2015年11月08日

615人乗り旅客機

 
航空ジャーナリストとして私がテーマにしてきた一つに、エアバスA380という総2階建ての機種があります。まだ形になる以前の、開発がスタートした時期から取材を進め、完成後はシンガポールからシドニーへのシンガポール航空による世界初就航便にも搭乗。その4カ月後には世界で一番最初に本(『エアバスA380まるごと解説』)にもしました。


この総2階建て機をエコノミークラスだけでレイアウトすると880席設置できます。しかし、800人が一度に乗るような路線は、世界のどこを探してもありません。A380を導入したエアラインは、どこもキャビンを450席から500席前後で設計しました。シートだけ500個積んでもあの広大なスペースは埋まらないので、余った空間にラウンジをつくったり機内販売のショールームを開設したり。エミレーツ航空は機内にシャワー&スパの施設を設置して利用者を驚かせました。A380は空の旅を変える! というのが、私がこの機種に早くから興味をもった理由でもあります。

A380の世界最大のオペレータでもあるエミレーツ航空は、これまで140機をエアバスに発注しました。500席が常に満席になる路線などそうはないのになあ、と私が疑問を口にすると、同社のある幹部は「A380はうちの会社の象徴なので、別に満席にならなくてもいいんですよ」ときっぱり。お金のある会社は、言うことが違います(笑)。

そのエミレーツ航空に先週水曜日、ビジネスクラス(58席)とエコノミークラス(557席)だけでレイアウトした新しいA380が届きました。トータルの席数は615もあります。いったいどこに飛ばすのだろうと首を傾げていたら、今年の12月より拠点のドバイからバンコクとコペンハーゲンへの路線に投入するのだとか。本当に一度にそんなに多くの旅客が乗るのか? 落ち着いた頃に、確かめに行ってみようと思います。

S.Akimoto at 22:49│航空機 
Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各媒体にレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『空を飛べるのはなぜか』『これだけは知りたい旅客機の疑問100』(サイエンスアイ新書)『羽田空港のひみつ』(PHP新書)『ANAとJAL──こんな違いがあったのか』『飛行機はなぜ、空中衝突しないのか?』(KAWADE 夢文庫)など著書多数。

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