2012年10月22日

カルガモの親子

 
滑走路に降り立った旅客機がターミナル前のスポットに誘導され、停止すると、普段あまり見かけることのないさまざまな形をした車両が集まってきます。それはまるで、お菓子に群がるアリのよう。福岡から東京への帰り、帰国便の搭乗までちょっと時間があったので、展望デッキに出て次々と舞い降りてくる機体撮影の合間に空港で働く特殊車両にも注目してみました。


主翼の下までやってきて止まったのは給油作業車で、スルスルっとホースを伸ばすと、主翼にある燃料タンクの給油口に接続。担当スタッフがレバーを操作し、燃料の給油作業が始まります。電源を供給するグランドパワーユニットや、機体のタンクから汚水を抜き取るラバトリーカー、機内で乗客にサービスする軽食や飲み物などを積んだケータリングカーも同時に作業を開始しました。

機体の胴体部分に目を移すと、そこでは機内に積んだ貨物や乗客が預けた荷物を下ろす作業にスタッフが汗を流しています。貨物室から大きなコンテナを引っぱり出すのはカーゴローダーの役割で、装備されたリフトを使って手際よく地上に下ろされていきました。機体後方では、乗客の預けた荷物を貨物室から下ろすベルトローダーも活躍しています。幅の広いゴム製ベルトが回っていて、そこに荷物を一つずつ乗せて地上に下ろすと、それらの貨物や荷物はコンテナトラックに積み替えられて旅客ターミナルへ。

「あれ、カルガモの親子みたいだね」

以前、ターミナルの待合室からお母さんといっしょに作業の様子を眺めていた小学生ぐらいの男の子が、コンテナトラックを指さして言ったのを思い出しました。いくつものコンテナをつなげて空港内を走り回るその姿は、なるほど、一列に並んで行進するカルガモ親子の行列です〔写真〕。先週の土曜日、福岡空港でそんなシーンを眺めながら、秋晴れの午後のひとときをのんびり過ごしました。

S.Akimoto at 09:29│エアポート 
Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各媒体にレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『空を飛べるのはなぜか』『これだけは知りたい旅客機の疑問100』(サイエンスアイ新書)『羽田空港のひみつ』(PHP新書)『ANAとJAL──こんな違いがあったのか』『飛行機はなぜ、空中衝突しないのか?』(KAWADE 夢文庫)など著書多数。

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