2014年08月13日

“加点主義”評価

 
たとえば、誰かが何か新しいことへの挑戦を始めます。そのときには何も論評しないで、何年かしてそれが失敗に終わると、スタート地点に遡って「最初から無謀な挑戦であることはわかっていた」だとか「だから言わんこっちゃない」などと騒ぎ立てる。これって、ずいぶんズルいやり方だと思いませんか?


今回のスカイマーク騒動が、まさにそう。同社がエアバスのオール2階建て機A380を6機購入すると発表した2011年は、業績も好調でした〔写真はエアバスのリリースより〕。国際線での運航実績もないスカイマークが、なぜA380なのか? その理由(ビジョン)を聞いて、驚き、期待した人も多かったはずです。その後の急激な円安と、それにともなう燃料費の高騰などがなければ、同社のカラーをまとったA380は間違いなく東京からニューヨークへ飛んでいたでしょう。もしそうなっても、いま「最初から無謀な挑戦であることはわかっていた」と書き連ねているメディアは、同じ論調を展開したでしょうか。

スカイマークの夢とビジョンを、私は支持しました。だから結果的に失敗に終わっても「最初から挑戦しなければよかった」などとは絶対に言いません。失敗を恐れて何もしないより、たとえ失敗しても何かに果敢に挑んだ人が評価される──そういう「加点主義」の考え方を、私はとります。失敗したら「減点」ではなく、チャレンジして成功すればプラス100点、失敗しても頑張って挑戦したんだからプラス30点という評価じゃないと、進歩はありません。

今週、旅行・観光専門ビジネスサイト『トラベルボイス』のインタビューに答えたのも、そんな思いからでした。まるで金太郎アメみたいなスカイマーク報道が相次ぐなかで、ちょっと違う角度から発言してみたくて。その記事が早くも公開になり、次々と反響が届いています。「あいつはスカイマークの回し者か!」という予想した反論は、いまのところありません。意外だなあ。ぼちぼち届くと思いますが(笑)。

S.Akimoto at 00:01│日本のエアライン | 就航路線
Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら新聞・雑誌、Web媒体などにレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『これだけは知りたい旅客機の疑問100』『ボーイング787まるごと解説』(ソフトバンククリエイティブ/サイエンスアイ新書)や『航空大革命』(角川oneテーマ21新書)など著書多数。

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