2018年03月16日

1万機目の737

 
旅客機で過去に最も多く売れた機種というと、エアバスではA320シリーズでボーイングでは737シリーズ。いずれもキャビンに通路が1本しかない「単通路型」の小型機です。「双通路型」の大型機が性能面で劣る、というわけではありません。小型機が売れる背景には、大型機での長距離移動に比べて、150〜200人を乗せて2〜4時間のフライトで移動する路線が世界には多いという路線需要があります。

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ボーイングは今週、通算1万機目となる737を米国シアトル郊外のレントン工場で公開しました。1万機目はLCCの元祖であるサウスウエスト航空へ納入されるもので、これにより737は「最も多く生産された民間ジェット旅客機」としてギネス世界記録にも認定。公開セレモニーには数千人の工場従業員が集まり、盛大に祝ったようです〔写真は同社のプレスリリースより〕。

旅客機には同じ機種の中で「基本型」といわれるモデルと、それをベースに後の新たな需要に対応するためボディのサイズ(長さ)を延長したり新型エンジンに替えて航続距離を延ばした「派生型」といわれるモデルがあります。737はこれまで派生型を最も多く生み出してきた機種で、1967年に生産を開始した-100/-200の第1世代、1984年から登場する-300/-400/-500の第2世代を経て90年代に相次いで完成した「NG(ネクストジェネレーション)型」と呼ばれる-600/-700/-800/−-900の第3世代へと進化しました。ボディの長さで比較すると、-100の29.65メートルから-900では42.1メートルへ、約1.5倍に拡大しています。

現在もその進化は止まらず、2017年には新型エンジンを搭載して環境性能を高めた新バージョンの737MAXが誕生。完成した1万機目もこの737MAXです。MAXの名称には「効率も信頼性も最大、乗客にとっての快適性も最高の旅客機に」というエンジニアたちの目標が込められました。

S.Akimoto at 00:12│航空機&メーカー 
Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各媒体にレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『飛行機はなぜ、空中衝突しないのか?』(KAWADE夢文庫)『羽田空港のひみつ』(PHP新書)『これだけは知りたい旅客機の疑問100』(SBクリエイティブ/サイエンスアイ新書)など著書多数。

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