2013年03月26日

高翼プロペラ機

 
デハビランド・カナダが開発したモデルをベースにボンバルディアが受け継いで進化させたDHC-8は、旅客機では珍しいボディの上部に翼をつけた“高翼”のプロペラ機です。その基本型がQ100と呼ばれるタイプで、日本ではローカルな都市と都市や離島を結ぶ路線などで活躍してきました。


同機種を使用している1社が沖縄の琉球エアーコミューターです。同社は、たとえば那覇から350キロほど東の太平洋上で距離にしてわずか12キロしか離れていない南大東島と北大東島を行き来する路線などでこのDHC-8-Q100を運航。これは“日本一距離の短い定期便”として知られています。

DHC-8にはこのQ100のほか、ボディの長さが異なるQ300/400などのタイプがあります。基本型のQ100は全長22.3メートルで39人乗り。Q300はQ100のボディを3.4メートル延長して50人乗りに、Q400はそれよりもさらに7.1メートル長いDHC-8シリーズの最長タイプで74人乗りです。いまからfacebookに写真をアップしますが、先週終えた南アフリカ取材で私は久しぶりにQ400でのフライトを満喫しました。

運航していたのは、南アフリカ航空の国内ローカル路線を担うSAエクスプレスです。ヨハネスブルグからクルマで6、7時間かけてたどり着いたクルーガー国立公園に近いホエドスプルート空港から、約1時間のフライトで再びヨハネスブルグに戻りました。

DHC-8-Q400は高翼機のためボディの地上高が低く、空港での乗り降りもラクラク。また実際に利用してみると、プロペラ機でありながら静かで快適です。シリーズ名のQは「Quiet」の頭文字で、設計に際しては騒音と振動を抑制する技術を駆使して居住性を向上させました。窓よりも高い位置に翼があるので、上の写真のように視界が遮られることもありません。一般のジェット機に比べて半分程度の低高度からアフリカ大陸の景観を存分に楽しみました。

Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各媒体にレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『飛行機はなぜ、空中衝突しないのか?』(KAWADE夢文庫)『羽田空港のひみつ』(PHP新書)『これだけは知りたい旅客機の疑問100』(SBクリエイティブ/サイエンスアイ新書)など著書多数。

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