2014年03月27日

泣くために旅に出よう

 
オーストラリアのシドニーを歩いています。取材用バッグには、私と親しいトラベルジャーナリストの寺田直子さんが刊行した『泣くために旅に出よう──涙旅(るいたび)のススメ』という旅行記を忍ばせて。いまスケジュールに少し空きができたので、オペラハウスに近いハーバー沿いのカフェでしばらく読書タイムをとるにしました。


ユニークなタイトルの本ですが、寺田さんは「はじめに」のところで、脳生理学者の有田秀穂医師が言う「情動の涙」について触れています。情動の涙──つまり感情を大きくゆさぶられるような経験をして涙を流す行為は、日頃の不安や混乱、怒りから自身を解放してくれるのだとか。たしかに、思い切り泣いたあとはスッキリと心が軽くなります。旅をしていると、人の優しさに出会って感動したり思わぬ失敗をしたり、泣きたくなるシーンに遭遇することが少なくありません。だから、と寺田さんは呼びかけます「日常生活で我慢し、押し殺していたストレスを発散するために、旅に出よう。たくさん涙を流してイヤなことをリセットし、また前を向いて新しい一歩を踏み出そう」と。そうして寺田さん自身が実践してきた長年の「涙旅」の中から、計24のドラマが本書で紹介されています。

30分ほど読み進め、いまちょうどオーストラリアのシドニー編にさしかかっています。ここまですでに、7つの国の7つの都市での物語を読み終えました。異国の地で、別の国の逸話に浸るというのもちょっぴり不思議な気持ちです。

時計を見ると、今回の取材に同行している写真家との待ち合わせの時間まで、あと20分。もう少し読んで、寺田さんの「涙旅」をさらに3都市くらい体験してから、シドニーの街歩きを再開したいと思います。

Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら新聞・雑誌、Web媒体などにレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『これだけは知りたい旅客機の疑問100』『ボーイング787まるごと解説』(ソフトバンククリエイティブ/サイエンスアイ新書)や『航空大革命』(角川oneテーマ21新書)など著書多数。

Logo_MakotoStyle_Tittle.jpg
Contact
仕事依頼などの相談・問い合わせはお気軽にどうぞ。当Blogへのご意見・ご感想もお待ちしています。下のフォームをクリックして画面を呼び出し、ご記入のうえ、送信してください。後ほど連絡させていただきます。

Form
Books











About Link
Blog『雲の上の書斎から』はリンクフリーです。必要に応じて以下のお好きなバナーをご使用ください。リンクされた場合は上記 Contact Formよりご一報いただけますと嬉しいです。