2013年11月04日

オートパイロット

 
米連邦航空局(FAA)が離着陸時でもスマートフォンなどの電子機器の使用を認める規制緩和案を発表したことについて、先週金曜日のNHKのニュース番組『NEWS WEB』で解説し、さらに誠Styleの連載『“飛行機と空と旅”の話』でも緊急寄稿しました。この問題に対する関心は予想以上に高いようで、記事にも多くの反響が寄せられています。


これまで電子機器の使用を禁止していた理由として、記事では「旅客機のオートパイロット(自動操縦システム)は受信する電波などに多くを頼っているのに対し、携帯電話などから発信される電波は本来受信すべき電波を妨害しコクピットのコンピュータを誤作動させる恐れがあるとされてきた」という趣旨のことを書きました。詳しくは誠Styleの記事をご覧いただくとして、今日はその「オートパイロット」について取り上げます。

オートパイロットは「APS(自動操縦装置)」「ATS(自動推力調整装置)」「INS(航法装置)」などを統合したシステム。近年はコンピュータ技術の発達で、オートパイロットに任せられる範囲もぐんと広がりました。離陸さえしてしまえば、あとは上昇して水平飛行に移り、目的地の空港への進入まですべてオートパイロットで行うことができます。では、このままテクノロジーの進化が進むと、いずれは離着陸もオートパイロットが代行し旅客機のコクピットは“無人化”するのでしょうか?

軍事目的では「無人偵察機」が実用化されているものの、民間機でコクピットにパイロットがいない機体が飛ぶことはありえない──航空機メーカーやエアライン各社の間ではそんな意見が多数派を占めるようです。技術がどれだけ進歩しようと、機体や操縦システムに予期せぬトラブルが発生する可能性はゼロではありません。操縦はコンピュータに任せても、そのシステムを監視するのはやはり人間の目です。飛行計画に基づいてコンピュータにデータを入力するのもクルーの役割ですし、天候の急変によってときには飛行計画そのものをクルーの判断で見直さなければなりません。自動での着陸も現在は可能になっていますが、ただ機会任せにしておけば安全だと考えているパイロットはいないようです。

Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各媒体にレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『飛行機はなぜ、空中衝突しないのか?』(KAWADE夢文庫)『羽田空港のひみつ』(PHP新書)『これだけは知りたい旅客機の疑問100』(SBクリエイティブ/サイエンスアイ新書)など著書多数。

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