2012年12月20日

事故機のその後

 
あれはちょうど半年前──2012年6月20日でした。北京発の成田行きANA956便が、成田空港着陸の際にハードランディングになり、機体の一部が変形。これは国土交通省により「事故」と認定され、その後は運輸安全委員会による事故の検証が進められます。956便で運航していたのはボーイング767(レジ番号=JA610A)で、ANAは当局の調査に全面協力しながら、社内でも原因究明や再発防止のための取り組みを継続してきました〔写真は、北京空港で撮影したANAの767〕。


じつは今日、ANA広報から「事故機(JA610A)の必要な修復・整備作業を実施し、定められたすべての検査・確認が完了。そのことをホームページでも報告しています」と連絡がありました。同機材は12月26日より成田/上海線で運航を再開し、その後はアジア地区の国際線を中心に使用していく予定だそうです。

これを聞いて、読者の中には「え、事故機をまた飛ばすの?」と不安に思う人もいるかも知れません。ある人は私に「こんなこと、いちいち報告しなくても、6月20日の事故のことすら忘れている人も多いのに」と言いました。ですが私は、情報をきちんとオープンにする姿勢はやはりとても大事だと思います。

事故を起こすこと自体は、もちろん絶対に「ゼロ」に近づけなければなりません。では、アクシデントがあった場合の機体は、どうするのか? 単純に言って、修理できないものは廃棄する、修理できるものは念入りに手をかけて新品に近い形でよみがえらせて再び活用する──その2つの道しかないでしょう。そして後者の場合は、修理・整備を完璧にやり終えたことをきちんとアナウンスする、それも大事です。広報は「この件に関しては、ホームページでご意見やご要望に対応するためのデスクも用意している」と言いました。問い合わせの電話番号なども明記してあります。今後アジア線に乗る予定のある人で、事故後の経緯や機体の状況などに少しでも不安のある人は、何なりと意見をぶつけてみるといいかも知れません。

Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各媒体にレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『飛行機はなぜ、空中衝突しないのか?』(KAWADE夢文庫)『羽田空港のひみつ』(PHP新書)『これだけは知りたい旅客機の疑問100』(SBクリエイティブ/サイエンスアイ新書)など著書多数。

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