2016年01月15日

雪国への憧れ

 
アジアの国々を仕事やプライベートで訪れると、10年くらい前までは「いつか日本を旅行してみたい」と言う何人もの若い人たちと出会いました。当時は円が強く、物価が高騰していた日本への旅はかなりハードルが高かったのでしょう。韓国までは行けても、そこからさらに海を越えるにはお金をたくさん貯めないと難しい。そう彼らは話していました。


その頃といまとは、だいぶ違います。円安が進んだのに加えて、アジアの人たちの生活も豊かになりました。かつて香港で「一度でいいから雪を見てみたい」と私に言っていた友人たちが、現在はスマホを取り出して「見て見て、こないだ北海道へ行ってきたよ」と嬉しそう写真を披露します。

日本の中でも、とくに北海道に強い憧れを持つ人がアジアには多いようです。バンコクから札幌への直行便を運航するタイ国際航空の広報担当も「札幌線は常に満席ですね。エコノミークラスだけでなく、ビジネスクラスも7割がタイ人旅行者で埋まっています」と話していました。アジアのエアラインにとって、新千歳行きは“ドル箱”と言えるかもしれません。

常夏の国シンガポールでも、人々の雪国への憧れは同じです。その旺盛な需要を見込んで、シンガポール航空グループのLCCスクートが札幌への就航を目指しているとの情報が伝わってきました。同社CEOのキャンベル・ウィルソン氏が時事通信のインタビューに「今年の終わりか来年初めに実現させたい」と答えたそうです。私が直接聞いたわけではありませんが、おそらく本当なのでしょう。2月にシンガポールでウィルソン氏に会う予定があるので、そのあたりのこともじっくり聞いてみようと思います。実現したら、同社が運航するボーイング787〔写真〕で札幌からシンガポールへ──という旅も楽しいでしょうね。

S.Akimoto at 16:09│世界のエアライン | 国内の旅
Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各媒体にレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『空を飛べるのはなぜか』『これだけは知りたい旅客機の疑問100』(サイエンスアイ新書)『羽田空港のひみつ』(PHP新書)『ANAとJAL──こんな違いがあったのか』『飛行機はなぜ、空中衝突しないのか?』(KAWADE 夢文庫)など著書多数。

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