2015年03月14日

揚力を体感する

 
穏やかな土曜日。今日はちょっと軽〜い話を。まず、スプーンを一つ用意してください。コーヒーをかき混ぜるものでもカレーライスを食べるものでもOKです。次にお風呂場かキッチンへ行って、水道の蛇口をひねって水を出します。写真のようにスプーンの柄の先端を親指と人差し指で軽くはさんでぶら下げ、スプーンの背中の丸くふくらんだほうを流れている水に近づけていってください。スプーンの丸い部分が水に触れた瞬間──どうなるでしょうか?


スプーンは水の流れの勢いにはね返される。そう考える人が多いかもしれません。しかし、実際はその反対。スプーンは流れている水に吸い寄せられたでしょう。蛇口をいっぱいにひねって水流を増すと、スプーンはさらに強く水に吸い寄せられます。

これを真横にした形を考えると、飛行機の主翼に発生する「揚力」が理解できます。飛行機の主翼の上面も丸くふくらんでいて、その断面は、じつはスプーンを横から見た形状とそっくり。水の流れは空気と考えてください。翼の上面に速い速度で空気が流れると「負圧」という空気の圧力の差が生まれ、これが機体を上に持ち上げる揚力になるわけです。

これ、私がかつて航空工学を学び始めたとき、最初に教授から教わった「揚力を体感する」方法でした。以前にも書いたりしゃべったりしてきましたが、最近各地で開催される「ヒコーキ入門」などの講座で話すと、受講生のみなさんから「へえ」と驚かれることが少なくありません。スプーンだけ用意すれば家庭でも簡単にできる実験ですので、時間があるときにでも試してみてください。

S.Akimoto at 14:02│オフタイム | マイ・オピニオン
Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら新聞・雑誌、Web媒体などにレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『これだけは知りたい旅客機の疑問100』『ボーイング787まるごと解説』(ソフトバンククリエイティブ/サイエンスアイ新書)や『航空大革命』(角川oneテーマ21新書)など著書多数。

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