2016年02月11日

燃油サーチャージ

 
旅客機を飛ばすには大量のジェット燃料(ケロシン=灯油の一種)が必要です。毎回のフライトで売上の3割が燃料費に消えてしまうと言われるだけに、原油価格の変動がエアラインの経営に与える影響は小さくありません。燃料経費は本来、航空運賃に含まれるものですが、いまから10年ちょっと前に「燃油サーチャージ」の制度が導入されました。


エアラインの企業努力では吸収しきれなくなった燃油価格の高騰分の一部を、乗客に負担してもらう──それが「燃油サーチャージ」です。運賃を値上げして対処する方法もあったのですが、それについては当時、あるエアライン関係者が次のように話していました。

「燃油サーチャージは原油価格の激しい変動に対応するためのあくまで暫定的な措置です。国交省からも『原油価格が一定水準に戻るまで』という廃止条件をつけられました。原油価格が下落した際には当然、額を引き下げるか、廃止しなければなりません。航空運賃に組み込んでしまうと、それが既成事実となって、値段を下げないところが出てくる危険があるのです」

燃油サーチャージがなくなる日がくる? 原油価格はその後、高騰の一途をたどり、彼の言葉もかすんでしまう状況が続きました。それがここへきて急転! 昨今の原油安を背景に、JALANAが4月以降に発券する国際線チケットの燃油サーチャージをゼロにすると発表したのです。欧米などへの長距離路線では一時、3万円を超える追加料金を強いられることもありました。それを思うと今年の春以降は、一気に海外旅行熱が高まるかもしれません。

Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら新聞・雑誌、Web媒体などにレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『これだけは知りたい旅客機の疑問100』『ボーイング787まるごと解説』(ソフトバンククリエイティブ/サイエンスアイ新書)や『航空大革命』(角川oneテーマ21新書)など著書多数。

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