2013年05月28日

ダナンで逆恨み

 
ホイアンでランタン・フェスティバルの取材を終え、同じベトナム中部の街、ダナンに来ていました。街のシンボルの五行山(ごぎょうざん)が目の前に見えます。別名「マーブル・マウンテン」。案内役の現地ガイドによると、ダナンでは古くからこの山で採れた大理石を使って彫刻がさかんに行われてきたそうです。たいして高い山ではないので、登ってみることにしました。


登り始めて、ちょっぴり後悔しました。階段の一段一段がかなり高く、思っていたより何倍もきつい。アッという間に全身が汗まみれです。やがて大理石の岩肌が見えはじめ、さらに奥へ進んで、岩の裂け目をくぐった先にある洞窟の中へ。絶句しました。いくつもの神仏像がまつられた薄暗い空間が現われ、天井にぽっかり空いた穴から太陽の光が降り注いでいます。その中心部に立ち、天からの光を浴びると、まるで神様から祝福を受けている気分になりました。

いまfacebookにアップした写真とともに、上記のような神秘的な体験を報告して、今日のBlogは終えるつもりでした。ところが、ホテルに戻ってからが一騒動です。死ぬかと思いました。昼間の38度を超す気温のなか、帽子をかぶれというガイドの忠告も無視し、途中の休憩所でのビールがまずくなるからと水分もろくに摂らず強行軍を続けた結果でしょう。シャワーを浴びていたら、突然めまいがして、猛烈な吐き気に襲われました。下痢も始まり、ようやく胃や腸がからっぽになってからも、全身から噴き出す玉のような汗が止まりません。典型的な熱中症の症状です。やがて意識が遠のき始め──本当に死ぬと思いました。

その日は夕食もパスして安静にし、どうにか体調が戻った翌日、五行山の近くを通ったときにクルマから降りて撮ったのが上の写真です。見ていたガイドが「何のポーズですか?」と聞くので、「オレの体力を奪った憎き五行山にパンチを食らわしてるのさ」と私。すると彼は呆れ顔で言いました。「それ、日本語で“”逆恨み”っていうんじゃないですか?」と。はい、おっしゃる通りです。これからの季節、みなさんもどうぞ熱中症には十分にご注意を。

S.Akimoto at 22:45│アジア・太平洋の旅 
Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各媒体にレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『飛行機はなぜ、空中衝突しないのか?』(KAWADE夢文庫)『羽田空港のひみつ』(PHP新書)『これだけは知りたい旅客機の疑問100』(SBクリエイティブ/サイエンスアイ新書)など著書多数。

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