2013年12月08日

コサの人たちを思う

 
南アフリカ・東ケープ州のイーストロンドンを拠点にコサと呼ばれる民族の住む村々を取材したのは、今年の3月でした。観光地ではなく一般の人たちの暮らしを訪ねるので、無遠慮にずかずかと入っていくわけにはいきません。同行してもらった現地ガイドに、まずは村の長老との交渉を依頼。その結果、私の訪問に対して村の人たちから歓迎の意が示されました。


コサ族の人たちは、コサ語という独特の土着言語を話します。特徴は、口の中で大きく舌打ちするような破裂音。みんなコロコロ音をさせるので、最初は何だろうと思ったら、それがここの人たちの話し言葉でした。事前にガイドからレクチャーを受けたものの、日本人にはうまく真似できません。それでも「モロウ(おはよう)」と「エンコーシ(ありがとう)」という二つを暗記し、食事をご馳走になったときには「ンマンディ(おいしい)!」とお礼の気持ちを伝えようと頭に叩き込みます。そして実際にそれらの言葉を使ってみたら、年配の人も子どもたちも、みんな嬉しそうに私の手を取ってくれました。

村の人たちのコロコロという笑い声が、いまも耳から離れません。そんな彼らがいま、深い悲しみに包まれていると思うと、胸が締めつけられます。反アパルトヘイト(人種隔離政策)運動の象徴となった南アフリカのネルソン・マンデラ元大統領が5日夜、家族や友人に看取られて95歳で永眠。彼もまた、コサの出身でした。

マンデラ氏の埋葬式は12月15日、彼が少年時代を過ごした東ケープ州のクヌで行われる予定です〔写真はヨハネスブルクのネルソン・マンデラ・スクエアに建つ元大統領の像。高さが6メートルもあります〕。

S.Akimoto at 17:05│中東・アフリカの旅 
Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各媒体にレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『飛行機はなぜ、空中衝突しないのか?』(KAWADE夢文庫)『羽田空港のひみつ』(PHP新書)『これだけは知りたい旅客機の疑問100』(SBクリエイティブ/サイエンスアイ新書)など著書多数。

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