2013年07月23日

空港は“海”を目指す

 
海の上でゆっくりと旋回し、少しずつ高度を落とし始めます。着陸が近いのかなと思って窓から外を見ても、眼下に広がるのは凪いだ海面と、波間にぽつりぽつりと浮ぶ船が小さく見えるだけ。それから何分かすると、やがて前方に滑走路が姿をあらわしました。


日本には海の上に建設された“海上空港”が少なくありません。大阪湾に浮かぶ関空国際空港も、愛知県知多半島沖に造成されたセントレアもそう。空港はなぜ“海”を目指すのでしょうか? 理由の第一は、騒音問題の解消です。発着する旅客機を空港の近くで真下から見上げた経験のある人は、きっとあの爆音に驚いたと思います。ですが海の上なら、旅客機は24時間いつ離着陸しても大丈夫。海上に空港をつくることで、騒音を住宅地から遠ざけることが可能になりました。滑走路が24時間使用できれば、外国から乗り入れる航空便が増え、日本からの海外旅行もより便利になります。

そうでなくても国土の狭い日本では、もう大都市周辺に新しい空港をつくるのが難しい。そこで、大手の鉄鋼メーカーなどを中心にメガフロート(超大型浮体式構造物)技術の開発に早くから積極的に取り組みが進められてきました。海洋開発技術に関しては、日本は諸外国に比べてかなり進んでいます。

ところで、日本で最初につくられた海上空港はどこか、ご存知ですか? 答えは──長崎空港です。急な用事があり、JAL便で久しぶりに往復してきました。写真でご覧のように、大村湾に浮かぶ島とその周辺を埋め立てて造成されたこの空港は、1975年に開港。日本初であるばかりか、世界でも一番最初の海上空港として知られています。

S.Akimoto at 22:55│世界のエアポート 
Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら新聞・雑誌、Web媒体などにレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『これだけは知りたい旅客機の疑問100』『ボーイング787まるごと解説』(ソフトバンククリエイティブ/サイエンスアイ新書)や『航空大革命』(角川oneテーマ21新書)など著書多数。

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