2012年06月01日

友との再会

 
6月1日の初就航を前に、昨日はフランクフルト空港に隣接するルフトハンザの整備ハンガーで747-8インターコンチネンタルの機体のお披露目式が開催されました。写真は主翼を真下から仰いだカットですが、とにかく大きい。大型機が4機収納できる巨大ハンガーにはA380も展示され、巨人機の揃い踏みとなりましたが、サイズではA380の引けをとりません。A380よりも長い76.3メートルの全長は、世界一です。


ところで、ルフトハンザの広報部門はエリアごとに担当が分かれていて、日本を含むアジア太平洋地区のヘッドクオーターはシンガポールに置かれています。ドイツからシンガポールに赴任している同地区の広報リーダーで、私と親しいP氏とも、昨日は1年半ぶりに現地で再会。真新しい機体の外周やキャビン内部を案内してもらいながら、仕事のこと、プライベートのことなどをいろいろ話しました。そして、いよいよカウントダウンの始まったファーストフライトのことに話題が移ったときです。

「僕は、明日のフライトには乗らないんだ」と彼はぽつりと言いました。「僕はフランクフルトで、留守番」
「え、どうして?」と私。「別の仕事でも入った?」
「ううん、そうじゃない。席が全部埋まってしまったのさ」

この記念フライトに招待するメディアは、当初は就航地のドイツとアメリカだけを考えていたといいます。ところが、他の国や地域からも取材の申し込みが殺到。そこで数人のジャーナリストを追加で搭乗者リストに押し込んだら、予定していた自分の席がなくなってしまったそうです。

一人でも多くのジャーナリストに感動を味わってもらいたかったからね──そう言いながら、ちょっと淋しそうな表情のP氏。気持ちはとてもよくわかります。そして、追加で無理やり搭乗者リストに押し込んだという他の国のジャーナリストの一人は、間違いなく私でしょう。申し訳ないなあとは思いながら、かといって「じゃあ私は遠慮するから、乗ってきなよ」などと言うわけにもいきません(言う気もないし、笑)。私、頑張るからね。頑張って取材して、日本の読者に747-8インターコンチネンタルの素晴らしさを伝えるね。彼の横顔をちらっと見ながら、私は心の中でそう呟きました。

Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各媒体にレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『飛行機はなぜ、空中衝突しないのか?』(KAWADE夢文庫)『羽田空港のひみつ』(PHP新書)『これだけは知りたい旅客機の疑問100』(SBクリエイティブ/サイエンスアイ新書)など著書多数。

Logo_MakotoStyle_Tittle.jpg
Contact
仕事依頼などの相談・問い合わせはお気軽にどうぞ。当Blogへのご意見・ご感想もお待ちしています。下のフォームをクリックして画面を呼び出し、ご記入のうえ、送信してください。後ほど連絡させていただきます。

Form
Books












About Link
Blog『雲の上の書斎から』はリンクフリーです。必要に応じて以下のお好きなバナーをご使用ください。リンクされた場合は上記 Contact Formよりご一報いただけますと嬉しいです。