2015年03月26日

飛行前点検

 
コンピュータ技術がどれだけ発達しても、最終のチェックは人間の目に頼らざるをえない──そんな状況を、これまで取材したさまざまな世界で垣間見てきました。整備責任者から引き渡されたフライト前の機体も同じ。機長は副操縦士と手分けして「エクステリア・インスペクション」と呼ばれる外部点検を必ず実施します。


「機体はいつもきちんと整備され、飛行前点検で不具合が見つかるようなことはまずないですが──」と、先日フライト前に会ったJALの機長も言っていました。「たとえ雨や雪などの悪天候時にも、飛ぶ前にもう一度自分たちの目で確認する作業を省略することは絶対にありません。これはたくさんの乗客の命を預かるパイロットとしての責務だと思っています」

そのときの取材では、出発するまでの様子も見学させてもらいました。機長はコクピットの点検を副操縦士に指示すると、自分は駐機場に残り、機首部分に移動します。そこから機体の外周を時計回りに歩いて目視での点検を開始。ボディや主翼、尾翼などに損傷は見られないか? エンジンやギアに異常はないか? オイル漏れなどにも注意し、機体の外板の継ぎ目に顔を近づけての入念なチェック作業が進みます。

こうした飛行前点検は、会社の規模の大小や運航する旅客機の種類で変わるものではありません。ご覧の写真は、先月訪ねた天草空港での1シーンです。福岡から到着した天草エアラインのDHC-8で、折り返し準備の様子を撮影しました〔facebookにも別角度の写真を掲載〕。到着から出発まで25分しかないなか、機長の目は機体の細部に注がれます。その真剣な眼差しに、エアラインパイロットとしての“プロ魂”を感じました。

Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら新聞・雑誌、Web媒体などにレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『これだけは知りたい旅客機の疑問100』『ボーイング787まるごと解説』(ソフトバンククリエイティブ/サイエンスアイ新書)や『航空大革命』(角川oneテーマ21新書)など著書多数。

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