2015年12月04日

もんじゃのルーツ

 
私が定期購読し、旅をテーマにしたレポートやエッセイも寄せている産経新聞社の日刊タブロイド紙『SANKEI EXPRESS』。同紙の昨日(12月3日)付けの紙面で、ユニークな記事を見つけました。下町のB級グルメ「もんじゃ焼き」のルーツがどこにあるかを考察した記事です。


もんじゃは東京の月島が発祥でしょ? とよく言われます。諸説あるようですが、私は以前から「東京の荒川区が起源」と主張してきました。記事では、月島もんじゃ振興会協同組合の理事長も「下町かどうかも分からないんです。隅田川沿い、荒川区、栃木県佐野市という話などがあります」と言い、記者はルーツとして有力視されるのが荒川区だと書いています。「荒川区ではかつて駄菓子の問屋が多く、多くの駄菓子屋さんでもんじゃ焼きを出していた」と。

そのとおりです。私が小学生の頃は、親にもらった1日の小遣い10円を持って、毎日のように駄菓子屋に通いました。小遣いが10円というのは、当時の下町ではほとんどの家庭が同じ。学校が終わると、悪ガキ仲間がその10円を持って行きつけの駄菓子屋に集まります。もんじゃの値段も、小さなどんぶり1杯で10円。4人いれば4杯分のもんじゃが、一気に鉄板に流し込まれます。月島では最初にキャベツなどの具材で周りに土手をつくるようですが、荒川区ではそんなことはしません。もんじゃ用の鉄板は縁の部分が少しだけ上に曲げて作られているので、水で溶いた小麦粉の汁がこぼれ落ちたりしないのです。「キャベツで土手? そんなの聞いたことねーな」と、地元の仲間たちは口々に言っていました。

10円ずつ出し合って買った4杯のもんじゃが、鉄板の上でまぜこぜになり、ジュージューと焼き上がったものを思い思いにヘラで口に運びます。どこまでが自分が食べていい分かといったルールもありません。「同じ釜の飯を食う」ということわざがありますが、私たちの間では「同じ鉄板のもんじゃを食う」。そうして、悪ガキたちの心が一つになっていきました。みなさん、いまも街なかを路面電車(都電)が走る私のふるさと・荒川区の町屋で、もんじゃを食べましょ! いつでもご案内します。

S.Akimoto at 00:04│マイ・オピニオン 
Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら新聞・雑誌、Web媒体などにレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『これだけは知りたい旅客機の疑問100』『ボーイング787まるごと解説』(ソフトバンククリエイティブ/サイエンスアイ新書)や『航空大革命』(角川oneテーマ21新書)など著書多数。

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