2016年04月04日

名水の“総選挙”

 
あれは30代の前半だったでしょうか。「物を書く」仕事の一環として広告やコマーシャルのコピーライターもしていた時代に、サントリーの当時の新商品「南アルプスの天然水」を担当。その源流を求めて、山梨県の白州を訪ねたことがあります。南アルプスに実際に登って、山あいに湧き出る自然の水を手ですくって口につけたときの感動は、それから長いあいだ忘れられませんでした。

160404

私が「水」に敏感になったのは、その体験があったからだと思います。そしてそれ以後に、本当に「おいしい」と感じる水に出会ったことが2回だけありました。1回は、山形県の月山を旅したときに味わった山麓の湧水群。もう1回は、つい最近──去年秋に取材で訪れた福井県・若狭の「瓜割(うりわり)の滝」の水です。

天徳寺の境内を奥に進むと、マイナスイオンが出まくりといった感じの森が出現し、その先に「瓜割の滝」があります。前にもどこかで書きましたが、夏でも水につけておいた瓜が割れるほど冷たいというのが名前の由来です。湧き出る水を口に含むと、命が洗われた気持ちになりました。上の写真は滝の前で撮ったもので、いっしょに写っているのは同行した写真家の倉谷清文氏とライター・エディターの永田知子さん(現在は福岡在住)。取材の最終日には若狭町からインタビューを受け、同町の広報誌「広報わかさ」にも大きく掲載されました〔クリックすると大きなサイズで見られます〕。

環境省は先週、全国の「名水百選」についてインターネットで上位5位を選ぶ人気投票の結果を発表しました。「瓜割の滝」は、おいしさ部門で堂々第2位になったそうです。その知らせを聞いて、あの澄んだ冷たい水の感触が口の中によみがえりました。また近々、訪ねてみたいと思います。

S.Akimoto at 03:14│マイ・オピニオン | オフタイム
Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら新聞・雑誌、Web媒体などにレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『これだけは知りたい旅客機の疑問100』『ボーイング787まるごと解説』(ソフトバンククリエイティブ/サイエンスアイ新書)や『航空大革命』(角川oneテーマ21新書)など著書多数。

Logo_MakotoStyle_Tittle.jpg
Contact
仕事依頼などの相談・問い合わせはお気軽にどうぞ。当Blogへのご意見・ご感想もお待ちしています。下のフォームをクリックして画面を呼び出し、ご記入のうえ、送信してください。後ほど連絡させていただきます。

Form
Books












About Link
Blog『雲の上の書斎から』はリンクフリーです。必要に応じて以下のお好きなバナーをご使用ください。リンクされた場合は上記 Contact Formよりご一報いただけますと嬉しいです。