2012年06月29日

笑う、パンダ

 
成都市内からクルマで2時間半ほどかけ、雅安(があん)にあるパンダ保護研究センターへ。ここでは絶滅が危惧されるパンダたちが、約72万平行メートルという自然の地形を利用した広大な敷地で放し飼いの状態で飼育されています。目の前でじゃれ合う姿などを観察しようと、この日も世界中から観光客が訪れていました。


観光客のお目当ての一つが、子どもパンダと並んで記念撮影ができるアクティビティです。しかし、わずか20秒ほどの撮影で、値段が1,000元(約1万3,000円)とべらぼうに高い! 誰がそんな高いお金を払うのだろうと思いきや、今回の取材に日本から同行している一人、私と親しいフリージャーナリストの横井弘海さんは「私も絶対にやる!」と到着前から宣言していました。

ならば、ということで、私が撮影を担当することに。横井さんの前に何人もが列をつくっています。カメラマン役を買っては出たものの、本当に20秒程度でどんどん交代させられるのを見て、だんだんプレッシャーがかかってきました。この一瞬のために彼女が1万3,000円も出しているのに、失敗したらどうしよう──と。そこで順番を待つ間に、他の人たちがパンダに寄り添っているシーンでもひそかにシャッターを切り、練習していました。けれど、気まぐれのパンダは笹を食べるのに夢中で、まったく正面を向いてくれません。いよいよわれわれの番が来て、限られた時間内で何枚も夢中で撮りました。そして、撮影し終えた画像をあとで横井さんとともに確認してみると、そのうちの1枚に奇跡が!

どの写真もやはりパンダはそっぽを向いているのに、その1枚だけは肩に手を回す横井さんに答えるように、カメラに目線をくれているのです。しかも、その表情がじつに愛くるしい。パンダも、笑うんですね。

S.Akimoto at 06:49│アジア・太平洋の旅 
Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各媒体にレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『空を飛べるのはなぜか』『これだけは知りたい旅客機の疑問100』(サイエンスアイ新書)『羽田空港のひみつ』(PHP新書)『ANAとJAL──こんな違いがあったのか』『飛行機はなぜ、空中衝突しないのか?』(KAWADE 夢文庫)など著書多数。

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