2015年03月03日

石造りの橋の上で

 
先週の天草の旅では、自由と平等を求めて立ち上がった切支丹の一揆軍と幕府軍(唐津勢)との戦い──いわゆる「天草・島原の乱」のゆかりの場所を、パラダイス山元さんの案内で訪ね歩きました。写真はその中の一つ、市内を流れる町山口川です。大激戦地となったところで、川は当時、両軍の戦死者の血で真っ赤に染まったそうです。


向こうに見える石造りの橋が「祇園橋」です。天保3(1832)年に架設され、長さは28.6メートル、幅3.3メートル。45脚の石の角柱によって支えられた全国でも珍しい造りで、1997年に重要文化財に指定されました。

実際に渡ってみます。石をただ雑に組み上げただけのように見えますが、その造りは精巧そのもの。脚となる石柱の一つひとつの形を整え、上部に配した石材の重さでしっかり固定されています。上流側の橋脚は45度回転させ、角を流れに向けて水圧を分散させるよう工夫してあることも、橋が180年以上も持ちこたえてきた理由でしょう。石の芸術品だと感じました。

緩やかにアーチを描くこの優美な橋の上に立ち、静かな水流を見ていると、いまから378年前にここが激しい戦(いくさ)の場になったことが信じられません。天草四郎が率いた一揆軍は、どんな思いで戦いに挑み、どう散っていったのか。ますます興味をもち、その後は貴重な記録が残された天草四郎メモリアルホールや天草キリシタン館などにも精力的に足を伸ばしました。

S.Akimoto at 15:02│オフタイム 
Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら新聞・雑誌、Web媒体などにレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『これだけは知りたい旅客機の疑問100』『ボーイング787まるごと解説』(ソフトバンククリエイティブ/サイエンスアイ新書)や『航空大革命』(角川oneテーマ21新書)など著書多数。

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