2013年11月24日

鉄道で国境越え

 
若いころ、ヨーロッパを放浪しながら、鉄道での“国境越え”をいつも楽しみにしていました。国境の駅のホームはとても長くて、その一番手前に列車が止まると、乗客はパスポートを持って一度降りるよう指示されます。ホーム中央にある駅舎は入国審査場になっていて、パスポートを持って駅舎の手前入り口から入り、入国審査を済ませて奥の出口へ。すると列車は少し前に移動していて、また同じ車両に乗り込みます。


いまでもヨーロッパ鉄道旅は大好きですが、正直言って最近は国境を越えた感激がありません。EU(欧州連合)という一つの括りで統合されてからは、域内の多くの国々を入国審査なしで行き来できてしまうし、国境を越えるごとに通貨を両替する必要もなくなりました。もちろん、そのぶん便利にはなったのですが。

あのころの旅はよかったなあ、と誰かに伝えても、そんな私の思いが相手に響くことも少なくなりました。便利さの前には、一人の旅人のノスタルジーなどお呼びでないのでしょうか(笑)。ちょっぴり淋しく感じていたら、先ほど素敵な一文に遭遇しました。産経新聞デジタルで昨日の夕刻にアップされた『江藤詩文の世界鉄道旅』という連載コラムです。

今週の彼女の鉄道コラムでは、ドイツからスイスに入った国境の街シャフハウゼンでのひとこまが旅情豊かに描かれています〔写真はfacebookへのアップ分とともに著者本人の提供〕。読んでいて思わず「そうそう!」と呟いてしまいました。列車を乗り継ぎながら、いくつもの国を当てもなく旅していた当時が懐かしくよみがえります。毎週土曜日に更新されるこの連載コラム──ちょっと疲れたときとか、気持ちが張りつめたときにでも読んでみてください。心がほっと解放されるようで、おすすめです。

S.Akimoto at 02:17│ヨーロッパの旅 
Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各媒体にレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『空を飛べるのはなぜか』『これだけは知りたい旅客機の疑問100』(サイエンスアイ新書)『羽田空港のひみつ』(PHP新書)『ANAとJAL──こんな違いがあったのか』『飛行機はなぜ、空中衝突しないのか?』(KAWADE 夢文庫)など著書多数。

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