2013年06月26日

787の三つのモデル

 
今月初めに米国シアトルのボーイング・エバレット工場を訪ねたとき、ちょうど787-9の組み立てが始まっていました。787-9は、現在世界の空を飛び始めている787-8の胴体を延長したモデル。構想段階から開発が計画されていた3タイプのうちの一つです。広大な工場内をカートで移動していたときに、その垂直尾翼がラインに搬入されていくシーンに遭遇し、カメラに収めました。


787-9の全長は、標準タイプである787-8の56.7メートルに対して、62.8メートルと6.1メートル長く設計されました。設置できる座席数も3クラスで210〜250席の787-8に比べて、同じ3クラスで250〜290席に拡大。航続距離性能も1万4,800〜1万5,750キロに延び、787-8と比較して旅客キャパシティで約16%、航続距離で約3%性能が向上します。787-9のローンチカスタマーであるニュージーランド航空は昨日、2014年から導入する同型機を成田線にも投入すると発表しました。

さて、787にはもう一つ、787-10というモデルの開発も計画されてきました。胴体延長型の787-9のボディをさらに拡大したタイプです。座席数は3クラスで300〜330席ほど。航続距離は標準型の787-8よりも若干短くなり、おそらく1万3,000キロ程度になるでしょう。

私は当初、この三つめのモデルについては「実際には開発されない可能性が高い」という見解を述べてきました。スペックの詳細を見るかぎり、既存の777-300ERと大差がなく、マーケットを奪い合う形になりかねないと思ったからです。ボーイングもその点は慎重に検討を重ねてきたようですが、シンガポール航空ユナイテッド航空などから発注があったことを受けて、今月18日のパリ・エアショーで787-10の正式な開発着手を発表。最終組み立ては2017年から始まり、2018年に最初の1号機が納入される予定です。まだ少し先の話ですが、ローンチを楽しみに待ちましょう。

S.Akimoto at 11:08│航空機&メーカー 
Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各媒体にレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『飛行機はなぜ、空中衝突しないのか?』(KAWADE夢文庫)『羽田空港のひみつ』(PHP新書)『これだけは知りたい旅客機の疑問100』(SBクリエイティブ/サイエンスアイ新書)など著書多数。

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