2012年06月06日

スカイマークの波紋

 
思わぬ波紋が広がっているようです。格安運賃で空の旅を提供しているスカイマークが利用者への対応方針を文書で示した「サービスコンセプト」に対し、消費生活センターがその文書の回収などを求めて抗議。さて、この一連の騒動をどう見るか? 私もアメリカとドイツ取材から帰国したばかりで、まだ状況がうまくつかめていません。しかし昨日今日と「これって、どうなのですか?」という質問が集中しているので、先ほどテレビ朝日の取材に応じました〔写真はイメージ〕。


乱暴な言い方をすると、「LCCとはそういうもの」です。そうやって“サービス”の部分をカットすることでコストを抑え、LCCは格安運賃を実現してきました。欧米では、出発が遅れて4時間も5時間も待たされても、誰も何も説明してくれません。

ただし、欧米では成功しても、そういうLCC流のビジネスがはたして日本の市場にどこまで定着するのか? 私はそのことを指摘してきました。日本人にとって空の旅は特別で、単なる「移動」とはなかなか割り切れない。安くても飛行機に乗るんだから、乗務員は親切に対応してよ──と。そんな日本人旅行者に対して「苦情はいっさい受け付けない」というのは、日本の市場を知らなすぎます。しかも「荷物の収納の援助をしない」とか「客室乗務員に丁寧な言葉遣いを義務づけない」といった対応は、決してコストカットに結びつくものではありません。荷物上げを手伝うのも、楽しくコミュニケーションをとるのも、コストとしては「ゼロ円」です。むしろ荷物上げをせっせと手伝ったやったほうが、早く出発できてコスト削減につながるのでは?

まあ、スカイマークがどんな意図で自社方針を文書化したのかは、私にはよくわかりません。そのことはさておくとして、これが乗務員本来の「保安要員」としての役割となると、また話は変わってきます。安全に関わる部分に手を抜くようなことがあれば、それは徹底的に追求されるべきでしょう。パイロットが規定高度より低いエリアから空港へアプローチしたり、指定されたのと違う滑走路に降りてしまったり──スカイマークはここ数カ月でそんな“不祥事”を繰り返してきました。そのことで利用者サイドから釈明を求められたら、これはきちんと真摯に答えなければいけません。

そんなことも含めて、私は先ほど、今回の騒動についてテレビ朝日の取材に答えました。意図するところはちゃんと伝わったかなあ。明日(6月7日)朝8時からの情報番組「モーニングバード」のコーナーでオンエアされるそうですので、興味のある方はどうぞ。

Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら新聞・雑誌、Web媒体などにレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『これだけは知りたい旅客機の疑問100』『ボーイング787まるごと解説』(ソフトバンククリエイティブ/サイエンスアイ新書)や『航空大革命』(角川oneテーマ21新書)など著書多数。

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