2014年07月07日

七夕伝説

 
天の帝(みかど)によって天の川の東西に離ればなれにされた織姫と彦星は、改心して元どおりに機織りや牛飼いをすると約束し、年に一度だけ会うことを許される──ご存知、七夕伝説です。今日はあいにくの雨で天の川は見えそうにありませんが、私もいつの頃からか、7月7日には夜空を見上げて宇宙について考えるようになりました。好きなんです、宇宙の話が。


年に1回しか会えない織姫と彦星は気の毒ですが、昨日の読売新聞に、国立天文台・副台長の面白い話が載っていました。いわく「1年に1度なんて、星にとっては何でもない時間ですよ」と。仮に10億年生きる星を100年生きる人間に例えれば、365日に1回という頻度は、3秒に1回に相当する。つまりは、ほとんどいつも会っているのと同じなのだ──と。

ミュンヘンにある技術・科学に特化したドイツ博物館に、宇宙から見た地球の歴史を12時間に例えて説明している部屋があります。ビッグバンが起こったのは推定200億年前で、地球の誕生は46億年前。人類の出現は時計の針が1回転を終える寸前の0.1秒前──つまり私たちの歴史がほんの一瞬に過ぎないことを知って驚かされました。地球の歴史と人類の歴史の長さを対比させた名言も、過去にいろいろあります。「パリのエッフェル塔が地球の年齢を表すとすれば、人類が地球を共有している時間の長さはエッフェル塔のてっぺんのとんがりのボッチに塗られたペンキの厚さしかない」(マーク・トウェイン)とか、「国王の鼻から、伸ばした手の先の長さに当たる1ヤードに地球の歴史を押し込むと、中指の爪をヤスリで1回こすっただけで人類の歴史は消え去ってしまう」(ジョン・マクフィー)とか。

そうした発言の先に漂うのが「人間なんていかにちっぽけな存在か」というムードです。そして、宇宙の歴史に思いを馳せると、私もいつも自分にこう言い聞かせます。何があっても前向きに歩いていかないとな、と。すべてささいなこと(Every little thing)ですから。〔上は写真家の中西一朗氏が撮ったパラオの夜空です。サイズが小さくて星が見えないので、大きな画像をfacebookにアップしました〕

S.Akimoto at 14:33│マイ・オピニオン 
Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら新聞・雑誌、Web媒体などにレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『これだけは知りたい旅客機の疑問100』『ボーイング787まるごと解説』(ソフトバンククリエイティブ/サイエンスアイ新書)や『航空大革命』(角川oneテーマ21新書)など著書多数。

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