2014年06月12日

重量管理システム

 
パラオから戻っています。予想どおりWi-Fi環境がよくなくて、現地でのBlog更新はかないませんでした。写真の整理ができたら少しずつ報告していきたいと思います。渡航中は、日本のニュースもほとんど見ていません。出発直前の6月5日にJALの重量管理システムの障害で国内線の174便が欠航になり、留守中にそれに関連する出来事がいくつかあったと帰国後に知りました。


といっても、私がどうこう言うような出来事ではありません。JALの植木義晴社長が「大量欠航」についてお詫び会見を開いたとか、翌日にANAの現役機長がJALのフェイスブックに「調子乗ってるんじゃねえよ!」と書き込んだとか。その程度です。機長の書き込みは、まったくいただけませんけど(笑)。

読者の方からは「重量管理システムのトラブルとはどういうものか?」という質問がありました。旅客機の運航にとって、重量バランスの管理はとても大切です。旅客や貨物、燃料を含めたトータル重量だけでなく、機体の前後・左右の重量バランスをうまくとることも安全運航には欠かせません。左右のバランスが悪ければ飛行中に機体が傾いてしまいますし、前後のバランスが狂えば機首の上下方向の向きが不安定になります。そこでチェックイン時には、預け入れ荷物の重量をはかり、さらに乗客の平均的な「みなし体重」をもとに一人ひとりをいくつかに区分けした機内の各ブロックに同程度の重量になるよう振り分けていきます。その作業を行うのが、今回トラブルのあった重量管理システムです。

コンピュータが未発達だった時代は、上記の作業は人の“カン”に頼っていました。チェックインの際にカウンタースタッフが見た目で乗客の体重をこっそりと予想し、そのデータを打ち込んでバランスがよくなるよう座席を割り当てていたのです。当時を知る社員から「あの頃は、ひと目で体重を言い当てられる“目利き”の先輩が多かったんですよ」という話も聞きましたし、海外ではカウンターで荷物を預けるときにスーツケースだけでなく乗客も体重計に乗せられる国がいまだに存在します。上の写真がそのときのもので、これには私もびっくりしました。

Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各媒体にレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『飛行機はなぜ、空中衝突しないのか?』(KAWADE夢文庫)『羽田空港のひみつ』(PHP新書)『これだけは知りたい旅客機の疑問100』(SBクリエイティブ/サイエンスアイ新書)など著書多数。

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