2015年02月04日

“捨て魔”の災い

 
航空写真家のチャーリィ古庄氏が「世界で最も多くの航空会社に搭乗した人」としてギネス記録に認定されたときの彼との対談で、私は何でもすぐに捨ててしまう“捨て魔”であることを告白しました。古庄氏が「搭乗券をすべて保管していたことで記録が証明された」と言ったのに対し、私は「フライトを終えるとその場でゴミ箱にポイしちゃう」と。


仕事場である書斎も、放っておくとぐちゃぐちゃになるので、不要なものは捨てずにいられません。取材して記事を書き終えた資料類も、以前は「いつかまた使うかな」ととっておいたのですが、結局使ったためしがない。使いたくても何がどこにあるかわからず、探し出せないのです。

昨年の暮れに、二日間かけて書斎の大掃除をしました。正月休みは季刊『航空旅行』2015年冬号に寄稿する記事を書く予定で、取材を終えた資料などは一括してデスクサイドに保管し、それ以外はポリ袋にぽんぽん放り投げていく。爽快でした。出したゴミは結局、大型サイズのポリ袋に5つ分。書斎は見違えるように片づき、翌日からフレッシュな気分で執筆作業に向かおうとしたときです。あれ? ないゾ。保管しておいた、4社分のフライトレポートと5カ国の旅のエッセイを書くための資料が。す、捨てた? もう一度探してみましたが、どこにも見当たりません。捨ててしまったようなのです、ゴミといっしょに。

凍りつきました。そのまま凍りつづけたら、死んでしまったかも知れません。ですが幸い、ノー天気な性格なので、30秒後には一人で大笑い。「ギャハハ、あいつら(資料類)はおれに捨てられる運命にあったのさ」と。そうして記憶だけを頼りに、忘れてしまった部分は想像力で補って書き上げたのが、巻頭特集「エアバスA380で行く旅」の68ページ分の原稿です。facebookにもアップした上の写真は、執筆しながら思い出したモーリシャスでの一コマ〔倉谷清文氏撮影〕。楽しかったなあ。あ、最後に本音を言いますね。もう二度とあんなふうにゾッとした気分は味わいたくない。モノを捨てるときは、気をつけよっと。

S.Akimoto at 00:02│マイ・オピニオン 
Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら新聞・雑誌、Web媒体などにレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『これだけは知りたい旅客機の疑問100』『ボーイング787まるごと解説』(ソフトバンククリエイティブ/サイエンスアイ新書)や『航空大革命』(角川oneテーマ21新書)など著書多数。

Logo_MakotoStyle_Tittle.jpg
Contact
仕事依頼などの相談・問い合わせはお気軽にどうぞ。当Blogへのご意見・ご感想もお待ちしています。下のフォームをクリックして画面を呼び出し、ご記入のうえ、送信してください。後ほど連絡させていただきます。

Form
Books












About Link
Blog『雲の上の書斎から』はリンクフリーです。必要に応じて以下のお好きなバナーをご使用ください。リンクされた場合は上記 Contact Formよりご一報いただけますと嬉しいです。