2013年02月06日

サルの空中散歩

 
“空の旅”をメインテーマとするこのBlogで、鉄道の旅の報告が続いています。「そろそろ航空の話題を」という声も届いているのですが、もうしばらく我慢していただき、今日はオーストラリア取材の起点となったケアンズのキュランダ鉄道とスカイレールの話──。


ケアンズといえば、中心部から世界遺産のレインフォレスト(熱帯雨林)を抜けて標高328メートルの終着駅までを1時間45分かけて結ぶキュランダ鉄道が人気です。その写真を、まずはfacebookにアップしました。キュランダ鉄道は、現在はもっぱら観光用として利用されています。けれどももともとは、山を越えたハーバートンでスズを採掘する鉱夫たちのために敷かれたもの。エンジと白に塗り分けられた19世紀後半の木造列車は、キュランダ駅をめざしてゴトゴトとゆったりした速度で登ってゆきます。途中、サトウキビ畑を抜け、いくつものトンネルを通過し、ストーニークリークの滝やバロン渓谷などの絶景を心ゆくまで満喫しました。

そして帰路は、鉄道ではなく、世界遺産の風景を空中から壮大なパノラマで楽しめるロープウェー「スカイレール」を利用します。そこで思いがけないサプライズが待っていました。せっかく取材に来たのだから──と、現地の観光局の方々が私たちのために、特別に“取材用ケージ(カゴ)”を用意してくれていたのです。上の写真が、その取材用ケージ。ご覧ととおり、柵だけのオープンな作りのゴンドラで、囲いがありません。万が一にも落下事故などのないようにと腰とゴンドラ中央部をセイフティ・ハーネス(命綱)でつながれ、現地のスタッフに「さあ、これで大丈夫。存分に撮影してください」とレインフォレストを眼下に見おろす空中散歩に送り出されました。

現地から「記念に」と送られてきたこの写真を、同行したトラベルライターの江藤詩文さん(しゃがんでいる左の奥)と写真家の倉谷清文さん(同中央)にもさっそく転送してやりました。すると江藤さんから「私たち、まるで檻に捕らえられた3匹のサル──」とメールの返信が。うん、たしかに。

S.Akimoto at 00:25│アジア・太平洋の旅 
Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各媒体にレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『空を飛べるのはなぜか』『これだけは知りたい旅客機の疑問100』(サイエンスアイ新書)『羽田空港のひみつ』(PHP新書)『ANAとJAL──こんな違いがあったのか』『飛行機はなぜ、空中衝突しないのか?』(KAWADE 夢文庫)など著書多数。

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