2015年07月16日

話し合いのススメ

 
再生を目指すスカイマークをめぐって昨日、最大債権者の米リース会社イントレピッド・アビエーションが東京都内で債権者説明会を開きました。そこで示されたのが、米デルタ航空を支援企業候補とする独自の再生計画案です。スカイマークはこれとは別に、ANAホールディングスの支援を軸とする再生案を策定。8月5日の債権者集会では、同案とイントレピッド案の双方が議題となりますが、はたしてどうなるのでしょうか?


ごく簡単に端折って振り返ってみると、当初は支援しないと言っていたANAがスカイマークのもつ羽田の36の発着枠を気にかけたのか、一転して支援を表明。先に支援に動いていた投資ファンドのインテグラルは、ANAの動きを最初は警戒していたものの「あくまでスカイマークの独立性を保つこと、2,500人の社員を一人も整理しないこと」を条件に、ANAと組む道を選びました。しかし、スカイマークにエアバスのA330型機をリースしていたイントレピッドがANA側にA330を受け入れる意向がないことを知って反発。デルタ航空を支援候補とする独自再生案を出してきた、というのがここまでの流れです。

昨日の森本大さん(デルタ航空日本支社長)の話を聞く限り、もともと「スカイマークの社員たちを助けたい」という思いから支援に立ち上がったインタグラルと、デルタ航空の「独立性を保つために手を差し伸べ、いっしょに進んでいきたい」という思いは近いのではないか? ANAと提携しているユナイテッド航空、JALと提携しているアメリカン航空の米系ライバル2社に対し、デルタ航空は単独でのチャレンジを続けてきました。日本市場を重視する同社が、第3極として存在するスカイマークを応援し、手を携えて事業を拡大していきたいと思う気持ちに何ら不思議はありません。羽田の発着枠の行方こそ最大関心事であると思っている人も多いANAや、リースしていたA330の活用に重きを置くイントレピットの思惑より、インテグラル&デルタ航空連合のほうがごく自然に私の心におさまってきます。

昨日の会見でデルタ航空の森本さんは「まだ初めて発表した段階であって、スカイマークともインテグラルとも何も話していない。すべてはこれから」と言っていました。佐山展生さん(インテグラル代表)も森本さんも私はよく知っていますが、両者が一度ひざを交えてじっくり話してみると、意外にすんなり意気投合していい方向に一歩を踏み出せるのではないか。ちなみに昨日から今日にかけてスカイマークの社員やスカイマークファンの人たちにリサーチした結果でも「スカイマークはデルタと組むのがいいのでは?」という意見が多数を占めました。

Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら新聞・雑誌、Web媒体などにレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『これだけは知りたい旅客機の疑問100』『ボーイング787まるごと解説』(ソフトバンククリエイティブ/サイエンスアイ新書)や『航空大革命』(角川oneテーマ21新書)など著書多数。

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