2015年02月14日

ゾロか、たぬきか

 
エアバスの最新鋭機A350XWBの製造現場の取材で訪ねたドイツのハンブルクと南仏トゥールーズから、昨日戻りました。facebookにもアップしたご覧の写真は、A350XWBのコクピットを正面からとらえたものです。トゥールーズのモックアップセンターで撮影しました。


顔つきは、ボーイング機はもちろん、従来のエアバス機ともずいぶん変わったという印象を受けます。6枚に分割されたコクピットの窓枠が黒くペイントされ、精かんさが増しました。これについて、案内してくれた女性スタッフとちょっとしたやりとりがあり、近くにいた現場スタッフたちに大笑いされたのを思い出します。

「目のまわりが黒く塗られたこのスタイル、日本でもヒコーキ好きの女子らの間で好評ですよ」と私。「たぬきが空を飛んでいるみたいで可愛いね、って」
「タネキ? タネキって、何ですか?」
「タネキじゃなくて、たぬき。Raccoon dog」
「Raccoon dog! あらま。何てことを! 私たちは“マスク・オブ・ゾロ”みたいでカッコいいと思っていますのに」

マスク・オブ・ゾロ。おお、なるほど。言われてみれば。たぬきはちょっとマズかったかな(笑)。けど、言っちゃったものは仕方ない。私はうやむやに笑い飛ばして、脱出用ハッチのことに話題を変えました。A350のコクピットは窓が開かないので、脱出用のハッチを副操縦席側の天井部分に設けているんだね──とか何とか。女性スタッフにもすぐに笑顔がもどり、その後も楽しく取材を進めました。

S.Akimoto at 17:55
Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各媒体にレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『空を飛べるのはなぜか』『これだけは知りたい旅客機の疑問100』(サイエンスアイ新書)『羽田空港のひみつ』(PHP新書)『ANAとJAL──こんな違いがあったのか』『飛行機はなぜ、空中衝突しないのか?』(KAWADE 夢文庫)など著書多数。

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