアウトしました。TG677/676便はそれまで約350席のボーイング777-300ERで運航されてきたので、単純計算で150席以上もキャパシティが増えることになります。同社広報室は「1月1日の就航を発表したら、埋まらないだろうと思っていた予約がいきなり満席に。A380という機体の注目度の高さを改めて認識した」と話していました。

さて、このBlog『雲の上の書斎から』の年内の更新は、本日で最後になります。今年も1年間、サイトを訪ねていただきありがとうございました。私の2013年は、上記のタイ国際航空A380の就航初便の取材でスタートします。元日の夕刻に成田を発ち、タイのバンコクへ。新年のあいさつは現地から送ります。みなさんも、どうぞ素晴らしい新年をお迎えください。

S.Akimoto at 18:26|Permalink

2012年12月11日

LCCスクートの戦略

 
オール2階建てのエアバスA380を世界で最初に飛ばし、同機種をネットワークの中心に据えてきたシンガポール航空は、じつはボーイングの最新鋭中型機787もオーダーしています。787を受領したら、どの路線で使うのかな? 就航路線の発表を楽しみに待っていたら、同社の広報から先日「うちでは787は使いません。発注した787はすべて新しい子会社のスクート(Scoot)に譲り渡す」という話を聞きました。


昨日午後、東京・青山で来日したスクートのキャンベル・ウィルソンCEO〔写真左端〕の会見が開かれ、私も出席してきました。ウィルソン氏の直接の言葉で、上記のことの確認がとれています。

スクートは、シンガポール航空100%出資のLCCとして2011年に設立され、今年6月にシンガポール/シドニー線で運航を開始。その後はオーストラリアのゴールドコーストやタイのバンコク、中国の天津などに路線を拡大し、10月29日にはシンガポールから台北経由で成田にも就航しました。

シンガポール航空グループでは、すでにタイガーエアウェイズというLCCが活躍しています。ですがタイガーエアウェイズは短距離路線が中心で、それに対してスクートは中距離路線を専門に担当。そのためLCCでは珍しく、400席クラスのボーイング777-200を使用してきました。787の1号機は2014年第4四半期に受領する予定で、翌2015年には777-200をすべて787に切り替えます。従来機種より燃費を20%節約できる787は、中距離でも長距離でも威力を発揮する万能型の戦略機種であり、これによってスクートは世界に翼を広げていくことが可能になるでしょう。ウィルソン氏は「日本でも成田以外に3都市への就航を目指したい」とコメントしました。LCCスクートの登場で、日本からの旅の選択肢がますます増えそうです。

S.Akimoto at 00:30|Permalink

2012年11月24日

赤いスーツの集団

 
マレーシアから帰国しました。今回は羽田からクアラルンプールを往復する国際線LCC、エアアジアXのプレミアムクラスを使っての旅。プレミアムクラスのシートは、エアバスA330-300の最前部に2本の通路をはさんで“2-2-2”でレイアウトし、2列・計12席を設置しています。キャビンクルーは9名が乗務し、うち1名がプレミアムクラスを専属で担当していました。


プレミアムクラスといっても、LCCなので他のクルーと仕事内容は変わりません。機内食を無料で配るか、注文をとって有料でサービスするかの違いはあるものの、酒類やグッズなどの機内販売はチームワークでいっしょに進めますし、到着前のゴミ回収も同じように担当します。

「日本人クルーも全員がクアラルンプールをベースにし、羽田線には通常、日本人2名が乗務します」と、私の乗った便のクルーが話していました。「羽田に行くときは東京で1泊ステイして、翌日の深夜便で折り返します。乗務は月に6、7本程度。でも日本線だけでなく、たまにオーストラリア線などにも乗るので、変化があって楽しいです」

みんな少し濃いめの化粧に、真っ赤なスーツスタイルのユニフォームがよく似合います〔写真=チャーリィ古庄氏撮影〕。そんな彼女たちは、まさにエアアジアXのシンボル的存在。キャリーバックを引いて颯爽と歩く赤い集団を、旅行者たちが立ち止まって振り返っている姿を就航先の空港で何度も見かけました。同様な印象を、独特の民族衣装サロンケバヤに身を包んだシンガポール航空のキャビンクルーと出会うときにも感じます。エアアジアXやシンガポール航空のキャビンクルーたちは、セールス面で考えても会社の貴重な“広告塔”になっていることは間違いありません。

さて、私はこれから、シンガポールへ飛びます。先日のBlogで報告したマレー鉄道でそのまま終点まで行けばシンガポールに到着したのですが、シンガポール航空のフライト取材をしなければならないので、帰ってきました。真っ赤なユニフォームではなく、今日はサロンケバヤの衣装をまとったクルーたちのサービスを受けながらの旅。エアアジアXのプレミアクラスとともに、詳細は来年1月末に発売の季刊『航空旅行』のVo.4(イカロス出版)でじっくり報告します。

S.Akimoto at 11:14|Permalink

2012年11月09日

南回りと北回り

 
日本からヨーロッパへは、直行便だと11時間か12時間でアクセスできます。けれども航空の長い歴史で見ると、こんなに近くなったのはつい最近の話。かつては欧州のどの国に行くにも50時間以上を要していました。現在と違って、まだ南回りのルートしかなかった時代のことです。当時はなぜ、わざわざ南回りでフライトしていたのでしょうか。


理由のひとつは、航空機の性能にあります。どの機種も当時はまだ航続距離が短く、途中多くの経由地に立ち寄らないと目的地へたどり着けませんでした。また極地上空を安全に飛行するための航法技術が未発達だったというのも、南回りルートで飛行を続けた要因の一つです。そういう状況を打破し、初めて「北極ルート」を開拓したのがスカンジナビア航空(SAS)でした。

北欧を拠点とするSASにとって、世界に翼を広げるには高緯度地域ネットワークの拡充が不可だったのでしょう。だからSASの技術者たちは、新しい航法技術の研究に早くから力を注いできました。北欧特有の薄暮の季節には太陽や星に頼る従来航法がまったく通用しない、北極圏では磁石が用をなさないといった技術的課題を、彼らは一つひとつ克服していったのです。そうしてついに、SASは東京/コペンハーゲン間で世界初となる北極ルートを開設しました。

そこにいたるまでには、想像をはるかに超える苦労があったのだろうな。先ごろ私は成田からSK984便でコペンハーゲンへ飛び、パイオニアたちが活躍した時代のことを機内で考えていました〔写真は成田線で運航中のエアバスA340=チャーリィ古庄氏撮影〕。そのときのことを思い出しながら、今朝からSASに関する文章を書き始めています。日曜日までに書き上げ、週明けには写真を添えて編集部に送る予定。誠Styleの連載『“飛行機と空と旅”の話』で来週後半には発表できると思います。

S.Akimoto at 23:20|Permalink

2012年11月03日

夢みるロングフライト

 
今年4月にリニューアル創刊された季刊『航空旅行』の第3号(イカロス出版)が発売になっています。創刊第1号のファーストクラス特集、第2号の機内食特集に続き、今回のメイン特集では「夢みるロングフライト」を企画。その巻頭ページで、私は以下のような文章を寄せました。


世界は輝きに満ちている。手つかずの感動にあふれている。
なのに、私たちが体験してきた旅は、そのほんの一部に過ぎない。
日本から直接行けないという理由だけで、つい足を遠ざけてきた。
航空旅行という発想を、もっと大胆に広げてみよう。
ダイレクトに飛べなくても、その国のハブを経由すれば、旅の可能性は無限大だ。
さあ、出かけよう。ずっと憧れていたあの国へ。一度は行ってみたいと夢みてきたあの街へ。
エアラインの複数の路線を使って、ロングフライトを心ゆくまで愉しみながら。


具体的には4つの旅をレポートし、私はそのうちエミレーツ航空で行くドバイ経由リスボンの旅と、アメリカン航空で行くNY経由カリブ海の旅を書きました。上の写真は、カリブ海クルーズの二日目の夜に、キャプテン主催のディナーに列席したときのもの。取材に同行したカメラマンが知らぬ間に撮ったようです。テーブルナプキンを振り回していますが、酔っぱらって騒いでいるわけではありません(笑)。食事の途中でダンスタイムが始まり、レストランのマネージャーから「さあ、全員で盛り上げて!」と号令がかかったのです。楽しいひとときでした。

特集では他に、トラベルライターの江藤詩文さんもエールフランス航空を利用してパリ経由でスペインのバスク地方を訪ね、とても興味深いレポートを寄せています。今回の企画を通じて、エアラインの二つの路線を使うことで旅の可能性が本当にぐっと広がるんだと、改めて実感しました。みなさんはどんなエアラインを使ったどんな旅に、興味を引かれますか?

S.Akimoto at 07:03|Permalink

2012年10月01日

カリブの海へ

 
土曜日の夜から、天気予報と何度にらめっこをしてきたことか。大型で強い勢力をもつ台風17号の進路図と、関東地方への上陸予想時間をチェックするために。今朝の6時50分に羽田を発つアメリカン航空のニューヨーク行きAA134便がちゃんと飛んでくれるかどうか、心配で心配でなりませんでした〔写真はアメリカン航空のボーイング777-200〕。


月曜朝には台風は東北沖に達する見込みであることは昨日の早い段階で伝えられていました。ですが問題は、NYから羽田に来る便の到着予定時間が昨夜10時15分だったことです。その時間帯の関東地方は、まさに暴風雨の予想。NYからの便が万が一飛んでこなければ、機材がないので今朝のAA134便も欠航になってしまう。そこでJFKでの発着情報も合わせてチェックしていたところ、NYからの便は出発時間を5時間遅らせたことが確認できました。それだと羽田到着も、台風が遠ざかった午前3時過ぎになります。また折り返しの午前6時50分までもターンアラウンド時間を十分確保でき、私の乗る便にはまったく問題がありません。

天候悪化による遅延や欠航は、仕方ありません。いつもなら私も、飛ばなければ日をずらせばいいやと、でーんと構えています。しかし今回はそうはいきませんでした。今回の取材のメイン目的はマイアミから出港するカリブ海へのクルーズ船に乗ることで、予定どおりNY経由でマイアミに到着できなければ、船が出てしまいます。いま、羽田空港のさくらラウンジでこれを書いていますが、本当にホッとしました。

JFKでアメリカ国内線に乗り継いで、マイアミには現地時間で今日の正午過ぎに到着。空港からタクシーでマイアミ港に向かい、16時に出港するクルーズ船に乗り込みます。洋上でもインターネットはつながるようですので、また現地から報告を書きます。行ってきます!

S.Akimoto at 05:55|Permalink

2012年09月27日

初便マニア

 
先週開催された二つのトークイベント──17日(月)のNHK「ヒコーキ・ラジオ」と22日(金)のセントレア「上空(うえ)から目線の空の旅」で、それぞれ出演者から「初便に乗る楽しさ」について話題が出ました。初便とは、航空会社が初めて導入する飛行機や新しく開設する路線の最初のフライトのことです。


「離陸後にキャビンが大きな拍手で包まれたり、記念のグッズがもらえたり。そこでしか味わえない楽しさが初便にはいっぱい詰まっています。これからもいろんな初便を追いかけていきたい」

そう話していたのは、NHK「ヒコーキ・ラジオ」にゲスト出演した20代の航空ファン、Fさんでした。今年は日本でも「LCC元年」といわれ、ピーチジェットスター・ジャパンエアアジア・ジャパンの和製LCCが相次いで就航。ジェットスター・ジャパンの成田から札幌への就航便では私も会いましたが、Fさんは3社すべての初便を制覇したそうです。

さて、米国大手のユナイテッド航空が今週、ボーイング787の1号機を受領しました〔写真〕。アメリカ系エアラインで787を導入するのは、同社が最初です。そして、ここでも気になるのが、日本路線での初便がいつどのルートになるか? 成田からコロラド州のデンバーを結ぶ路線で2013年4月1日からデイリー運航をスタートすることはすでに発表されていましたが、787の日本線初便はそれよりも早く、1月4日の成田/ロサンゼルス線になりそうです。

正月明けの1月4日のフライトに、うまくスケジュールを合わせられるでしょうか。それとも当初の予定どおり、デンバー線の初便にターゲットを絞るべきか。まだ時間があるので、いろいろ調整してみたいと思います。

S.Akimoto at 14:50|Permalink

2012年08月02日

エアアジアXのCEO

 
3社目の和製LCC、エアアジア・ジャパンが昨日、成田/福岡線でデビューしました。私はその初フライト取材には行けなかったのですが、同グループで中長距離路線を担うエアアジアXのCEO、アズラン・オスマンラニ氏〔写真〕が就航に合わせて急きょマレーシアから来日。連絡をいただき、夕方から汐留のコンラッド東京で面会してきました。


エアアジアXが日本(羽田)に最初に乗り入れたのは2010年12月で、あれからもう1年半以上が経過しました。けれどオスマンラニ氏と直接会って話すのは、じつは昨日が初めて。同社日本支社長の坪川成樹氏とマーケティングマネージャーの梶原純子氏も同席し、和気あいあいの雰囲気の中、1時間ほどいろいろ情報交換してきました。

なかでも印象深かったのは、クアラルンプールを拠点にした同社のネットワーク戦略です。その中に、じつにユニークな路線がいくつかあり、私も「いずれ取材したい」と思っていたとっておきのプランを披露しました。その提案には、オスマンラニ氏もとても興味をもった様子。話はとんとん拍子に進み、今年秋にクアラルンプールの本社訪問を約束しました。

実際に私が飛ぶのは、おそらく11月ごろになるでしょう。そこでオスマンラニ氏と再会を果たしたあと、クアラルンプールからある国のある都市へ向かうエアアジアXの感動的なフライトをレポートする予定です。

S.Akimoto at 12:17|Permalink

2012年07月21日

747-8Iレポート

 
日本には“ジャンボ機”ボーイング747の根強いファンが少なくありません。かつてはJALが世界最多の100機を超える747を導入し、「ジャンボ王国」などといわれた時代もあります。しかしこの10年間、エアライン各社は原油価格の高騰や金融危機に端を発する世界不況への対応策として、効率化やダウンサイジングへの取り組みを余儀なくされてきました。一時代を築いた747ももはや「時代に合わない機種」となり、JALやANAをはじめ世界中のエアラインで退役が進んでいます。


1973年から約40年にわたり運航を続けてきたシンガポール航空の747も、今年4月にシンガポール/香港間のメモリアルフライトで翼を閉じたことは、誠Style連載記事でも報告しました。

とはいえ、747の歴史がこれで終焉したわけではありません。伝説の名機は「747-8インターコンチネンタル(747-8I)」という名で進化し、よみがえりました。その新しい1ページを開くために重要な役割を果たしたのが、ローンチカスタマーとして2006年12月に同型機の導入をいち早く決意したルフトハンザです。

今年6月1日のフランクフルトから米国ワシントンD.C.への747-8I就航初便に、運よく私は搭乗する機会を得ました。そのときの取材レポートが、本日発売の月刊誌『航空ファン』の9月号に掲載されています〔写真〕。書店で見かけたら、ぜひご一読ください。

S.Akimoto at 15:32|Permalink

2012年06月28日

ハノイ/成都線就航

 
昨日の6月27日、ベトナム航空のハノイ/成都線が就航し、その第1便に乗って中国・四川省の省都である成都に来ました。ベトナム航空は現在、近隣諸国などアジアを中心にネットワークの拡大を続けています。中国も重要なマーケットの一つで、この成都線にかける同社の期待は小さくありません。7月より成都支店の支店長に就任予定のカオ・アイン・ソンさん〔写真右端〕が就航初便に同乗していたので、機内でいろいろ話を聞きました。


「九寨溝(きゅうさいこう)や峨眉山(がびさん)、楽山(らくざん)などの世界遺産を擁する成都は、ベトナム人のみならずタイなど隣国からの渡航需要も見込めるレジャーマーケットです」と、ソンさんは言います。「また近年はヨーロッパからベトナムを訪れる人も増えました。ハノイ/成都線の開設により、ヨーロッパの人たちにも、ベトナムだけでなくベトナム以遠の旅を楽しんでいただけるようになると思います」

一方で、中国・成都の人たちもどんどん経済力が高まり、近年は旅行熱がヒートアップ。成都の人たちをベトナムの旅に誘(いざな)うことで、この路線の価値はより高まるでしょう。

ハノイ/成都線は今後、70人乗りのオランダ製・フォッカー70で運航されますが、初日に限ってはやや大きめの機材であるエアバスA320を使用。ソンさんは「ニーズの推移を見守りながら、できれば8月にも186人乗りのA321での運航に切り替えたい」と新しい市場の開拓に意欲を燃やしていました。

S.Akimoto at 07:05|Permalink

2012年06月26日

グローバルでローカル

 
世界にはどれくらいのエアラインが存在するのか? その数は、おそらく1,200以上。なかには貨客専門だったり、得体の知れない会社も混じっているので、実際に乗ることができるのは800社くらいでしょうか。日本に就航しているエアラインはそのうちの60社程度で、残る740社は、私たちにはほとんど縁がありません。


日本に就航していないエアラインのことを、よく「オフライン」などと呼びます。そんなオフラインを求めて世界を旅できたらヒコーキ好きとしては最高なのですが、もういまとなってはなかなかチャンスがありません。でも、日本に就航しているエアラインの、日本とは関係ないローカルな路線にトライしてみることは可能です。

今週は、そんな「グローバルでローカル」な空の旅に出かけます。まずはいまから、成田を10時30分に発つベトナム航空のVN311便で、ハノイへ〔写真はハノイ線で運航しているエアバスA330-200=チャーリィ古庄氏撮影〕。ベトナム航空は明日6月27日にハノイから中国・成都への路線を新規に開設することになり、急きょその就航初便を取材をしてみることになりました。

アジアの伝統とフランス様式の建築が合体した街並みが美しいハノイは、ベトナムの政治・文化の中心都市です。一方の成都は中国・四川省の省都で、古くから「天府の国」として栄えてきました。その二つの都市を、どんな人たちがどんな目的で行き来するようになるのか。それぞれの地元では、明日からスタートする新路線にどんな期待を寄せているのか。私自身もこのグローバルでローカルな空の旅を楽しみながら、じっくりと取材してきたいと思います。

S.Akimoto at 08:57|Permalink

2012年06月11日

文句なしの新シート

 
エアライン各社はここ数年、競うようにビジネスクラスのリニューアルを進めています。その中でも人気の一つが、進行方向に向かって斜めにシートを配置した「ヘリンボーン型」と呼ばれるレイアウト。まるで魚の骨を連想させることから、この名前がつきました。


ヘリンボーン型を採用しているエアラインは数社あります。その1社がデルタ航空で、先月も私は同社のLA線やアトランタ線でこのシートを体験してきました。2本の通路をはさんで“1-2-1”という贅沢なキャビン設計で、「プライバシーが守られる上に、どの席からもダイレクトに通路に出られる」というのが人気の理由です。

しかしヘリンボーン型シートにも、弱点がありました。それは斜めに座るので、通路をはさんで隣の乗客とときどき顔が合ってしまうこと。またカップルでの利用者にとっては、真ん中の2席並びをとっても斜めに背中合わせに座る形になるので、会話がしにくいという声があったようです。

そこでデルタ航空は、ヘリンボーン型をさらに進化させました。同じ“1-2-1”の斜め配置でも、窓側のシートは窓に向かって、中央の2席並びも通路を背中にする形のレイアウトに変えたのです。これならカップルでの利用者には二人だけのスイート感あふれる空間を提供できます。写真は、私が昨日の成田からのフライトで利用した窓側シートですが、本当にプライベート感が高く、快適でした。

さて、LAへ、アトランタへと5月にデルタ航空で旅してきたばかりの私が、今回はこの新シートでいずこへ。これから撮影を兼ねて街に繰り出しますので、その報告は写真も添えてまた明日にでも。

S.Akimoto at 13:01|Permalink

2012年06月04日

航空の未来を語る

 
米国ワシントンD.C.からフランクフルトを経由して今朝、帰国しました。アメリカ時間とヨーロッパ時間に合わせてきた身体がまだ元に戻り切っていませんが、だからといって今日はのんびりもできません。成田から自宅に着いてシャワーを浴び、スーツに着替えて、昼過ぎにはユナイテッド航空の日本支社へ。約束していた同社アジア太平洋&大西洋地区営業担当副社長、ジェームズ・ミュラー氏とのインタビューに臨むためです。


何も、帰国したその日に──と思うかもしれません。が、ミュラー氏は今日の夕方の便でシカゴへ発ってしまうとのこと。今回のミュラー氏との対談は現在書いている本に収録するので、どうしてもその前に時間をとってもらわないと間に合いません。そこで同社の広報にお骨折りをいただき、私が帰国してからミュラー氏が日本を発つまでのわずか数時間の間でのインタビューが実現しました。

ミュラー氏と再会の握手を交わして、さっそく本題に移ります。これからの10年で航空界はどんな方向に進むか? 行く手を阻む要因があるとすれば何か? 日本の航空行政への注文は? ミュラー氏の見解はじつに興味深く、私からの追加質問も尽きません。あっという間にタイムアウトになってしまいましたが、対談に立ち合った担当編集者は「とても密度の濃い、聞いていてワクワクする内容だった」と感想を言っていたので、よかったなと思います。

ユナイテッド航空は先日、ボーイング787で2013年春に成田/デンバー線を開設すると発表しました。対談の中では当然、その話題も出て、なぜデンバーなのかの理由も詳しく聞いています〔写真はユナイテッド航空塗装の787〕。今日のインタビューは、先日実施したジェットスター・ジャパンの鈴木みゆき社長との対談とともに、7月に刊行する「角川ONEテーマ21新書」に収録します。「航空の近未来」というちょっと難しいテーマに挑み、作業は現在、最終段階に。週末にはまた海外に出なければならないので、今週はとにかく執筆に集中するつもりです。

S.Akimoto at 22:10|Permalink

2012年05月29日

747伝説は終わらない

 
今年4月に取材したシンガポール航空の747-400ラストフライトのレポートを現在、誠Styleの連載『“飛行機と空と旅”の話』で公開しています。日本には本当にジャンボファンが多く、読者を含めてさまざまな方から別れを惜しむ声が届きました。


ひとつの時代に幕が閉じられるときというのは、いつも淋しく、悲しいものです。しかしジャンボに限っては、これで歴史が終焉したわけではありません。伝説の名機は「747-8インターコンチネンタル」という名で進化し、よみがえりました。この新しい1ページを開くために重要な役割を果たしたのが、ローンチカスタマーとして2006年12月に同機導入をいち早く決意したルフトハンザです。

上の写真は、5月2日に1号機が米国シアトルのボーイング工場からフランクフルトに到着したときの様子です。ルフトハンザのスタッフたちはその後1カ月を費やして、就航準備を進めてきました。6月1日、現地時間の午前9時50分。世界が注目する次世代ジャンボが米国ワシントンD.C.に向けていよいよ離陸します。

私が米国アトランタで取材していた2週間前、この747-8インターコンチネンタルの初フライトへの招待がフランクフルトから届きました。私にとっても、願ってもない素晴らしい機会です。就航前日には関係者の会見なども開催されるので、明日30日のLH711便でひと足早く成田からフランクフルトへ。747伝説の新しい1ページを、全力で取材してきたいと思います。

S.Akimoto at 19:25|Permalink

2012年05月25日

ジャンボよ、永遠に

 
機体前方に2階席があるため独特な形状をしたボディと、大きな主翼に装備されたパワフルな4基のエンジン。ボーイング747はどの角度から見ても、遠くからでも、その個性的なシルエットで機種を確認できました。日本ではかつて、JALが世界最多の計100機を超える747を導入して「ジャンボ王国」などといわれ、いまも根強いファンが少なくありません。


アジアでは、シンガポール航空が1973年から約40年にわたり747の運航を続けてきました。同社の成長の軌跡をたどると、その中心にはいつも747がいたように思います〔写真はシンガポール航空の747-400=チャーリィ古庄氏撮影〕。

しかし今年3月25日のメルボルンへの往復を最後に、シンガポール航空の747もついに定期路線から退役し、一時代を築いた歴史にピリオドが打たれました。4月6日にはシンガポール/香港間でメモリアルフライトが実施され、私も最後の別れを告げにシンガポールに飛んだことは当Blogでも報告してきたとおりです。

そのラストフライトを取材したレポートを、本日より誠Styleの連載『“飛行機と空と旅”の話』で公開しました。世界の空を開拓しながら、常に時代の先端を飛び続けてきたシンガポール航空の747の記録です。

≫≫≫「ジャンボよ、永遠に! シンガポール航空747-400ラストフライト搭乗記

S.Akimoto at 11:05|Permalink

2012年04月22日

ローマへ

 
何年ぶりでしょうか。前にふらっと降り立ったのは、かれこれもう15年前──いや、20年近く前? いずれにしても、うまく思い出せないほど昔です。今日これから、久しぶりにイタリア・ローマへ向かうことになりました。成田線で運航するボーイング777-200に新しいシートを導入したアリタリア-イタリア航空を利用して。


ゴールデンウィーク前だからそれほど混んでいないだろうと思ったら、カウンターのスタッフが「予約はほぼ満席」と言っていました。いま成田空港第1ターミナルの搭乗ゲート前にいますが、なるほど、かなりの人、人、人──。そのほとんどが、観光やレジャーでの渡航のようです。“ネットワークキャリア”を目指す他のヨーロッパ系エアラインでは、乗客の6、7割がそれぞれのハブ空港で乗り継いでヨーロッパの別の都市に向かうのに対し、アリタリア-イタリア航空の日本からの乗客はほぼ8割がイタリア1カ国だけを目的地としています。ファッションやデザイン、アート、音楽、グルメなどを楽しむことを目的に。

そういう人たちにとって、飛行機に乗った瞬間からイタリアを満喫できるアリタリア-イタリア航空は大人気。目の前に、出発準備を進める機体の尾翼が見えます〔写真〕。国旗カラーである緑と赤をベースに、尾翼の形に合わせて同エアラインの頭文字「A」を重ねたロゴマークは、多くのファンに支持されてきました。ビビッドなグリーンの制服に身を包んだ陽気な客室乗務員たちに本格的なイタリアンでもてなされながら、私もこれからローマまで約12時間のフライトを満喫したいと思います。

S.Akimoto at 11:06|Permalink

2012年04月13日

少ない水で機体清掃

 
エールフランス航空から昨日、環境保護の取り組みについてユニークな発表がありました。機体の外装を清掃するのに、従来と比べて100分の1の水しか使用しない方法を開発した──というのもです。これまで中距離線の機材では実績のあるこの方法を、今後は長距離線で運航する大型機でも採用していくことも報告されました。


新しい清掃方法では、小さなシートにクリーニング材を染み込ませて使用します。これにより使う水の量を従来の100分の1程度に減らし、作業時間も3分の1に短縮。ボーイング777の場合、これまでは1万リットルの水が必要だったのが、新方式では100リットルに抑えられるそうです。777よりもさらに大きなエアバスA380なら、効果はより増すでしょう〔写真はエールフランス航空のA380=チャーリィ古庄氏撮影〕。

水を節約するだけではありません。機体の外装を常にきれいに保つことで、空気抵抗が少なくなり、CO2の排出量を減らすことが可能です。エールフランス航空はこの方式で、すでに年間800万リットルの節水と57トン以上のCO2排出量の削減に成功してきました。

エアライン各社の環境保護活動が加速しています。2011年後半にはルフトハンザがハンブルグ/フランクフルト間で半年間にわたりバイオ燃料によるデイリー運航を実施。その詳細は『誠Style』でのレポート「7億円を投資してバイオ燃料の旅客機を飛ばすルフトハンザの本当の狙い」でも報告しました。エールフランス航空とルフトハンザ──競うように環境問題に挑みつづけるこの両社が、いずれも環境規制の厳しいヨーロッパのエアラインであることにも、私は注目しています。

S.Akimoto at 14:29|Permalink

2012年04月07日

メモリアルフライト

 
約40年にわたって世界の空を飛び続けてきたシンガポール航空のボーイング747が、ついにラストフライトの日を迎えました。昨日は最後の別れを告げるメモリアルフライトで、シンガポールから香港を往復。「SQ747/748」という便名を冠したこの特別便に、世界中から集まった多くの熱心なファンたちとともに搭乗したことで、とてもいい思い出ができたと思っています。


昨日のメモリアルフライトには、シンガポール航空のコマーシャル担当上級副社長のマック・スゥイー・ワー氏や同社の最初の747パイロットだったケネス・トフト機長ら多くの関係者も同乗。上級副社長のワー氏とは、3年前にフランス・トゥールーズで会って以来の再会です。3年前には、シンガポール航空がエアバスから新造のA330-300の1号機を受領する際に取材に行き、現地で彼に単独インタビュー。副社長もそのときのことを覚えていたようで、機内で私に「東京からようこそ」と声をかけてくれました。

写真は、香港からシンガポールへ折り返す747のアッパーデッキで私と副社長が歓談している様子を、同行していた日本人記者が撮影してくれたものです。その15分ほどのやりとりの中で、私はワー氏からこんなメッセージを託されました。

「世界の中でも、日本には“ジャンボ機”747に特別の思いを寄せているファンの方が大勢いると聞いています。シンガポール航空が運航してきた747も、たくさんの日本の方々に応援していただきました。私を含めたシンガポール航空の社員一同から、これまで支えてくれた日本のみなさんに、ぜひ感謝の気持ちとお礼の言葉をお伝えください」

S.Akimoto at 17:35|Permalink

2012年04月03日

なぜ旅に出る?

 
いきなりの疑問形で、なに、と思うかも知れません。じつはこれ、4月4日にUST&ニコ生でオンエアされる「ビジネステレビ誠」の特番タイトル。このあとに、こんな答えがつづきます──「そこに飛行機と鉄道があるからさ」。20時から1時間の生放送番組で、私もゲスト出演することになりました。詳細はこちらから。


ビジネステレビ誠は通常、毎月1回の放送ですが、明日は「旅」にフォーカスした特別番組。『誠Style』で「“秋本俊二の“飛行機と空と旅”の話」を連載中の私と、人気の鉄道コラム「杉山淳一の+R Style」などを連載する杉山淳一さんがゲストで招かれ、飛行機と鉄道の旅について二人でしゃべりまくります。

担当ディレクターからはトーク内容についていくつか「宿題」が届いていますが、明日の生放送終了後に私はシンガポールに飛ばなければならず、番組出演の準備にまで手がまわりません。テレビでもラジオでも、私の場合は事前に準備をしてもその通りに話が進むことはまずないので、いいかなとも思います。だから明日も、聞かれたことに答え、当日の気分でしゃべりたいことを自由にしゃべろうかな──と。司会は大変でしょうけれどね。あ、司会は『Business Media 誠』編集長の才女、吉岡綾乃さんです。

ところで、シンガポール航空が1973年より約40年にわたって運航を続けてきたジャンボ機ボーイング747が、3月25日のメルボルンへの往復を最後に定期路線から退役しました。今週金曜日(4月6日)にはシンガポール/香港間で通常のSQ238便を「SQ747便」に名前を変え、メモリアルフライトを実施します。そのメモリアルフライトに私も乗るため、明日は番組が終わったらすぐに羽田に移動し、深夜便でシンガポールへ。なぜ旅に出かけるか? 私のその答えは、明日に限っては一つしかありません──「これまで空の旅で何度もお世話になった“あいつ”に、別れを言うためさ」。

S.Akimoto at 22:44|Permalink

2012年03月16日

1万キロを隔てて

 
トルコ航空本社のイベント取材を無事に終えました。同社の社員たちの顔をペイントした新しい特別塗装機とその公開時の様子は、先ほどfacebookでアップしています。イベントといっても、今回はメディア向けではありません。あくまで「社員たちによる社員たちのためのもの」という印象で、地元メディア以外に招かれたのは、私のほかにロシア、イタリア、ギリシャ、カタール、インドなどから計20名程度でした。


イスタンブール国際空港の一角にある整備ハンガーに昼前に到着すると、特設会場はすでにトルコ航空の社員たちで超満員の状態。何千人もの社員たちが詰めかけ、自分たちの顔がペイントされた特別塗装機の公開を待ちかまえています。残念ながらイベントに参加できない、遠く離れた拠点で働く人たちとは、リアルタイムの中継で会場と結ばれました。

世界の約1万6,000人の社員たちの顔を描いた特別塗装機の概要が司会者から説明され、CEOなどの挨拶が終わると、正面に設置された大型スクリーンに各国の拠点の社員たちが次々と登場します。ニューヨーク、ロンドンから始まり、イタリアのミラノ、南アフリカのケープタウン、そして約1万キロ離れた東京とも中継がつながりました。浜松町にあるオフィスでカメラの前に日本支社のスタッフたちが整列。私と親しい広報担当の顔も見えます〔写真〕。

このイベントに列席した海外のメディアは、どの国も2、3人のグループで来ていましたが、日本からは私一人だけ。一人旅には慣れているものの、やはりどこか淋しい思いがあったのでしょう。気がつくと、私は巨大な特設スクリーンに映し出された日本のスタッフたちに向かって思い切り手を振っていました。

S.Akimoto at 16:40|Permalink

2012年03月15日

シートピッチの話

 
現地時間の昨夜8時にイスタンブールのアタチュルク国際空港に到着しました。成田からイスタンブールへは、飛んでいる間だけでもたっぷり12時間。本を読んだり映画を観たり、いろいろしないと時間が進みません。「12時間なんて寝てればすぐだよ」という人もいますが、私は機内ではあまり眠れないほうですし、眠れるかどうかはシートの快適さにも左右されるでしょう。そこで今日は、トルコ航空のシートの話を──。


エアライン各社が上級クラスの新しいシートを発表すると、必ず注目されるのが「シートピッチ」──座席の前後間隔のサイズです。上の写真は、昨日のフライトで利用したトルコ航空のビジネスクラス・シート。ご覧のとおり、シートピッチがとにかく長い! 公表されているサイズは約2メートルで、ビジネスクラスとしては決して突出しているわけではないのですが、2メートルじゃきかないだろうといつも思います。だって、フルフラットにして寝そべっても、私などは足もとに余裕がありすぎてむしろ不安定な印象さえ受けるのですから。

日本人は足が短いからだよ、といわれればそれまでですが、トルコ航空は身体の大きいヨーロッパの人たちをターゲットにしているのは間違いありません。イスタンブールはアジアとヨーロッパと──その両大陸にまたがる都市です。そこを拠点とするトルコ航空をアジアのエアラインとするかヨーロッパのエアラインとするか、以前はよく迷いました。しかし彼らが常に口にするのは「目指すはヨーロッパNo.1のエアライン」という言葉。その目標を達成するためにも、ゆったりしたシートピッチでの快適なスペースの提供が不可欠なのでしょう。

シートピッチが他社に比べてゆったりサイズであることは、上級エコノミーの「コンフォートクラス」でさらに際立っています。こちらは先ほど、facebookで写真を公開しましたので、参考にしてみてください。

S.Akimoto at 15:20|Permalink

2012年02月18日

真冬のソウルより

 
さっき外に出て温度計を見たら、なんとマイナス6度! 寒いというか、空気が肌に突き刺さって「痛い」という表現のほうが合っている感じで、あわてて空港内のカフェラウンジに逃げ帰ってきました。ここでいま発着する旅客機をウィンドウ越しに眺めながら、3月15日に刊行する新著『みんなが知りたいLCCの疑問50』の「まえがき」を書き進めています。


韓国・ソウルの仁川国際空港に来ています。週末にうまいこと時間が空くことになって急きょ計画し、5日前にチケットを予約して。個人的な取材テーマで人に会わなければならない用事があり、ついでに最新のLCC動向を視察しておこうと思い立ちました。昨日の夕方の便で到着したのですが、こっちは東京に比べてもさらに寒い。冬だし、ソウルだし、当たり前なのですが。

ぼちぼち切り上げてソウル中心街に向かいますが、午後から3時間いただけで、今日も日本からいろんな航空会社の便がここ仁川にやって来ました。まずは関西からチェジュ航空〔写真〕が、続いて成田からイースター航空が、そして札幌からはジンエアーが。18時を過ぎると昨年12月に就航したばかりのティーウェイ航空も福岡から到着します。そのいずれもが、破格の運賃で空の旅を提供しているLCC。「週末旅行で関西から来ました」という若いグループと先ほど少し話をしてみました。LCCは旅のスタイルを──というより、人々のライフスタイルそのものを変えつつあるなという印象です。

さて、いまから韓国カルチャー誌の編集長と会うため、各国大使館などがある梨泰院(イテウォン)エリアの待ち合わせ場所へ地下鉄で移動します。「とっておきのおいしい店に案内する」と彼は言っていましたが、どこに連れていかれるのかな? こっちの人はお酒も半端じゃなく強いので、潰されないようにしないと(笑)。それにしても、うぅ、外は本当に寒そう。

S.Akimoto at 16:22|Permalink

2012年02月12日

機上のティータイム

 
なんか、すごくお洒落だなァ。下の写真は、イギリスの伝統的な風習である“アフタヌーンティー”のワンシーン。いいえ、老舗ホテルのティールームとかではありません。雲の上でのサービスです。


英国のヴァージンアトランティック航空は、ビジネスクラスに相当する同社の「アッパークラス」の新しいプロダクト開発を1億ポンド(約121億円)を投じて進めてきました。その一環として2012年3月1日から導入すると発表したのが、雲の上でのアフタヌーンティーのサービスです。個別のミニケーキスタンドで乗客一人ずつに提供される機上のティータイムなんて、じつに優雅。クープ型グラスでのウェルカムシャンパンの乾杯や、新しいスタイルの機内食なども合わせて導入されるそうで、これはぜひ早い時期に体験してみたい!

それにしても、エアラインのプレミアムサービスはどんどん進化しているなァ。相変わらずLCC関連の原稿書きを続けているので、なおさら思います。

あ、LCCもとても重要なのですよ。私たち旅行者に選択肢を増やしてくれる、という意味で。企業努力で一生けんめいチケットの値段を下げてくれて、使い方によってはじつに重宝します。いま書いているのも、そういう本です。念のため。

S.Akimoto at 00:21|Permalink

2012年02月03日

ライアンエアーのこと

 
書斎にこもって毎日16時間くらいPCに向かい、書き物に集中するという状況が、ずっと続いています。3時間ほどの睡眠と、食事と入浴タイム、そして1日に何回かの休憩時間を除いて。もう山は越えて、ゴールは見えていますが。


いろいろと仕事が重なっています。昨夜から今朝にかけては、アイルランドのLCC、ライアンエアーについて書いていました。ドイツのフランクフルトから英国ロンドンへのフライトで体験したことを思い出しながら。そして、こう呟きながら。「良くも悪くも、あのLCCは半端じゃなかったなあ」と。それがLCCだと言われればそうなのですが、コスト削減のためにはとにかく何でもやります。徹底して。だからこそ、旅客輸送実績で欧州ナンバーワンにまで成長できたのでしょう。

上の写真は、そのライアンエアーの機内です。運航機材はボーイング737-800。書いていたら、また乗りにいきたくなりました。いまの仕事が一段落したら、出かけようかな。

あ、断っておきますが、このBlogは休憩時間に書いています。仕事の合間にやっていたら、さっさと原稿を進めてくださいと催促が来そうですから。なので、あまり長く休憩時間はとれません。今日はこのへんで。

S.Akimoto at 08:20|Permalink

2012年01月07日

ドバイへ、バンコクへ

 
ボーイングの次世代機787が華々しいデビューを果たし、エアライン業界は何となく一段落といった感じ。2011年に比べて2012年はこれといった話題もなく、関係者の間では「今年は航空界にとって“谷間”の1年になるね」などという言葉が囁かれています。


2012年は話題がない──本当に? 私はそうは思いません。まず3月にはピーチが関西から就航し、それを皮切りに和製LCCが日本の空で本格的に活動をスタートします。“フルサービス”のフライトに慣れた日本人旅行者の間で、LCCはどれだけ定着するのか? 新興のLCCと既存大手の対決に、今年は目が離せません。またLCCのサービスとは対極をなすオール2階建ての超豪華旅客機、エアバスA380で日本マーケットでのシェア拡大を目論むエアラインもあります。

成田空港では朝8時を過ぎると、前日にフランクフルトを発ったルフトハンザのA380(LH710便)が到着します。同便が所定の駐機スポットに収まると、近くにいる他の旅客機がどれもまるで小さな子供のよう。このスケールの大きさを生かしてゴージャスな空の旅を提供できるのがA380の一番の特徴です。シンガポール航空、ルフトハンザ、エールフランス航空に続いて昨年6月には大韓航空がソウル/成田線にA380を導入し、日本にA380で乗り入れるエアラインは4社になりました。

今年7月からはこの4社にエミレーツ航空が加わり、成田/ドバイ線でもA380での豪華旅が楽しめるようになります〔写真〕。またエアバスのフランス・トゥールーズ工場では現在、タイ国際航空向けのA380の最終組み立て作業が急ピッチで進行中。初号機のデリバリーは2012年の第3四半期(7〜9月)に予定され、まだ公式には発表されていませんが、タイ国際航空の社内では日本就航へ向けての準備に入ったという情報も伝わってきています。

A380でドバイへ、バンコクへ──。話題がないどころか、2012年はまたエキサイティングでワクワクする年になりそうです。

S.Akimoto at 09:24|Permalink
Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各媒体にレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『飛行機はなぜ、空中衝突しないのか?』(KAWADE夢文庫)『羽田空港のひみつ』(PHP新書)『これだけは知りたい旅客機の疑問100』(SBクリエイティブ/サイエンスアイ新書)など著書多数。

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