2013年02月20日

プライスレス

 
世界中のLCCを過去に利用してきましたが、ひと口にLCCと言っても簡単に括ることはできません。中身は各社各様です。昨日、成田から台北経由でシンガポールまで新しいLCCスクートのフライトを体験してみて、改めてそう思いました。スクートはいい意味で、これまでのLCCのイメージを払拭するキャリアだと思います。


成田での出発は、搭乗手続きやゲートでのハンドリングをJALに委託しているため、第2ターミナルから。LCCごとに異なるチェックイン施設が混在するなか、大手キャリアと同じ国際線出発カウンターを使用しているので、初めてでも迷う心配はありません。この日の搭乗ゲートはサテライト側の98番で、ボーディングブリッジを通ってそのまま機内に入れるのも他のLCCとは違います。そしてキャビンに一歩、足を踏み入れると、ボーイング777という機材の優位性を実感できました。

キャビンは2クラス制で、エコノミークラスは横1列が3-4-3のレイアウトで370席を配置しています。LCCの“定番”ともいえる単通路型のエアバスA320などに比べ、シートピッチ(座席の前後間隔)はゆったり。さらに基本のスタンダードシート(ブルーのシート)のほか、シートピッチを広くとったスーパーシートや非常口横の足もとスペースに余裕のあるストレッチシート(黄色のシート)を、それぞれわずかな追加料金で指定することもできます。

パイロットやキャビンクルーの訓練は定評あるシンガポール航空の施設で受けているせいか、乗客への対応も行き届いていました。スクート全体で約300名いるCAのうち、現在14名の日本人クルーが在籍。昨日利用したTZ201便のキャビンクルーは9名で、チャンギ空港到着後に乗客が降りるのを待ってみなさんで記念撮影を──そんなリクエストにも全員で協力してくれました。LCCなのでエコノミークラスでの食事などは希望する人が有料で購入することになりますが、クルーたちの笑顔にはもちろん追加料金はかかりません。日本から台北やシンガポールへ、そしてシンガポールを経由してアジアやオセアニアの各都市へ。黄色と黒のユニフォームに身を包んだクルーたちの“プライスレス”なサポートを受けながら、一度実際に飛んでみるといいと思います。

S.Akimoto at 13:16│世界のエアライン 
Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各媒体にレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『空を飛べるのはなぜか』『これだけは知りたい旅客機の疑問100』(サイエンスアイ新書)『羽田空港のひみつ』(PHP新書)『ANAとJAL──こんな違いがあったのか』『飛行機はなぜ、空中衝突しないのか?』(KAWADE 夢文庫)など著書多数。

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