2013年10月12日

跳べ! 世界へ

 
生まれは旧東独の東ベルリン。そう聞いただけで、波乱の人生だったろうなと予感させます。幼いころの一番古い記憶──かすかに思い返せるのは3歳のときに見たベルリンの壁で、彼女の小さい頭のなかに「どんなことがあってもあの壁の向こうに行っちゃいけない。行けば殺される」ということが叩き込まれました。


その「彼女」とは、南太平洋の楽園フィジーとの国際交流活動などのNGOボランティアに従事する佐藤真由美さん。私の古い友人です。医師だった祖母の勤務地だった東ベルリンで生まれた佐藤さんは、4歳で文化大革命下の中国に移住し、その後はアメリカで航空工学と心理学を学びます。大学を卒業してからはアメリカン航空を皮切りに、ヴァージンアトランティック航空、エア・パシフィック航空(現フィジー・エアウェイズ)などのエアラインで活躍しました。まだ東独で暮らしていた頃、国際線の機内で会った亡命者とおぼしき少女に「国から逃げるの」と言われ、飛行機は「人生を救う乗り物だ」と思ったことが航空の世界に身を投じたきっかけだったといいます。

私が佐藤さんと知り合ったのは、彼女がエア・パシフィック航空の日本オフィスに勤務していた時代でした。しかしエア・パシフィック航空は、2009年3月で日本路線を撤退し、東京のオフィスを閉鎖。すると佐藤さんはこんどは国連に職を求め、国連職員としてアフガニスタンへ渡ります。「アフガニスタンでは、クルマを武装集団に襲われて同僚3人が死亡した」という報告も聞きました──。

そんな佐藤さんの波乱に満ちた人生が丸ごと、彼女初の著書である自伝『跳べ! 世界へ──エアラインから国連、国際NGOへ』(解放出版社)につづられています。現在も国際NGOのボランティア活動で忙しい日々を送る彼女から先日、同書が届きました。「久しぶりにお会いして、世界の話がしたいです」という手紙が添えられて。9月はほとんどをアメリカ取材に費やし、なかなか時間がとれませんでしたが、その執筆作業もようやく終わりました。なので、佐藤さん──近々ぜひ!

Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各媒体にレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『飛行機はなぜ、空中衝突しないのか?』(KAWADE夢文庫)『羽田空港のひみつ』(PHP新書)『これだけは知りたい旅客機の疑問100』(SBクリエイティブ/サイエンスアイ新書)など著書多数。

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