2012年03月01日

黒い機体で

 
関空からピンク色のカラフルな機体が2機、相次いで飛び立ちました。朝7時過ぎに最初の1機目が札幌・新千歳へ、そして約20分後には2機目が九州の福岡に向けて。和製LCCの第1号、ピーチの初就航です。書斎で『ニコニコ生放送』のライブ映像を観ながら、その様子を冒頭の1シーンに書き入れ、執筆を進めてきた新著『みんなが知りたいLCCの疑問50』(サイエンス・アイ新書)が校了になりました。すべての文字データと画像データがこれから印刷所にまわり、予定どおり3月15日に刊行になります。


その後、10時過ぎまで別の仕事の書き物をしてからオフィスを出て、現在は羽田空港第2旅客ターミナルに来ています。いまから関空までのフライトで利用するのは、写真の黒い機体。久々のスターフライヤーです。

ピーチについて冒頭で「和製LCCの第1号」と書きましたが、過去に格安運賃で国内市場に参入したエアラインがなかったわけではありません。これから乗るスターフライヤーも、新規参入組の1社でした。1990年代に日本でも航空法の規制緩和が実施されたのを受け、1998年9月に東京/福岡線でスカイマークが、同年12月には東京/札幌線でエア・ドゥが運航をスタート。その後は東京/宮崎線でスカイネットアジア航空が、そして東京/北九州線でスターフライヤーが新たに就航しました。

新興4社は既存大手よりも大幅に安い運賃を打ち出しましたが、迎え撃つANAJALも黙っていません。両社とも競合する路線にのみ同レベルまで割引した運賃を設定。つまり、露骨に潰しにかかりました。立ち上がったばかりの競争相手を、大手が巨大資本を振りかざして土俵から引きずり落とそうというのですから、ひとたまりもありません。結果、エア・ドゥは2002年6月に、スカイネットアジア航空も2004年8月に経営が破綻します。この2社はANAの協力を得て経営再建に着手し、スターフライヤーもANAと提携することで生き残る道を選びました。大手と真っ向から対抗する新興勢力は結局、ただ1社、スカイマークだけになってしまったのです。

さて、そろそろ時間です。関空の展望デッキから送る今日17時からのニコ生「LCC特番」では、そんな方向にも話が発展するかも知れません。1時間30分という長丁場ですし、台本も何もないので、どんな展開になるのか? では、行ってきます!

S.Akimoto at 11:30│日本のエアライン 
Profile

秋本俊二(Shunji Akimoto)

作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各媒体にレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオの解説者としても活動する。『空を飛べるのはなぜか』『これだけは知りたい旅客機の疑問100』(サイエンスアイ新書)『羽田空港のひみつ』(PHP新書)『ANAとJAL──こんな違いがあったのか』『飛行機はなぜ、空中衝突しないのか?』(KAWADE 夢文庫)など著書多数。

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