2013年01月11日

トラブル続発

 
年明け早々、目がまわっています。仕事始めの1週間は書き物に集中するつもりでしたが、ボーイング787のトラブルが相次ぎ、予定が狂いました。米国ボストンで7日、JALの787のAPU(補助動力装置)用バッテリーから発火し、翌8日にはやはりJAL機(機体は別)の燃料タンク配管部分の不具合で燃料漏れが発覚。それらのトラブルについて急きょラジオ番組に出演してコメントし、終わって執筆作業に戻ったら、飛び込んできたのがANAの787がブレーキ制御システムの故障で山口からの便が欠航になったというニュースです。この件でも、テレビ取材の対応に深夜まで追われました。


とても気になります。「新型機に初期不良はつきものだよ」という人もいますが、それで済む問題でしょうか。家電製品やPCなどの場合は「新製品が出てもすぐに飛びつかず、初期不良が出尽くしてきちんと改善された時期に買え」という意見があります。ですが、航空機の初期不良を容認することはできません。たくさんの乗客を乗せて飛行中に「初期不良が見つかったので止めますね」というわけにはいかないですから。

開発が3年遅れ、マスコミも「夢の旅客機は夢で終わる?」という論調で騒ぎはじめたとき、私は「787は従来の旅客機とはまったく違う、ある意味では未知へのチャレンジだ。だから予期せぬトラブルがあるのは当たり前。開発の遅れをとやかく言うべきではない」とボーイングを擁護してきました。その一方で、ボーイング側にはこう伝えてきたのです──「待つ代わりに、完成品は100%完璧な形で納入してほしい」と。

787にとって、これからが世界の空を飛び始める大事な時期です。トラブルが続いている事実は、事実としてしっかり受け止めなければなりません。「今後の運航にはまったく問題ない」などという根拠に乏しい発言は慎んで、メーカー(ボーイング)もユーザー(エアライン)も一致協力して原因究明に取り組み、その結果「何が理由でどの部分にどんな不具合が発生し、どういう形で対応したか」をすべてオープンにしていくことが必要でしょう。それなくして、利用者の信頼をつなぎ止めることはできないと思います。

今日──1月11日の夕方、ANAの787による成田/サンノゼ線が新規に就航します。その記念セレモニーなどを取材するため、私も午後から成田に向かいます。

Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各媒体にレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『飛行機はなぜ、空中衝突しないのか?』(KAWADE夢文庫)『羽田空港のひみつ』(PHP新書)『これだけは知りたい旅客機の疑問100』(SBクリエイティブ/サイエンスアイ新書)など著書多数。

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