2012年12月11日

LCCスクートの戦略

 
オール2階建てのエアバスA380を世界で最初に飛ばし、同機種をネットワークの中心に据えてきたシンガポール航空は、じつはボーイングの最新鋭中型機787もオーダーしています。787を受領したら、どの路線で使うのかな? 就航路線の発表を楽しみに待っていたら、同社の広報から先日「うちでは787は使いません。発注した787はすべて新しい子会社のスクート(Scoot)に譲り渡す」という話を聞きました。


昨日午後、東京・青山で来日したスクートのキャンベル・ウィルソンCEO〔写真左端〕の会見が開かれ、私も出席してきました。ウィルソン氏の直接の言葉で、上記のことの確認がとれています。

スクートは、シンガポール航空100%出資のLCCとして2011年に設立され、今年6月にシンガポール/シドニー線で運航を開始。その後はオーストラリアのゴールドコーストやタイのバンコク、中国の天津などに路線を拡大し、10月29日にはシンガポールから台北経由で成田にも就航しました。

シンガポール航空グループでは、すでにタイガーエアウェイズというLCCが活躍しています。ですがタイガーエアウェイズは短距離路線が中心で、それに対してスクートは中距離路線を専門に担当。そのためLCCでは珍しく、400席クラスのボーイング777-200を使用してきました。787の1号機は2014年第4四半期に受領する予定で、翌2015年には777-200をすべて787に切り替えます。従来機種より燃費を20%節約できる787は、中距離でも長距離でも威力を発揮する万能型の戦略機種であり、これによってスクートは世界に翼を広げていくことが可能になるでしょう。ウィルソン氏は「日本でも成田以外に3都市への就航を目指したい」とコメントしました。LCCスクートの登場で、日本からの旅の選択肢がますます増えそうです。

S.Akimoto at 00:30│世界のエアライン | 就航路線
Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら新聞・雑誌、Web媒体などにレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『これだけは知りたい旅客機の疑問100』『ボーイング787まるごと解説』(ソフトバンククリエイティブ/サイエンスアイ新書)や『航空大革命』(角川oneテーマ21新書)など著書多数。

Logo_MakotoStyle_Tittle.jpg
Contact
仕事依頼などの相談・問い合わせはお気軽にどうぞ。当Blogへのご意見・ご感想もお待ちしています。下のフォームをクリックして画面を呼び出し、ご記入のうえ、送信してください。後ほど連絡させていただきます。

Form
Books











About Link
Blog『雲の上の書斎から』はリンクフリーです。必要に応じて以下のお好きなバナーをご使用ください。リンクされた場合は上記 Contact Formよりご一報いただけますと嬉しいです。