世界のエアライン

2017年04月24日

ブログ再開

 
バリとジャカルタへ飛んだ先週のインドネシア取材も、無事に終了しました。デンパサール空港に近いフォーシーズンズホテルでは、その立地を生かして楽しむ飛行機の離発着撮影を航空写真家チャーリィ古庄氏とともに体験。ジャカルタでは5月1日よりフル稼働するスカルノハッタ国際空港の新しいターミナル(T3)を視察し、充実した3日間だったと思います。

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写真はスカルノハッタ国際空港に隣接するガルーダ・インドネシア航空の整備ハンバーを訪ねたときのものです。ガルーダは航空機のMRO(メンテナンス、リペア、オーバーホール)ビジネスにも注力し、自社機のみならずアジアを中心とするエアライン各社の重整備を受託。安全に不可欠な技術力を蓄積している様子を垣間見ることができました。

さて、取材から帰国した先週の木曜日、私は誕生日を迎えました。たくさんの温かいお祝いメッセージをいただき、感謝しています。そして誕生日といえば、このBlog『雲の上の書斎から』がスタートしたのも、11年前の4月20日。昨年末から更新が途絶えがちでしたが、12年目を迎えたのを機に少しずつ再開していきたいと思います。

ただいま、朝の6時を回りました。これから支度をして成田へ向かいます。フィンエアーを利用し、ヘルシンキ経由で北欧アイスランドへ。1週間の日程での取材です。時間を見つけて現地からまた報告を書きます。

S.Akimoto at 06:06|Permalink

2016年10月14日

日本から乗るA350

 
フィンエアーのエアバスA350が昨日(13日)と今日(14日)の二日間、機材繰りの関係で成田に飛んできています。親しい広報担当者から「見にきますか〜?」と連絡をもらいました。乗りもしない飛行機を見にわざわざ成田まで出かけるほど、私はマニアではありません(笑)。同社のA350は南仏トゥールーズのエアバス本社で1号機を受領したときに現地でいっぱい見たし、撮影もしたし、トゥールーズからフィンエアーの本社があるヘルシンキまでのフェリーフライトにも乗りましたし〔写真〕。

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もちろん営業フライトとなると、話は別です。営業フライトには絶対乗りたい! 日本から乗れる最初のA350はフィンエアーの成田発ヘルシンキ行きになるだろうと、これまでいろんなメディアで書き、私自身も楽しみにしてきました。早ければ2016年中にも、と思っていたところ、最新の計画では2017年の夏スケジュールからになるらしい。「2017年夏にはA350を投入して成田/ヘルシンキ線を増便する」と本社発表もありました。

ところで先日、ベトナム航空が今年の冬スケジュールから関西発のホーチミン線にA350を投入すると発表がありました。ということは、フィンエアーよりも先に! 最初の就航先が関空とは、とても意外です。

いずれにしても、A350には乗りたい。来年夏にフィンエアーでヘルシンキへ飛ぶか? あるいはひと足先にベトナム航空で関西からホーチミンを目指すか? 悩みに悩んで、決めました。そうだ、両方乗ろう──と。つい先日、ベトナム北部の取材から戻ったばかりなので、こんどはホーチミンを起点に南部を歩こうか。そして来年夏は、ヘルシンキを経由して、大好きなラップランドまで足を伸ばそう! 考えるだけで、楽しくなってきました。

S.Akimoto at 00:07|Permalink

2016年07月21日

勢いづく韓国LCC

 
韓国のLCCが日本での就航地を拡大しています。昨日(7月20日)も2社が新規路線での運航を開始。その1社が仁川から札幌に乗り入れたチェジュ航空〔写真=チャーリィ古庄氏撮影〕で、同社にとって東京、大阪、名古屋、福岡、沖縄などに続く9番目の日本路線になりました。もう1社は仁川/福岡線を開設したイースター航空で、初日から95%の搭乗率を記録したそうです。

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イースター航空といえば、2011年7月に仁川と成田を結ぶ基幹路線で定期運航を始めたLCCです。その後、仁川から大阪や沖縄に、さらに釜山と大阪を結ぶ路線も開設。昨日の福岡線就航で日本路線は5つに増えました。

アシアナ航空が設立した新しいLCC、エアソウルも日本への就航準備を進めています。予定しているのは、アシアナ航空が週3往復で飛ばしてきた仁川/静岡、仁川/高松と、新しい路線である仁川/長崎、仁川/山口宇部の計4路線。静岡線と高松線はアシアナ航空から引き継ぐ形で、週3往復だったのを週5往復に増やします。

これら韓国系LCCの就航地拡大が、日本の地方都市で暮らす人たちにどんな恩恵をもたらすのか。日韓の人の移動や物流がどこまで拡大するのか。注目です。

S.Akimoto at 11:07|Permalink

2016年06月21日

ロングフライト復活

 
高品質のサービスで日本でも人気のシンガポール航空が今年3月にエアバスの最新鋭機A350-900を受領して以降、就航路線の見直しを進めています〔写真=エアバス社提供〕。その一つが、今年10月から予定しているシンガポール発米国サンフランシスコ行きの直行便。飛行距離1万3,600キロのロングフライトです。

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シンガポール航空はこれまで、香港またはソウル(仁川)を経由するサンフランシスコ便をデイリー運航してきました。10月からサンフランシスコへの直行便を開設することで、ソウル経由のサンフランシスコ線は行先をロサンゼルスに変更。シンガポールとロサンゼルスを結ぶ定期便は成田経由とあわせて1日2便になります。

サービスの悪い航空会社は2時間や3時間乗っているのも苦痛ですが、反対にサービスのいい会社のフライトは10時間を超えても降りたくない。シンガポール航空のサービスはもちろん後者で、成田からロサンゼルスへのフライトを私も過去に何度か満喫しました。知人である京都「菊乃井」のオーナーシェフ、村田吉弘さんプロデュースによるビジネスクラスの和食「花恋暦」は、何度食べても飽きることがありません。

シンガポールからサンフランシスコへのフライトは15〜16時間。その後はかつての世界一の長距離路線、シンガポールからニューヨークへの直行便の復活も視野に入れているそうです。実現したら、また真っ先に乗りに行くのだろうな。楽しみです。

S.Akimoto at 14:38|Permalink

2016年05月04日

ジェットスター君

 
シンガポールからミャンマーへ向かう旅客機の機内で、妊娠中の女性の陣痛が始まり、医師や乗務員の助けでヤンゴンの空港に着陸した直後に機内で男の子を無事出産したというニュースをCNNが伝えていました。

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4月22日の出来事です。同便を運航していたのはジェットスターグループのジェットスター・アジア。同グループの規定では、妊娠40週目までの妊婦でも4時間以内のフライトに限って搭乗できますが、28週目以降の場合は健康状態を証明する医師の診断書を提出しなければなりません。

このお母さんは、予定よりも早く陣痛が始まったらしい。赤ちゃんが誕生すると、機内では大きな拍手と歓声が上がりました。

ジェットスターは1,000シンガポールドル(約7万9,000円)分の赤ちゃん用品を一家に贈呈する意向だというニュースも報じられています。そしてこの一家は、男の子の名前を同エアラインにちなんで「ソー・ジェットスター」君と命名しました。

S.Akimoto at 11:46|Permalink

2016年02月17日

航空ショー

 
昨日(2月16日)からシンガポールで始まったアジア最大の航空ショーに来ています。「航空」をテーマにした取材では欠かせない相棒の航空写真家・チャーリィ古庄氏を伴って。開催初日は気温30度を超えるなか、朝からずっと会場を動き回り、二人とももう真っ黒になりました。


航空ショーというと、民間機よりも軍用機のほうがどうしてもメインになります。軍用機にはまったく興味をもたないチャーリィが、戦闘機乗りたちの派手な曲芸飛行にレンズを向けて「こいつら、アタマおかしいんじゃねえの」と呟いています〔写真〕。私も同感です(笑)。

最新の軍用機が低空飛行でものすごい爆音を残して去っていったあとは、エアバスA350XWBのカーボンカラー塗装機のデモフライトが始まりました。ほとんど地上に届かないくらいの静かなエンジン音で、私たちの頭上をふわりと旋回していきます。「ほんと、いい旅客機だな」とチャーリィに声をかけると、彼も「ヒコーキはこうじゃないとね」と夢中でシャッターを押していました。

A350とはライバルであるボーイングの“ドリームライナー”787も今回の航空ショー取材の大きなテーマで、それについては旅行・観光専門サイトの『トラベルボイス』に今朝、原稿と写真を送りました。記事は本日中に公開になると思いますので、ぜひチェックしてみてください。

S.Akimoto at 07:58|Permalink

2016年02月02日

ダブルフェザー

 
メキシコ取材から戻りました。facebookにも大きいサイズでアップしたご覧の写真は、メキシコシティからカンクンに向かうアエロメヒコ航空の機内で影したもの。ボーイング737の翼の先に、ポポカテペトル山とイスタクシウアトル山が見えます。5,000メートルを超える火山群で、左側のポポカテペトル山からは白煙が上がっている様子がわかりますか?


ところで、ヒコーキに詳しい人は、主翼先端の形を見て「あれ?」と思ったかもしれません。ウイングレットが従来の737のように単に上に伸びているのではなく、上下に二股に分かれています。「もしかしてMAX!」と驚いた人もいるでしょうか。

いいえ、737MAXはまだ飛んでいません。MAXは先週、ようやく初飛行に成功したばかり。たしかにMAX用に開発されたAT(アドバンスト・テクノロジー)ウイングレットに似ていますが、同じダブルフェザー(二枚羽)タイプであっても、ATウイングレットが上下一体型なのに対してこちらは従来のウイングレットの下に小さな翼を生やしたような形状です。アビエーション・パートナーズが開発し「スピリット・シミター(シミターは三日月の意味)」の名で製造・販売を開始しました。

アエロメヒコ航空は保有する737-800の13機に、この「スピリット・シミター」を発注しています。燃費効率がさらに進化した新しい飛行機での旅を、思わぬところでいち早く体験できました。

S.Akimoto at 00:02|Permalink

2016年01月26日

ガルーダの誕生日

 
成田から約13時間のフライトで、メキシコシティへ。そこからは国内線に乗り継ぎ、現地時間の25日(月)夕刻にカンクンに到着しました。出発前の日本は強烈な寒気におおわれていましたが、こちらは気温が25度前後で、上着をスーツケースにしまい込んで半袖シャツで過ごしています。


マイナス14時間の時差があるので、日本は日付けが変わっていまは1月26日の朝。大荒れだった各地の天気は、もう回復したでしょうか。

ところで、いま「1月26日」と書いて、何か引っかかりました。航空の世界で過去に何かあった日だよな、と。ちょっと気になって調べてみたら、ガルーダ・インドネシア航空の誕生日でした。今日で同社は創立68年を迎えます。その最初の商業飛行で使った機体がご覧の写真──インドのカルカッタと現ミャンマーのラグーンを結んだダグラスDC3です。ジャカルタにある本社(ガルーダシティ)の前に現在も保存・展示されていて、何年か前に取材で訪れたときに撮影しました。

メキシコのカンクンにいながら、地球のちょうど裏側にあたるアジアに思いを馳せる。不思議な気持ちです(笑)。明日からは、このエリア周辺のリゾートやマヤ文明の遺跡などを取材し、facebookとBlogで報告していきますので、お楽しみに。

S.Akimoto at 08:39|Permalink

2016年01月15日

雪国への憧れ

 
アジアの国々を仕事やプライベートで訪れると、10年くらい前までは「いつか日本を旅行してみたい」と言う何人もの若い人たちと出会いました。当時は円が強く、物価が高騰していた日本への旅はかなりハードルが高かったのでしょう。韓国までは行けても、そこからさらに海を越えるにはお金をたくさん貯めないと難しい。そう彼らは話していました。


その頃といまとは、だいぶ違います。円安が進んだのに加えて、アジアの人たちの生活も豊かになりました。かつて香港で「一度でいいから雪を見てみたい」と私に言っていた友人たちが、現在はスマホを取り出して「見て見て、こないだ北海道へ行ってきたよ」と嬉しそう写真を披露します。

日本の中でも、とくに北海道に強い憧れを持つ人がアジアには多いようです。バンコクから札幌への直行便を運航するタイ国際航空の広報担当も「札幌線は常に満席ですね。エコノミークラスだけでなく、ビジネスクラスも7割がタイ人旅行者で埋まっています」と話していました。アジアのエアラインにとって、新千歳行きは“ドル箱”と言えるかもしれません。

常夏の国シンガポールでも、人々の雪国への憧れは同じです。その旺盛な需要を見込んで、シンガポール航空グループのLCCスクートが札幌への就航を目指しているとの情報が伝わってきました。同社CEOのキャンベル・ウィルソン氏が時事通信のインタビューに「今年の終わりか来年初めに実現させたい」と答えたそうです。私が直接聞いたわけではありませんが、おそらく本当なのでしょう。2月にシンガポールでウィルソン氏に会う予定があるので、そのあたりのこともじっくり聞いてみようと思います。実現したら、同社が運航するボーイング787〔写真〕で札幌からシンガポールへ──という旅も楽しいでしょうね。

S.Akimoto at 16:09|Permalink

2015年11月08日

615人乗り旅客機

 
航空ジャーナリストとして私がテーマにしてきた一つに、エアバスA380という総2階建ての機種があります。まだ形になる以前の、開発がスタートした時期から取材を進め、完成後はシンガポールからシドニーへのシンガポール航空による世界初就航便にも搭乗。その4カ月後には世界で一番最初に本(『エアバスA380まるごと解説』)にもしました。


この総2階建て機をエコノミークラスだけでレイアウトすると880席設置できます。しかし、800人が一度に乗るような路線は、世界のどこを探してもありません。A380を導入したエアラインは、どこもキャビンを450席から500席前後で設計しました。シートだけ500個積んでもあの広大なスペースは埋まらないので、余った空間にラウンジをつくったり機内販売のショールームを開設したり。エミレーツ航空は機内にシャワー&スパの施設を設置して利用者を驚かせました。A380は空の旅を変える! というのが、私がこの機種に早くから興味をもった理由でもあります。

A380の世界最大のオペレータでもあるエミレーツ航空は、これまで140機をエアバスに発注しました。500席が常に満席になる路線などそうはないのになあ、と私が疑問を口にすると、同社のある幹部は「A380はうちの会社の象徴なので、別に満席にならなくてもいいんですよ」ときっぱり。お金のある会社は、言うことが違います(笑)。

そのエミレーツ航空に先週水曜日、ビジネスクラス(58席)とエコノミークラス(557席)だけでレイアウトした新しいA380が届きました。トータルの席数は615もあります。いったいどこに飛ばすのだろうと首を傾げていたら、今年の12月より拠点のドバイからバンコクとコペンハーゲンへの路線に投入するのだとか。本当に一度にそんなに多くの旅客が乗るのか? 落ち着いた頃に、確かめに行ってみようと思います。

S.Akimoto at 22:49|Permalink

2015年10月08日

A350受領式典

 
南仏トゥールーズのエアバス社にて1泊2日で駆け足で進めてきた取材も、無事に終了しました。今回のメインテーマは、フィンエアーへのA350XWB初号機のデリバリー式典です。フィンエアーは世界で3番目、ヨーロッパの航空会社では最初にA350を受領。欧州を中心とする各国メディアや関係者が集うなかで、さまざまなイベントが開催されました。


私たち式典への招待者とフィンエアーの社員たちを乗せてヘルシンキからトゥールーズへ移動したチャーター便の機内では、同社CEOのペッカ・バウラモ氏に単独で15分ほどインタビューする機会も持てました〔写真はfacebookで〕。「A350の1号機をいよいよ明日受領するわけですが、いまの心境は?」という私の質問に、バウラモ氏は「感無量ですよ。オーダーしてから10年、この日を待ちましたから」と笑顔で答えてくれたのが印象に残ります。

式典後は、受け取ったばかりのピカピカのA350に乗って、ヘルシンキまでのフェリーフライトにも同乗。昨年秋にテスト機が羽田に飛来した祭のデモフライトに乗せてもらって以来のA350搭乗体験でしたが、この旅客機は本当に静かで、乗り心地も抜群です。バウラモ氏は「A350の東京への乗り入れもできるだけ早期に実現したい」と話していたので、楽しみに待ちましょう。

さて、今日と明日は、同行の写真家・倉谷清文氏とヘルシンキの街を取材します。春みたいなポカポカ陽気だった南仏とは一転、北欧ヘルシンキは日中でも気温が摂氏5度と真冬のような寒さですが、時間の許すかぎり精力的に歩きたいと思います。

S.Akimoto at 07:14|Permalink

2015年09月17日

微笑むLCC

 
先日のクアラルンプールからバンコクへの取材で、初めてのエアラインを体験しました。その会社とは、タイ・スマイル航空タイ国際航空の格安ブランドで、タイの国内線や近隣諸国への国際線をエアバスA320で運航しています〔写真〕。


私たちが利用したのは、ハジャイ(ハートヤイ)からバンコクまでの路線です。ANAの新しい就航路線で成田からクアラルンプールへ飛び、クアラルンプールからはマレー鉄道でタイとの国境越え。本当はそのままタイ国鉄に乗り換えてバンコクまで陸路で行きたかったのですが、スケジュールが限られていたためタイへ入って最初のハジャイで列車を降り、そこからは空路の切り替えたのでした。

タイ・スマイル航空ってどんなだろうと思ったら、わりとしっかりしたエアラインでした。客室乗務員の制服は鮮やかなオレンジ色。社名のとおり、乗客を迎えるときの笑顔が際立ち、サービスぶりにも訓練が行き届いている様子がうかがえます。LCCという感じがしません。

メディアの取材は、どうしても日本に就航しているエアラインが中心になりますが、たまには現地に行かないと乗れない「オフライン紀行」も楽しいもの。世界には、まだまだ知らない航空会社がたくさん存在するので、今後も機会があったら積極的にチャレンジしようと思います。

S.Akimoto at 23:48|Permalink

2015年09月11日

世界最長フライト

 
海外で過ごした最終日の朝。異国での時間を存分に満喫してきただけに、いざ帰るとなるとつい心も沈んでしまうのでしょう。「あ〜あ、楽しかった旅もこれでおしまいか」と、チェックアウトをするためカウンターに並びながら、そんなふうに呟く旅行者をホテルのロビーでよく見かけます。帰路につくのはいまからであって、まだ日本に帰ってきてしまったわけではないのに。


同じ状況に置かれても、私の場合はそうはとらえません。旅の最後に、最上の楽しみがもう一つ残っているからです。その楽しみとは、いうまでもなく帰国便のフライトこのと。豪華なシートや食事が用意された快適なデザイン空間の中で、訓練されたクルーたちの最上のもてなしを受けながら過ごす至福の時間を楽しみの一つに加えることで、旅がどれだけ豊かなものになるか。

そういう観点で言うと、フライトは長ければ長いほど楽しい。もちろん上級クラスの話になりますが、先日のBlogでも「長距離飛行の誘惑距離飛行の誘惑」と題して同じようなことを書きました。その中で触れたエミレーツ航空に、また乗りたいと強く思っています。同社から先月、2016年2月より世界最長となるドバイから中米パナマへの直行便を開設すことが発表されました。

ドバイからパナマへ直行便で何時間? それまでの世界最長はどの路線だった? 新しい路線で使用する機材は? 「ITmedia ビジネスオンライン」での連載『“飛行機と空と旅”の話』で、そんなことをエッセイ風に書きました。本日より公開になっています。

≫≫≫「ドバイからパナマへ、エミレーツ航空が“世界最長路線”を開設

S.Akimoto at 10:56|Permalink

2015年08月28日

強制体重チェック

 
関空から帰京するときに少し時間があったので、ターミナル内をふらふらしていたら、国際線のチェックインカウンターで外国人旅行者とスタッフがもめていたのを見ました。預ける手荷物が重量オーバーで、その超過料金を払う、払わないで一悶着あったようです。


「たかが3キロオーバーくらい、いいだろ。大目に見てよ!」
「いいえ。決まりですので」

結局、乗客のほうがあきらめ、預けようとしていたスーツケースからオーバーした3キロ分の荷物を取り出して機内持ち込み用のバッグに詰め替えていました。仕方ありません。チェックイン時の重量バランスの管理は、旅客機の運航にとってとても大切なことですから。ですが、まさか荷物だけでなく人の体重までチェックしようというエアラインが出てくるとは!

中央アジアのウズベキスタン航空が先日、出発前に乗客の体重測定を開始すると発表しました。「離陸時などの機体重量の計算や安全運航の確保に必要」というのが、その理由です。気持ちはわからないでもないですが、これは反発を買うでしょうね。かつては日本でも、カウンタースタッフが乗客の体重を見た目でこっそり判定し、バランスがよくなるよう座席を割り当てていた時代がありました。その頃は、ひと目で体重を言い当てられる“目利き”の社員が重宝されたそうですが、それも遠い遠い昔の話。ウズベキスタン航空の取り組み、ちょっと注目してみたいと思います。

S.Akimoto at 19:22|Permalink

2015年07月31日

長距離飛行の誘惑

 
ここしばらく、海外へ出ていません。北欧の白夜の生活を体験しようとJALでヘルシンキに飛んだのがちょうど夏至を迎えた日だったので、かれこれ1カ月半になります。1カ月を超えると、頭の中を支配しはじめるのが「ヒコーキに乗りたい病」。行きたい国や街があるわけではありません。ただ、移動する機内でゆったり時間を過ごしたくなるのです。


そんなときに選ぶフライトは、長ければ長いほどいい。何時間もかけてその国の空港に到着し、そこからさらに長距離線に乗り継いで向かうような場所が最高です。たとえば3年前に行った、ポルトガルのリスボンのような。

あのときは、エミレーツ航空のドバイ経由の便を利用しました。東京からドバイへ、ドバイからリスボンへ──たっぷり時間をかけながら。ドバイまではエアバスのA380で、ドバイからリスボンへはボーイング777-300ERでの旅だったと記憶しています。

ドバイ/リスボン線が開設されたのが、ちょうど3年前でした。私が乗った便はさほど混んでいなかったので、あまり需要がないのかなとそのときは心配しましたが、実際はそうでもないらしい。エミレーツ航空は今週、1日1便で運航中のリスボン線を来年1月から1日2便のダブルデイリーに増便すると発表しました。中東やアフリカ、アジアなどからドバイを経由してリスボンへ向かう旅行者需要を狙ってのことなのでしょう。アラビア半島から地中海を越え、スペイン上空を経由してのアプローチ。もう3年も経ったので、また同じルートで飛びたいなあ。

S.Akimoto at 17:34|Permalink

2015年07月16日

話し合いのススメ

 
再生を目指すスカイマークをめぐって昨日、最大債権者の米リース会社イントレピッド・アビエーションが東京都内で債権者説明会を開きました。そこで示されたのが、米デルタ航空を支援企業候補とする独自の再生計画案です。スカイマークはこれとは別に、ANAホールディングスの支援を軸とする再生案を策定。8月5日の債権者集会では、同案とイントレピッド案の双方が議題となりますが、はたしてどうなるのでしょうか?


ごく簡単に端折って振り返ってみると、当初は支援しないと言っていたANAがスカイマークのもつ羽田の36の発着枠を気にかけたのか、一転して支援を表明。先に支援に動いていた投資ファンドのインテグラルは、ANAの動きを最初は警戒していたものの「あくまでスカイマークの独立性を保つこと、2,500人の社員を一人も整理しないこと」を条件に、ANAと組む道を選びました。しかし、スカイマークにエアバスのA330型機をリースしていたイントレピッドがANA側にA330を受け入れる意向がないことを知って反発。デルタ航空を支援候補とする独自再生案を出してきた、というのがここまでの流れです。

昨日の森本大さん(デルタ航空日本支社長)の話を聞く限り、もともと「スカイマークの社員たちを助けたい」という思いから支援に立ち上がったインタグラルと、デルタ航空の「独立性を保つために手を差し伸べ、いっしょに進んでいきたい」という思いは近いのではないか? ANAと提携しているユナイテッド航空、JALと提携しているアメリカン航空の米系ライバル2社に対し、デルタ航空は単独でのチャレンジを続けてきました。日本市場を重視する同社が、第3極として存在するスカイマークを応援し、手を携えて事業を拡大していきたいと思う気持ちに何ら不思議はありません。羽田の発着枠の行方こそ最大関心事であると思っている人も多いANAや、リースしていたA330の活用に重きを置くイントレピットの思惑より、インテグラル&デルタ航空連合のほうがごく自然に私の心におさまってきます。

昨日の会見でデルタ航空の森本さんは「まだ初めて発表した段階であって、スカイマークともインテグラルとも何も話していない。すべてはこれから」と言っていました。佐山展生さん(インテグラル代表)も森本さんも私はよく知っていますが、両者が一度ひざを交えてじっくり話してみると、意外にすんなり意気投合していい方向に一歩を踏み出せるのではないか。ちなみに昨日から今日にかけてスカイマークの社員やスカイマークファンの人たちにリサーチした結果でも「スカイマークはデルタと組むのがいいのでは?」という意見が多数を占めました。

S.Akimoto at 19:51|Permalink

2015年07月12日

デルタ航空協賛試合

 
神戸&姫路ツアーから帰京し、その足で訪ねた一昨日の東京ドームは、読売巨人軍のサポーティングカンパニーを務めるデルタ航空の協賛試合でした。金曜日のナイターで、しかも伝統の巨人vs阪神戦とあって、スタジアムは超満員。デルタ航空日本支社の広報の方々にバックネット裏の特等席にご招待いただき、感謝感謝です。


この日は先着2万名に巨人軍とデルタ航空のロゴ入り特製うちわがプレゼントされたほか、モデルプレーンやオリジナルナップサックなどが当たる抽選会やマスコットレースのアトラクションなどがあり、スタンドもいつもと違う演出に大盛り上がり。試合は4対2で巨人が勝ち、ファンにとっても、協賛しているデルタ航空にとっても最高の形で終えました。

その結果を誰よりも大喜びしていたのが、試合が始まってから20分ほどして私たちの隣の席に到着した航空アナリストの鳥海高太朗氏です。熱狂的な巨人ファンである彼とは、昨年7月のデルタ航空の協賛試合にもいっしょに招待されて観戦を楽しみました。そのときも、巨人は相手の中日ドラゴンズに4対3で勝利。鳥海氏の応援パワーはすごいなあといつもながら感じています。

かくいう私は、じつは筋金入りのアンチ巨人です。昨年のblogでも告白しましたが、あのチームがどうしても好きになれません。今年は、神戸&姫路にいっしょに行っていた、熱狂的な阪神ファンである弟子兼アシスタントを羽田からそのまま連れていきました。そして二人で思い切り阪神に声援を送ったのですが、結果は鳥海パワーの前に敗北! ちくしょ〜。あ、あまり「アンチ巨人」を連呼すると、もうデルタ航空から招待が来なくなってしまうので、このへんにしておきます。まあ、楽しかったですけどね(笑)。

S.Akimoto at 16:35|Permalink

2015年06月25日

“Cシリーズ”

 
これは、乗ってみたい! いよいよベールを脱いだ、ボンバルディアの“Cシリーズ”。欧州内の短距離および中距離路線への導入を計画しているローンチカスタマーのスイスインターナショナルエアラインズ(SWISS)から先ほど、チューリッヒ空港に初めて飛来した「CS100」の初号機を迎える様子の画像が届きました。バランスのとれた、なかなかイカす旅客機です。


ボンバルディアといえば、日本では地方路線などで活躍する高翼プロペラ機のDHC-8が知られています。ジェット機に比べて低い高度を飛ぶので、機窓から景色を眺めながらの移動が楽しい。私も今年に入って、天草エアラインが運航するDHC-8でのフライトを3回ほど満喫しました。チューリッヒに降り立ったCシリーズは、そのボンバルディアが初めて挑む100席超のクラスの最新ジェットです。

CS100は110席のキャパシティをもつタイプで、1号機がSWISSに実際に納入されるのは2016年の半ば。現地では、そのキャビンデザインや搭載する新型シートも公開されたようです。私も動画で拝見し、冒頭に書いたように「絶対に乗ってみたい!」と強く思いました。

思えば、2007年にシンガポール航空によるエアバスA380の初就航便に乗り、2011年にはANAによるボーイング787のデビューフライトも体験。2012年にはルフトハンザが世界で最初に受領した次世代ジャンボ747-8iの就航便にも呼んでもらい、そして2014年秋には羽田に初飛来したA350XWBのデモフライトにもJALの招待で乗せてもらいました。「初もの」はもう十分かな、と思っていたのですが、来年のCS100の就航便にもやっぱり乗りた〜い! 年内にSWISSの本社を訪ねるかもしれないので、そのときにエラい人たちに頼んでおこっと。

S.Akimoto at 18:49|Permalink

2015年06月07日

粋な「A」マーク

 
海外取材の相棒である航空写真家・チャーリィ古庄氏の力作『エアライン年鑑 2015-2016』(イカロス・ムック)には、1,086社ものエアライン情報が網羅されています。調べ物があってページを開くたびに「世界にはこんなにたくさんの航空会社があるのか!」と驚くばかり。そして見ていて楽しいのは、エアラインの数だけマーキング(機体ペイント)のバリエーションがあることです。


現在はボーイング機かエアバス機だけを使用しているエアラインも多く、機種だけ見てもどの会社かはわかりません。空港などでひと目でエアラインを判別できるのは、ボディにペイントされたカラーリングやロゴマークのおかげです。デザインによって好き、嫌いは誰にでもあるでしょうが、私が「いいな」と思う1社がアリタリア-イタリア航空です。

国旗カラーである緑と赤をベースに、尾翼の形に合わせて同社の頭文字「A」を重ねたロゴマーク。お洒落で、スタイリッシュで、私は好きです。「イタリアだなあ」って、感じませんか?

そのアリタリア-イタリア航空が先週、ブランドイメージを刷新した新しい機体デザインを発表しました〔写真=同社提供〕。アリタリアの「A」を重ねた尾翼は同じですが、新デザインでは機体の底の部分までぐるっとペイントされています。個性がいままで以上に強調されている印象を受けました。そして、その機内で待っているのが、陽気なクルーたちによる本格イタリアンでのもてなし。あ〜あ、また旅に出たくなりました。秋になったら飛ぼうかな。ローマやベネツィアへは最近行ったので、こんどは南のナポリあたりを目指して。

S.Akimoto at 23:55|Permalink

2015年05月14日

基本型と派生型

 
旅客機には同一機種の中で「基本型」のモデルと「派生型」といわれるモデルがあります。派生型は、最初につくった基本型をベースに、後の新たな需要に対応するためボディのサイズ(長さ)を延長したり新型エンジンに替えて航続距離を延ばしたタイプ。たとえばエアバスの単通路型ベストセラー機A320は、A318とA319、さらにA321という3タイプの派生型を誕生させました。


そのうちA318とA319は、基本タイプのA320よりボディを短くした短胴型で、短距離路線などで活躍。またシリーズで最長のA321は、A320よりボディを主翼の前後で6.9メートル延長し、設置できる座席数を増やしました。

A320は日本ではLCCの4社(ピーチジェットスタージャパンバニラエア春秋航空日本)が運航しているので、乗った人も多いでしょうが、長胴型のA321はなかなか体験できるチャンスが少ないかも知れません。かつてはANAが1990年代後半から一時期飛ばしていたものの、わずか10年で日本の空から姿を消しました。

さて、熊本&天草の旅から昨夜戻り、今日はまた成田空港に来ました。いまから乗るのは、ベトナム航空が昨年夏に開設したダナンへの直行便です。ハノイとホーチミン以外の都市への直行便は初めてで、多くの世界遺産やリゾートが集まるベトナム中部への旅が便利になりました。しかも同路線は、前述したA321での運航! 日本からレアなフライトを楽しみながら、1週間の日程で2年ぶりにベトナム中部を歩いてきます〔写真=チャーリィ古庄氏撮影〕。

S.Akimoto at 14:15|Permalink

2015年02月20日

“つぶやき”を評価に

 
旅にはトラブルがつきものです。乗る予定だった便が欠航になる。悪天候で到着が遅れ、接続が間に合わない。楽しみにしていた海外旅行が台無しになったり、会議に出席できず仕事が停滞してしまうこともあるでしょう。そんなとき、みなさんはどうしますか?


まずは空港のカウンターで振り替えの便を調べてもらったり、逃した接続便の次の便に乗れないかを探します。うまくいけばいいですが、なかには手続きの場所ややり方がわからず、路頭に迷ってしまうケースも少なくありません。その怒りを、Twitterなどでぶちまけている人もときどき見かけます。「こんな航空会社はもう二度と利用しない!」「空港スタッフの対応にムカついた!」「ふざけるな!」などなど。

怒りはもっともです。そしてその怒りを、どこかにぶつけないと気がすみません。ですがそんなクレームも、社員の対応の仕方ひとつでプラスに変わることも。親切にしてもらったことでその会社がますます好きになる、という経験を、私自身も過去に何度もしてきました。

私が連載コラムを寄稿している旅行・観光専門ビジネスサイト『トラベルボイス』で今朝、デルタ航空のユニークな取り組みを紹介する記事を公開しました。旅行者の“つぶやき”を評価に変える「ソーシャルメディア・ラボ」というチームのレポートです。先日、米国アトランタのデルタ航空本社を訪ねた際に取材しました。へえ、と思う人も多いのでは? ぜひ一読してみてください。

≫≫≫「航空会社のソーシャルメディア活用事例──旅行者の”つぶやき”が評価に変わる

S.Akimoto at 10:36|Permalink

2015年02月17日

ワインの話

 
最近、ワインが好きです。料理に合わせてビールも日本酒も焼酎もウイスキーも飲みますが、仕事を終えた深夜などに、書斎でワインを抜くことが多くなりました。ワインを飲むのは、もちろん移動中の機内でも。facebookにもアップしたご覧の写真は、先週利用したフィンエアーのビジネスクラスでのものです。


写真を見ただけで「あ、フィンエアーのフライトだ」とわかる人もいるかもしれません。ワインが注がれたイッタラのグラスは、まるで繊細な氷の彫刻。窓から差し込む陽光を受けてキラキラまぶしく輝き、ワインの味わいをことさら高めてくれます。そして、グラスに添えられているライトグレーの紙ナプキンはマリメッコのデザイン。どちらもフィンランド人が心から愛するブランドです。

ん? 今日はいつもと違って洒落た文章を書くなァ──なんて思いました? はい。「ワインが注がれたイッタラの」から「フィンランド人が心から愛するブランドです」までは、仲間の旅ライターEさんのパクリです。季刊『航空旅行』のヨーロッパ特集(Vol.8)で彼女がフィンエアーを取材したときのレポートにそう書いていました(笑)。

さて、機内で試したこの赤ワインは、カリフォルニア・カーネロス地区のピノノワールです。魚料理をオーダーしたので本当は白がよかったのでしょうが、どうしても赤が飲みたくてクルーに相談したら、彼女は「これなら魚のグリルにも合いますよ」とすすめてくれました。辛口のミディアムボディで、オークの微香があり、これはうまい! ネットで注文しようと、いま調べ始めています。

S.Akimoto at 15:03|Permalink

2015年02月01日

LAでアート巡り

 
私が力をいれて取り組んでいる季刊『航空旅行』の2015年冬号が昨日、発売になりました。これまで何度も報告してきたように、特集は「エアバスA380で行く旅」。A380は開発当初から取材を進めてきた私の重要テーマの一つであり、今号で紹介したエアライン4社はすべて私が取材・執筆しています。


その中でも思い出に残っているのが、SQ(シンガポール航空)で飛んだLA(ロサンゼルス)の旅です。同社のA380には、世界初就航となった2007年10月のシンガポール/シドニー線に搭乗して以来、ずっと関わりつづけてきました。この最も愛着のあるSQで大好きなアメリカ西海岸の街、LAへ。写真家の倉谷清文氏とともに精力的に取材・撮影スポットを訪ね、どのシーンもいまだ鮮明に記憶に焼きついています。

LAの旅でテーマにしたのが「アート巡り」です。いつか実現したいとずっと思っていました。街なかをクルマで走っているとあちこちで出会う、古い倉庫の壁などにダイナミックに描かれたアート作品の数々。思わずクルマを止めて歩きはじめてしまうことも少なくありません。そこで撮った倉谷氏の写真も、私のエッセイとともに誌面に配置しています。

ロサンゼルス国際空港に完成した新しいターミナル(トム・ブラッドレー国際線ターミナル)についても、到着時に取材しました。自動入国審査端末の稼働で入国手続きが迅速化されたほか、商業施設も従来とは比べものにならないほど充実。この新ターミナルについても、同誌の連載「世界のエアポート」で併せて報告しています。

S.Akimoto at 14:52|Permalink

2014年11月18日

エミレーツのA380

 
今日は久々に旅客機の整備の話です。旅客機の整備には大きく二つの種類があることを、これまでにも何度か書きました。一つは毎回のフライトごとに空港で実施する「ライン整備」で、もう一つが機体をハンガーに搬入してより本格的に点検・修理を行う「ドック整備」と呼ばれるもの。ドック整備は飛行時間や期間によって「A整備」「C整備」「M整備」の3段階に分かれます。


エアラインや機種によって異なりますが、約1カ月ごとに行なわれるA整備では、フライトを終えた夜間にハンガー入りしてエンジンやフラップ、ランディングギアなどの重要部品の点検作業を進めます。また、ほぼ1年から1年半に1回実施されるC整備では、機体各部のパネルを取り外してより細部にわたり入念にチェック。そしてドック整備の中でも最も重いのが、5〜6年に1回、1カ月以上をかけて実施するM整備です。骨組みがむき出しになるまで機体が分解されるほか、塗装もすべて剥がされ、構造的な点検や部品の交換、再塗装などを終えた機体は新品同様にリフレッシュされます。

エミレーツ航空は先週、2008年6月に受領したエアバスの総2階建て機A380の初号機について「大規模な定例整備(M整備)が完了した」と発表しました。ドバイ/ニューヨーク線で初就航して以来、2,000万キロを飛行し、これまで120万人以上の乗客を輸送してきた機体です。整備に費やした期間は計55日間。担当部門責任者は「メーカーから引き渡された時と変わらない状態によみがえった」とコメントしています。

さて、季刊『航空旅行』の次号(Vol.12=2015年1月末発売)で予定している巻頭特集「エアバスA380で行く旅」の取材が現在、順調に進んでいます。来週からは、いよいよ世界最大のA380ユーザーであるエミレーツ航空を取材。保有する約50機のA380が集結するアラブ首長国連邦のドバイへ飛びます。

S.Akimoto at 09:19|Permalink

2014年11月04日

窓側ソロシート

 
行楽の秋の3連休──みなさんはどこかへ出かけましたか? 私は相変わらず書斎にこもっての原稿書きでした。月末の入稿に間に合わなかった仕事を、昨日までの3日間ですべて終え、今日は成田空港の第1ターミナルに来ています。ところで、先ほどfacebookで出したクイズの答えは、機種が「エアバスA380」で航空会社は「タイ国際航空」でした。


これから向かうのは、タイのバンコク。バンコクには昨年から今年にかけて何度か訪れていますが、A380で運航するTG677便(17時30分成田発)を利用するのは、同社のA380のデビューとなった2013年元日の就航初便を航空写真家のチャーリィ古庄氏と取材して以来。「スタッガード型」のシートが配置されたご覧のビジネスクラスでの旅も、約2年ぶりです。

スタッガードとは、英語で「互い違いの」「ジグザグの」という意味。その名のとおり、シートが前後で互い違いに、2本の通路をはさんで横一列に“1-2-1”のレイアウトで配置されています。ANAをはじめスイスインターナショナルエアラインズアリタリア-イタリア航空など、最近はこのスタッガード型を採用するエアラインが増えました。

カップルで利用する場合は中央の隣合わせの席がおすすめですが、一人で乗るなら窓側ソロシートの、物置テーブルが通路側でシートが奥(窓際)にある席がベスト。本当に落ち着きます。私も事前予約で「A」列を確保しました〔写真〕。プライベート感が抜群に高いこのシートで、間もなくバンコクまでの約7時間のフライトに出発します。

S.Akimoto at 16:45|Permalink

2014年10月04日

機内でビアフェスタ

 
羽田からフランクフルトへのルフトハンザLH717便の機内で、ドイツ人のCAさんから「お仕事のあとは、どこかへ足を伸ばされるのですか?」と聞かれました。「プライベートでちょっと旅行に」とでも返事をしたかったのですが、残念ながら今回も時間的に余裕がありません。10月はこの先も予定がびっしりなので、フランクフルトでの取材を終えたら早めに帰国します。


「本当は仕事をさっさと終えて、フランクフルトからミュンヘンに飛びたかったんだけど」と、私はCAさんに言いました。「ミュンヘンは“オクトーバーフェスト”の真っ最中だからね。本場のビール祭りで、いろんな国の人たちと飲んで騒いで、発散したかった」

すると彼女は、任せてという顔で「じゃあ、機内で形だけでも“オクトーバーフェスト”を楽しんでください」と言ました。機内でオクトーバーフェスト? 一瞬何のことかと思ったら、搭乗時に手渡された食事のメニューを見て、納得です。到着前の2回目の食事メニューの一つに「オクトーバーフェスト特別ディナー」というのがありました。facebookにも写真をアップしましたが、料理の内容はご覧のようもの。バイエルン風のソーセージサラダや、パイナップル入りザワークラウトを添えたジャーマンソーセージのグリルなどが一つのトレイにセットになっていて、機内エンターテインメントシステムを12チャンネルに合わせるとバイエルン地方の音楽を聴きながら食事を楽しめます。

私がその特別メニューをオーダーすると、CAさんは「お飲み物は何に?」と聞きかけて、すぐに「もちろんビールですよね」と言い直しました。そうして届けてくれたのが、冷え冷えのバイエルン産ビール! とても気の利くCAさんで、おかげで楽しいフライトになりました。

S.Akimoto at 00:08|Permalink

2014年10月01日

“雲の上”から再び

 
トルコのイスタンブールから戻ったのもつかの間で、またまた“機上の人”に。今日は羽田からドイツ・フランクフルトへ向かうルフトハンザLH717便の機内が、私の書斎です。食事を終えてから始めた原稿書きを中断して、休憩がてらノートPCを機内Wi-Fiにつなげ、シベリア上空でこのBlogを書いています。


長めの休みをとってはあちこち海外を放浪していた若いころと違って、最近は「行ったことのない国に行く」という旅ができません。渡航回数は年々増えても、目指すところはほとんどが「過去に訪れた国」というのがここ10年来のパターンです。なかでも毎年必ず1回は行くのがドイツ。今回も、ルフトハンザの本社主催のイベントがあり、それに出席するため羽田からの便をとりました。フランクフルトは去年の12月以来ですから、約10カ月ぶりになります。

ルフトハンザが羽田からフランクフルトへの路線で使用しているのは、ボーイング747-400。ご覧のビジネスクラス・シートも、これまで何十回と利用してきました。シェル型のライフラット・タイプで、180度水平になるフルフラット型が当たり前になった昨今では、古くなった感が否めません。ですが、偶然この便に知り合いのCAさんが乗務していて、隣が空いている窓側席を用意してくれました。「お仕事に集中できますように」と。ラッキーです! ルフトハンザは今年10月26日以降の冬スケジュールから、羽田線に次世代ジャンボ747-8の導入を予定しています。それに合わせてシートもフルフラット型の最新のものに切り替わるので、使い慣れたこのシートでの旅も今回が最後になるでしょう。

背もたれをやや深めに倒してリラックスポジションに変え、もう少し原稿を書き進めたら、到着後に備えて休もうと思います。その前に、冷えたドイツの白ワインをもう一杯、CAさんにお願いしようかな。

S.Akimoto at 17:00|Permalink

2014年09月23日

トルコ取材へ

 
先週から、メールや電話での問い合わせが増えました。「今年は旅博、行くでしょ?」とか「旅行博は来られますよね?」とか。「行くでしょ?」と誘いをかけてくるのは取材する側の旅行誌編集者や仲間のライターたちで、一方の「来られますよね?」はブースを出展して待ちかまえる航空会社や観光局の人たちです。


毎年恒例となった旅行博は、2014年から「ツーリズムEXPOジャパン」に生まれ変わったそうです。今週末の9月26日(金)〜28日(日)の開催で、26日はマスコミを招待するメディアデー。普段はなかなか会えない関係者もいるため、私も年に1回のこのイベントを、久しぶりの再会を果たすための貴重な機会として利用してきました。

ところが、この何年かは参加できていません。昨年はアメリカ・コロラドの、一昨年はカリブ海の取材とちょうど重なってしまって。そしていまも、成田空港の第1ターミナルに来ています。目の前で出発準備を進めているのは、ターキッシュエアラインズのボーイング777-300ER〔写真〕。これからちょこっとイスタンブールへ飛ぶため、残念ながら今年も行けなくなりました。

来月末に発売になる季刊『航空旅行』の秋号(Vol.11)で予定している「リゾート特集」の取材なのですが、出発直前になって、今週木曜日から始まる「イスタンブール・エアショー」への招待がターキッシュエアラインズの本社から届きました。急な話なので、とりあえず現地に到着してから関係者たちと相談しようと思っていますが、もういろいろと予定を立ててしまっているので難しいかなあ。もう間もなくボーディングの時間なので、とりあえず飛びます。報告はまた到着後にでも。

S.Akimoto at 10:56|Permalink

2014年08月21日

アトランタだより

 
米国ジョージア州のアトランタ国際空港に隣接するホテル「ルネッサンス・コンコース・アトランタ」に滞在し、デルタ航空本社を中心に取材を進めています。ホテルの8階にとった部屋のベランダからは、アトランタ空港のパノラマが楽しめ、発着する航空機の撮影もばっちり。平行に並ぶ5本の滑走路のうち同時に3本から、デルタ航空をはじめ各社の航空機が次々に飛び立っていく──そんな光景は、他でなかなか見られません。壮観そのものです。


1日の平均乗降者数が25万人を超え、毎日約2,600便が発着するこの“世界一忙しい空港”は、アトランタの街がもつダイナミズムの象徴ともいえます。アトランタには全米の大企業トップ500社のうち450社が拠点を置いているという調査結果もあり、海外や日本からの進出企業も少なくありません。米国の“空の十字路”として、現在も発展を続けています。

デルタ航空の本社も、空港のすぐ近くにあります〔写真〕。この二日間、航空機の安全運航を支えるOCC(オペレーション・カスタマー・センター)や乗務員の訓練施設、さらに6月17日リニューアルオープンした「デルタ・フライト・ミュージアム」などを取材・撮影してきました。「デルタ・フライト・ミュージアム」の詳細については9月末発売の『月刊エアライン』11月号(イカロス出版)で、同行のチャーリィ古庄氏の写真とともに報告します。

その後、街の中心部から北へ10キロほど行った郊外に広がる「バックヘッド」と呼ばれるエリアを訪ねてみました。この一帯は、アメリカ南部でも有数の高級住宅街。豊かな緑のなかに歴史ある建物が点在し、古き良きアメリカの雰囲気に浸りながらのんびり街歩きを続けました。アトランタ滞在を終え、これからデルタ航空の国内線でニューヨークへ移動します。

S.Akimoto at 00:02|Permalink

2014年07月22日

757搭乗記

 
先日のパラオ取材で、何年かぶりにボーイング757に乗りました。単通路型ベストセラー機の737やジャンボ機747、中距離路線で活躍する767とその後継機として開発された787などに比べて、757はあまり馴染みのない機種かも知れません。サイズとしてはやや中途半端で、受注が伸びなかったため、ボーイングは2004年に生産打ち切りを決めました。


757は、727の後継機として1982年に登場しました。727が個性的な3発機でファンも多かったのに対し、双発の中距離型機である757は見た目にも大きな特徴はありません。日本ではJALANAも採用しませんでした。が、それでも2004年までに計1,050機が製造され、いまも世界の空で元気に活躍しています。

冒頭で「サイズがやや中途半端」と書きましたが、200〜250席程度のこのサイズがちょうどいい路線も存在します。その一つが、デルタ航空が成田から直行便を運航するパラオ線でしょう。パラオのほかグアムやサイパンなどへのリゾート路線を中心に、同社は757を積極的に活用しています。通路が1本しかないナローボディ機ですが、私が利用したビジネスクラス「ビジネスエリート」は、通路をはさんで2席ずつをゆったり配置。パラオまでの4時間半を快適に過ごしました。

ビジネスクラスといっても、パラオ線ならさほど高くない追加料金で利用できるので、おすすめです。成田空港ではもちろん、専用のチェックインカウンターや保安検査場への優先レーンが使え、搭乗開始までは同社自慢のラウンジ「デルタスカイクラブ」も利用できます。それら出発前の様子も含めたパラオまでの757搭乗記は、来週発売になる季刊『航空旅行』の夏号(Vol.10)に書きました。7月30日から全国の書店に並びます。

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2014年07月19日

キャセイに栄冠

 
英国の調査機関スカイトラックス社が毎年160カ国以上の1,800万人の航空旅客の投票をもとに選出する「ワールド・エアライン・アワード」が、今年も発表されました。その結果を受け、私のもとにも受賞各社から「ベスト・キャビンクルー賞に選ばれました」「当社が北欧のベストエアラインに」「LCCのベストワンは当社です」といったPR用のリリースが送られてきています。ですが、あまりに細かく賞が分かれ過ぎていて、さほど興味もわきません。毎年の発表で私が注目するのは「総合での1等賞はどこだったのかな?」ということくらい。では、今年の総合ナンバーワンは?


2014年の「エアライン・オブ・ザ・イヤー」の栄冠を射止めたのは、キャセイパシフィック航空でした。同社については、私も昨年6月に徹底取材しています。その取材でわかった一つが、キャセイファンは日本やアジアだけでなく、欧米やオセアニア、中東・アフリカなど世界中に分散しているということ。そして「国際派」としての人気の重要な一翼を担っているのが第一線のキャビンクルーたちであることも、取材を通じて理解できました。

香港のキャセイパシフィック航空本社を私が訪れたとき、本部のスタッフとともにいろいろと対応してくれたのが日本人客室乗務員の藤原良美さんでした〔写真=中西一朗氏撮影〕。外資系では、日本人クルーが乗務するのは日本路線だけというキャリアが多いなか、キャセイではどの国のクルーもさまざまな国・都市への路線に乗務します。「それだけに、いろんなことにチャレンジしなければなりません」と、藤原さんは次のように話していました。

「日本人のお客さまはシャイな人が多く、欲しいものがあってもなかなかリクエストしてくれません。ですから日本路線では、お客さまが何を望んでいるのかをこちらでまず察する必要があります。その点、別の路線──たとえばインド線などに乗ると、あちこちからコールボタンが押されて、リクエストの量がものすごい。通路を歩いていても声がかかり、いったん通路に出るとなかなかギャレーに戻れません(笑)。そのひっきりなしのリクエストにどう効率的に対応していくかが、インド線などでは重要なポイントにります」

日々のフライトでのそうした創意工夫が、サービスを受ける側の心に響くのでしょう。今年の「ワールド・エアライン・アワード」の結果を聞いて、藤原さんに「おめでとう!」と久しぶりに連絡したら、乗務を終えてステイ中のロサンゼルスから「ありがとうございます。現場(機内)だけでなくさまざまな部署で働く社員たちみんなで頑張ってきた結果だと思います」と返事が届きました。

S.Akimoto at 01:10|Permalink

2014年07月16日

決勝戦は雲の上で

 
応援していたアルゼンチン代表は負けてしまったものの、サッカーW杯ブラジル大会の決勝戦──最後まで目が離せないいい試合でした。翌日は寝不足で辛かったですが、この決戦を生で観ることができて、本当にラッキーだったと思います。出張などがぶつかっていたら、この感動は味わえなかったわけですから。


──と思いきや、じつはそうでもないことが判明しました。決勝戦の模様を、移動中の機内で生で観戦した人が、世界に4万人もいたというのです。高度1万メートルの雲の上で!

エアラインの機内サービスはどんどん進化し、とくに上級クラスでは各シートに装備されるモニターも大型化しています。映画や音楽のほか、テレビ番組もオンデマンド配信で放送時間より後になって視聴できるようになっていますが、最近はスポーツイベントなどを中心に生でリアルタイムにテレビ観戦できるサービスも広まりつつあるのだとか。今回のW杯決勝戦も、ルフトハンザトルコ航空エミレーツ航空など9社が運航する約200機で視聴可能だったことが報告されました。

先ほど季刊『航空旅行』のFacebook Pageにもアップしたご覧の写真は、エミレーツ航空が誇る豪華ファーストクラス「プライベートスイート」です。個室型シートで、正面には大型モニターが完備。ここでワインを飲んでくつろぎながらのサッカー観戦は、最高だったでしょうね。エミレーツ航空の“凄さ”については、中東のエアラインにフォーカスした同誌夏号(Vol.10)で余すことなくレポートしました。今月30日に発売です。

S.Akimoto at 00:03|Permalink

2014年07月04日

東京ドームにて

 
サッカーW杯は8強が出そろい、居酒屋でも電車の中でも優勝チームの予想で盛り上がっていますが、今日のBlogは日本のプロ野球の話。デルタ航空は今年、球団創設80周年を迎えた読売巨人軍と“サポーティングカンパニー”として契約し、東京ドームの巨人戦ホームゲームでの冠協賛などを実施しています。


同社はハブ拠点の一つであるニューヨークでMLBのヤンキースやメッツなどをオフィシャルエアラインとして支援していますが、米国以外のプロ野球チームのスポンサーとなるのは今回が初めて。これについて日本支社長の森本大氏は「デルタ航空が日本市場を大切にする姿勢を表すものでもあります」と話していました。

さて、本日行われた対中日ドラゴンズ戦もデルタ航空の冠協賛の試合で、航空・旅行ライターの緒方信一郎氏と航空アナリストの鳥海高太朗氏とともにバックネット裏のシートに招待していただきました。巨人軍が公式戦初勝利をあげた1936年7月3日にちなんで開催する「ジャイアンツメモリアルウィークス(7月4日〜6日、11日〜13日)」の初戦であるこの日は、試合前に歴代ユニフォームが披露されるなどイベントも盛りだくさん。始球式では、400勝投手の金田正一氏とミスタージャイアンツの長嶋茂雄氏の1打席対決が実現し、スタンドは大歓声に包まれました〔写真〕。

ところで、白状すると、私は筋金入りのアンチ巨人です。私の左隣に座った鳥海氏は熱狂的な巨人ファンで、彼の声援を「うぜえなあ」と思いながら、周囲の観衆とは正反対の場面でガッツポーズをしたり落胆したり。結果は4対3で中日の負けでしたが、最後に1点差まで追い上げ、見ごたえのあるゲームでした。

S.Akimoto at 23:57|Permalink

2014年06月25日

砂漠の国のキャリア

 
私がアドバイザー役を務める季刊『航空旅行』の夏号(Vol.10=7月30日発売)は、中東を特集します。砂漠の国を代表する3社(エミレーツエティハドカタール)が巻頭特集で揃い踏み。なかでもこれまで厚いベールに包まれていたエティハド航空については、本誌では“美食ハンター”で知られるトラベルライターの江藤詩文氏と、私ともよくコンビを組む写真家の中西一朗氏が取材しました。


同社の内部にここまで入り込んだのは、旅行系メディアでは初めてかも知れません。「充実した取材ができた」と、先週土曜日に帰国した江藤・中西の両氏からも報告を受けています。

エティハド航空は2003年に設立された新しいエアラインながら、すでに世界80以上の都市へ翼を広げています。日本路線は、メイン拠点であるラブ首長国連邦(UAE)のアブダビへ成田からの直行便と、中部から北京を経由しての便を運航。日本線には残念ながらクラス設定はないものの、発表された最新の「ダイヤモンドファーストクラス」は話題を集めました〔写真〕。贅沢な空の旅を“独立スイート”で刷新し、乗客一人ひとりに快適な時間と空間を提供しています。考えてみれば、旧ファーストクラスが導入されてからまだ3年しか経っていません。プロダクトやサービスの向上に向けたこうした惜しみない投資を可能にしているのは、やはり中東系キャリアならではの潤沢な資金力でしょう。

そんなゴージャスなキャビンも、二人はアブダビで取材してきたようです。「これは飛行機の機内というより、まるで“家”です。本社の英国人マネージャーも『ここなら住めますよ』と言って笑っていました」と江藤氏。来月発売の夏号の誌面でそんな取材報告を見るのが、私もいまから楽しみです。

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2014年06月04日

2歳の誕生日

 
LCCのスクートから「2歳になりました」というお知らせが届きました。同社がシンガポールを拠点に運航をスタートしたのは2012年6月です。アジアやオセアニアを中心に着々と翼を広げ、その年の10月には台北(桃園)線を延長する形で成田にも就航。私も翌2013年2月に成田から台北経由でシンガポールへのフライトを体験取材したことを思い出します。


スクートの特徴のひとつが、400席クラスのボーイング777-200のみで運航していること。LCCとしては異例の存在です。キャビンに足を踏み入れてみて、777の優位性を実感しました。2クラス制で、エコノミークラスは横1列が“3-4-3”のレイアウトで370席を配置。LCCの“定番”ともいえる単通路型のエアバスA320などに比べて、シートピッチ(座席の前後間隔)がゆったりとられています。基本のスタンダードシート(ブルーのシート)のほか、シートピッチを10センチほど広くとったスーパーシートや非常口横の足もとスペースに余裕のあるストレッチシート(黄色のシート)を、それぞれわずかな追加料金で指定できるのもいい。キャビン前方には、大手のプレエコに相当する「スクートビズ(ScootBiz)」を32席設置しています。占有スペースもリクライニング角度もワンランク上ですが、こちらも運賃はきわめてリーズナブルでした。

クルーやスタッフたちのチームワークもよく、シンガポールで会ったCEOのキャンベル・ウィルソン氏は「オフィスも空港近くに借りたシンプルなワンフロアで、そこでスタッフたちと机を並べて和気あいあいと仕事をしています」と話していました〔写真は中西一朗氏撮影〕。

就航路線は現在、7つの国と地域の13都市まで拡大しています。今年の第4四半期以降には発注済みのボーイング787の1号機を受領する予定で、その後は777-200をすべて787に切り替えていくことも発表されました。787が飛び始めるころに、また改めてシンガポールまでのフライトを取材してみようと思っています。

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2014年05月10日

747-8が羽田へ

 
写真はいまから約2年前、2012年6月1日にドイツ・フランクフルト国際空港で撮影しました。ルフトハンザが世界に先駆けて導入した“次世代ジャンボ”──ボーイング747-8インターコンチネンタルです。米国ワシントンDCに向けての初就航に出発する直前の様子で、これを撮影したすぐあとに搭乗が始まったと記憶しています。


とにかく大きい! 前日に開催された機体披露イベントで初めてその巨体を見上げ、思わずそう呟きました。全長は747-400より5.8メートルストレッチされ、76.4メートルに。これはもちろん世界一です。細部には21世紀のテクノロジーが組み込まれました。新設計の主翼構造や高性能エンジンの搭載で747-400に比べ乗客一人あたりの燃料消費とCO2排出をそれぞれ15%削減したほか、騒音の30%軽減にも成功しています。主翼は優雅に後方へと伸び、先端には上方に流れるように折れ曲がったレイクド・ウイングチップを採用。見た目の美しさも増しました。

747-8のローンチカスタマーであるルフトハンザはその後、ニューデリー、バンガロール、シカゴ、ロサンゼルスへと同型機の就航地を広げました。そしていよいよ、今年中には羽田に上陸する予定です。正式発表はまだ少し先になるようですが、おそらく間違いありません。来るなら、早く来てくれないかなあ。ファンの一人として私も心待ちにしています。できれば夏にでも!

今年3月末の那覇から羽田へのANA便を最後に日本の空から姿を消した伝説の名機が、747-8インターコンチネンタルという名で再びよみがえります。ジャンボ機の新しい第一章が幕を開ける2014年夏以降に、ぜひご期待ください。

S.Akimoto at 20:40|Permalink

2014年04月16日

超ゴージャス

 
世界のエアラインの中で、どこのサービスが一番いいか? 人によるもてなし、という面では日系2社がやっぱり抜きんでていると思いますが、キャビンプロダクト(シートや機内設備)の進化に関しては中東勢の快進撃が止まりません。砂漠の国のエアライン──エミレーツ航空カタール航空エティハド航空の3社です。


急成長を続けるUAE(アラブ首長国連邦)のドバイを拠点に、世界6大陸へネットワークを広げるエミレーツ航空。同社はオール2階建て機エアバスA380を140機もオーダーし、オイルマネーの力を見せつけました。雲の上で熱いシャワーを使える世界でも唯一の機内シャワー&スパの施設は、あまりに有名です〔写真は2階席にあるバーラウンジ〕。

同じUAEのアブダビを拠点とするエティハド航空も、サービスクオリティの高さではエミレーツ航空に引けをとりません。日本人ビジネスマンの間でも、ヨーロッパへアプローチするハブ空港として利用されるケースが増えました。あえて中東経由のフライトを選択する理由は、やはり多くの時間を過ごすことになる機内の設備の充実度でしょう。日本路線には残念ながらクラスの設定はないものの、新しい「ダイヤモンドファーストクラス」のゴージャスさは特筆に値します。そしてもう1社、カタールのドーハを拠点とするカタール航空も、そのプロダクトやサービスに対する評価は極めて高い。英国の調査機関スカイトラックス社から「5つ星エアライン」に認定され、日本からの利用者も年々拡大しています。

以上のような「中東勢はスゴいぞ!」という報告を、昨日発売された雑誌『Pen』(5月1日号)で書きました。興味があれば、読んでみてください。この号はエアラインを大々的に特集していて、アメリカ、オーストラリアと続いた海外取材の合間に他にもちょろちょろっと書いています。

S.Akimoto at 23:57|Permalink

2014年04月04日

水の都へ直行便

 
アリタリア-イタリア航空が成田からヴェネツィアへの直行便を開設しました。当初は週2便体制で、成田発(12時25分、ヴェネツィア着20時20分)が水曜と金曜、ヴェネツィア発(13時30分、成田着翌日9時40分)が木曜と土曜。ビジネスクラスに最新のスタッガード型シートが搭載されたボーイング777-200ERによる運航です。就航初日の2日には成田空港で、翌3日にはヴェネツィア・マルコポーロ空港で、ウォーターキャノンによる祝賀式典が開催されました。


まだスタートしたばかりですが、ヴェネツィア直行便は需要が高いと思います。ヴェネツィアといえば、世界中から年間2,000万人以上が訪れる屈指の観光地。これまで日本からの直行便がなく、私の周辺でも「行きたいけど、遠いからなあ」という声が聞こえていました。

私もヴェネツィアは大好きです。177の運河が流れ、陸地と陸地を400の橋がつなぐエキゾチックな街並み。そぞろ歩きがとにかく楽しく、水面の静かな流れや不規則な動きを視界に入れながら散策していると、イマジネーションが刺激され、書きたい作品の構想があれこれ浮かんできます。

写真(facebookに大きなサイズでアップ)は、昨年10月に取材で訪れたときのものです。ローマの取材もあったため、ヴェネツィア滞在は2泊3日だけで、あっという間に終わってしまいました。帰国の日の朝、同行した写真家の中西一朗氏はが「いやだ、帰りたくない」とずっと駄々をこねていたのを思い出します。

S.Akimoto at 18:37|Permalink

2014年03月13日

ウルトラ弾丸旅

 
週末は0泊2日で香港へ! そんな“ウルトラ弾丸”の旅を、キャセイパシフィック航空が提案しています。成田・関西・中部を土曜日または日曜日に出発して、到着した昼過ぎから当日の夜まで香港に滞在。日付けが変わる時刻の深夜便に乗って翌日の朝に戻ってくるという、超ハードな日程です。


それにしても「0泊2日」というのがスゴイ。「何もそこまでして──」という声も聞こえてきそうですが、往復で1万9,000円という運賃(空港諸税、燃油サーチャージが別途必要)に飛びつく人も多いかもしれません。

同キャンペーン価格は、今年5月17日から7月6日までの出発便に設定されました。成田・関西・中部いずれの出発も午前9時台で、香港国際空港には現地時間の13時前後に到着します。エアポートエクスプレスを利用すれば空港から市内中心部へは20分強でアクセスでき、帰国便は深夜1時台の出発なので22時過ぎには空港へ向かうとして、8時間は香港の休日を楽しめる計算です。

写真は、香港公園の茶藝館で外国人向けに無料開催されている中国茶セミナーの様子です。歴史探訪にグルメに買い物に──香港の楽しみ方は人それぞれ。「せっかく香港へ行くならいいホテルでゆっくり」とつい考えてしまう私などには縁のないプランですが、日曜に出発して現地を満喫し、帰国した月曜の朝はそのまま会社へというパワフルな人もきっと少なくないでしょう。3月26日までの期間限定販売だそうですが、はたしてどれくらい売れるかな? 興味のある方は「香港スタイル」特設サイトで詳しい情報をどうぞ。

S.Akimoto at 14:43|Permalink

2014年01月27日

ヨーロッパの旅特集

 
季刊『航空旅行』のフェイスブック・ページでも紹介したご覧の女性(中西一朗氏撮影)は、アリタリア-イタリア航空の機内通訳として活躍する三倉芳実さん。今週木曜日に発売になる同誌2014年冬号(Vo.8)の取材で乗った成田からローマへの機内で会いました。三倉さんは今回のフライトレポートでも登場していただいているほか、最新号の表紙にもなっています。


冬号のテーマは、旅人を魅了してやまないヨーロッパ。いろいろな国が国境を接し、各都市を拠点とするどのエアラインもじつに個性的です。今回の特集では、私が担当したアリタリア-イタリア航空でゆくローマ&ヴェネツィアの旅のほか、美食ハンターの江藤詩文さんがフィンエアーでヘルシンキ&ベルギーへ、さらにトラベルライターの岩佐史絵さんがヴァージンアトランティック航空でロンドンへ飛びました。旅のスタイルの違いなども含め、奥深いヨーロッパの旅をぜひ誌上で堪能してみてください。

いま「旅のスタイルの違い」について触れました。冬号では、ヨーロッパ特集のほかにも、楽しい企画が目白押しです。その一つが、同誌にレギュラーで書いているライターたちの旅に関するエッセイ集。旅に対して、それぞれがどんなこだわりを持ち、何を実践しているか? 参考にしていただけることも多々あると思いますので、こちらのページもどうぞお楽しみに。

『航空旅行』は2012年4月に年4回発行の季刊誌としてリニューアル創刊しました。今週発売の号で、早くも丸2年が経過。次号(4月30日発売)からは再リニューアルし、新しい連載などもスタートします。“オンリーワン”の旅雑誌を目指しての編集部とのディスカッションも熱を帯びてきました。編集部と書き手、写真家らが一丸となってこれからもパワーアップした誌面をお届けしますので、どうぞよろしくお願いいたします。

S.Akimoto at 20:54|Permalink

2013年11月28日

DO&CO社訪問

 
ウィーン市内にあるDO&CO社を訪問しました。DO&COは欧米で高級レストランやホテルを経営する会社で、オーストリア航空の機内食も同社が提供しています。食材選びのこだわりなどについて担当者から話を聞いたあとは、調理や盛りつけのラインを見学。クオリティの高さに定評があるオーストリア航空の機内食づくりの舞台裏を取材することができました。


そのDO&CO社に所属するプロのシェフをフライトに乗務させるサービスも、オーストリア航空は2006年から続けています。成田/ウィーンなどの長距離路線で実施しているこのサービスは「フライングシェフ」と呼ばれ、微妙な温度調整が必要な機内のギャレーでシェフが料理の最終仕上げと盛りつけを担当。それを一皿ずつサービスするクルーたちにもきめ細かな指導を行います。行きのフライトで会ったシェフは次のように話していました。

「地上で調理された料理を機内であたため、盛りつけることによって機内食は完成します。その最後の仕上げで失敗してしまうと、せっかくの洗練された料理も台無しに。お客さまに100%完璧な料理を楽しんでいただくために、私たちはお客さまといっしょに空の旅に出るようになりました」

S.Akimoto at 09:34|Permalink

2013年11月26日

冬のウィーンへ

 
街は早くもクリスマスムードですが、その雰囲気に浸っている時間がありません。いいえ、私だけでなく、同じような仕事にかかわっている人たちはみんなそうでしょう。雑誌をはじめ活字メディアの世界では、年末年始は印刷工場がストップしてしまうため、12月はいつもの月より原稿を早めに入れなければならない。その“年末進行”が、すでに11月の半ばから始まっています。


先週も、まったく休むヒマはありませんでした。イタリアから帰ってすぐに関西取材があり、帰京してからは連載の原稿書き。その後は来年に向けた新しい企画の打ち合せが何件が続き、週明けの月曜日も朝から原稿書きに集中しました。予定していた分量の原稿を書き終えて編集部へ送り、26日(火)からの取材準備にようやく着手できたのは夜になってから。資料などの下調べと荷造りをやっと終えたと思ったら、日付が変わっていました。

本日の昼の便で、オーストリアの首都ウィーンに発ちます。目的は、オーストリア航空がボーイング777-200ER〔写真〕など長距離路線用機材への導入を終えた新しいビジネスクラス・シートの体験と、現地の機内食工場の視察。またリニューアルしたウィーン国際空港の新ターミナルの取材も予定に入れました。それらの取材は丸二日で終わりますが、あるメディアで来年から旅コラムの新連載をスタートするので、もう何日かウィーンに滞在して中世の街並みに身を置きながら構想を練ってこようと計画しています。

ウィーンでは毎年、11月下旬から「アドヴェント(待降節)」と呼ばれるクリスマスの準備期間に入り、各地でクリスマスマーケットが開かれます。今年も11月16日から始まりました。街はいまごろ、おとぎの国に迷いこんだように華やかに飾りつけられているでしょう。東京のクリスマスムードは「それどころじゃないよ」と無視してきましたが、ウィーンでは気持ちをリラックスさせ、熱い焼き栗やグリューワインの屋台をはしごしてきらびやかな夜を楽しんでこようと思います。

S.Akimoto at 00:45|Permalink

2013年11月01日

カタール航空とJAL

 
現地時間で10月29日に開催されたカタール航空のワンワールド加盟式典の取材から帰国しました。詳しくはメディアで近日中に報告を書きますが、首都ドーハで建設が進む新しい国際空港を会場に多くの関係者たちと会い、有意義な取材ができたと思います。ご覧の写真は、式典後に披露されたワンワールド塗装のボーイング777-300ER。またfacebookには、同機を取り囲む加盟各社の客室乗務員たちの集合写真をアップしました。


カタール航空は1994年に設立された新しい航空会社ですが、首都ドーハを拠点に世界130都市へ翼を広げ、国際運輸調査機関スカイトラックス社からは数少ない「5つ星エアライン」に認定されています。日本人旅行者の間でも人気が高く、777-300ERで運航する成田/ドーハ線は満席という日が少なくありません。私と同じ便に乗っていたビジネスマン風の男性も「サービスが行き届いていて、いつもとても快適な時間を過ごさせてもらっている」と評価していました。

現在は成田空港の第1ターミナル南ウイングを使用して、ANAとのコードシェア運航を続けていますが、ワンワールド加盟により今後はJALとの関係が密接になるでしょう。加盟式典にはJAL代表取締役会長の大西賢氏も列席し、式典後に私も少しお話しすることができました。

「ワンワールドは一貫してクオリティを追求してきたアライアンスで、ボリューム(チームを組むことによるスケールメリット)は高いクオリティのあとに自然についてくるというのが私たちの考え方です。その意味でも、素晴らしい仲間が加わったことを心から喜びたい」と、大西氏もカタール航空の加盟を歓迎していました。「質の高いサービスで多くの日本旅行者に評価されているカタール航空とJALが手を結ぶことで、今後はより高いシナジー効果が生まれると期待しています」

S.Akimoto at 11:09|Permalink

2013年09月23日

秋のニューヨーク

 
あの酷暑が嘘のように、朝晩はずいぶん涼しくなりました。季節はちゃんと巡るのですね。「暑さ寒さも彼岸まで」とは、よく言ったものです。そして連休最後の今日、私はまた成田空港の第1ターミナルに来ました。現在は第2サテライトにあるデルタ航空の空港ラウンジ「デルタスカイクラブ」でこれを書いています。


9月に入ってから、季刊『航空旅行』秋号の巻頭特集「太平洋航路をゆく」の取材ですでに二つの旅をしてきました。ユナイテッド航空でゆくコロラドと、大韓航空でゆくホノルルの旅です。そして、今日はこれから、残るもう一つの取材に出かけます。テーマは「デルタ航空でゆくニューヨークの旅」。

私の目の前でいま、カメラマンがラウンジ内の様子の撮影を進めています。同行のカメラマンはこれまで人物ポートレートなどを中心に撮ってきた女性で、季刊『航空旅行』でデビューすることになりました。フライト取材でも旅のスナップでも、これまでとは違った女性ならではの細やかな感性で新しい世界を切り拓いてくれると期待しています。

マンハッタンは東京よりもひと足先に、秋を迎えたようです。共同通信社のニューヨーク支局の友人から昨夜、報告を受けました。NYに到着した初日の夜は、ミッドタウンイーストで彼の支局を訪ね、これから乗るボーイング747-400に関連したインタビューを受けることになっています。たったいまラウンジ内に、ニューヨーク行きDL172便へのボーディングが間もなく開始になるとアナウンスがありました。行ってきます!

S.Akimoto at 13:41|Permalink

2013年09月10日

便名を考える

 
フライトの便名を表す数字(通常3ケタ)に、厳密にはどのエアラインにも共通するルールというのはありません。ただし国際線に限定して言うと、多くの会社が取り入れているスタイルはあります。たとえば成田からニューヨークへ向かうJAL便は「JL006」で、復路便が「JL005」。中東のエミレーツ航空の成田からドバイへの便は「EK319」で、ドバイから成田への復路便が「EK318」──。


日本から目的国への便がJALでは偶数(006)なのに対して、エミレーツ航空では奇数(319)です。もう一例を見てみると、今回利用したユナイテッド航空の成田発デンバー行きは「UA138」と偶数で、帰りが「UA139」と奇数でした。そこにはつまり、こんなルールを発見できます──「国際線は地球全体で考えて、東から西へ向かう便には奇数の、反対に西から東へ向かう便には偶数の便名を割り当てている」と。こういう決め方をしているエアラインは、世界に少なくありません。

もっとも、すべてに共通するルールというわけではありません。なかには電車の「上り」「下り」のような発想で、自国を中心に海外への便を奇数、海外から自国に戻る便を偶数にしているエアラインもあります。その1社が大韓航空〔写真〕で、たとえばソウルから成田を経由してホノルルに向かう便に「KE001」を、ホノルルから成田経由でソウルに戻る便は「KE002」を割り当てました。ちなみに001便/002便は、各社にとってのメイン路線か、古くからある伝統的な路線であるケースが多いようです。

さて、ユナイテッド航空で訪ねたアメリカ・コロラドの取材から無事に戻りました。そして帰国したのもつかの間、現在はまた成田空港の第1ターミナルに来ています。これから乗るのは、大韓航空のその001便。季刊『航空旅行』秋号(Vol.7)の巻頭特集「太平洋航路をゆく」の取材第2弾で、ホノルルへ向かいます。

S.Akimoto at 19:31|Permalink

2013年09月03日

太平洋航路を787で

 
アメリカ系キャリアで唯一、ボーイング787を保有するユナイテッド航空が、同型機の日本路線での積極活用に乗り出しています。たとえば現在デイリー運航を続ける成田/シアトル線に、これまでの777-200に代えて2013年11月から787を導入すると発表。同様に関西/サンフランシスコ線でも、2014年4月より777-200から787への変更を決定しました。関西発着便に787を就航させるのはユナイテッド航空が初めてです。


このBlogでも何度となく書いてきましたが、787は燃費効率にとても優れた旅客機です。軽量で高強度のカーボンファイバー複合材をボディや主翼のメイン素材にしたことで、同サイズの767に比べて燃費は20%も改善されました。そのため飛行距離が延びれば延びるほど、真価を発揮します。

長距離路線を開設する場合、大量の燃料が必要なことから大型機を使わざるを得ず、これまでは一度のたくさんの乗客が利用する路線でなければビジネスとして成立しませんでした。一度のフライトに400〜500人の利用者があるのは、ニューヨーク、パリ、ロンドン、フランクフルトなどいわゆる“ドル箱”といわれる路線です。しかし中型機であっても787なら、航続距離が長く、また200人の程度の乗客数で長距離を飛ばしても燃費がよくてコストを抑えられるから十分にペイできる。結果、従来は不可能だったさまざまな都市への路線開設が可能になりました。ユナイテッド航空が2013年6月から飛ばし始めている成田/デンバー線などは、787だからこそ実現した路線といえるでしょう。

さて、私は現在、成田空港第1ターミナルのユナイテッド航空ラウンジにいます。10月末に発売の季刊『航空旅行』秋号(Vol.7)で予定している巻頭特集「太平洋航路をゆく」の取材のため、写真家の倉谷清文氏を伴って。ウィンドウ越しに見えるのは、出発準備を進めるデンバー行きのUA138便。あと30分ほどで、ボーディング開始です。

S.Akimoto at 15:35|Permalink

2013年08月31日

スイスハウス

 
通称「スイスハウス」の名で呼ばれているご覧の建物、ご存知ですか? 東京メトロの溜池山王駅と直結する44階建ての山王パークタワーのすぐとなり。日枝神社との間に広場があって、そのやや奥まったところにポツンと佇むこの2階建ては、まるで都会の中のオアシスです。屋根に掲げられているのは、「Swiss International Air Lines」のロゴマーク──読めますか?〔違う角度からの大きいサイズの画像をfacebookにアップしました〕


スイスハウスは、スイスインターナショナルエアラインズがチューリッヒとニューヨークに次ぐ世界で3番目のフラッグシップオフィスとして開設しました。同社は今年4月より、グループのルフトハンザおよびオーストリア航空とともに、ANAとのジョイントベンチャーに参入。グループ内の連携強化を目的に、日本支社は6月よりルフトハンザの日本支社がある港区芝公園のビルに移転しましたが、予約・発券セクションおよびマーケティングや広報などの拠点は現在もスイスハウスにあります。

さて、チューリッヒにあるスイスインターナショナルエアラインズの本社から今週、新たにCCO(最高コマーシャル責任者)に就任したばかりのマーカス・ビンカート氏が来日しました。それにともない、スイスハウスに航空に関係の深いメディア関係者を集めての懇談会を実施。私も出席してきました。話の中でビンカート氏は「長距離国際線で使用中の15機のエアバスA340-300の後継機としてボーイング777-300ERを6機オーダーした」と発表し、2016年に受領するその1号機をまずはデイリー運航を続けるチューリッヒ/成田線に導入する可能性も示唆しています。新CCOとしての最初の海外訪問先に彼が日本を選んだ背景には、同社にとって日本市場の重要性が増している事実があるのかも知れません。

それにしても、取材の打ち合せなどでときどきスイスハウスを訪れると、なぜかいつも心が癒されます。最初に書いたように、ここは都会のオアシスのようで。知り合いの広報スタッフらは現在もスイスハウスに詰めているので、赤坂界隈でちょっと時間が空いたときは、立ち寄ってお茶でも飲ませてもらおうかな。また仕事の邪魔をしにきた──って、嫌がられるかなあ(笑)。

S.Akimoto at 00:01|Permalink

2013年08月22日

創作フレンチ

 
東京・四ツ谷にある有名レストラン「オテル・ドゥ・ミクニ」を訪ねました。そこで味わったのが、オーナーシェフの三國清三さんが手がけた創作フレンチのフルコース。まずは、メニューから紹介しておきましょう。


1皿目が、自家製豆腐の柚子味噌風味、無花果・胡瓜・パプリカ、カリフラワーのピュレととんぶり添え。2皿目は、サーモンのスフレ仕立て、ノイリー風味、フルーロンとトマト・フォンデュ添え。3皿目のメインに、牛フィレ肉のステーキと茄子のブレゼ、木の芽味噌ソース。そして4皿目のデザートが、ピスタチオナッツのムースとカシスのムース、マンゴーのシャーベットの盛り合わせ。最後にコーヒーがついて、おしまい。

以上です。ふう。詳しく紹介しましたが、私にはうまく解説できないので、いただいてきたメニューをそのまま写しました(笑)。でも、本当においしかったです。上の写真は3皿目のメイン料理で、いまからfacebookに、1皿目と2皿目も合わせて大きなサイズの写真をアップします。

さて、種明かしをすると、これはスイスインターナショナルエアラインズ(SWISS)の機内食の試食会でした。同社が雲の上で提供する機内食は定評があり、ファンが少なくありません。一流ホテルや著名なシェフとタイアップした機内食を提供するエアラインは最近でこそ珍しくありませんが、その先駆けとなったのがSWISSです。成田発のファーストクラスとビジネスクラスで、三國さんのプロデュースによる創作フレンチを楽しむことができます。もう一度言いますが、本当においしいですよ。

S.Akimoto at 16:23|Permalink

2013年08月19日

ソカロの大聖堂

 
ご覧の写真は、メキシコの歴史的建造物のひとつ──首都メキシコシティの中心地ソカロに建つカトリック大聖堂です。facebookに大きいサイズの画像をアップしましたが、とても古い写真で、画質があまりよくありません。いまから四半世紀も前の1987年12月に撮影しました。


当時私は「宗教と地域紛争」をテーマに、カトリックについても取材を続けていました。そんな私がはじめてメキシコを訪れたのが、1987年のクリスマス。ソカロの大聖堂は、中南米諸国のカトリックの総本山です。いい機会だったので神父さんに交渉し、24日深夜のイブのミサに参列させてもらいました。まだデジタルカメラなど世に存在しない時代で、この写真はキャノンA-1というフィルム用の機種で撮影したものです。プリントアウトしてあったものをスキャナーで読み込んでいるので、画質はより劣化しています。

さて、じつはある雑誌の特集企画の取材で、私はこの9月にもメキシコに飛ぶ計画を立てていました。日本から直行便を就航しているアエロメヒコ航空のフライト取材も兼ねて。そこで広報担当と打ち合せを進めていたのですが、同社は今年10月14日より、成田/メキシコシティ線にこれまでのボーイング767に代えて新たに787を投入します。せっかくメキシコを取材するのなら、最新の787でアプローチしてはどうか。そんな話でまとまり、就航後しばらくして落ち着いたころに実現することになりました。

アエロメヒコ航空の787は、当初の計画どおり先週金曜日(8月16日)に1号機が納入されたようです。9月中に2号機と3号機を受領し、まずは10月1日からメキシコシティとモンテレイおよびティファナを結ぶ路線で運航をスタート。その後はニューヨーク線に、さらに10月14日からは成田とメキシコシティを結ぶ週3往復の全便が787での運航に切り替わります。私が飛ぶのは、いまの状況だと早くて12月? 作家としての取材テーマは現在も継続していますし、今年はクリスマスイブを、もう一度メキシコシティで過ごすかも知れません。

S.Akimoto at 00:53|Permalink

2013年08月07日

ガルーダが熱い

 
発売中の季刊『航空旅行』夏号(Vol.6)の巻頭特集のテーマは“アジア”で、ガルーダ・インドネシア航空のレポートを読んだ読者の方からいくつか反響をいただきました。「ガルーダに私も乗ってみたくなった」「ジョグジャカルタに行きたい!」「ウブドのあのホテルに私も泊まってみたい!」などなど。フライトと現地の魅力がうまく伝わったようで、私もうれしく思っています。


現在のガルーダ・インドネシア航空には、とても“勢い”を感じています。私たちが取材した成田/ジャカルタ線のほか、同社は成田と羽田、関西の3空港からバリ島デンパサールへの直行便もデイリーで運航。ここ数年の成長ぶりは目覚ましく、今年11月には関西からジャカルタへの路線も開設予定であることが発表されました。2010年からは日本人客室乗務員の採用も始まっています。今回の取材では機内で日本人2期生の高野真規子さん〔写真〕にインタビューしましたが、ジャカルタの本社では彼女の後輩に当たる新人たちがトレーニング中で、もう間もなく実機での乗務に移ると聞きました。

そうした動きの中でも、私がとくに注目しているのがインドネシア発着の国際線ネットワークの拡大です。日本路線はすべてエアバスA330での運航ですが、新規導入を進めるボーイング777-300ERを使用して年内にもロンドンへの直行便が就航。私がちょうど『航空旅行』にレポートを書いていた7月2日に、ファーストクラスも搭載された777-300ERの初号機を受領したというニュースが入ってきました。

成田からジャカルタを経由し、真新しい777-300ERに乗り継いでロンドンへ。いずれ、そんなロングフライトの取材もしてみようかと考えています。

S.Akimoto at 17:02|Permalink
Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら新聞・雑誌、Web媒体などにレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『これだけは知りたい旅客機の疑問100』『ボーイング787まるごと解説』(ソフトバンククリエイティブ/サイエンスアイ新書)や『航空大革命』(角川oneテーマ21新書)など著書多数。

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