2014年05月04日

鎌倉に恩師を訪ねる

 
連休も後半にさしかかりました。天気予報によると、今日(5月4日)も一日、初夏のようなぽかぽか陽気。午後からは学生時代にとくに仲の良かった数人のグループで、鎌倉にある恩師(教授)の家を訪ねます。グループに沖縄出身者がいて、彼が休暇を利用して那覇から上京するゴールデンウィークの恒例行事になりました。


集まるのは共に航空工学科で学んだ4人で、一人は私と同じ機体の設計を、残る二人は航空でも原動機工学(エンジン)を専攻。しかし私たちが師と仰ぐ教授は「航空」の先生ではありません。「鍛造」と「鋳造」を専門とする機械工学科の先生です。履修科目の中にそれらの実習があって、教授の指導を受けながら金属のかたまりを1,000度くらいで熱してハンマーで叩いて成型したり、どろどろに溶かした金属を砂でかためた型に流して鋳物をつくったり。不真面目にダラダラやっていると、よく教授から「おい、秋本。気合いを入れろ! モノづくりをなめてるんじゃねーぞ」と小言が飛びました。

ちょっとだけ自慢しちゃうと、私は航空のクラスでもトップの成績で学生生活をスタートしました。ですが、自由な校風の中でどんどん悪い遊びを覚えて、次第に勉学に力が入らなくなります。そんな私に、教授は言ったものです。「優秀な成績で入ってきても、最後はペケで出て行く学生が大勢いるんだ。そういう奴を実際に何人もこの目で見てきた。気をつけろよ」と。私はそのつど「いっしょにされたくないね。大きなお世話だい!」と反発したのですが。いまは会うたびに、教授は「な、秋本。おれの言ったとおりだったろ」と言って笑います。

今日もきっと、同じことを言われるのでしょう(笑)。駅に着いたらまず、教授の自宅のすぐ近くにある成福寺という鎌倉でも唯一の浄土真宗のお寺にお参りし、手を合わせていこうかな〔写真〕。教授がいつまでもお元気で、私たち劣等生グループを叱りつづけてくれますように──と。

Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各媒体にレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『飛行機はなぜ、空中衝突しないのか?』(KAWADE夢文庫)『羽田空港のひみつ』(PHP新書)『これだけは知りたい旅客機の疑問100』(SBクリエイティブ/サイエンスアイ新書)など著書多数。

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