2014年05月13日

幼なじみの書家

 
原稿書きに集中するため、都心の某シティホテルに部屋をとって詰めています。その合間をぬって先ほど、日本橋高島屋の8階ホールで開催中の「現代女流書100人展」という書道展に足を運んできました〔写真〕。私と同い年で、下町の幼なじみでもある書家・島村操さんが作品を出展していたからです。


漢字やかな、近代詩文書などのジャンルに分かれて展示されていた中で、島村さんの作品は、いわゆる墨で文字を書く「書」ではありません。彼女の専門は「篆刻(てんこく)」です。私はシロウトなので詳しくありませんが、篆刻とはつまり、書道と彫刻をかけ合わせたようなジャンル。師範である父親の影響で幼少の頃から「書」の道を歩んでいた彼女が篆刻にのめり込んでいったのは、20代の後半でした。上野の居酒屋で飲んでいて、突然「私、篆刻に生きることに決めた」と宣言したのです。

その宣言の前にすでに中国に渡っていたか、あるいは篆刻に興味をもったから中国を目指すようになったのか? 記憶は定かではありませんが、彼女が中国で強い影響を受けたことははっきり覚えています。自身の口から「篆刻は書道芸術のひとつで700年前に中国で起こった」というルーツにまつわる話を何度か聞きました。

先週、久しぶりに彼女と会っていて、ふいに「これ、もうすぐ始まるから来てね」とチケットを渡されました。先ほど慌てて行ってきたのは、5月12日(月)がその最終日だったからです。「最後の日の夕方に顔を出すから、終わったらメシでも行く?」と誘うと、首を振って「無理。だって私、いないもん」と彼女。え、会場に詰めてないの? 開催中は女流書家らしいシックな和装などのいでたちで訪れる人を迎えている──勝手にそんなイメージを思い浮かべていたら、大間違い。いまごろはたぶん、沖縄のビーチで思い切り羽を伸ばしています。まあ、さもありなんという感じ。アーチストというのは、どこか必ず“ぶっ飛んだ”ところがありますから。

Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各媒体にレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『飛行機はなぜ、空中衝突しないのか?』(KAWADE夢文庫)『羽田空港のひみつ』(PHP新書)『これだけは知りたい旅客機の疑問100』(SBクリエイティブ/サイエンスアイ新書)など著書多数。

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