2016年05月16日

中世の薬局

 
クロアチアとトルコの旅から戻りました。取材舞台のメインとなったドゥブロヴニクは大勢の観光客で賑わっていましたが、かといって気ぜわしい感じはなく、とても静かな街という印象です。そんな街の一角で時計が止まったようにたたずんでいたのが、ご覧のフランシスコ会修道院でした。

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14世紀に建てられ、当時から「薬局が併設された修道院」としても知られていました。修道士たちが育てた薬草で作るクスリが、何年ものあいだ街の人々を癒してきたのです。院内の博物館では当時の薬局の様子をうかがい知ることができるほか、その薬局はいまも営業を続けています。

「最初は修道士が自分たちのために作っていたクスリが、一般の人も多く使うようになり、それが一番大切な目的になりました」と案内してくれたガイドさんは言います。「旅行で訪れる人たちには化粧水やクリームなどが人気なんですよ」

クスリは手づくりで、ハーブなどは100%自然のものを使ってきたといいます。多くがカトリック信徒であるクロアチア国民は、精神的な教えを守るのと同じように、人間の存在には身体の健康も非常に大切だと考えているのだとか。そんな人たちの暮らしを、フランシスコ会修道院は700年ものあいだ静かに見守りつづけています。

S.Akimoto at 00:05│ヨーロッパの旅 
Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら新聞・雑誌、Web媒体などにレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『これだけは知りたい旅客機の疑問100』『ボーイング787まるごと解説』(ソフトバンククリエイティブ/サイエンスアイ新書)や『航空大革命』(角川oneテーマ21新書)など著書多数。

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