2014年11月18日

エミレーツのA380

 
今日は久々に旅客機の整備の話です。旅客機の整備には大きく二つの種類があることを、これまでにも何度か書きました。一つは毎回のフライトごとに空港で実施する「ライン整備」で、もう一つが機体をハンガーに搬入してより本格的に点検・修理を行う「ドック整備」と呼ばれるもの。ドック整備は飛行時間や期間によって「A整備」「C整備」「M整備」の3段階に分かれます。


エアラインや機種によって異なりますが、約1カ月ごとに行なわれるA整備では、フライトを終えた夜間にハンガー入りしてエンジンやフラップ、ランディングギアなどの重要部品の点検作業を進めます。また、ほぼ1年から1年半に1回実施されるC整備では、機体各部のパネルを取り外してより細部にわたり入念にチェック。そしてドック整備の中でも最も重いのが、5〜6年に1回、1カ月以上をかけて実施するM整備です。骨組みがむき出しになるまで機体が分解されるほか、塗装もすべて剥がされ、構造的な点検や部品の交換、再塗装などを終えた機体は新品同様にリフレッシュされます。

エミレーツ航空は先週、2008年6月に受領したエアバスの総2階建て機A380の初号機について「大規模な定例整備(M整備)が完了した」と発表しました。ドバイ/ニューヨーク線で初就航して以来、2,000万キロを飛行し、これまで120万人以上の乗客を輸送してきた機体です。整備に費やした期間は計55日間。担当部門責任者は「メーカーから引き渡された時と変わらない状態によみがえった」とコメントしています。

さて、季刊『航空旅行』の次号(Vol.12=2015年1月末発売)で予定している巻頭特集「エアバスA380で行く旅」の取材が現在、順調に進んでいます。来週からは、いよいよ世界最大のA380ユーザーであるエミレーツ航空を取材。保有する約50機のA380が集結するアラブ首長国連邦のドバイへ飛びます。

Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら新聞・雑誌、Web媒体などにレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『これだけは知りたい旅客機の疑問100』『ボーイング787まるごと解説』(ソフトバンククリエイティブ/サイエンスアイ新書)や『航空大革命』(角川oneテーマ21新書)など著書多数。

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