2016年10月17日

ヒコーキ雲

 
秋に触れにいこう! そう思い立ち、週末は鬼怒川から奥日光へと小さな旅をしてきました。土曜日に泊まった鬼怒川温泉の周辺の紅葉はまだこれからという感じでしたが、日曜日に早めに宿をチェックアウトして奥日光を目指すと、標高が上がるにつれて木々の葉が紅みを増していきます。天気もよく、かなりの人出でした。

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土曜、日曜ともに晴れるのは久しぶりです。龍頭の滝、湯ノ湖、戦場ケ原、吹割の滝などを巡りましたが、空気が澄んでいて深呼吸するだけでも気持ちがいい。しばらくは秋らしい天気が続くのかなと思い、空を見上げると、青いキャンパスに白いラインを残して旅客機が飛び去っていきます。珍しいほど濃密なヒコーキ雲でした。

寒い日の朝に息を吐くと、白くなります。ヒコーキ雲ができる原理はあれと同じ。上空に絹雲が発生しているようなときに、ヒコーキ雲はできやすい。絹雲はいわば“氷の雲”で、氷点下10度以下の大気中に浮かび、気層はすでに飽和しています。その中をジェット旅客機が進むと、エンジンの排気中の水分が固まり、濃密なヒコーキ雲になります。すぐに消えてしまうことも多いのですが、昨日の奥日光では1時間以上もくっくり残っていました。

ヒコーキ雲が見えるのは上空に水蒸気が増えている証拠で、翌日は雲の多い天気になる可能性が高い。そんなことを前にテレビ局のお天気キャスターが話していました。なるほど、一夜明けた東京は朝から雨。週末ののんびりムードを雨で洗い流し、ギアをトップに入れて超多忙な一週間に向かいます。

S.Akimoto at 07:10│オフタイム 
Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各媒体にレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『空を飛べるのはなぜか』『これだけは知りたい旅客機の疑問100』(サイエンスアイ新書)『羽田空港のひみつ』(PHP新書)『ANAとJAL──こんな違いがあったのか』『飛行機はなぜ、空中衝突しないのか?』(KAWADE 夢文庫)など著書多数。

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