2013年07月02日

“香港人”の訴え

 
6月中旬に訪れた香港についてのレポートを、週明けから書き進めています。香港といえば、英国から中国に主権が返還されて、7月1日で丸16年。返還後も“高度な自治”が保障されてきた「一国二制度」がここへきて揺れている様子で、昨日は香港島の中心部で親中派の梁振英行政長官の辞任を要求する大規模デモがあったと、現地在住の知人から報告が届きました。


台風の接近でときおり強い雨が降り注ぐ通りをデモ行進した参加者の数は、主催側の発表では43万人。「梁振英(長官)は即刻辞任しろ」「香港民主社会を守れ」といったスローガンが掲げられ、一部でデモ隊と警官隊がもみ合うシーンも見られたそうです。

問題の発端は、CIA(米中央情報局)の元職員で香港に潜伏していたエドワード・スノーデン氏の扱いをめぐる対立でした。スノーデン氏が香港にいた時期にちょうど私も滞在していたのですが、現地ではあまり騒ぎになっていた印象はありません。しかしその後、香港政府は犯罪人引き渡し協定を結んでいるアメリカの要求を退け、同氏を第三国に出境させたことから民主派の市民は「中国政府による露骨な政治介入だ」と猛反発。それが昨日の大規模デモにもつながっています。

写真は、人口密度が世界一と言われ、多くの人で賑わう香港島の湾仔(ワンチャイ)界隈です。私たち旅行者の希望としては、いつ訪ねてもたくさんの元気をもらえる香港でずっとあり続けてほしい。そう知人にメールを返すと、彼からさっそく返信がありました。

「デモに参加した人たちも、植民地時代に戻せと言っているのではないし、ましてや香港独立を求めているわけでもありません。私たちはただ、これまでと変わらない自由な生活を守りつづけていきたいだけ。中国人である前に、香港人としてね」

S.Akimoto at 11:01│アジア・太平洋の旅 
Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら新聞・雑誌、Web媒体などにレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『これだけは知りたい旅客機の疑問100』『ボーイング787まるごと解説』(ソフトバンククリエイティブ/サイエンスアイ新書)や『航空大革命』(角川oneテーマ21新書)など著書多数。

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