2013年01月22日

スタッガード

 
ビジネスクラスのシートの進化が止まりません。大型機ではかつて、二つの通路をはさんで横1列が2席ずつ、計6席という“2-2-2”配置が一般的でした。しかしこのレイアウトだと、窓側のシートの人が通路に出るのにひと苦労。そこで登場したのが、窓側は1席ずつ、通路にはさまれた中央席が2席並びという計4席というレイアウトです。


けれども“1-2-1”配置だと必要な席数を確保できないため、対策として進行方向に向かってシートを斜めに配置するレイアウトが考えられました。“1-2-1”配置ながら前後の間隔を詰めて席数を増やすこのスタイルはエア・カナダニュージーランド航空ヴァージンアトランティック航空などで採用され、魚の骨のような形であることから「ヘリボーン型」などと呼ばれています。

ヘリボーン型のレイアウトは、乗客によって好き、嫌いがはっきり分かれるようです。全席が通路に面しているのは便利なのですが、斜めに座るので、ちょっと立ったときなど通路越しに隣の乗客とどうしても目が合ってしまう。その気まずさが嫌だ、という意見もこれまで何度か聞きました。

そんななかで最近、ブームになりつつあるのが「スタッガード型」よ呼ばれるシート配置です。スタッガードとは、英語で「互い違いの」「ジグザグの」という意味。その名のとおり、シートが前後に互い違いにレイアウトされ、前向きでかつ“1-2-1”の4席でも十分に席数を確保できるよう設計されました。ANAをはじめスイスインターナショナルエアラインズエミレーツ航空アリタリア-イタリア航空などの新しいビジネスクラスに採用されています。上の写真は今年の元日フライトで取材したタイ国際航空のエアバスA380に搭載しているビジネスクラス・シートで、やはりスタッガード型でした。

ペアで乗る場合は中央の隣合わせの席〔写真下〕がぴったりで、一人で乗るなら窓側ソロシートの、物置テーブルが通路側でシートが窓側にある席〔写真上〕がプライベート感が高くてベスト。本当に落ち着きます。前の席の物置テーブルの下に足が伸ばせるようにできていて、就寝時には快適なフルフラットベッドになりました。いまイチオシのビジネスシートといえそうです。

Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各媒体にレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『飛行機はなぜ、空中衝突しないのか?』(KAWADE夢文庫)『羽田空港のひみつ』(PHP新書)『これだけは知りたい旅客機の疑問100』(SBクリエイティブ/サイエンスアイ新書)など著書多数。

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